2024.11.25

看護師の夜勤の働き方について解説!2交替制・3交替制の違い、メリットやデメリットは?

看護師の夜勤の働き方について解説!2交替制・3交替制の違い、メリットやデメリットは?

患者さんの命を守る看護師の仕事では、ほとんどの場合夜勤が伴います。不規則な勤務時間や少人数での業務負担があるため、夜勤が苦手、向いていないと感じる人も多いのではないでしょうか。

看護師の勤務シフトには2交替制と3交替制があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

この記事では、2交替制と3交替制の違いやそれぞれの特徴、求人の確認ポイント、「72時間ルール」による影響など、看護師の夜勤の働き方について徹底解説します。

看護師の夜勤 | 2交替制と3交替制とは?

看護師の夜勤を含む勤務パターンには、主に「2交替制」と「3交替制」があります。

看護師の夜勤 | 2交替制と3交替制とは?

■2交替制とは

2交替制は、日勤と夜勤の2つに分けて働く勤務体制です。一般的には、日勤8時間・夜勤16時間というパターンが多く、長時間の夜勤によりまとめて休みが取れることが特徴です。

▼シフト例

日勤 夜勤
8:00~16:00
(8時間勤務)
16:00~9:00
(16時間勤務)

また、遅日勤や長日勤など、夜勤を短く調整する変則的なシフトもあります。これにより、日中の忙しい時間帯にスタッフを増やしたり、看護師のライフスタイルに合わせた柔軟な勤務が可能です。

■3交替制とは

3交替制は、日勤・準夜勤・深夜勤の3つに分かれている勤務体制です。各シフトは一般的に7.5~8時間で、勤務時間という観点で見れば、2交替制より夜勤の負担が軽減されます。

▼シフト例

日勤 準夜勤 夜勤
8:00~16:30
(7.5~8時間)
16:00~0:30
(7.5~8時間)
0:00~8:30
(7.5~8時間)

都心の病院では、通勤時間に配慮して準夜勤を短縮し、深夜勤を長めにする調整をしていることもあります。

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2交替制の働き方

2交替制で働く夜勤の、一般的なシフトやスケジュールはどのようになっているのでしょうか。また、2交替制のメリットやデメリットにはどのようなものがあるのかについても、詳しく解説します。

2交替制の場合のシフト

では、2交替制の場合、1ヵ月間のシフトはどのようになっているのでしょうか。以下は、日勤8時間勤務・夜勤16時間勤務の、ある病院のシフト例です。

1
日勤
2
日勤
3
夜勤
4
明け
5
休み
6
日勤
7
日勤
8
日勤
9
日勤
10
休み
11
夜勤
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明け
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休み
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日勤
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日勤
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夜勤
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明け
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休み
16
夜勤
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明け
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休み
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日勤
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日勤
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日勤
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休み
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休み
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日勤
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夜勤
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明け
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休み
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日勤
1 2 3 4

上記のように、夜勤16時間勤務の2交替制の場合、夜勤明けの翌日は休みをとることが一般的です。これには、長時間休んでしっかりと体を休ませ、体力を回復させる目的があります。また、16時間勤務はハードなため、夜勤は月4~5回程度の病院が多く、3交替制の夜勤よりも夜勤日が少ない傾向にあります。

2交替制のタイムスケジュール例

では、日勤8時間、夜勤16時間のケースで、看護師の勤務スケジュール例を見てみましょう。

日勤 夜勤
8:00 勤務開始、情報収集や申し送り 16:00 勤務開始、情報収集や申し送り
9:00 点滴準備 17:00 夕食前投薬準備
10:00 検温、点滴、ケア 18:00 夕食配膳、介助
11:00 昼食前投薬準備 19:00 検温、点滴、ケア
12:00 昼食配膳、介助 20:00 休憩(30M)
13:00 休憩(1H) 21:00 消灯
14:00 検温、リハビリ介助 23:00 巡回、ケア
15:00 カンファレンス 2:00 仮眠休憩(1.5H)
16:30 申し送り 4:00 巡回、ケア
17:00 終業 6:00 朝食前投薬準備
    7:00 朝食配膳、介助
    8:30 申し送り
    9:00 終業

どちらの場合も、8時間以上の勤務となるため、労働基準法で1時間以上の休憩が義務付けられています。また、16時間勤務の場合、日本看護協会のガイドラインでは、少なくとも2時間以上の休憩時間を確保する努力をするよう定められています。

2交替制のメリット・デメリット

2交替制には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット

  • まとまった休みがとれる
    夜勤の翌日が休みのため、有給を活用すれば連休がとりやすくなります。また、平日に休みがとれるため、休日の混雑を避けられることも大きなメリットです。
  • 高収入が期待できる
    夜勤は高額な夜勤手当がもらえるため、その分給与がアップし、高収入が期待できます。
  • 3交替制よりも生活リズムが整えやすい
    2交替制は2つのシフトパターンのみで働くため、シフトもわかりやすく、3交替制よりは生活のリズムが整えやすいようです。

デメリット

  • 心身の負担が大きい
    夜勤が長時間になるため、体はもちろん精神的にも負担が大きくなります。夜勤明けに十分睡眠がとれなかったり、仕事中に眠気に襲われたりという睡眠障害の症状が起こることもあります。
  • 夜勤中に十分な休憩がとれない場合がある
    夜勤中は看護師の数が少ないため、急患や患者の急変で、休憩や仮眠が十分とれないこともあります。

2交替制には、まとまった休みが取れることや高収入が期待できるといったメリットがあります。一方で、長時間夜勤による心身の負担や、十分な休憩がとれない場合があるといったデメリットも存在します。それぞれの特徴を理解し、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。

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3交替制の働き方

次は、3交替制で働く場合の、一般的なシフトやスケジュール、メリットやデメリットについても、詳しく解説します。

3交替制の場合のシフト

では、3交替制の場合、1ヵ月間のシフトはどのようになっているのでしょうか。以下は、一般的な3交替制の、ある病院のシフト例です。

1
深夜勤
2
準夜勤
3
休み
4
日勤
5
日勤
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日勤
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深夜勤
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準夜勤
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休み
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休み
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日勤
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日勤
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日勤
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深夜勤
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休み
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日勤
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深夜勤
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準夜勤
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日勤
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日勤
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日勤
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休み
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日勤
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日勤
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準夜勤
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休み
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休み
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日勤
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日勤
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上記のように、多くの病院では深夜勤の翌日に準夜勤を行い、その翌日に休暇、というパターンが一般的です。準夜勤は夜のうちに退勤できるため、約2日間、しっかりと体を休めることができます。

3交替制は2種類の夜勤があるため、あわせると7~10回程度となり、2交替制よりも夜勤が多くなります。その代わり、2交替制と比べると一回あたりの夜勤の勤務時間が短いのがポイントです。

3交替制のタイムスケジュール例

では、一般的な3交替制のケースで、看護師の勤務スケジュール例を見てみましょう。

日勤 準夜勤 深夜勤
8:00 勤務開始、情報収集や申し送り 16:00 勤務開始、申し送り 0:00 勤務開始、申し送り
9:00 点滴準備 17:00 巡回、夕食前投薬準備 2:00 巡回、ケア
10:00 検温、点滴、ケア 18:00 夕食配膳、介助 3:00 休憩(1H)
11:00 昼食前投薬準備 19:00 検温、点滴、ケア 4:00 巡回、ケア
12:00 昼食配膳、介助 20:00 休憩(1H) 6:00 朝食前投薬準備
13:00 休憩(1H) 21:00 消灯 7:00 朝食配膳、介助
14:00 検温、リハビリ介助 23:00 巡回、ケア 8:00 申し送り
15:00 カンファレンス 0:00 申し送り 8:30 終業
16:00 申し送り 0:30 終業    
16:30 終業        

上記のように、3交替制の夜勤は、2交替制の16時間夜勤をさらに2つのシフトで分け合うイメージになります。どのシフトも8時間以上の勤務となるため、労働基準法で1時間以上の休憩が義務付けられています。

3交替制のメリット・デメリット

3交替制には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット

  • 夜勤の時間が短い
    3交替制は、2交替制よりも夜勤時間が短いため、心身への負担がやや少なくなります。
  • 高収入が期待できる
    2交替制と同様、夜勤時は高額な夜勤手当がもらえるため、その分の収入アップが期待できます。
  • 看護師としてのスキルが上がる
    夜勤の時間は、少ないスタッフで業務を行います。そのため、一人ひとりが担当する仕事も多くなり、必然的に看護師としてのスキルが上がります。緊急時も少人数で対応するため、緊急対応スキルの向上も期待できます。

デメリット

  • 勤務パターンが複雑
    3交替制はシフトが3つに分かれているため、シフトパターンが複雑になるうえ、睡眠をとる時間もバラバラになってしまい、心身に負担がかかりやすくなります。
  • 勤務の間の休みが少ない
    3交替制の場合、勤務日が2交替制よりも多くなります。通勤時間が長くかかる人にとっては、通勤することが大きな負担となります。また、場合によっては週6日間も職場にいることになるため、常に仕事のことが頭から離れずリラックスできない可能性もあります。

3交替制には、夜勤時間が比較的短いため心身への負担が軽減されることや、看護師としてのスキルアップが期待できるといったメリットがあります。一方で、シフトパターンの複雑さや休みの少なさからプライベートの充実が難しくなるデメリットもあります。それぞれの特徴を把握し、自分のライフスタイルや体力に合った働き方を検討しましょう。

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看護師の夜勤の一般的な勤務形態

日本看護協会が2023年に行った「病院看護実態調査」によると、看護職員の夜勤の勤務形態は以下のような割合になりました。

  件数 割合
3交替制(変則含む) 706 19.1%
2交替制(1回あたり16時間以上) 2,390 64.6%
2交替制(1回あたり16時間未満) 506 13.7%
その他 14 0.4%
無回答・不明 83 2.2%

参考:日本看護協会「2023年病院看護実態調査」

この調査結果によると、最も多くの看護師が働いているのは「1回あたり16時間以上の夜勤を含む2交替制」であり、全体の64.6%を占めています。これに対して、「3交替制(変則含む)」で働いている看護師は19.1%に留まっています。

また、同じ調査によると、病棟で採用されている夜勤形態に関しても、夜勤1回あたり16時間以上の夜勤を含む2交替制が最も多く採用されているという結果が出ており、これが最も一般的な夜勤の働き方だと言えるでしょう。

夜勤手当はどれくらいもらえる?

看護師が夜勤で勤務すると、夜勤手当をもらうことができます。「2023年病院看護実態調査」によると、平均的な夜勤手当は以下のようになりました。

夜勤形態 1回あたりの夜勤手当額 月の夜勤手当
2交替制(夜勤) 11,368円 約55,703円
3交替制(準夜勤) 4,234円 約35,374円
3交替制(深夜勤) 5,199円

参考:日本看護協会「 2023年病院看護実態調査」

同調査によると、月の平均夜勤回数は2交替制が4.9回、3交替制が7.5回となっています。

2交替制の場合、1回の夜勤手当が11,368円のため、月に4.9回の夜勤があると夜勤手当で約56,840円の収入アップ。
3交替制の場合、1回の夜勤手当が准夜勤4,234円・深夜勤5,199円のため、月に7.5回の夜勤があると約35,374円の収入アップとなります。

夜勤の看護師求人を探す際のチェックポイント

高収入が期待できる夜勤の看護師ですが、ポイントを押さえて探さなければ、後悔が残る就職・転職になってしまう可能性があります。ここでは、夜勤がある看護師の求人を上手に探すためのポイントをご紹介します。

勤務先の所属人数

1つ目のポイントは、夜勤勤務するスタッフ人数を確認することです。看護師が少ない場合、1人あたりの患者や仕事の負担が大きくなるため、休憩や仮眠が取りにくくなり、体力的・精神的に厳しい環境になる可能性があります。

また、夜勤時の他職種のスタッフ(看護助手や医師など)の有無も確認しておくと、サポート体制が分かります。

各種手当の有無

2つ目のポイントは、各種手当の確認です。深夜割増賃金(22時~5時の勤務に適用)とは別に夜勤手当が支給されるかなど、事前にチェックしましょう。
病院によっては、特定のシフト手当や、長時間労働の手当がプラスされる場合もあります。高収入を目指すなら、これらの手当の有無を確認することが大切です。

夜勤の日数を確認しておく

3つ目のポイントは、月あたりの夜勤回数です。夜勤の頻度を把握することで、生活リズムの調整やプライベートの充実に役立ちます。例えば、夜勤回数が多い職場では体力的な負担が増えやすいため、自分が無理なく働けるかを見極めることが重要です。
また、夜勤明けの休み(明け休み)や連休の有無も確認しておくと、入職後のミスマッチを防ぎやすくなります。

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夜勤に向いている?向いてない?見極めのポイント

夜勤には、向き・不向きがあります。夜勤に向いていない人が夜勤のある看護師になってしまうと、心身のバランスを崩したり、大きなミスにつながったりと、自分にとっても他者にとっても悪い影響を与えてしまいます。

■夜勤にチャレンジできる?簡単チェックリスト

こんな人は夜勤に向いている!
  • 体力に自信がある
  • ストレスに強い人
  • 夜型の生活リズムに慣れている人
  • ひとりの判断や行動に自信がある人
こんな人は夜勤もおすすめ!
  • 収入アップを重視する人
  • スキルアップを目指す人
  • まとまった休みを取りたい人
  • 静かな環境で働きたい人

上記のリストを参考に、自分が夜勤に向いているのか、夜勤勤務にメリットを見出せるかを考えてみましょう。体力や性格、キャリアの目標、ライフスタイルとの相性を見極めることが重要です。夜勤は厳しい面もありますが、適性がある人にとってはスキルアップや収入アップなど、多くのメリットを得られる働き方です。

「自分には向いていないかも…」と思った方は、無理をして夜勤のある勤務形態を選ばず、日勤のみの勤務など自分のライフスタイルに合った働き方を選びましょう。

夜勤の今後:改正した「72時間ルール」でどう変わる?

2016年の診療報酬改定により導入された「72時間ルール」は、看護師の夜勤負担を軽減するため、夜勤時間が月72時間を超えないようにするための制度です。
2015年に比べて夜勤時間が72時間を超える看護師の割合は減少しましたが、一部の看護師には夜勤の回数が増えたり、収入に影響が出るなどの負担が生じるケースもあります。

72時間ルールの改正は夜勤の負担軽減を目指していますが、実際には夜勤回数の増加やシフト調整の厳しさなど、看護師の働き方にも影響を与える制度です。転職や新しい職場を選ぶ際には、72時間ルールの運用状況もチェックポイントとして考慮すると良いでしょう。

まとめ

看護師の夜勤には、2交替制と3交替制という働き方があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。自分に合った勤務体制を選ぶためには、働き方の違いだけでなく、夜勤の回数や手当の有無、職場のサポート体制なども事前に確認しておくことが大切です。

また、夜勤が向いているかどうかを見極め、自身の体調や生活リズムと合う勤務先を選ぶことで、無理なく働くことができるでしょう。

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