2023.10.20

大型トラック運転手の仕事内容を解説!トラックの種類ごとの用途も要チェック

大型トラック運転手の仕事内容を解説!トラックの種類ごとの用途も要チェック

貨物を指定の場所まで輸送するのが大型トラック運転手の主な仕事ですが、細かい作業に分けるとそれだけではありません。この記事では、大型トラック運転手の詳しい仕事内容や、大型トラックの種類と用途をご紹介します。

小型・中型トラックとの違いや、大型トラック運転手に関する疑問についても解説するので、トラック運転手になることを検討している人はぜひ参考にしてください。

大型トラック運転手の仕事内容

大型トラック運転手は、都道府県をまたぐ長距離での貨物輸送を担当することが多く、物流を支える重要な仕事です。

大量の貨物を大型トラックに積み込み、目的地までの輸送を行うことが主な大型トラック運転手の仕事ですが、ここではさらに詳しく作業を細分化して仕事内容を詳しくご紹介します。

貨物の輸送

目的地までの貨物輸送は、大型トラック運転手のメイン業務です。

大型トラックは、小型・中型に比べて重い荷物を大量に運べることから長距離の輸送が多く、運転時間も長くなります。片道300km以上かけて目的地に向かうこともあるため、車中泊をしながら仕事をすることが多いです。

また、「決められた時間までに指定の貨物を輸送すること」も求められているので、渋滞や天候の状況を把握しつつスケジュールを管理しながら運転します。

貨物の輸送中は車の中で過ごすことになるため、長時間の運転による体力的な疲労や、集中力の継続による精神的な疲労を感じる人が多いです。これが「きつい」と言われる理由の一つでしょう。

集荷・積み込み

「集荷」とは、荷主から輸送する貨物を受け取ることです。輸送する貨物を受け取り、トラックに積み込むことも大型トラック運転手の仕事になります。貨物の輸送中に荷崩れを起こさないように、適切な方法で効率よく貨物を積み込んでいきます。

大型トラックは、人の手では積み込むことのできない重い貨物の輸送や、人の手で一つずつ積み込むには時間がかかりすぎるほどたくさんの貨物を輸送することもあります。
このような場合には、フォークリフトを使用して貨物を積み込みます。

フォークリフトを扱うには、持ち上げる貨物の重さによって「フォークリフト運転特別教育修了証」または「フォークリフト運転技能講習終了証」の免許が必要です。

資格を持っていない場合には荷主の作業員に積み込みを担当してもらうことになりますが、大型トラック運転手になるならこの免許は取得しておくと良いでしょう。

積み下ろし

目的地に到着したら、積み込んだ貨物を積み下ろす作業を行います。積み下ろしの作業も、積み込みと同様にフォークリフトを使用することが多いです。

貨物の破損や荷崩れに注意しながら運んできた貨物をトラックから下ろしていき、荷主に引き渡すまでが大型トラック運転手の重要な役割になります。

車両のメンテナンス

大型トラックの安全性と機能を保つために、定期的な点検とメンテナンス作業は欠かせない仕事です。

タイヤ・ワイパー・ウインドウォッシャー液・エンジン・オイル量などに異常がないかを運行開始前にチェックします。ほかにも荷役装置の点検や、備品・携行品、作業用具の点検も行い、安全に貨物を目的地まで輸送するための準備を毎回行います。

また、貨物の輸送が終わり会社に戻ってきた後にも車内/車外の整理や清掃を行い、汚れている場合には洗車をする場合もあります。

その他の業務

入社する運送会社によって異なる場合がありますが、「指定の貨物を目的地まで輸送する」というメインの業務に加えて、貨物の梱包作業や輸送伝票の作成も業務になる場合があります。

大型トラック運転手の仕事はルーティン作業であるため、作業をこなすうちに慣れていきやすい仕事と言えます。

一般的な大型トラックの種類

大型トラックにはさまざまな種類があり、それぞれ輸送する貨物の用途に適した形状・特徴を持っています。

ここでは、一般的な大型トラックの種類や、特定の用途に特化した特殊な大型トラックの種類を紹介します。

平ボディ

平ボディ

平ボディは、平らな荷台に貨物を載せて輸送するためのトラックです。さまざまな商品を効率的に輸送できるため、日本国内でも需要が高いです。

屋根がないため汎用性が高く、工夫次第では荷台の面積以上の貨物を積み込むことが可能になります。

引越しで大型家電や家具を輸送したり、工事現場まで機材や石膏ボードを輸送したり、農作業に使用されたりと、様々なシーンで使われるオーソドックスな大型トラックです。

バンボディ

バンボディ

バンボディは、トラックの積載部分に箱型のボディを持つトラックです。屋根があるため、平ボディよりも雨や風から貨物を守りやすく、貨物の落下リスクも少なくなります。

バンボディは荷物の安全性を重視する場面で広く利用されており、平ボディに次いで一般的な大型トラックの種類です。家具や本、家電製品など温度変化に強い貨物の輸送に適しています。

また、バンボディの形状で保冷・冷蔵の付加装備がついた「冷凍冷蔵車」であれば、腐敗しやすい生鮮食品や医薬品も輸送することができます。

ウィングボディ

ウィングボディ

ウィングボディは、荷物の積み込み・積み下ろし作業がしやすいように、荷台部分の両側が開くトラックです。

倉庫の向きや貨物の形状に合わせて貨物を積み込みやすいのがウィングボディのメリットで、大量の貨物を効率よく積み込むことができます。
バンボディには荷台の後ろにしか扉がないため、奥に入った貨物を積み下ろすのに時間がかかりますが、ウィングボディであれば横から貨物を積み下ろすことが可能です。

バンボディと同じく屋根があり、気候の影響を受けにくいため、常温食品の輸送や精密機器の輸送に向いています。また、荷室側面を開いてショーや展示に使用することもあります。

特殊な形状・仕様のトラックも!

平ボディ・バンボディ・ウィングボディは大型トラックの一般的な種類ですが、これら以外にも特定の用途や業界に特化した特殊なトラックもあります。

ダンプトラック

ダンプトラック

ダンプトラックは、主に土砂や建材・ゴミの輸送などに使用される特殊なトラックです。荷台を傾けて荷物を排出できる機能を持ち、建設現場などでの重要な役割を果たしています。

工事現場からの材料運搬において必要不可欠な存在です。

ミキサー車

ミキサー車

ミキサー車は、生コンクリートの輸送に特化したトラックです。

車体内にコンクリートを混ぜる円筒状のドラムを備えているため、コンクリートが固まらないように輸送することが可能です。主に建設業界で活躍しています。

タンクローリー

タンクローリー

タンクローリーは、液体や気体の輸送に特化したトラックで、輸送が難しい石油製品や化学薬品・水などの輸送に使用されます。液体や気体の特性に合わせて適切なタンクを装備し、安全に輸送することができます。

危険物を移送する車は「危」、毒物・劇物を移送する車は「毒」、高圧ガスを移送する車は「高圧ガス」の標識をトラックの前後に掲示する決まりです。

危険物を輸送する場合には、「危険物取扱者」の資格が求められますが、運転手本人が保有していなければならないわけではなく、同乗者が資格を持っていれば運転することが可能です。

ドライバー未経験ならまずは小型・中型トラックから挑戦しよう

ドライバーの経験がない方は、いきなり大型トラック運転手を目指すよりもまずは小型・中型トラック運転手からチャレンジすることをおすすめします。

ここでは、その理由を2つご紹介します。

トラックは大型になるほどより高い運転技術が求められる

大型トラックは車体が大きく貨物の積載量も多くなるため、運転の難易度が高いとされています。普段運転が得意という人でも、いきなり大型トラックを運転するのは難しいかもしれません。

一方で、小型・中型トラックは、大型トラックに比べて車体がコンパクトであるため、トラックでの運転技術を磨くトレーニングとして最適です。

また、車中泊をしながら輸送をする大型トラックと異なり、小型・中型トラックは日帰りで輸送できる距離を担当することが多いため、ドライバー未経験の方が最初の運送業界のキャリアを積むのには小型・中型トラックの方が適しています。

このような点から、まずは小型・中型トラック運転手に挑戦し、運転技術の向上、ルートの計画、荷物の積み降ろしの経験など、どのトラックにも共通して必要なドライバーの基本的なスキルを身に着けましょう。

さらにキャリアアップを目指したいと思ったら、大型免許を取得し、大型トラック運転手になる道を検討してみるのがおすすめです。

大型トラック運転手の求人はドライバー経験者を求めていることが多い

大型トラック運転手は、求人でも「ドライバー経験者」を求めていることが多い傾向にあります。そのため、ドライバー未経験でいきなり大型トラック運転手の求人を探すのは難しいかもしれません。

一方で、小型・中型トラック運転手の場合は普通免許を持っていれば応募でき、入社後に中型免許の取得を支援する、といった求人のケースもみられます。

まずは小型・中型トラック運転手からキャリアをスタートすることで、ドライバー未経験の方でも、着実なステップを踏んで大型トラック運転手としてのキャリアを築いていくことが可能です。

気になる!大型トラック運転手についてのQ&A

ここでは、大型トラック運転手に関する疑問を5つご紹介します。

大型トラック運転手に求められるスキルや資質は?

大型トラック運転手になるには、「大型免許」の取得が必要になります。大きな車体のトラックを運転できる高度な技術や経験を持っていることや、指定された時間までに貨物を輸送するスケジュール管理能力も求められます。

また、「大型免許」にプラスして以下のような資格を持っていると、大型トラック運転手の仕事の幅がさらに広がり、運送業界に必要な人材としてより重宝されます。

フォークリフト運転特別教育修了証 積載量1トン未満のフォークリフトで作業できる
フォークリフト運転技能講習修了証 積載量1トン以上のフォークリフトで作業できる
危険物取扱者 消防法で定められた危険物を取り扱ったり、危険物の取り扱いに立ち会ったりすることができる

大型トラック運転手はちゃんと休憩時間が取れる?

トラック運転手には、休憩時間の明確なルールがあり、一定の運転時間ごとに法定の休憩時間を取ることが義務付けられています。

運転開始後4時間以内、または4時間経過直後に、30分以上の運転の中断が必要。

大型トラック運転手の1日の拘束時間13時間(※)の中で、運転開始後4時間以内に必ず休憩をはさむことになっています。長時間の運転により集中力が切れると危険なため、休憩時間は取ることができます。

※「宿泊を伴う長距離貨物運送」の場合、1週について2回に限り、1日の拘束時間を16時間まで延長が可能。

大型トラック運転手の車中泊ってつらい?何日で家に帰れる?

大型トラック運転手の輸送する貨物や目的地によっては、車中泊が必要な長距離輸送を担当する場合があります。一つ目の目的地に貨物を届けられても、すぐにそのまま別の場所への貨物輸送を続けることも多いため、日帰りで帰ることは難しいでしょう。

目的地や途中の休憩地で宿泊施設が確保できない場合、車内で休息を取ることが一般的です。トラック内に仮眠スペースが設けられており、そこで休息します。

家に帰る周期は運送会社や担当するルートによって異なりますが、1週間から数週間で家に帰るサイクルで働くこともあるようです。

大型トラック運転手になるには体力が必要?

大型トラック運転手は、長時間の座りっぱなしや重い貨物の積み込み、積み下ろしによる体力的な負担を感じることがあります。

また、事故や渋滞などに注意しながら長時間運転することから、精神的にも疲れやすい仕事かもしれません。

こまめに休憩を取りながらも、決められた時間までに貨物を輸送する必要があるため、大型トラック運転手は体力に自信のある人におすすめの仕事です。

勤務中体調不良になった時はどうしたらいい?

体調不良で運転すると、集中力が落ちるため危険です。

そのため、体調が悪い場合や疲労が溜まっていると感じた場合は、適切な場所で車を停め、上司や担当者に状況を報告することが重要です。

運送会社には、運転手の安全を最優先とする方針が多く、体調不良時の適切な対応やサポート体制が整っていることがほとんどです。安全運転のためにも、体調の変化を感じた際は適切な対応をとることが求められます。

まとめ

大型トラック運転手の仕事内容やトラックの種類などを紹介しました。「貨物を目的地まで輸送する」という業務はどのトラックでも共通していますが、輸送する貨物の種類によって運転するトラックの大きさと難易度、そして必要な免許も異なります。

ドライバー未経験の方は、まずは小型・中型トラックで経験を積み、次のステップとして大型トラック運転手になることを検討してみてはいかがでしょうか。

バイトルNEXT ドライバー特集

さっそくお仕事を探してみよう

カテゴリ一覧