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定職に就けないんじゃなく就かない？多様化する生き方の選択

「安定」が若者の就活におけるキーワードになっている昨今。定職を持たないフリーターは「安定していない存在」に見えがちです。
しかし、当の本人たちに聞いてみれば、じつは「あえて定職に就かない」と考えている人も少なくないようです。

今回、現役フリーターの方々を対象に、「フリーターでいる理由」を調査しました。その結果、さまざまな意見を聞くことが出来ました。

「就職先がない」（33歳/男性/京都府）
「希望の仕事がない」（26歳/男性/千葉県）
「就職活動がうまくいかなかったから」（24歳/千葉県/男性）

当然ですが、仕事に恵まれなかったという意見が多く見られました。
しかし、肯定的な理由でフリーターを選択している意見もありました。

「趣味に没頭できる」　(34歳/男性/兵庫県)
「自由な時間が多く取れる」　(40歳/女性/大阪府)
「時間を制約されると困る環境にあるから」　(43歳/男性/栃木県)
「自分の自由主義の信念」　(67歳/男性/神奈川県)
「融通が利くから」　(28歳/女性/福岡県)

こうした意見をもってフリーターをしている人のなかにはフリーター歴10年以上の自称「プロフリーター」がいるそうです。

今回はプロフリーターとして生活している人たちの話を聞いてきました。はたして、フリーターを続けるのには、どんな理由があるのでしょうか？

人生をより楽しみたい「旅好きなプロフリーター」にインタビュー

【プロフィール】
年齢：32歳
性別：男性
フリーター歴：12年
アルバイト経験：飲食店、引っ越し、コンビニ、交通整理など

「俺はね。旅をするのが好き。インドとか、ベトナムとか、あのあたりをあてもなくバックパックするんだけどね。最低1ヶ月や2ヶ月はふらふらしないと物足りないんだ。定職に付いてるとさ、たっぷりと長期休暇を取るのは難しいじゃん。
だから、がっつりアルバイトして資金をためて、旅をするってのを繰り返してるんだ。こういうのって、フリーターじゃないとできないからさ。たった一度の人生じゃん。好きなように生きられないのなら、なんで生きてるの？って、逆に疑問だよね。安定を否定はしないけど、それで人生がつまんないなら、それって損じゃないかなって思うんだ」

たしかに、正社員として生きていると、まとまった時間をとって旅行することは難しいでしょう。海外なら、なおさら。そう考えると、不安定にも思える生き方も意外に「合理的」なのかもしれません。

「夢を目指すプロフリーター」にもインタビュー

他のプロフリーターの方にも、話を聞いてみました。

【プロフィール】
年齢：28歳
性別：女性
フリーター歴：10年
アルバイト経験：飲食店、メイドカフェ、ファミレス、巫女など

「あたしには、夢があるんです。声優になりたくって、東京に出てきました。今は養成所に通ってます。アニメのオーディションや収録は予定が急に入るんです。だからスケジュール調整がしやすいお仕事をする必要があります。
もともとは正社員として働いてたんですけどね。あまりにも急な休みが多いからって、アルバイトになっちゃいました。
でも、それでも、なりたい夢を諦めることができなくって。そのために地元で何年も働いた企業、辞めてきたんですよね。できるかどうかはわからないけど試してみたいんです。でも、それをするために、いろいろ諦めてきましたし。今は、この道で頑張っていきたいです」

夢を追うために、フリーターとして頑張っているという彼女。人生において夢の優先順位が高いのなら、否定できるものでもないと思われます。

プロフリーターになる人は人生を楽しむ優先度が高い

家庭の事情や病気などで定職に就けずにフリーターになる人もいますが、紹介してきたように充実した人生のためにフリーターの道を選ぶ人もいます。

定職ばかりが人生の選択として正しいわけではありません。正社員の道もあれば、フリーターの道もあるわけです。この道は、どちらかを選べば正解という単純な話ではありません。

自分の生き方に合った道を選ぶことが大事です。他の誰かがそうしているから、ではなく、自分がこうしたいと思うからで道を選ぶのが良いのではないでしょうか。そうすれば、きっと人生は楽しいものになります。

幸せに辿り着くための選択肢のひとつとして、プロフリーターの道もある。それを覚えておくことで余裕が生まれ、いざというときに人生の助けとなってくれるかもしれません。

【調査概要】
調査方法　：NEWSY調べ（インターネット調査）
調査期間　：2016年2月16日～2016年2月23日
調査対象　：全国の1年以上フリーターを続けたことがある人
有効回答数：217名

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