1,000人の7割が年齢を理由に応募を迷った…年齢にこだわらない採用企業の見分け方とは?

1,000人の7割が年齢を理由に応募を迷った…年齢にこだわらない採用企業の見分け方とは?

皆さんは求人への応募を検討するとき、「年齢にこだわらない採用」か否かを意識したことはありますか?多様な働き方が推奨されている現在、スキルや経験、適性を重視した採用がさまざまな職種で推進されはじめています。

このような実態を踏まえ、求職者1,000人に「年齢と求職行動の関係性」についてアンケート調査を実施。応募意欲に与える影響をはじめ、企業に対する好感度や求人サービスの利用意向など、「年齢にこだわらない採用」をさまざまな視点からリサーチしました。

「年齢」のハードルを下げる働き方の取り組み事例もあわせてご紹介します。年齢を理由に応募を悩んだ経験がある方は、きっと自分に合ったお仕事探しのヒントになるはず!

dip DEIプロジェクト 企業事例やインタビュー記事はこちらから

「年齢にこだわらない採用」が広げる多様な働き方の可能性

「多様な就業機会の創出」と「雇用のミスマッチ解消」。この2点は現在の労働市場で大きな課題となっています。特に少子高齢化によって急速に進む労働力不足の観点からも、解決に向けた取り組みが重要となっています。

このような背景のなか、給与をはじめとした待遇改善や採用条件の見直しによって働き方の多様化を進め、雇用の新たな創出を目指す動きが注目されています。

「年齢」ではなくスキルや経験、適性を重視

具体的なアプローチのひとつが、募集・採用時に年齢による制約を設けない取り組みです。年齢で判断することなく、求職者のスキルや経験、適性を重視した採用の推進につながります。

65歳以上のシニア世代や満18歳未満の若年層にとって、活躍できるお仕事の幅が広がります。また、企業にとっては労働力不足の解消に効果的です。

なお2007年施行の改正雇用対策法により、募集・採用時の年齢制限はすでに原則禁止とされています(※1)。ですが多くの求人サービスでは、求職者が情報を入力する際、「生年月日/年齢」が必須項目となっているのが現状です(※2)。

  • (※1)定年による年齢上限を設定するなど、例外的に法令で定められた年齢制限を行って良い事由で年齢確認が必須となる場合があります。
  • (※2)2023年1月時点の主要な求人サービス30社を調査(ディップ社調べ)

「年齢と求職行動の関係性」を求職者1,000人にアンケート調査

そこで今回、お仕事を探している1,000人に「年齢と求職行動の関係性」について意識調査を実施。実際に求職行動においてどのような変化があるのか、企業に対する好感度や求人サービスの利用意向を紐解きながらご紹介していきます。

アンケート調査概要

本調査では年代、雇用形態に偏りなく、お仕事を探している幅広い層に向けて調査を実施しました。

  • ・調査手法:インターネット調査(楽天インサイトアンケートモニター)
  • ・調査実施期間:2023年4月12日(水)~4月17日(月)
  • ・対象者条件:47都道府県在住の16~69歳の男女
  • ・サンプル数:本調査 1,000人
  • ・本調査対象条件:16~69歳かつ、直近6か月以内に仕事探しをした「アルバイト・パート」「派遣社員」「正社員」

全体の約7割が「年齢」を理由に応募をあきらめた・悩んだ経験あり

「年齢」を気にして、応募しなかった経験・調査結果グラフ

まずは求職者が求人へ応募する際、「年齢」の要素が実際にどのような影響を与えているのか、その結果からご紹介します。

「年齢」を気にして応募をあきらめた、もしくは悩んだ経験がある人(結果的に応募)は全体の約7割となる計69.6%となりました。年代別に詳細をみると、特に40代以上で年齢を理由に働き先を再検討した傾向が強く、60代が計86%、50代が計87.4%、40代が計82%でした。

「年齢にこだわらない企業・お仕事」を63.5%がポジティブに認識

「『年齢にこだわらない採用』を推進している企業」への応募意欲・調査結果グラフ

一方で「『年齢にこだわらない採用』を推進している企業」に対して、「応募意欲が高まる」と回答した人は63.5%という結果となりました。

「『年齢にこだわらない採用』を推進している企業」への応募意欲・年代別調査結果グラフ

年代別で「応募意欲が高まる」と回答した割合をみると、60代の78%がもっとも高い一方で、10代で55%、20代が57.3%と若年層でもポジティブな意向であることがわかりました。

時代にマッチしている「年齢にこだわらないお仕事」を集めた求人サービス

「『年齢にこだわらないお仕事』を集めた求人サービス」への印象・調査結果グラフ

「『年齢にこだわらないお仕事』を集めた求人サービス」への印象・年代別調査結果グラフ

「『年齢にこだわらないお仕事』を集めた求人サービス」の好感度は全体では69%でした。年代別で見ると、好感度は10代で70.5%、20代で70.7%と、50代、60代に次いで高い結果となり、若年層からも関心があることがうかがえます。

「『年齢にこだわらないお仕事』を集めた求人サービス」への印象の理由調査結果表

好感の理由を紐解くと、「今の時代に合っていて共感する」が最も多い54.6%となります。次いで「自分に合った仕事が見つけられそう」(50.9%)、「内面や経験重視の選考を受けられそう」(44.6%)でした。時代性に加えて、マッチングの面でも求人サービス利用者にとってプラスに働いていることがうかがえます。

バイトルなどの求人サービスで「年齢入力」任意化がスタート

バイトル応募画面

2023年2月より、ディップが運営する求人情報サイト「バイトル」「バイトルNEXT」「はたらこねっと」などでは、企業が求人情報を掲載する際、応募時の「年齢(=生年月日)」入力の必須・任意設定が選べる機能が実装されました。

この機能によって、サイト利用者は「応募時に年齢入力が不要な企業」を絞り込んで調べたり、どのお仕事が「年齢入力任意」なのかがアイコンで視覚的にわかるようになりました。

バイトルで年齢入力が任意の求人を探す

バイトルで「年齢入力任意」のお仕事を探してみよう!

バイトル検索画面

  • ※画像はWeb版(スマホ)です。2023年6月時点

「バイトル」を例に、この機能の活用方法(Web版(スマホ)の場合)をご紹介します。まず、上の図のように仕事検索枠に「こだわり」という欄があります。そこを選択し、「年齢入力任意」にチェックを入れページ下部にある「この条件でさがす」を押すと「年齢入力任意」のお仕事のみに絞られた検索結果が表示されます。

▼「年齢入力任意」のお仕事表示例

バイトルお仕事一覧画面

「年齢入力任意」のお仕事には上部に画像のようなアイコンが表示されていますので、こちらも覚えておきましょう。

「年齢入力が不要な企業」を探せる機能の利用意向は84%

今回実施したアンケートでは、求人への応募時に、年齢(生年月日)の入力が任意で利用できる求人サービスの存在を知っているかも調査しました。

「年齢」項目の入力が任意の求人サービス・調査結果&利用意向

ディップが運営する「バイトル」などの求人サービスでは、「年齢入力任意機能」は2023年2月にリリースされたばかりですが、知っていると回答した人は28.8%という結果に。

さらに、知っているという回答者のなかで「『応募時に年齢入力が不要な企業』を絞り込んで探せる機能」を利用したいと回答した人は84%でした。利用意向が高いことがうかがえます。

職種によって「年齢」が応募の壁になることも⁉

ここからは冒頭の「Q.年齢を気にして応募しなかった経験はありますか」に対し、回答者の職種別に結果を分析。実際に「年齢」がネガティブな方向に働くのは、どのような職種で働く人に多かったのかを紐解きます。

「軽作業・物流」で働く人の計81.4%が「年齢」を理由に応募を躊躇

[職種別回答]「年齢」を気にして、応募しなかった経験・調査結果グラフ

年齢が原因で「応募をあきらめた」もしくは「悩んだ」経験があったと回答した人の職種は、配送やドライバーなどを含む「軽作業・物流」が最も多く、計81.4%となりました。

続いて、「オフィス」(事務・企画等)が計77.5%、「サービス」(ホテル・アミューズメント・清掃等)が計74%という結果に。肉体労働やデジタル技術の活用が求められる現場では、年齢がハードルとなる傾向が強いのかもしれません。

一方で「販売」は計53.3%、「フード・飲食」は計53.5%でした。これらの職種では、培ってきたスキルや経験、適性が活かしやすい環境が現場に比較的浸透していそうです。

[職種別回答]採用で「年齢」がネガティブな要因になる印象・調査結果グラフ

次に、よりダイレクトに「年齢」がネガティブな要因となるのかという質問に対しては、「要因となる印象がある」と回答した人の職種は、「オフィス」の82.7%を筆頭に、「医療・介護・福祉」82.3%、「サービス」82.0%と続きました。

仕事選びの参考になる「年齢」のハードルを下げる働き方の取り組み

調査結果から、「年齢」が応募意向に影響しているケースは、まだまだ存在しているようです。では、求人募集を出す企業サイドではどのように「年齢」のハードルを低くする試みを実践しているのでしょうか。

ここでは採用条件の見直しによって、多様な就業機会が創出できた事例をご紹介します。年齢を理由に応募を悩んだ経験がある方も、きっと仕事選びの視野を広げる参考になるはずです!

業務内容を分解

募集要項にある一連の作業工程のなかには、求職者にとって対応が難しい内容が含まれているケースがあります。それを回避してくれるのが、一部の業務のみを切り分けて募集する方法です。対象となる人材の幅がぐっと広がります。

コールセンター担当者

「『電話対応』の業務を『PC入力』と『アポ取得』に分解して募集。PC入力の経験がなくても『アポ取得』の業務で活かせるスキルを持った方の採用につながりました」(コールセンター)

製造業担当者

「一連の作業工程のうち、未経験の方でも対応可能な業務を切り分けて募集したことで、採用の間口を広げることができました」(製造)

スキルの見える化

近しいアプローチとして「スキルの見える化」が挙げられます。応募条件を絞って掲げることで、このスキルなら対応できる!といった求職者の就業機会を増やすきっかけにつながります。

IT技術職担当者

「これまで多くのスキルを持った方を採用条件にしていましたが、その内容を見直し、条件を必須のもの・あれば尚可なものに分けて募集。結果、経験豊富な方の採用ができました」(IT技術)

介護担当者

「訪問介護のお仕事で、これまで車の運転免許取得を必須としていました。しかし、本当に必須なものは介護業務の経験・資格だということで募集内容を見直した結果、経験のあるシニア層の採用ができました」(介護)

このように、すでにさまざまな企業が多様な働き方の創出に向けて取り組みを進めています。具体的な事例インタビューを別の記事でもご紹介していますので、あわせてご覧ください。

【おすすめ事例インタビュー】

※本調査のグラフ構成比について、小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が必ずしも100とならないケースがございます。ご了承ください。

▼dip DEIプロジェクトについて知りたい方はこちらから!

dip DEIプロジェクト 企業事例やインタビュー記事はこちらから dip DEIプロジェクト 企業事例やインタビュー記事はこちらから

▼DEIを取り入れた採用を検討していきたい、という人事・経営者の方はこちら

求人×DXで採用業務を効率化 企業向けサービス紹介サイト

▼可能性を広げる新しいお仕事と出会いたい、という求職者の方はこちら

カテゴリ一覧