2019.05.27

退職届、退職願の書き方とは?提出のタイミングについても徹底解説

退職届

「会社を辞めよう」と考えたときに必要になるのが、退職願や退職届などの書類です。同じような名称のため、混同されることも多いですが、実はこれらの書類は、それぞれ用途や提出のタイミングが異なります。 今回は、退職願・退職届の違いや提出のタイミング、具体的な書き方などについて解説します。

退職願・退職届・辞表の違いとは?

退職願、退職届、辞表は、いずれも勤め先を辞めるときに提出する書類ですが、実はそれぞれ用途や提出するタイミングが異なります。まずは、3種類の書類の用途について見ていきましょう。

・退職願
退職願とは、労働契約の解除を会社に願い出るために提出する書類のことをいいます。退職を願い出る際は口頭で申し出ることも可能であり、必ず書面で提出しなければならないという決まりはありません。
しかし、書面の退職願を直属の上司に提出することで、退職の意思が固いことを示すことができます。また、会社に退職の申し入れをした根拠として残すこともできるでしょう。
次の転職先が決まっている場合、退職交渉の時間が短くなることも考えられるため、退職願を提出することをおすすめします。

・退職届
退職届とは、退職願が上司に受理され、退職することが確定した後に、会社に対して労働契約の解除を届け出るための書類のことをいいます。法的には口頭のみの意思表示でも良いとされていますが、トラブルを避けるためにも、書面で提出したほうがいいでしょう。
会社規定の退職届がある場合や、人事部宛てに提出する場合など、会社ごとに規定が異なります。退職することが確定したら、書類の形式や提出場所を、直属の上司に確認しましょう。

・辞表
辞表とは、社長や取締役など、経営者層が役職を辞めるときに届け出るための書類のことをいいます。また、公務員が退職を届け出る場合も辞表を提出します。会社員の場合は、辞表の提出は必要ありません。

退職願・退職届の出し方とタイミング

退職願・退職届は、直属の上司や人事部など、就業規則に記載されている相手に対し、期日までに提出する必要があります。就業規則に「退職の申し出は2ヵ月前まで」と記載されているにもかかわらず、「1ヵ月後に辞めたい」などと申し出た場合、退職願が受理されずに、退職交渉をスムーズに進められないこともあります。

会社にはそれぞれ独自の規定やルールがあります。自身の認識のずれからトラブルを起こさないためにも、退職願・退職届を提出する際は、在籍する会社の就業規則を必ず確認しましょう。メールや郵送などの指定がなければ、会議室などほかの社員のいない場所で、直属の上司に手渡しするのがマナーです。

書類作成から封入までのフロー

退職届や退職願は、手書きで作成するのが一般的です。受け取る側にていねいな印象を与えられるため、文章の向きは縦書きが無難でしょう。
会社からパソコンで作成するよう指示がある場合や、書き方のフォーマットがある場合は、規定に従います。

退職フロー

アルバイトを辞めるとき、退職願・退職届は必要?

アルバイトを辞めるときは、ほとんどの場合、退職願や退職届の提出は求められません。しかし、アルバイト先の企業や店舗によっては、雇用形態にかかわらず、これらの書類が必要とされる場合があります。
あらかじめ就業規則を確認しておくといいでしょう。

退職願・退職届の書き方と見本

退職願と退職届は、具体的にどのように書いたらいいのでしょうか。ここからは、退職願・退職届の書き方について見ていきましょう。

<用意する物>
・用紙
用紙サイズはB5かA4が一般的です。手書きの場合は白い便箋が好ましいですが、罫線入りを使う場合はビジネス用のシンプルな物を選びましょう。

・封筒
郵便番号枠のない、白無地の封筒を用意します。便箋がB5用紙の場合は「長形4号」、A4用紙の場合は「長形3号」を選びます。

・ペン
黒ボールペンか万年筆で書きましょう。油性・水性どちらでも問題ありません。


【退職願の書き方】

退職願

下記の手順で退職願を書いていきます。書き終わったら誤字脱字がないかを確認し、万一間違ってしまった場合は、新しい用紙にもう一度書き直しましょう。

1. 冒頭の行に「退職願」と記載します。行の真ん中より上側に書くようにしましょう。
2. 本文の書き出しは、「私事」もしくは「私儀」とします。行の一番下に記入します。
3. 退職理由は、詳細を書く必要はありません。どのような理由であっても「一身上の都合により」と記載します。
4. 退職日を和暦(令和◯年)で記載します。
5. 退職届は「退職を願い出る」書類です。そのため「退職する」と言い切らず、伺いを立てる形式で「お願い申し上げます」と記載します。
6. 退職願を提出する日付を和暦で記載します。
7. 退職日時点での所属部課を書きます。末尾に記載する社長の氏名より自分の氏名が下にくるよう、書き出しを少し下げるようにしましょう。
8. 自分の氏名の後に、押印をします。三文判でも構いませんが、シャチハタは避けましょう。
9. 会社の正式名称を記載します。
10. 宛名は社長とし、氏名を記載します。敬称は「殿」、もしくは「様」を用います。

【退職届の書き方】

退職届

退職届の書式は、退職願と同じです。冒頭を「退職届」とし、末尾を「~退職いたします」と断定的な言い方に変えるようにします。

【退職願・退職届の折り方】

退職届の折り方

退職願や退職届は、三つ折りにして出すのがマナーです。
便箋の書き出しが右上方(★)にくるように置き、下から上に3分の1折り上げます。その上から、下に折り重ねて完成です。

【封筒の書き方/入れ方】

退職届の封筒入れ方

封筒の表面には「退職願」または「退職届」と書きます。
裏面の差出人欄には、所属部署と名前を書きます。便箋の上の右端が表面の上部に来るように封入し、のりで封をした後、〆マークを記載します。

【退職願・退職届のQ&A】こんなときどうする?

退職願・退職届を提出し、円満に退職することが一番ですが、スムーズに事が運ばない場合もあります。
退職願・退職届の提出時によくある悩みをご紹介します。


・退職願が受理されない場合
直属の上司が退職交渉に応じてくれず、退職願を受け取ってくれない場合、さらに上の上司に相談します。それでも退職が受理されず、所属する部門の責任者に相談しても取り合ってもらえない場合は、人事部に相談するようにしましょう。
直属の上司との関係の悪化が原因で退職をする場合でも、いきなり直属の上司を飛ばして、その上の上司に退職願を提出することは避けましょう。初めから上の上司に相談することは、社会人としてマナー違反にあたり、退職交渉が難航する原因となってしまう可能性があります。

退職願の提出先や提出期限は、会社によって異なりますので、退職交渉を始める前に、必ず就業規則を確認してください。どうしても退職を受理してもらえない場合は、退職代行サービスを利用することも検討しましょう。


・退職願・退職届を撤回することはできる?
退職願は、労働契約の解除を申し出るための書類であり、取り下げが可能な場合もあります。退職願を提出した後は、直属の上司を通じて人事責任者の手に渡り、退職の承認が検討されます。承認前であれば、取り下げることができるかもしれませんが、確実とはいえません。
もし、退職願の取り下げが叶ったとしても、「会社を辞める」と意思表示したことによって、不本意な異動や人間関係の変化などが生じるかもしれません。「後で撤回できるだろう…」と考えなしに切り出すのは、絶対にやめましょう。

一方、退職届は労働契約の解除を届け出るためのものであり、一般的に一度提出したら取り下げることができません。提出した時点で、労働者が労働契約を解除したことになります。


・会社都合の退職の場合も、退職願・退職届が必要?
会社都合の退職の場合でも、会社の意向によっては退職願・退職届を提出する必要があります。
退職届は、従業員がみずから辞める意思を表明するための書類であり、会社都合の退職での提出は、本来の趣旨に合いません。しかし、事務手続き上、退職理由(会社都合・自己都合)にかかわらず提出を求める会社もありますので、会社の意向に従いましょう。

会社都合の退職で退職届を提出する場合、退職理由は、「部門縮小のため」「早期退職のため」など、会社都合の具体的な理由を記載します。「一身上の都合」と書いた場合、自己都合の退職として扱われ、失業保険を受け取るタイミングや金額、受給期間などに影響することがありますので注意してください。

円満に退職するためにも、あらかじめ就業規則を確認しよう

法律上は、正社員などの無期雇用契約では、退職日の14日前に「退職の意思表示」をすれば退職することが可能です。
ただし、円満退職したいのであれば、あらかじめ就業規則を確認し、しかるべきタイミングで退職願や退職届を提出するようにしましょう。

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