​​はじめてバイトマニュアル-シニア編 シニアがいきいきと働くためのポイントを徹底解説​

はじめてバイトマニュアル-シニア編 シニアがいきいきと働くためのポイントを徹底解説

定年を迎えた後も、パート・アルバイトで働くシニアが増えています。一方で「高齢だと採用されないのではないか」「働けたとしてもついていけるだろうか」といった不安を感じるシニアの方がいるかもしれません。「老後まで働きたくない」と考える方もいるかもしれません。

アフターコロナの今、日本は圧倒的な人材不足に直面しています。シニアの力に期待し、シニアを積極的に採用する企業が増えています。

アルバイトすると、シニアにとってどんなメリットがあるのでしょうか。どうやってシニアを歓迎する職場を見つければよいのでしょうか。

正社員として長年働いてきたシニアの方にも、これまで働いたことがないシニアの方にも役立つ、はじめてのアルバイトの始め方を解説します。

はじめてのバイトでも問題なし!シニアが活躍できる職場が増えている

シニアでアルバイトをする人が増えています。働く意欲のあるシニアが多いのが要因ですが、シニアを採用したい企業が増えているのも大きく影響しています。なぜ企業がシニアを採用したいのか、まずはその背景を解説します。

企業は人手不足!アクティブなシニアの力がほしい

出生率の低下が続き、若い世代ほど人口が少ない日本。若年層の人口が将来にわたって減っていくため、働く人の数も自然と減っています。特に団塊の世代が現役を退き始めた2007年以降、働き盛りの人の数が大きく減っています。そんな中、働き手の不足を補ってきたのが、女性とシニア世代でした。

昔に比べて健康寿命が延び、歳を重ねても元気に活動するシニア世代。ぜひ手をかしてほしいと、シニアに対する企業からの期待が高まっています。

企業の競争力は、シニアの力で上がる!

人生経験が豊富なシニア世代。たくさんの人と出会い、物事を見聞きし、失敗もしてきています。経験値が生きて、若い世代と比べてコミュニケーションに長けているシニアは多いでしょう。

そんなコミュニケーション力を強みに、同僚とうまく連携したり、お客様のニーズを引き出せたりと、仕事をうまく進められるシニアの活躍が期待されています。

とりわけシニア世代の人口が多い今、シニアがお客様となる場面も多数あります。お客様に喜ばれるコミュニケーションやサービス、商品などのアイディアにシニアの力が生きてきます。

さらにシニアはその豊富な人生経験から、問題の原因を探り当てたり、問題の解決策を考えたりする力がついています。また、さまざまな事態に遭遇しているので、思わぬ事態に直面しても冷静に受け止めて、適切な対策を考え、実行に移すことができます。

突然のクレームや思わぬアクシデントにも冷静かつ的確に対応できるシニアは、職場から重宝されるでしょう。

ここまでに挙げたようなシニアの力を生かして、自社の競争力を高めていきたいと考える企業は少なくありません。

シニア(高齢者)にバイトをおすすめする4つの理由

シニアがアルバイトとして働くのは、企業だけでなく、シニア本人にとってもメリットがあります。シニアにとって働くとどんなメリットがあるのかを解説します。

社会と関わり、役に立てている実感が得られる

子育てが終わり、長年勤めてきた会社から退職すると、自由を感じる一方で、社会とのつながりがうすくなったような寂しさを感じる方もいるのではないでしょうか。

アルバイトなどで短時間でも働けば、社会とのつながりや役に立っているという実感が得られないといった悩みとは無縁になるでしょう。

経済的に余裕ができて日々がより楽しくなる

シニア世代がパートタイムやアルバイトで働くことで、年金以外の収入源が確保でき、経済的な余裕が生まれます。追加の収入があれば、生活費や趣味、レクリエーションに使えるお金も増え、日々の暮らしの彩りが増すでしょう。

自分の経験を若い世代に伝えられる機会をもてる

シニアの豊富な経験や知恵を、働く現場で若い世代に伝えられ、社会に役立てられるようになります。シニア自身にとって、生きがいにもつながるでしょう。

ところで「年配者から経験を教わるなんて、若い人が迷惑なのでは」といった心配をする方がいるかもしれません。しかし必ずしも「ありがた迷惑」となるわけではありません。

というのもシニアの持っている知識、特に生活の知恵や礼儀、常識や人生経験を学んで、自分の力を伸ばしたいという欲求を持つ若年者は少なくないからです。

ただし、経験や知恵の押し売りは避けたいものです。職場で関係を築くうちに、会話の端々やシニアの行動から若者は自ら学びます。「もっと知りたそうだな」「このポイントだけ伝えてあげたらもっとよくなりそうだな」と感じたら、まずはそのポイントだけ伝えてみるとよいでしょう。きっと若者から積極的に質問してくるようになるはずです。

雇用する企業からも、シニアが自分の経験を若い人に伝承したり、ロールモデルとなったりしてもらうことに大きな期待が寄せられています。

健康にも好影響がある

「老後は働かずにゆっくりしよう」という考え方もありますが、働いたほうが健康によい影響があるという報告がいくつも出ています※。

自分のスキルを活かして働けば、やりがいや生きがいを感じられます。年金以外の収入源を確保できれば、経済的な不安も減ります。無理はせず、自分に合った働き方を選べば、心身ともに健康に過ごせるでしょう。

また、健康や家庭の事情などから、「現役世代と同じような働き方はできない」「通院があるから少しだけしか働けない」といった心配もあるかもしれません。

シニアの個別の事情をしっかり受け止めて、働き方の選択肢を幅広く用意する職場が増えています。今までにない短時間のシフトなど、無理のない働き方が選べる時代なので、まずは仕事を探してみて、採用担当者に相談してみてはいかがでしょうか。

※参考:公益財団法人長寿科学振興財団・長寿ネット『高齢期就労の可能性と課題:健康づくりの視点から』(閲覧日:2025/06/25)

シニアが生き生きと働くためのポイント3つ

はじめてのアルバイトでシニアが生き生きと働くには、以下に挙げる3つのポイントをおさえるのが重要です。それぞれのポイントを解説します。

体力や体調を管理し、職場にも適切に共有しよう

シニアが生き生きと働くには、自らの健康を守る努力が大切です。高齢になれば、健康リスクが高まることは避けられません。身体機能の変化から、以前はしなかったようなミスをしてしまい、労働災害を起こすケースもありえます。

健康を守るには、以下の3つのポイントを自分の健康状況や業務内容にあわせて取り組むとよいでしょう。健康状態は職場にもこまめに伝えておくと安心です。

【健康を管理する3つのポイント】

  • 自分の身体機能や健康状況を客観的に把握しましょう。
  • 法定の定期健康診断や特定健康診査は必ずうけましょう。
  • ストレッチや軽いスクワット運動を積極的に取り入れ、基礎体力の維持に取り組みましょう。

※参考:厚生労働省 『労働者に求められる自らの健康を守る努力』(閲覧日:2025/06/25)

会社側でも、シニアに安心して活躍してもらうために、安全な職場づくりに取り組む職場が増えています。ちょっとした段差や掲示物の文字が小さいといった環境が、思わぬケガを招いたりすることをしっかりと理解し、危険を招く環境がないか精査・整備するといった取り組みが進められています。

国も「エイジフレンドリーガイドライン」という安全対策の取り組み指針をつくり、企業の安全対策の取り組みを支援しています。

※参考:厚生労働省『エイジフレンドリーガイドライン』(閲覧日:2025/06/25)

デジタル機器は使ううちに慣れるもの。怖がらずにまずは使ってみよう

多くの職場でデジタル機器が活用され、業務の効率化に役立っています。たとえば出退勤の記録を手書きする場面はぐっと少なくなりましたし、経費精算や申請は端末から行うことが多くなりました。

職場で使われるデジタル機器もさまざまで、スマホやパソコンの操作に苦手意識のある人は、ちゃんと使いこなせるか不安になることもあるでしょう。

でも大丈夫。習うより慣れろという言葉のとおり、やってみると意外に簡単にできるものです。困ったら若い世代に操作方法を教えてもらえば、それがきっかけとなって会話がはずむかもしれません。

新しいスキルが身に着けられると前向きにとらえ、恐れず取り組んでみましょう。

年下のスタッフからの指導を素直に受け止めよう

いかに自分が年上でも、先にいるスタッフがその職場では先輩になります。過去に働いたことのある業界だとしても、新しい職場で働くときは先輩や上司からの指導を素直に受け止めましょう。

シニアは人生経験が豊富なので、先輩スタッフの動きを稚拙に感じることもあるかもしれません。そんなときは「年長者が教える」という姿勢ではなく、「同僚という立場」かつ「若年者を応援しよう」という姿勢で、シンプルに指摘するようにしましょう。

シニアが自律的に行動し、現役世代を支援する姿勢でいることが、職場でお互いに良い関係をつくるうえで非常に重要です。

※参考:岸田 泰則・石山 恒貴『高齢者と若年者が共存する職場のマネジメントの検討―中小企業の経営サイドからの分析』(閲覧日:2025/06/25)

はじめてのバイトでも問題なし!シニアが活躍できるバイトの探し方

シニアを積極的に採用したい企業は増えていますが、高齢からくる特性に理解のある職場をえらびたいもの。特にはじめての業種・職種であれば、慣れるまでのサポートがしっかり整っている職場がおすすめです。

ここからはシニアがアルバイトするなら、職場選びでどんなポイントに注目するとよいのか解説します。

シニアの体力に配慮した環境・業務内容を整えている企業を選ぼう

思った以上に体力が続かなかったり、意外なところでケガをしてしまったりするリスクがあるシニア。先述したとおり、安全対策をシニアも考慮して整備している企業が増えています。エイジフレンドリーの取り組みを行っている職場を選びましょう。

以下に挙げるようなポイントがおさえられている企業は、シニアの安全を配慮できています。企業の公式サイトなどで以下に取り組んでいるか確認してみたり、職場見学をしてみたり、面接のときなどに聞いてみたりするとよいでしょう。

【シニアの安全に配慮できている職場のポイント】

  • 高年齢労働者の対策も盛り込んで、安全衛生対策の基本方針の表明や計画の策定を行っている。
  • 転倒防止のために段差をなくしたり、モノを片付けたりする工夫をしている。
  • できるだけ重いものを人力で運ばない工夫をしている。
  • あぶない場所のマップを作成している。
  • 熱中症対策がとられている。
  • 手元が見やすいよう、適度な明るさがある。
  • 掲示物などの文字が大きく読みやすい。
  • 騒音ができるだけ抑えられており、警報音などが聞き取りやすくなっている。
  • 健康診断などの案内や支援が行われており、健康づくりの支援もされている。
  • 体調不良時に静養できるスペースなどが用意されており、すぐに医療機関を受診できる体制がある。

※参考:中央労働災害防止協会『高年齢労働者の安全と健康確保のためのチェックリスト』(閲覧日:2025/06/25)

多様性を歓迎している企業を選ぼう

さまざまなマイノリティの採用に積極的で、多様性のある人材の確保が重要だと考えている企業も、シニアの就労先としておすすめです。

こうした企業は、多様な背景や個性をもっている人材を理解しようと努め、個々の力を引き出そうと、働き方の選択肢を増やしたり、個人の特性に応じた配置をしたり、先入観なく接してくれたりします。

自分のウィークポイントを不安に思うことなく、シニアならではの力を生かして存分に活躍できるでしょう。

多様性を歓迎する企業は、DEI(ダイバーシティ&エクイティ&インクルージョン)の取り組みに賛同して、積極的なアクションをとっていることが多いです。

職場探しの際には、公式サイトなどで「ダイバーシティ」や「DEI」に触れられているかなどをチェックしてみるとよいでしょう。近年は国を挙げてのダイバーシティ推進も行われており、経済産業省が主体となって「ダイバーシティ経営企業100選」といったコンテストなども開催されています。

バイトルを運営するdip(ディップ)でもDEIに積極的な企業にスポットを当てる取り組み、「dip DEI プロジェクト」を行っています。職場選びの参考にぜひご覧ください。

dip DEIプロジェクト 企業事例やインタビュー記事はこちらから

研修体制が整っている企業を選ぼう

アルバイトやパートは未経験で始める人も多くいます。そんな初心者でもしっかり活躍できるよう、一連の研修プログラムを用意したり、現場でもどんな対処をすべきかしっかりマニュアルが用意されていたりする企業がたくさんあります。

研修体制が整っている職場を探すと、無理なく業務に慣れ、早くから活躍できます。

業務で扱うデジタル端末の操作なども、しっかりサポートしてもらえる職場だと安心ですね。 求人情報や面接の場などで、研修制度の有無や内容、期間などを確認できるので、ぜひこの点も念頭に置いて探してみてください。

自分の経験やスキルが生かせる仕事を見つけよう

職種や業務は未経験でも、これまでに培ってきた自身の経験やスキルを活かせる仕事を選ぶと、活躍できる機会が増えるでしょう。特に人生経験が豊富なシニアは、経験から業務に活かせるスキルをもっていることが多いです。

これまでに就労経験のなかった方でも、生活から得たスキルを業務に活かせるケースはけっこうあります。主婦や子育て、介護やご近所づきあいなどで培われた経験は、仕事にも大いに役に立つものです。これまでの経験を振り返り、自分がどんな場面で強みを発揮できそうか、整理してみるとよいでしょう。

一方で体力は若いころに比べ、衰えてきています。「自分は根性があるからやれる」「昔やっていたから大丈夫」と決めつけず、今の自分の状態と業務がどのようにマッチするのか、という視点を持つことも大事です。

どんな業務に自分の経験が生かせるのかピンと来ない場合は、まずはバイトルの求人情報を見てみたり、職場見学に行ってみたり、面接などで採用担当者と話してみたりするとよいでしょう。

まとめ・はじめてのバイトで新たな人生のステージを拓こう

アルバイトで働きたいと考えるシニアは、年齢を重ねるごとに増えています。一方で、いまは人手不足が深刻な時代、シニアの労働力が社会からも大いに期待され、歓迎されています。

国を挙げてシニアが生き生きと働ける環境の整備が進められており、多くの企業がシニアに活躍してもらうための人事制度や働き方、職場環境の整備に取り組んでいます。

さまざまな世代の仲間と一緒に働けば、新たな視点や情報を得られ、生活に一層ハリが生まれるでしょう。シニアならではの豊かな経験は、若い世代の役に立ちます。

短時間でも働けば、体や頭を使い、多様な刺激を受けますから、さらなる健康増進も期待できます。

バイトルはそんなシニアの仕事探しを応援しています!ぜひバイトルでシニア歓迎の仕事を探してみてください。

【免責事項】本記事は、シニアの就労に関する一般的な情報提供を目的としています。個別の健康状態や労働条件に関するご相談は、かかりつけ医や専門家、職場の担当者へお問い合わせください。

5つのSTEPでキミのバイト応募をサポート!バイトGET完全マニュアル

記事監修
荒武慎一

荒武 慎一(あらたけ しんいち)

社会保険労務士、中小企業診断士

昭和53年同志社大学卒業、富士ゼロックス株式会社を経て平成27年アラタケ社会保険労務士事務所を開設。助成金セミナーを各地で開催し、難解な助成金をわかりやすく解説することで高い評価を得ている。(連絡先:0422-90-9990)

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