封筒の宛名には、応募先の郵便番号や住所、会社名を記入し、黒のボールペンや万年筆で手書きします。仕事上、封筒の宛名は基本的に縦書きで書くことが多いですが、会社名がアルファベット表記の場合などは、横書きでも問題ありません。

応募先の住所は、都道府県や丁目番地、建物名まで省略せずに正式名称をしっかりと記入してください。社名の前後につける会社の種類も「（株）」などの略称ではなく、「株式会社」と記載し、前後を間違えないようにしましょう。略したり、前後を誤ったりすると、一般常識がないと思われる可能性があるため、注意が必要です。

封筒に履歴書を直接入れてポストや面接場所へ持っていくと、途中で折り目が付いたり、雨などで濡れて文字がにじんだりする危険性があります。履歴書を保護するためにも、透明のクリアファイルに挟んだ状態で封筒に入れるようにしてください。

クリアファイルは、すでに使っているものではなく、汚れや擦れのない新品を使いましょう。中古のクリアファイルを使うと、面接担当者に対して「自分の会社に対してあまり意欲がない」「使い回しをしているのであれば、やみくもに他の会社にも送っていそう」などと、ネガティブな印象を持たれてしまう可能性もあります。

封筒の表面の左下には、赤ペンで「履歴書在中」と記入しておきましょう。これは、履歴書が入った封筒を区別しやすくするためです。会社には、履歴書以外にもたくさんの書類が郵送されてくるため、相手がわかりやすいよう配慮します。

また、「履歴書在中」の文字の周りを四角い枠で囲み、目立たせるとなお良いです。線を引く際は、定規を使って、しっかりとした長方形を書きましょう。なかには、履歴書とセットで「履歴書在中」の文字が最初から刷られている履歴書専用の封筒や、「履歴書在中」と書かれたハンコも売られています。

文字のきれいさや、線の引き方を気にしなくてすむため、状況に応じて活用しましょう。

宛先に記入する会社名のあとは、郵送先として指定された採用担当に関する部署の名称と、担当者氏名までを記入してください。部署や氏名が不明な場合は、「採用ご担当者様」と記入すれば良いです。

なお、敬称は常に「様」ではありません。宛先が会社名や部署名で終わる場合は「御中」（例：総務部御中）、個人の場合は「様」（例：採用ご担当者様）と使い分けましょう。

封筒の口を閉じてのりづけしたあとは、紙が重なっている部分をまたいで上から「〆」マークを書きます。「〆」は、「締め」と読み、封書を途中で開けられていないことを示すためのものです。走り書きだと「×」マークと誤解されてしまうため、きちんと書きましょう。

なお、封に書くマークのことを封字といい、他に重要な書類で使われる字としては「緘（かん）」があります。

履歴書をA4サイズの封筒で郵送する場合は、定形郵便物ではなく定型外郵便物の扱いとなります。例えば、郵便料金は50グラム超100グラム以内（規格内）の場合、140円です。（2022年7月現在）料金は、中身の重さによって変わるため、重さを計っておきましょう。

■郵便料金

料金が不足すると、応募先の会社に迷惑がかかるため、重さに自信がない場合は郵便局の窓口で量ってもらうと確実です。また、切手の図柄はキャラクターものや慶弔用は避けましょう。さらに、切手の枚数は1枚でなくても良いですが、封筒を埋めるような極端な枚数にはしないようにしましょう。2、3枚程度なら問題ありません。

なお、履歴書は請求書や証明書などと同じく信書です。信書の配達は、日本郵便で行なうことが郵便法で決まっているため、宅配業者のメール便など、日本郵便以外の配送方法は避けなければなりません。また、普通郵便や速達を利用すべきで、簡易書留やレターパックプラスなどは受け取り手続きが必要になり、応募先の会社に負担をかけてしまうため、避けましょう。