2024.06.04

システム開発とは?開発の流れ、PM・SE・プログラマーの役割や年収、求められるスキルを紹介

システム開発とは?開発の流れ、PM・SE・プログラマーの役割や年収、求められるスキルを紹介

システム開発は、普段私たちが使う何気ないサービスの開発から、企業の業務の効率化まで、必要不可欠な仕事です。IT化が進む中でシステム開発の需要は増えており、どのような仕事なのかと関心を持つ人も多いのではないでしょうか。

この記事では、システム開発とはどのような仕事なのか、また、システム開発に関わる職種の年収や必要なスキル、資格などをくわしく解説していきます。

システム開発とは?

システム開発とは、コンピュータを使って、いろいろな問題を解決するためのツールや仕組みを作ることです。たとえば企業で使う、従業員情報の管理や給与計算を自動化するシステムや、病院で患者さんの情報を管理するシステムなどがあります。

システムの開発はチームで行うことが多く、プロジェクトごとに様々な役割の人が関わります。それぞれのスキルを活かして、1つのシステムを開発していくのです。

システム開発の流れ

システム開発を行うときは、大きく分けて以下のステップがあります。
ここではそれぞれの工程について、くわしく紹介していきます。

  1. 計画(要件定義)
    何を作るか、どうやって作るかを考えます。
  2. 設計(外部設計・内部設計)
    コンピュータに何をさせたいか、画面はどう見せたいかをくわしく決めます。
  3. プログラミング
    実際にコンピュータ言語を使って命令を書きます。
  4. テスト
    書いたプログラムがちゃんと動くかを試して、間違いがないか確かめます。
  5. 使ってもらう(運用)
    人々が使い始めることで、初めてプログラムが完成します。問題が見つかったら修正します。

要件定義

要件定義は、新しいシステムを作るときの最初のステップです。ここでは、依頼者(クライアントやリクエスター)から目的をくわしくヒアリングし、「システムに何をしてほしいか」を決めます。

そのシステムで何をするか、機能や性能を考える必要があります。また、要件定義の段階で、いつまでに完成させるか、どのくらいの予算でおこなうかを決定します。

外部設計

外部設計は、要件定義にもとづいて開発する機能を決めたり、機能どうしの連携、使いやすいようにどう見せるか等を設計する行程です。
ユーザーが利用する部分(システムの外側)を設計するので、どんなボタンがどこにあるか、どのように情報を表示するかなど、使う人が見たり触ったりする部分をデザインします。

ユーザーの使いやすさを考えながら、依頼者の要望にも答える形で設計をすすめる必要があります。

内部設計

内部設計は、外部設計で決めた内容を元に、ユーザーに見えない部分(システムの内側)を設計する工程です。プログラマーが実際にコード(プログラミング言語で書かれた命令)を書けるように、システムの仕様書を作成します。

プログラミングは仕様書をもとに行われるため、プログラマーに伝わりやすい表記で作成します。

プログラミング

プログラミングは、内部設計の指示に従って、実際にシステムを動かすためのプログラムコードを書く行程です。プログラマーはシステムが設計通りに動くようにコードを書き、ここでシステムが実際に動く形になります。

仕様書に具体的な指示が書かれていない場合は、プログラマーが、求められている動作をどのように実現するか考えて、プログラミングする必要があります。

テスト

プログラミングが終わったら、システムが正しく動くかのテストをします。バグがないか、すべての機能がちゃんと動くかを確認し、問題があれば修正します。何度もテストを繰り返して、依頼者へ納品する前にシステムが完璧に動くようにします。

運用

依頼者へ納品した後も、システムの不具合や追加要望があれば対応します。運用はシステムエンジニアの仕事ですが、プログラマーが対応するケースもあります。

システム開発に関わる主な職種と役割

システム開発に関わる主な職種と役割

システムを開発するためのプロジェクトには、さまざまな役割の人が関わります。
ここでは、システム開発に関わる主な職種の役割や業務について紹介します。

プロジェクトマネージャー(PM)

プロジェクトマネージャー(PM)は、システム開発のプロジェクト全体をマネジメントする、チームのリーダーのような役割です。

PMの仕事は、コストやスケジュール、人員を管理し進捗をコントロールすることです。何をいつまでにおこなうかスケジュールをたて、メンバーがうまく働けるようにサポートします。また、もし何か問題が起きたら、その問題を解決する方法を考えるのもPMの大切な仕事です。
プロジェクト全体を理解し、スムーズに進行させる能力が求められます。
システム開発が上手くいくかどうかは、PMの力量にかかっているのです。

PMの仕事を標準化して、PMごとの力量のばらつきを減らす仕事として、プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)という部門もあります。

システムエンジニア(SE)

システムの計画から運用までの各開発工程の管理を主に担当するのが、システムエンジニア(SE)です。
要望にもとづき、システムがどう動くかどんな機能が必要かを理解し、プログラムの「仕様」を検討します。そして仕様を実現するための計画を作り、プログラマーに指示を出し、その成果物(プログラムコード)を確認します。

さらにSEは、プログラマーのように、システムのプログラミングを行うケースもあります。

プログラマー

プログラマーは、システムエンジニアが作った仕様にもとづいて、コンピュータが理解できる言語(プログラミング言語)で命令を書きます。これを「コーディング」と言います。

コーディングを通じて、システムが正しく動くようにするのが、プログラマーの役割です。プログラマーには、論理的思考力や、複雑な問題を解決できるスキルが必要です。
また、プログラミングのあとの「テスト」を行なうのもプログラマーの役割です。

システム開発に関わる主な職種の給料

システム開発系の年収は、領域や経験、スキルによっても変動します。需要が高まる分野では、高い年収が期待できるでしょう。
ここではシステム開発に関わる主な職種の、年収について紹介します。

プロジェクトマネージャーの年収と賃金

令和4年の調査によると、プロジェクトマネージャーの年収は全国平均で約660.4万円、ハローワークのデータでの求人賃金(月額)は、平均で38.3万円となっています。
給与は経験やスキルによって、600~1,100万円とおおきく変わります。

出典:厚生労働省「プロジェクトマネージャ(IT)- 職業詳細 | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)job tag

システムエンジニア・プログラマーの年収と賃金

令和4年の調査によると、システムエンジニア(SE)・プログラマーの年収は全国平均で約550.2万円、ハローワークのデータでの求人賃金(月額)は、平均で32.8万円となっています。
給与は経験やスキルによって、420~950万円とおおきく変わります。

出典:厚生労働省「システムエンジニア(業務用システム)- 職業詳細 | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)job tag」「プログラマー - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)job tag

プロジェクトマネージャーに求められるスキル

マネジメントスキル

PMには、プロジェクト全体を管理するためのマネジメントスキルが求められます。

予算やスケジュールの管理はもちろん、社外の関係者やプロジェクト内にある各チームの進捗、参加しているSEのリソース管理などをおこない、必要な指示や調整をおこないます。

豊富な知識とプロジェクト経験

PMはプロジェクト全体を理解し、スムーズに進行させることが求められます。スムーズに進めるためには、各専門職や依頼者とのコミュニケーションが欠かせないため、その業界や技術についての幅広い知識が必要です。

また、どんなに細やかに計画をたてていてもトラブルに見舞われ、計画が崩れることもあります。それらのトラブルにも柔軟に対応しなければなりません。いろいろなプロジェクトでの経験が、こうした問題に直面したときに役立ちます。

システムエンジニアに求められるスキル

システム開発工程の知識

SEには、開発に関わる全ての工程の知識が求められます。なぜなら、開発の各工程を計画・管理し、それらを進めるためプログラマーに指示を出す必要があるからです。

依頼者が求めるシステムに必要な性能や機能を正しく理解し、実現するためにどういったプログラムを作ればよいのかを伝えます。さらに、完成したプログラムが、設計通りに作られたかどうかを判断できるだけの知識が必要です。

進捗管理スキル

開発から運用まで一連の開発工程を管理するSEには、それぞれの工程を計画通り進めるための、進捗管理能力が求められます。

システム開発では、不具合が発生したり、依頼者から変更をもとめられたりすることもあります。計画通りに進まない時、どうやって問題を解決し、計画を修正するかを考えなくてはいけません。

最終的に納期に間に合わせられるように、計画を立て直し、チームをうまく導く力が必要です。

プログラマーに求められるスキル

プログラミング言語

プログラマーにとって、プログラミング言語を知っていることは必須です。プログラミング言語は、コンピュータに何をしてほしいかを教えるためのツールのようなものです。

JavaやPython、C言語、C++などが特によく使われます。これらの言語は、多くの場面で使えるので、プログラミングを始めたい人にもおすすめです。最初にこれらの言語を学ぶことで、将来的に他の言語を学ぶ時も理解しやすくなります。

論理的思考能力

論理的思考能力とは、問題や課題を解決するための能力です。目的と方法を正しく理解し、問題や課題をパズルのように一つ一つの部品を組み立てて解いていきます。

プログラムを計画するときには、どの部分が先に必要で、どのように次のステップにつながるかを論理的に考えることが大切です。

また、プログラムを作っていると、予想外のエラーが出たりします。そのような時には、どこに問題があるのかを一歩一歩たどって考え、どうすれば解決できるか論理的に解決策を見つけなければなりません。

デバッグ能力

デバッグ能力とは、プログラムのバグを見つけて、修正するスキルです。デバッグは完成後のテスト段階だけでなく、プログラムを作成する段階でもおこないます。

プログラマーは、書いたコードが思い通りに動くのか確認し、動かない場合はその原因を見つけ、正しく動くようにそのバグを潰していかなくてはいけません。

システム開発に関する資格

まず始めに取得するのであれば、「基本情報技術者試験」「応用情報技術者試験」の資格がおすすめです。この2つは、システム開発に関わるうえで必須の知識が問われる資格です。

また、プログラミングに関する資格を取得したい場合には、プログラミング言語別の資格もあります。たとえば、C言語については「C言語プログラミング能力認定試験」が、Rubyであれば「Ruby技術者認定試験」があります。

未経験でシステム開発の仕事につくには

IT業界は、実務経験が大切にされる一方で人材が足りておらず、未経験OKの求人も多くあります。未経験から採用し、社内で研修などをおこなうのです。
派遣社員の求人の場合は、派遣会社で研修を受けてから仕事を始めることができるケースもあります。

また、研修を受けるだけでなく、資格やプログラミング言語の勉強を独学で行うこともできます。事前に勉強し、資格を取得することで、知識だけでなくやる気を証明することにもつながるでしょう。

まとめ

システム開発とは、IT技術を使って、いろいろな問題を解決するための、コンピューターで動く仕組みを作ることです。
どのようなシステムを作るか計画するところから始まり、プログラミングをおこなって形にし、何度もテストと修正を繰り返して、実際にユーザーに使ってもらいます。

主に「プロジェクトマネージャー」「システムエンジニア」、「プログラマー」が協力し、システム開発をおこないます。それぞれの求められるスキルや経験を活かし、チームで完成を目指していくのです。

システム開発に関わる仕事に興味のある人は、仕事内容を理解し、求められるスキルを自分がもっているか整理しましょう。未経験の人は、まずは未経験OKの求人を探してみましょう。
可能な限り、自分でITに関する知識やプログラミング言語の勉強をおこなうことも大切です。

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