女子サッカー界のトッププレーヤー大野選手が初めて話す、アルバイト経験。サッカーではまったく緊張しないという大野選手が、アルバイトでは緊張の連続だった!?
1984年生まれ、神奈川県出身の女子サッカー選手。ポジションはフォワード。 最優秀選手 3回、得点王 4回、ベストイレブン 9回を受賞。日本女子サッカーリーグで歴代トップのゴール数を記録している。今年2月にイングランド女子リーグの強豪クラブ・アーセナルへ移籍。今後のさらなる活躍が期待される。
初めてのバイトは遊園地の売店
接客が不安だった日々
アルバイトをはじめたのは、高校を卒業してすぐです。サッカークラブからの紹介で、読売ランド内の売店で土・日と祝日を除いて約2年、ほとんど毎日働かせてもらっていました。ヤキソバや揚げ物、ソフトクリームなどを作ったりもしましたが、一番きつかったのは、なんといっても接客です。フィールドに立つのとは違って最初は毎日が不安の連続でした。サッカーでは、全然緊張しないんですけどね(笑)。そんなわたしに、一緒に働いていた先輩の女性が、仕事の流れやお客様がいるときといないときとでの気持ちの切り換え方などを優しく教えてくれたんですね。その人がいたことで、どれだけ安心して働けたかわかりません。今でもその人のことはとても感謝していて、お礼をしたいと思っています。
また、遊園地は休日が混むのですが、わたしは休ませてもらっていたので、その分休日明けの店の掃除は、ピカピカになるまで頑張りました(笑)
自分に合ったバイトが見つかる!
特徴から仕事を探すクラブハウスのグッズショップで
サポーターと距離を縮める
次に働いたのは、クラブハウス内のグッズショップです。まず大変だったのは、選手の方々の名前を覚えることでした(笑)。また、グッズショップは基本的にサポーターの方々が集まる場所なので、試合結果やチームの近況なんかをよく聞かれるんですね。だけど、そうした特別な情報をわたしたちスタッフが持っているわけではなかったので、自分たちで調べたり、お客様から預かったファンレターやプレゼントを選手や関係者の方に届けたりと、ショップ以外での仕事もいろいろあったんです。お客様のなかには「そんな激レアどこで手に入れたの?」って思わず聞きたくなってしまうような貴重なカードを見せてくださる方もいて、サポーターの皆さんの熱い想いを感じることができました。働いていた期間は短かったですが、サポーターの方や選手の人たちといろいろお話できてとても楽しかった思い出があります。
選手側の立場だけでなくスタッフの気持ちまで
わかるのはアルバイトのおかげ
もうひとつグッズショップの思い出といえば、サイン入りグッズのサインを選手にもらいに行く仕事です。どの選手のサインをどれだけもらってくるかは店長が決めるのですが、選手はみんな忙しいし、目立つ場所でサインを書いてもらうわけにもいかないので、タイミングを見計らうのがとても難しいんです。そもそもお目当ての選手を探すだけでも大変でした(笑)。時々どうしても見つけられなかったり、隙がなかったりする場合もあったのですが、そういうときは店長が、「シャワー室は必ずみんな使うから、そこで書いてもらうのがコツなんだよ」と言って、みずからサインをもらいに行ってくれるんですね。だけど、シャワー室にはわたし入れないじゃないですか(笑)。だったら最初から店長がもらいに行ってくれればよかったのに……って当時は思っちゃいました(笑)。
でも、そうやって選手の皆さんと交流できたのは楽しかったし、いま自分がプロになってみて、選手側の気持ちだけではなく、あの頃のわたしの立場の人たちの気持ちも理解できることは良かったなと思っています。
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