訪問入浴とは、入浴が難しい高齢者や障がい者の自宅を訪問し、専用の浴槽を使って入浴をサポートする仕事です。看護師はヘルパー・オペレーターと3人1組でチームを組み、入浴前後のバイタルチェックや健康状態の確認を担当します。

床ずれ防止や血行促進などの体のケアはもちろん、利用者のリラックスや爽快感を支える役割も担います。感謝の言葉を直接受け取れるやりがいのある仕事です。

また、移動時間も勤務時間に含まれることが多く、効率的に収入を得られるのも魅力です。ただし、1日に複数件を訪問するため、体力が必要である点を理解しておきましょう。

介護福祉施設やデイサービスセンターでは、利用者の健康チェックや服薬管理、入浴前後の体調確認などを行います。医療処置ではなく見守りや日常ケアが中心のため、ブランクがある方や病院勤務の忙しさから離れたい方も働きやすい環境です。

デイサービスセンターは日勤のみの職場が多く、家庭との両立や副業にも向いています。なかには夜勤専従スタッフを募集している介護施設もあり、限られた時間でしっかり働きたい方にもぴったりです。

健診センターや企業、自治体が行う健康診断では、次のような業務で単発バイトを募集することがあります。

• 採血
• 心電図
• 血圧測定
• 聴力検査
• 身体計測 など

健診業務は春と秋に求人が増える傾向があり、短期間で集中して働きたい方や、空いた時間を有効に使いたい方におすすめです。

また、急変対応がほとんどないため、ブランク明けの看護師でも安心して働ける環境です。担当する業務によって時給が変わる場合もあるため、応募前に条件をしっかり確認しておきましょう。

献血ルームでの単発バイトは、献血に訪れた方の問診補助や採血、体調確認などを担当します。医療処置や急変対応が必要になるケースはほとんどなく、ブランク明けでも安心して始められるのが特徴です。

日中の短時間での勤務が多いため、家庭やプライベートとの両立がしやすいのも魅力。献血という社会的意義のある活動に携われるため、人の役に立つ仕事がしたい方にもぴったりです。

なお、献血車（移動採血車）に乗って、企業・学校・ショッピングモールなど各地を訪問する場合もあります。同じ採血でも、現場によって異なる雰囲気で働けるでしょう。

ワクチン接種の単発バイトは、クリニックや企業・自治体などで行われる接種業務をサポートする仕事です。おもな業務は、ワクチンの準備や問診票の確認、接種、接種後の経過観察などがあります。

また、接種そのものを担当しない事務スタッフの募集もあります。電話対応や窓口での受付、書類整理などが中心のため、医療行為よりもサポート業務をしたい方にも向いています。

募集は季節や感染症の流行時期に合わせて短期間で行われることが多く、日勤のみ・週1日から勤務可能な案件もあります。短期でしっかり稼ぎたい方や、ブランクから少しずつ復職したい方にもおすすめです。

コンサートやスポーツ大会、フェス、花火大会などの各種イベント会場では、参加者やスタッフの体調不良・ケガに対応する救護スタッフ（イベントナース）が募集されます。救護室や医務室で待機し、来場者の擦り傷・打撲・熱中症・体調不良などの軽度な症状に対応します。

重篤なケースは救急搬送となるため、高度な医療判断を求められる場面は少なめです。医療現場のような緊張感が少なく、明るい雰囲気のなかで看護スキルを活かせます。

また、週末や大型連休の開催が多く、本業の合間に働きたい方や副業をしたい方にも向いています。

単発バイトの大きなメリットは、自分のライフスタイルに合わせて柔軟にシフトを組めることです。育児や介護、プライベートの予定を優先しながら、あいている日だけを選んで働けます。

「この週は忙しいから休む」「来週は時間があるから多めに入る」といった調整が可能なので、ワークライフバランスを保ちやすく、常勤では難しい自由度のある働き方が実現できます。毎月1日から勤務できる求人もあり、副業やWワークにも適しています。

単発バイトは時給も比較的高めに設定されていることが多く、短期間で効率的に収入を得られます。即日払いや週払いに対応している案件もあり、急な出費にも対応しやすいのも魅力です。

働いたその日のうちに報酬を受け取れるケースもあるため、「今月あと少し収入がほしい」というときにピンポイントで働くことも可能です。

単発の仕事は1日～数日で完結するため、職場の複雑な人間関係に悩まされにくいのが特徴です。常勤のように同じメンバーと長期間関わる必要がなく、最低限のコミュニケーションで済みます。

もし「自分に合わない」と感じても、次は別の職場を選べるため、精神的なストレスを軽減しながら働けるのも大きなメリットです。

看護師の単発バイトでは、病院やクリニック、介護施設、健診センター、献血ルームなど、多種多様な現場で働くチャンスがあります。それぞれの職場で異なる業務内容や雰囲気を経験できるため、看護師としての視野が広がり、スキルの幅も広がります。

同じ職場でのルーティンワークに飽きることなく、毎回新しい環境で新鮮な気持ちで仕事に臨めるのも魅力です。

単発バイトは働いた分だけ収入を得られますが、毎月決まった額を稼ぐことは難しいという側面もあります。自分が希望する日に必ず仕事があるとは限らないため、月ごとに収入が変動しやすい点は理解しておきましょう。

家賃や生活費など固定支出がある場合、単発バイトだけで生活設計を立てるのは難しいかもしれません。そのため、単発バイトはメインの収入源としてではなく、副業や空き時間の活用手段として取り入れるのが現実的でしょう。

単発バイトは短期間・補助的な業務が中心のため、専門的なスキルを深めたり、責任あるポジションを経験したりする機会は限定されます。また、継続的な研修や教育を受けることも難しく、長期的なキャリア形成にはつながりにくいでしょう。

看護師としてのキャリアアップを目指すなら、常勤やパート勤務で一つの職場で経験を積むほうが適しているでしょう。一方で、単発バイトを通してさまざまな現場を知る経験は、将来の方向性を考えるうえでプラスにもなります。

単発バイトといっても、採血・介助・健康チェックなど仕事内容は多岐にわたります。自分が何を得意としていて、何が苦手なのか整理しておくことで、自分に合う現場を見極めやすくなるでしょう。

例えば、「採血は得意」「身体介助は体力的に不安」など、自分のスキルや体調に合わせて選ぶのがポイントです。

「何のために単発バイトで働くのか」によって選ぶべき仕事は変わります。「収入を得たい」「ブランクを埋めたい」「家庭と両立したい」など、自分の優先軸をはっきりさせることが大切です。

例えば、効率的に稼ぎたいなら夜勤専従の単発バイト、体力的な負担を抑えたいなら健診センターやイベントナース、家庭と両立したいなら自宅近くで短時間勤務ができるデイサービスなどが働きやすいでしょう。

看護師の単発バイトは、医療・介護分野に特化した派遣会社に登録して探す方法が一般的です。登録すると、希望条件に合った求人を紹介してくれるため、単発バイトが初めての方でも安心して始められます。

また、勤務先との調整や契約手続きも派遣会社が代行するため、やりとりの手間がかからない点もメリットです。

求人サイトでも、看護師の単発バイトは探せます。掲載されているのは派遣会社経由の求人が中心で、自分で条件を絞り込みながら探せるのが特徴です。

バイトルでも看護師の単発バイトが多数掲載されています。エリアや時給などで検索できるので、自分の条件に合った看護師の単発バイトを探している方はぜひチェックしてみてください。

看護師の単発バイトは、医療行為や処置が少ない業務がほとんどです。現場によっては、急変時の対応や緊急判断が求められるケースもあります。

事前に業務内容や責任の及ぶ範囲を確認し、自分のスキルと経験に合った仕事を選びましょう。

職場によっては、副業を禁止または制限している場合があります。禁止されているにもかかわらず副業をすると、減給や停職、免職などの処分を受ける可能性もあるため注意しましょう。

単発バイトを始める前に現在の職場の就業規則を確認し、必要に応じて許可を得ておきましょう。

看護師の単発バイトをする場合、収入が一定額を超えると確定申告が必要です。

確定申告が必要なケース

• 本業の給与以外の収入が年間20万円を超える場合
• 複数の勤務先から給与をもらっていて、勤務先で年末調整を受けていない場合
• 個人事業主としてフリーランスや業務委託の報酬を受け取っている場合
• 医療費控除など税金の還付を受けたい場合

給与所得者の場合は副業の所得が20万円以下なら、所得税の確定申告は基本的に不要です。ただし、住民税の申告が必要な場合もあるため、本業を含めた年間の総所得を確認しなければいけません。

派遣会社を通じて単発バイトで働く際には、派遣会社への登録が必要です。一方、病院や施設と直接契約を結ぶ直雇用であれば、派遣会社への登録は不要となります。

いずれの場合も、看護師として働くうえでは看護師の資格確認が必要です。

看護師の単発バイトは違法ではありません。ただし、過去には労働者派遣法で「看護師の派遣」が原則禁止とされていた時期がありました。

現在は条件つきで解禁されており、老人ホームやデイサービスなど医療行為を伴わない施設での派遣勤務が可能です。医療機関でも、産休・育休の代替勤務の場合や、正社員雇用を前提とした紹介予定派遣の場合は、例外的に派遣として働けます。

看護師の単発求人を探す方法は、派遣会社に登録して紹介を受ける方法と、求人サイトで探す方法の2つがあります。詳しくは「看護師の単発バイトの探し方」で解説しています。