2023.10.23

大型トラック運転手はきつい?長距離ドライバーがきついと感じるポイント6選

大型トラック運転手はきつい?長距離ドライバーがきついと感じるポイント6選

「大型トラックの運転手はきつい」という漠然としたイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。片道300km以上もの長距離を運転し、大量の貨物を輸送する仕事をこなすには、確かに体力が必要です。

この記事では、具体的に大型トラック運転手のどんな点が「きつい」と感じるのかを6つの観点から解説していきます。2024年に改正されるトラック運転手の働き方についてもご紹介するので、大型トラック運転手になるか検討している人は参考にしてください。

大型トラック運転手は体力勝負?きついと言われる理由

ここでは、大型トラック運転手のどのような点が「きつい」と言われるのか、6つピックアップして紹介していきます。

長距離の輸送で毎日家に帰れない

大型トラック運転手は片道300km以上の長距離を運転するため、1回の輸送に半日以上かかります。そのため、長距離ドライバーになると日帰りで自宅に帰ることは難しく、車中泊をすることになります。

仕事と家庭のバランスが取りづらく、家族と過ごす時間が減ってしまったりするのも大型トラックの長距離ドライバーが「きつい」と言われる理由です。

1日の大半を車内で過ごすため生活習慣が乱れがち

大型トラックの長距離ドライバーは輸送距離が長いため、1日の大半を車内で過ごすことになります。

車内で不規則な時間に食事をとる生活は、生活習慣を乱す原因にもなり、長期間続けることで体を壊してしまう恐れがあるため、身体の調子を見ながら働くことになるでしょう。

また、車内で休憩や睡眠を不規則にとることが多くなるため、運動不足や腰への負担も「きつい」と感じる要因になっています。

貨物を決められた時間に届けなければならない

大型トラック運転手は、貨物を指定の場所まで「時間通りに」輸送しなければなりません。天候や事故などで状況が変わるため常に交通状況をチェックし、時間通り目的地に到着するために時間を逆算して運転する必要があります。

しかし、時間通りに目的地に到着するための逆算は難度が高く、荷主の要求に答えなければならないというプレッシャーを感じることもあるため「きつい」と言われています。

荷待ち時間が長い

大型トラック運転手は、貨物の都合に合わせて動きます。

時間通りに貨物の受け取り先に到着しても、荷主の都合によって貨物が積み込まれるのを待たなければならず「荷待ち時間」が発生することがあります。これはトラック運転手の拘束時間を伸ばしている原因になっており、大型トラック運転手の仕事が「きつい」と言われる理由のひとつです。

「荷待ち時間」の問題は、ドライバーのみで解決するのが難しいため、荷主側に対して国が改善の取り組みを働きかけています。

2024年から、トラック運転手の拘束時間は今までよりも短く制限されるので、この「荷待ち時間」へのストレスは徐々に解消されていく見込みがあるようです。

積み込み・積み下ろしが重労働

トラック運転手は貨物の輸送だけではなく、貨物を積み込んだり、荷主に貨物を引き渡すための積み下ろし作業をしたりすることも仕事の一環として行います。

大型トラックに積み込む貨物は、人の手では持てないほど重い、もしくは一つずつ積み込むには量が多すぎることが多いです。そのような場合にはクレーンやフォークリフトなどの機械を使用します。

しかし、担当する輸送物によっては手作業で積み込み・積み下ろしを行うこともあり、大型トラック運転手の仕事は思ったよりも重労働で「きつい」と感じることがあるようです。

大型トラック運転手は、長距離を運転する体力だけではなく、重いものを運ぶ体力も必要となります。

高度な運転技術が求められる

大型トラックは、小型・中型トラックよりも運転が難しくなります。

車体が大きくなるほど内輪差が大きくなり死角も増えるため、事故のリスクが上がります。また、大型トラックは後ろが見えないため、慣れないうちは運転が難しいと感じるでしょう。

普通自動車を運転するよりも高度な運転技術や事故への配慮が求められるため「きつい」と感じることがあるようです。

「きつい」と言われるトラック業界は2024年に働き方が大きく変わる!

大型トラック運転手が「きつい」と言われる理由を6つご紹介してきましたが、2024年6月からトラック運転手の「改善基準告示」が改正されます。

これによってトラック運転手の拘束時間に新たなルールが設けられ、トラック運転手の「体力的にきつい」という点が軽減されるでしょう。

拘束時間が改正される

  改正前の基本規則 改正後の基本規則 【例外】宿泊を伴う長距離ドライバー(※)の場合
1日の拘束時間 原則:13時間
上限:16時間
原則:13時間
上限:15時間
16時間まで延長可(週2回まで)
1か月の拘束時間 原則:293時間
最大:320時間
原則:284時間
最大:310時間
基本原則と同様
  • ※1週間における運行がすべて長距離貨物運送(一の運行の走行距離が450km以上の貨物運送)で、 一運行における休息期間が住所地以外の場所におけるものである場合

宿泊を伴う長距離ドライバーの場合は輸送距離が長いため、余裕を持って輸送できるように改正後も基本原則よりも少し長い時間が設定されています。拘束時間に明確な上限があることで、今までよりも体力的なきつさは軽減されるでしょう。

※参考:https://www.mhlw.go.jp/content/001071672.pdf

拘束時間を延ばす原因「荷待ち問題」の解消に国が動いている

大型トラック運転手の課題の一つにドライバーの拘束時間が伸びていることが挙げられますが、これに対して厚生労働省・国土交通省が取り組みに動き始めています。

例えば、貨物の手積み・手降ろしはドライバーの拘束時間を延ばす要因にもなっているため、それを解消するためパレットを用いた積み込み・積み下ろしを実践していることがあります。

ほかにも、集荷担当と輸送担当を別のドライバーに分けることで拘束時間の短縮を図ったり、集荷先や配送先を集約することで荷待ちをする回数自体を減らし、荷待ち時間を減らす取り組みなどが行われています。

このように、体力的に「きつい」と言われることが多いトラック運転手の働き方に対して国が取り組みを推進し、2024年には大きなルールの改正が適用されます。「大型トラック運転手はきつい」と言われる理由は、少し改善の兆しがあるようです。

今までは規制がなかった時間外労働に上限がつけられる

今まで自動車運送事業のドライバーには時間外労働の規制はありませんでした。しかし、トラック運転手の改善基準告示の改正により、2024年6月からは「年間の時間外労働の上限を960時間まで」とする規制が入ることになりました。

大型トラックの長距離ドライバーは、トラック運転手のなかでも特に時間外労働が長くなる傾向にあったため、この規制により長時間労働の流れに変化がもたらされるでしょう。

大型トラック運転手として働くやりがい・楽しさ

大型トラック運転手という仕事は、たしかに「きつい」と言われる点もありますが、それでも大型トラック運転手として働くやりがいや楽しさもあります。

まず、大型トラック運転手は社会の物流を支える「縁の下の力持ち」としての役割を果たしています。オンラインショッピングで昨日注文した商品が今日自宅に届くという当たり前の日常は、トラック運転手の存在なくしては実現しません。

大型トラック運転手は、長距離の輸送を担当することも多いため「頼んだものがすぐに届く」ことに特に大きく貢献しており、多くの人から感謝される存在です。

さらに、車内は運転手にとってのセカンドホームと言って良いほど1日のほとんどを過ごす場所です。仕事は基本1人で行うため、車内では自分だけのプライベート空間を堪能することができ「自由な空間で仕事できる環境が気楽だ」と感じる瞬間があるかもしれません。

まとめ

大型トラック運転手は、長距離の運転や不規則な休憩、貨物の積み上げ・積み下ろし作業などによって「きつい」と感じる点があるでしょう。しかし、2024年から働き方に関するルールが改正されることもあり、大型トラック運転手の働き方は少しずつ改善していく見込みです。

大型トラック運転手の仕事は社会の基盤を支える必要不可欠な仕事として多くの人に求められています。社会の役に立つ大型トラック運転手の仕事に興味がある方は、トラック運転手として働くことを検討してみてはいかがでしょうか。

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