ミステリーショッパーとは、ミステリーショッピングを行う覆面調査員のこと。ミステリーショッピングとは、アメリカで導入されたサービス向上、改善のためにとられた手法です。 “調査である”とは知らせず一般のお客さんと同様に、調査対象となる店舗で買い物や食事をして、店側に分からないように接客態度やサービス、店舗の様子などを調査して依頼者へ報告します。一般的には、店舗を経営する企業が消費者の評価を知ることでサービス向上や改善へつなげる目的があります。

依頼者は、店舗経営企業だけではなく、ライバル企業の場合もあります。また、格付け雑誌やランキングサービスをはじめ、特定分野で競合する店舗比較を行うためにミステリーショッパーが活躍することもあります。

ミステリーショッピングは飲食店、ホテルや旅館などの宿泊施設、ガソリンスタンド、サロン（エステ、ヘア、マッサージ）、アパレル、ドラッグストアなどさまざまな業種の店舗で行われています。特に、全国にチェーン展開する企業では広く導入されているようです。

ミステリーショッパーが調査するのは店舗のみではなく、コールセンターに客として電話をしたり、ネットショップのモニターアンケートに答えたり自宅で行えるものから、セミナー会場などに行き、内容の調査報告をする場合もあります。

ミステリーショッパーとして実際に勤務する流れを説明します。まず、ミステリーショッパーを募集する調査会社に応募・登録をします。案件の案内が入る、または案件に応募します。勤務する案件が決まったら、依頼された店舗へ向かい、一般客として通常のサービスを受け、あらかじめ用意されたチェックリストなどがあるため、それに沿ってきちんとチェックし、レポートとして依頼者へと報告します。

店舗内では、ミステリーショッパーと気づかれないようにすることが必要です。依頼者への報告義務があるので、接客態度や店舗の気になる点はスマホにメモしておくとよいでしょう。退店したら忘れないうちに、報告する項目をまとめておくことも大切なポイントです。また、報告の際には長すぎず丁寧な言葉づかいで事実をきちんと伝えましょう。レポート提出の方法、その内容やチェックリスト、報酬を受け取る方法は各企業によって異なり、案件ごとによっても交通費の有無などが異なるため、依頼の応募・受注の際に確認しておきましょう。

調査内容は、店舗の業種・調査会社によっても異なります。接客態度やレジ対応、店舗の清潔さ、サービス内容の満足度などはよくある項目ですが、例えば販売店の陳列棚の並び方や、おすすめする商品の提案方法、店員の話し方や服装・身なりなど、飲食店であれば料理の味はもちろん、料理が出るまでのスピード、カトラリーが欠けていないか、店内やトイレの清潔さなど、チェック項目はさまざまです。

ミステリーショッパーの仕事は、業種が多岐にわたるため、案件ごとに報酬が異なります。そのため、相場は500～15,000円といったように大きな開きがあります。例えば飲食店だと飲食した分の〇%が報酬という場合や、マッサージやエステサロンであれば結果として割引金額でサービスが受けられるという案件も存在します。

原則的に、店舗までの交通費、飲食代や店舗サービス利用額は前払いと覚えておきましょう。かかった分の経費の支払い有無は、調査会社や案件によって異なります。

ミステリーショッパーのアルバイトを始めたい場合は、募集サイトに登録するのが一般的です。気になる案件へ応募し、採用されれば、アルバイトとして働けます。

バイトルには、ミステリーショッパーのアルバイト案件がエリアごとに用意されています。興味があってやってみたい！という人はバイトルでも、ミステリーショッパーの仕事をチェックしてみましょう。

ミステリーショッパーのメリットの1つめは、さまざまなた案件があることです。調査会社や案件の進め方によりますが、一般的には自分の好みや興味に応じて案件を選んで応募します。小さなお子さまがいればスーパーやコンビニ・ドラッグストアなどのような生活範囲で、ランチやディナーを兼ねながらであればカフェやレストランなど、自分のライフスタイルを基準に案件を選ぶことができます。機会が合えば、エステやヘアサロンを割安で利用できるのもうれしいですね。

2つめのメリットは、おいしいお店やサービスが良いお店を新たに開拓できることが挙げられます。食事代が割安になる案件や、報酬をもらえる案件では、得をしながら食事を楽しめます。

3つめのメリットは、自分のスケジュールに合わせて、隙間の時間や好きなタイミングでアルバイトができることです。継続的に行う必要がない単発の案件や、ある期間の好きな時間で実施するといった時間枠が幅広い案件も多いため、時間に追われることなく働くことができます。自分の買い物ついでにアルバイトができるのは、ちょっとしたお得感がありますね。

ミステリーショッパーをするにあたって1つめのデメリットは、募集案件数が少ない時期があったり、希望通りの案件に通らなかったりすることです。回数や報酬を計画して案件に応募しても、思うようにいかず、結果的に収入が安定しないことがあります。自分にとって興味があることを楽しみながら稼ぎたい人にはとても向いていますが、毎月決まった給与を得たい人にはデメリットとなるでしょう。

2つめのデメリットは、チェックリストが多く工夫が必要なことです。店舗内で紙を広げたりメモを取ったりすればミステリーショッパーとわかってしまうため、スマホでチェック項目をメモしたり、覚えたりする必要があります。50～150ほどのチェック項目が存在することもあり、事前にチェックすべき内容を頭に入れておいた方がいい場合もあります。また、文章でレポートを書く場合には項目ごとに丁寧でわかりやすい文章にまとめなければなりません。チェックを忘れてしまったなどの理由で、調査報告として成り立たない場合はレポートを返されてしまい、実費で再調査することもあります。

3つめのデメリットは、まずは自費ですべて支払う必要があることです。仕事にかかった費用は前払いではなく、報告が終わったらすぐ支払われるわけでもありません。また、交通費や経費が出ない案件もあり、報酬が返ってきても実質的にプラスが微々たるものということも少なくありません。ある程度の報酬を得たい場合には、案件をよく選ぶことが必要です。

ミステリーショッパーの業務内容、メリットとデメリット、注意すべきポイントなどをお伝えしました。決して報酬が高い仕事ではないですが、飲食や美容などサービスを格安価格で受けられたり、良いサービスへの認識も高まったりする点は魅力的ではないでしょうか。スケジュールが空いた時間に、楽しみながら稼ぎたい人にはおすすめのアルバイトです。