ホールスタッフは、来店されたお客さまを席へ案内し、メニューの説明や注文取り、料理やドリンクの提供、会計対応など、一連の接客を担当します。ほかにも、食器を下げたり、テーブルを整えたりするなどの片付けも行います。お客さまと直接接する機会が多く、カフェの印象を左右する仕事です。

ホールスタッフが担当する仕事は、カフェのサービス形式によって異なります。

フルオーダー式を採用しているカフェでは、ホールとキッチンの役割が明確に分かれることが多いです。ホールスタッフが中心となって、お客さまが来店してから退店するまで心地よく過ごせるように対応します。一方のセルフサービス式のカフェでは、レジ対応やドリンクの受け渡し、片付けの補助など幅広い業務をこなします。

※バイトル調べ 2025年11月度平均時給

キッチンは、注文されたドリンクやフードを作る仕事です。コーヒーを抽出したり、ラテアートを担当したりするバリスタも、キッチン業務に該当します。盛り付けや調理はもちろん、営業前の仕込み作業や閉店後の片付け、清掃なども担当します。

マニュアルやレシピに沿って調理するため、手順を覚えれば未経験者でも取り組みやすいでしょう。

※バイトル調べ 2025年11月度平均時給

ホールとキッチンをどちらも行う場合がある

カフェによっては、ホールとキッチンの業務が分かれていない場合もあります。来店時にはレジで注文を受け、作業がひと段落したところでドリンクを作り提供します。片付けや案内などの接客もあり、店内全体を見ながら動く必要があります。

覚えることは多いですが、店内の動き全体を把握できるため、店舗運営の流れを学べる点がメリットです。徐々に優先順位のつけ方や効率的な動きが身につくため、成長を実感しやすい環境でもあるでしょう。

カフェの仕事には、ホールとキッチンそれぞれの役割があり、最初のうちは覚えることの多さに戸惑う方もいます。店舗によってはメニュー数が多く、ドリンクの名前や特徴、作り方などを理解したうえで動く必要があります。

さらに、ホールとキッチンを兼ねる店舗では、接客と調理の両方を把握しなくてはならず、慣れるまでは特に負担を感じるかもしれません。

ただし、チェーン店の場合は調理手順や接客の流れがマニュアル化されていて、作業の進め方が明確に示されているため、未経験の方でも段階的に覚えやすいでしょう。

また、研修制度が整っている店舗では、スタッフがフォローしながら教えてくれることもあります。覚える量は確かに多いものの、サポート体制のある店舗なら落ち着いて仕事に慣れていけるでしょう。

カフェバイトでは、複数の作業を同時に進めるシーンが多くあります。「料理を提供しながらテーブルを片付ける」「2種類のドリンクを並行して作る」「レジ対応をしながらキッチンに声をかける」など、そのときの状況に応じて臨機応変に対応する必要があります。

特にランチタイムや人手不足の日には、作業量が増えやすく、慣れていない方は焦ってしまうこともあるでしょう。

ただ、経験を重ねると作業の流れがつかめ、仕事に余裕が生まれていきます。少しずつできることが増えれば、より働きやすく感じられるでしょう。

カフェのバイトは、ホールもキッチンも長時間の立ち仕事が中心です。ホールでは注文を受けながら店内を歩き回り、キッチンでは調理や仕込み作業を続けるため、慣れるまでは体力的な負担に感じる方も少なくありません。

脚の疲れや腰の張りが出やすい点も特徴で、立ち仕事に慣れていない方は、最初の数日は帰宅後にぐったりしてしまうこともあるでしょう。とはいえ、仕事を続けるうちに体が慣れて、少しずつ負担を感じにくくなることも多いようです。

カフェは時間帯によって来客数が変動し、朝の通勤前やランチタイムは特に混みやすい傾向があります。さらに、新作ドリンクの発売日や季節のイベントが重なると、通常より忙しくなることがあります。

忙しい時間帯は「ドリンクとフードを素早く作る」「席を片付けて座れる状態にする」「次のお客さまを案内する」などの作業を効率よく進めなければいけません。次々とお客さまが来店する状況が続くと、体力だけでなく精神的にも疲れやすく、きついと感じる方もいます。

とはいえ、忙しさのなかで動き方のコツがつかめてくると、無理なく対応できるようになります。忙しい時間帯を乗り切れたときには、「今日、頑張れたな」と達成感を得られ、仕事への自信にもつながるでしょう。

カフェでは衛生管理が徹底されており、ドリンクやフードを作る前、テーブルの片付け、店内清掃など、さまざまな場面で手を洗う必要があります。そのため、肌が敏感な方は手荒れしやすく、痛みや乾燥で悩むケースもみられます。

手荒れが悪化すると水に触れただけでしみたり、作業がしづらくなったりと、日常生活に影響を与えかねません。清潔さが求められる業務である以上、手洗いや消毒を避けることはできませんが、きついと感じる理由になる場合があります。

仕事中は保湿が難しい場面もありますが、休憩時間や帰宅後にハンドクリームなどでこまめに保湿するなど、セルフケアを心がけるとよいでしょう。また、仕込み作業や洗い物など一部の工程では、手袋を着用することで手荒れを防ぎやすくなります。

カフェは店舗ごとに店内の雰囲気が異なり、照明や家具、装飾にこだわっているところも多くあります。あたたかみのある木のぬくもりを感じられる店舗や、海外の洗練されたデザインを取り入れた店舗など、自分が好きな空間で働けるのが魅力です。

おしゃれなものが好きな方や、心地よい空間で働きたい方にとって、店舗そのものがモチベーションにつながることもあります。好きな場所で働けるだけで気持ちが前向きになり、バイトがきついと感じることがあっても、前向きに取り組みやすくなるでしょう。

カフェバイトは、スタッフ同士の連携が欠かせません。ホールとキッチンの間で声をかけ合い、混雑時には助け合いながら作業を進めるため、自然とコミュニケーションが多くなります。そのため、人と接するのが好きな方や、明るい雰囲気の職場で働きたい方にとっては、バイトが楽しく感じられるでしょう。

学生の方であれば、学校以外の友人ができる機会にもなります。学年や年齢が違う仲間と協力しながら働くことで視野が広がり、学校生活とは違った人間関係を築けるのもカフェバイトの魅力のひとつです。

コーヒーが好きな方にとって、カフェバイトはまさに魅力的な環境です。バリスタ業務を担当する場合は、コーヒーの抽出手順や使用するマシンの種類、豆の特徴など、日常ではなかなか触れられない知識を身につけるきっかけになります。香りや味の違いを理解できるようになると、コーヒーの奥深さをより楽しめるようになるでしょう。

また、業務を通して得た知識が自宅でのコーヒータイムにも役立ち、趣味が広がることもあります。好きな分野に関わりながら働けるのは大きなやりがいにつながり、バイトを続ける原動力にもなりやすいでしょう。

カフェでの接客は、丁寧な挨拶や適切な言葉遣い、柔らかい表情など、基本的なマナーを身につけるところから始まります。ホールで働く場合は幅広い年代の人と関わるため、相手にあわせたコミュニケーションが求められ、接客スキルが磨かれる環境が整っています。

マニュアルに沿って接客や料理を提供することが多いですが、予想外の注文や混雑時には、その場に応じた臨機応変な対応が求められます。こうした経験を重ねることで、対応力やコミュニケーション能力も鍛えられ、さまざまな場面で落ち着いて動けるようになります。

これらのスキルはカフェ以外の仕事でも役立つものであり、学生であれば就職活動や社会人になってからも強みになります。

仕事がうまく進まないときや失敗が続いたときは、一人で抱え込まずにバイト仲間や先輩に相談しましょう。話を聞いてもらうだけでも気持ちが軽くなることがあり、同じ経験をしたスタッフから具体的なアドバイスが得られる場合もあります。

特にカフェではチームで働く場面が多いため、周囲に頼ることで解決の糸口が見つかりやすくなります。一緒に働く仲間に話すことで、視点が変わり気持ちも整理しやすくなるでしょう。

カフェのバイトが「なんとなくきつい」と感じるときは、仕事のなかで自分が好きだと思える部分や、バイトをすることで得られるメリットに意識を向けてみるのもおすすめです。

親しい仲間と働けること、コーヒーに詳しくなれること、おしゃれな空間で仕事ができることなど、カフェならではの魅力がきっとあるはずです。楽しさを再確認できると気持ちに余裕が生まれ、日々の業務にも取り組みやすくなります。

スタッフとの人間関係がうまくいかない、体力的に負担が大きく日常生活や学業に影響が出ている、通勤に時間がかかりすぎるなど、改善が難しい悩みを抱えている方もいるでしょう。

そんなときは、別のカフェやまったく違うジャンルのバイトに挑戦することもひとつの方法です。バイトを長く続けることは大切ですが、心身に無理を抱えたまま働き続けると、さらに心身ともに負担が大きくなる可能性もあります。

退職を選ぶ場合はすぐに辞めるのではなく、1～2カ月前には店長や責任者に相談し、引き継ぎやシフト調整を進めておくと安心です。

カフェバイトがきついといわれるおもな理由は、以下のとおりです。

• 覚えることが多い
• 同時にいくつもの作業をこなす必要がある
• 立ち仕事で体力が必要になる
• ランチタイムや新作発売日は忙しい
• 手洗いや消毒で手荒れしやすい

ただし、これらの理由はカフェに限らず、多くの飲食店や小売店でも共通してみられる特徴です。忙しさを感じる場面がある一方、仲間と協力して働ける楽しさや、接客スキルが身につくなどのメリットもあります。詳しくは『カフェバイトが「きつい」といわれる理由』で解説しています。

大きな違いとしては、店舗のコンセプトやマニュアルの有無が挙げられます。チェーン店は業務が細かくマニュアル化されていることが多く、研修制度も整っているため、バイト初心者でも安心して働けるのが特徴です。

一方で、個人経営のカフェは店長のこだわりが反映されている場合があり、マニュアルがないこともあります。そのため、先輩スタッフに教わりながら、状況に応じて柔軟に動く力が求められます。

以下のような特徴がある方は、カフェバイトに向いているといえます。

• コーヒーが好き
• おしゃれなバイトがしたい
• 人と関わるのが好き
• 気配りができる
• 体力にある程度自信がある