2015.09.02

これってブラックバイトなの?バイトル法律相談室

バイト先でこんな目にあいました!そんな時どうする!?それってブラックバイトなの?バイトル法律相談室

バイトなのにだんだんと責任が重い仕事を任せられるようになって、休みにくいし、ミスをすればすごく叱られるし。これって、よく聞くブラックバイト?それとも自分が甘いだけなのか?
――とお悩みのあなたへ。
バイトトラブル、どう考える?どう解決する?を、弁護士の先生に聞いてみました。
自分の働き方を見直して、バイトトラブル解決のテクニックを学びましょう。

責任問題:これって、私のせいなの?

  • Q1
    バイト中、お皿を落として割ってしまいました。しかも、お客様のスカートにクリームがべったり。「お皿の代金とお客様にお支払いするクリーニング代はお店が負担するからいいよ」と店長に言っていただいたのですが、私が弁償すべきでしょうか?
    イラスト:責任問題:これって、私のせいなの?
    A

    お店に払ってもらってOKです。
    従業員のミスに関しては基本的に使用者が責任を負うので、気にせず、払ってもらっていいんですよ。店長の言葉の通りにして問題ありません。これは「雇用主は労働者を働かせていることで利益を得ているのだから、損害もある程度まで負担すべき」という考えに基づいてのことです。
    でも、故意に、つまりわざと被害を発生させた場合には、従業員が全額を賠償しなければなりません。また、頻繁に同じミスを繰り返したり、常識的に考えてあまりにも重大な不注意で損害を使用者に与えたりした場合は、一定の範囲で損害賠償を請求される可能性もありますから、気をつけるようにしましょうね。

  • Q2
    店頭でお菓子を売っています。夕方6時までの契約なのですが、販売ノルマがクリアできないと帰ることができないので、ほとんど毎日、1~2時間残業することに。正社員ならまだしも、バイトに対してはどうなんでしょう。
    A

    定時で帰るか、残業代を請求できます。
    まず、「時間を売るのが労働者」というのが、日本の法律上の考え方です。だからこの場合、ノルマが達成できなくても契約した時間になったら帰ってよいですし、逆に、ノルマ達成まで時間を延ばして働いたのなら残業代が請求できます。もしも、残業しているのに残業代をもらっていないとしたらまずは上司に相談してみましょう。

  • Q3
    コンビニのバイトで制服の高校生にタバコを売ったら、メチャクチャ怒られました。
    A

    う~ん。これは、あなたに責任がありますね。
    これは、怒られて当然です。日本の法律では、未成年者の喫煙は犯罪になりません。しかし、未成年者に酒やタバコを売ると、売った側に刑事責任が発生します。「未成年と分からなかった」というのならまだ言い訳のしようもありますが、制服の高校生に売ったのなら完全にアウト。バイトであろうと正社員であろうと、売った人が罪を問われます。場合によっては、使用者であるお店や店長も罰せられる可能性もあります。つまり、あなたに責任があるということ。バイトとはいえ甘えることはできません。気をつけましょうね。

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給与、残業代:最初の約束と、話が違う!

  • Q4
    定時に上がれたことがなく、毎日30分~1時間程度の残業があります。店長に話したら「おまえだけじゃない、みんなそうなんだから」と取り合ってもらえません。残業代もらうのはムリなのでしょうか? ちなみにタイムカードはなく、出勤表だけです。
    イラスト:給与、残業代:最初の約束と、話が違う!
    A

    もちろん、残業代は請求できます。
    店長が取り合ってくれないのなら、その上司に掛け合ってみたらいかがでしょうか?その時には、どのぐらいの時間残業したかがハッキリ証明できた方が話しやすいと思うので、タイムカードがない場合、普段から手帳に出勤した時間と店を出た時間をメモしておくとよいでしょう。また、自分や家族、友人宛に出勤時と退出時にメールを送っておくと、自分や相手の携帯電話+サーバにも正確な時間が残るので話もしやすいと思いますよ。

  • Q5
    「1ヵ月の研修期間が終わったら時給を上げる」という約束で始めたアルバイト。研修期間を3ヵ月に延長された上に、その3ヵ月が終わりに近づいたら「おまえは、まだ仕事ができないからずっと研修期間の時給だ」と言われました。書面で契約を交わしたわけではなく、口約束だけで始めたバイトだから、あきらめるしかないのでしょうか?
    A

    口約束も、守らなければなりません。
    法律上は、口約束も書面の約束も同じ効力があります。上司が取り合ってくれないのなら、その上の上司に相談するとよいと思います。
    労働契約は書面で交わした方が確かなのですが、口約束だけ、という場合も多いと思います。その場合は、せめてその場でメモを取るなどしておくとよいと思います。メモには日付をいれることも忘れずに。

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パワハラ、セクハラ:我慢しなきゃ、ダメなの?

  • Q6
    3回連続して遅刻。出勤したら、みんなの前で上司に怒鳴られました。これって、パワハラじゃないですか?
    A

    教育的指導は、パワハラではありませんね。
    遅刻を3回連続したら叱られても仕方ありませんね。上司としては、あなたの行動を改善しようとする教育の一つ。そうした教育的指導はパワーハラスメントにはなりません。厳しい指導を続けることで辞めさせようという意図があったり、人格否定をするような言葉を連発されたりすれば話は別ですが、連続して遅刻したら厳しい叱責を受けるのは仕事であればやむを得ないでしょう。バイトであっても、責任感を持って働くことが基本。まずは自分の行動を振り返るのが大切ですね。

  • Q7
    店長は話しかけてくる時に、やたらと肩などに触れます。これはセクハラですよね?
    イラスト:パワハラ、セクハラ:我慢しなきゃ、ダメなの?
    A

    まずは「イヤだ」という意思表示から始めたら?
    あなたが不快な思いをしているなら、「セクハラ」に該当する可能性があります。しかし、人によっては、その人なりのコミュニケーションの一つとして、からだに触れているような場合もありますから、触られて嫌ならば、まずは「あまり触れないで欲しいんですけど」などと、軽く注意を促すように言ってみるとよいと思います。相手にまるで悪気がないこともあるので。でも注意を促すことで気づいてくれて、相手の態度が改まる場合もあります。
    それでも本人に言いにくかったり、言ってもなかなか改まらないようなら、その上の上司に相談しましょう。また、会社によってはセクハラの相談窓口を設けている場合もあるので、そういった部署に相談を持ちかけるのもよいと思います。我慢しすぎてストレスをため込まないようにしてくださいね。

  • Q8
    「言葉遣いが悪い」「オーダーを何度も間違えた」などで、お客さんから4,5回クレームがありました。そのたびに店長に怒られていたんですけど、それが嫌で無断欠勤したら、次に出勤した時に「明日から来なくていい」と言われました。これは不当解雇ですよね?
    A

    それはやむを得ない解雇です。
    1度のクレームで即解雇となったら不当解雇と言えるかも知れませんが、クレームが度重なり、しかもそのたびに教育的指導があったにもかかわらず勤務態度が改まらない、その上、無断欠勤となったら、解雇されても仕方のないことです。特に無断欠勤は、深刻な契約違反となることもあります。次からのアルバイトでは、気持ちを入れ替えてまじめに働いてくださいね。

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労働条件:仕事が多すぎる、辞められない・・・

  • Q9
    週に3回ということで始めたアルバイト。でも最近では「忙しいからお願い!」と電話がかかってきて、ほとんど毎日、出勤。試験前でも休めず、学業に支障を来しています。
    イラスト:労働条件:仕事が多すぎる、辞められない・・・。
    A

    出勤することを拒否しても大丈夫です。
    最初の契約条件と違う仕事を要求された場合、仕事をする側にはそれを拒否する権利があります。それはバイトでも同じことです。責任感の強い人ほど「自分が行かないと、他の人が大変だから」と考えて、無理をしてしまいがちですが、学校の勉強や、プライベートに悪影響があったり、身体の健康を損なうほどの過重労働だったら、断わることも必要でしょう。

  • Q10
    勤務中、休憩時間があったり、なかったり。何となく、長く働く時には休憩があるのかなと思っているのですが、どのぐらいの時間、働いたら休憩をもらえるんですか?
    A

    6時間を超え8時間以内の場合は45分、8時間を超えるなら1時間。
    労働基準法では、使用者は労働者を6時間以上働かせる場合、少なくても45分、8時間を超える場合は少なくても1時間の休憩時間を労働時間の途中に与える義務を負っています。休憩は1度にまとめてとらなければいけないわけではなく、「8時間の間に、30分の休憩時間を2回」というように、分割でもOKです。憶えておくとよいですよ。

  • Q11
    もっと条件のよいバイトが見つかったから「今日で辞めます」と言ったら、ダメだと言われました。辞められないのは、おかしいのでは?
    イラスト:労働条件:仕事が多すぎる、辞められない・・・。
    A

    突然「辞めます」はNG。退職2週間前には意思表示をする必要があります。
    バイトを含めて仕事をする人には辞める権利があるので、辞めたいのに辞められないというのはおかしなことです。でも、従業員に突然辞められたら、経営者は困りますよね。そこで覚えておいた方がいいのが、「辞める意思表示をした2週間後に退職の効力が生じる」という民法の規定です。
    つまり、よほどやむを得ない事情がない限り、辞める2週間前には退職の意思を伝えておく必要がある、ということです。「アルバイトだから、イヤになったらすぐに辞めちゃえばよい」は通用しません。辞める時は周囲のこともきちんと考えて、迷惑をかけないように気をつけることが大切ですね。

正しい働く人の責任と権利、
そしていざという時の相談先を知っておきましょう。

イラスト:正しい働く人の責任と権利、そしていざという時の相談先を知っておきましょう

「バイトだから、突然休んでも大丈夫」「バイトなんだから、適当に働いておけばいい」というわけではありません。バイトであっても雇用主と契約を結んで働いているのですから、決まった日の決まった時間に勤務先に行き、決められた業務をきちんとこなす責任があります。
でも一方で、「バイトだから、残業代が出ない」「突然辞めろと言われても仕方がない」ということもありません。バイトにも仕事をする側、つまり労働者としての権利はありますから、「おかしい」と思ったら、まずは直属の上司に、それでも解決しない場合はその上の上司に相談してみるとよいでしょう。
しかし、残念なことに、社内の誰に言っても解決できないこともまれにあります。「いくら言っても、残業代が出ない」「辞めるなら損害賠償を請求してやると脅された」「シフトを無理に入れられ、来られないなら辞めろと言われた」「セクハラを誰に訴えても、聞いてもらえない」「毎日のように深夜残業があり、月の残業時間が100時間を超えて疲労困憊」など、あまりにブラックな状態で社内で相談しても解決できず、その状態が続く場合は、専門家への相談をお勧めします。
専門家に相談というとハードルが高く、費用も掛かりそう、と思う人が多いかも知れませんが、無料で相談できるところもたくさんあります。各地の労働基準監督署は匿名で相談することができますし、最近では、法律相談窓口を設けている大学も増えています。市役所や区役所でも、無料法律相談を開催しているところも多くあります。
責任感を持って働く。おかしいと思ったら、上司、さらにその上の上司に相談。そして、いざという時には一人で問題を抱え込まず、こうした機関を利用して問題の解決に当たる。この3つを心にとめておくと安心して仕事をすることができると思いますよ。

取材協力
藤田城治

藤田 城治

森の風法律事務所 所属

岩手県八幡平市生まれ。専修大学法学部卒。司法修習56期(弁護士登録2003年~)
取扱分野:環境紛争(騒音・公害等)全般、民事事件(相続、賃貸借、交通事故、離婚、遺言、金銭トラブルなど)、会社関係(取引先との契約関係など)雇用を巡るトラブル、債務整理、訪問販売等悪質商法による消費者トラブルに関する事件、先物取引被害、刑事事件
連絡先 / 森の風法律事務所
〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町1-9-2 冨士ビル4階
http://www.morinokaze-law-office.com

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