2023.10.02

自動車工場の仕事は本当にきつい?その理由について紹介!

自動車工場の仕事は本当にきつい?その理由について紹介!

自動車工場で働くことに興味があるけど、自動車工場は「きつい」イメージがあり、一歩踏み出すことができない方はいるのではないでしょうか。

本記事では、自動車工場が実際にきついのか、きついと言われる理由とともに紹介します。

自動車工場で働くことを考えている方、自動車業界に興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

自動車工場がきついと言われる理由6選!

ここからは、自動車工場で働くことできついと言われる理由について詳しく紹介します。

体力的にきつい

自動車工場で働く上で一番に思い浮かぶのが、体力的なきつさです。具体的にどのような場面で、体力的にきついと言われているのか見ていきましょう。

過酷な肉体労働による疲労

細かいパーツの組み立て作業以外は、肉体労働が伴う場合があります。慣れないうちは筋肉痛になったり、無理な姿勢で足腰を痛めたりすることもあるかもしれません。大きなパーツや重いパーツを運んだり、出し入れしたりする作業などでは、身体に負担を感じることがあります。

肉体的負担がかかると言われやすい原因には、以下の内容が考えられます。

  • 長時間の立ち仕事:ライン作業のほとんどが立ち仕事。長時間立ち続けることで足腰に負担がかかる。
  • 重量物の運搬:エンジンやボディなどの重い部品を運搬する作業は、腰痛や肩こりなどの原因となりやすい。
  • 高所作業:大型の自動車を製造する際には、高所での作業が必要となり、足場での平衡感の維持が必要かつ、上り下りが頻繁に発生するため、足腰に負担がかかりやすい。
  • 繰り返し作業:同じ作業を繰り返すことで、特定の筋肉に過度な負担がかかり、肉体的な疲労や筋肉痛を引き起こしやすい。

ただし、重量物の運搬のほとんどが機械で行われるほか小さい部品の組み立てなどは、肉体労働が必要ない場合もあります。

また、肉体的な負担が少なくなるように休憩時間を多めにする、勤務交代制にするといった勤務時間を調整する工夫がされています。体調不良を引き起こした際は、速やかに作業を中断し、必要に応じて労災指定の病院で治療を受けることができます。

危険が伴う仕事がある

自動車工場の仕事は、溶接といった危険が伴う作業もなかにはあります。

▼危険が伴いやすい業務

  • 機械による事故:ライン作業の多くで、大型の機械やロボットが稼働する。これらの機械の操作ミスや故障により、挟まれ事故や切断事故などが起こる可能性がある。
  • 高所からの転落:自動車を製造する際には、高所での作業が必要となることも。これにより、転落事故のリスクがある。
  • 化学物質の取り扱い:塗装や接着、溶接などの作業では、有害な化学物質を取り扱うことがある。これらの物質の取り扱いミスにより、火災や爆発、化学物質の吸入などの危険が伴う。
  • 重量物の取り扱い:エンジンやボディなどの重い部品を運搬する作業は、物の落下や運搬中の事故などのリスクがある。

こうした事故が発生しないように、自動車工場では適切な安全管理と安全対策をとっています。そのため、未経験者でも安心して働きやすい環境で働くことができます。

▼具体的な安全対策

  • 工場内には専門の安全対策や安全教育を行う管理者を必ず配置。初心者やバイト、期間工を含むすべてのスタッフに対して安全教育を徹底
  • 就業前の朝礼で、安全意識の高揚・喚起するために安全活動を実施により、事故のリスクを低減
  • ヒヤリハット¹が起きたら、上司に必ず報告し安全対策を行う
  • けがをしたら労災指定の病院で即座に治療

¹ヒヤリとしたことやハッとしたこと、を組み合わせた言葉

勤務時間が長い

自動車工場の多くは安定した生産を行うために、昼勤・夜勤などの交代制や3つの勤務時間をサイクルで回す三交代制(シフト勤務)が採用されています。

このような勤務形態は、勤務時間が不規則で、睡眠サイクルが狂ったりプライベートの予定が立てにくかったりすることがあり、精神的に苦痛と感じやすいかもしれません。
夜遅くまで起きているのが、得意な人などは、経験を積むうちに不規則なシフト制にも慣れていきやすいです。

また、交代制の場合は、交代勤務手当や深夜手当が支給されるというメリットもありますので、短期間で多く収入を得たいという方にはおすすめです。

移動時間がきつい

勤務する場所によっては、都市部ではなく交通の不便な場所に工場があることがあります。
それによって、公共交通機関での移動が大変だったり、そもそも公共交通機関がなかったりする場合もあります。

もし、通勤時間に時間をかけたくない人は、自動車工場には寮が完備されている求人が多くあるので、近くに寮がある工場を選ぶことで通勤時間のストレスから解放されます。

職場環境がきつい

職場環境で、きついと言われる理由には何があるのでしょうか。細かく紹介します。

工場の気温が高く暑い

溶接、塗装、エンジン製造工程では、工場内の気温が高温になりやすく、夏場は暑い環境で働かなければならない職場もあります。

熱中症対策として、水分補給や休憩時間が確保されており、工場内の換気設備の整備や冷却装置の導入など、環境改善に努める工場もあります。

また、気温は高いものの、外の直射日光を浴びることはないため、実際には暑さを感じにくいかもしれません。

▼自動車工場で気温が高くなりやすい業務エリア

  • 溶接作業エリア:自動車の部品を溶接する作業は、高熱が発生する。その熱が周囲に伝わり、作業エリアの気温を上昇させる。
  • 塗装エリア:自動車の塗装後、乾燥させるために高温の炉を使用する。この炉の熱が周囲に伝わり、作業エリアの気温を上昇させる。
  • エンジンテストエリア:エンジンのテストを行うエリアでは、エンジンの発熱により周囲の気温が上昇しやすい。
  • プレス機械エリア:自動車のボディパーツを形成するプレス機械は、大量のエネルギーを消費する。その結果として熱が発生しやすい。

機械音がうるさい

工場内では大型の機械や装置が多数稼働しているため、動作音や振動音が大きな騒音となりやすい傾向があります。

ただし、作業員の安全を守るための対策として、工場自体に防音設備が施されていたり、作業者には耳栓やヘッドホン型の防音器具を着用させたりすることで、直接的な騒音の影響を軽減する工夫が行われています。

特有の匂いが辛い

塗装や溶接作業によって生じる独特の匂いや揮発性の化学物質は、一部の人にとって不快感や健康への懸念を引き起こすことがあります。
車のオイルやガソリンの匂いが苦手な人や、化学物質に対する敏感性を持つ人は、自動車工場で働くことはおすすめできません。

しかし、多くの工場では、作業時にはマスクや防護服を着用し、換気設備を導入するなど、作業時の匂いや化学物質の影響を最小限に抑えています。
さらに、定期的な健康診断や職場環境の監視も行い、従業員の健康に配慮した対策を実施しています。

※厚生労働省「自動車製造業における元方事業者・関係請負人の安全衛生管理マニュアル

精神的にきつい

自動車工場はライン作業のため、作業は分担して行われます。ラインで工程ごとに作業が分かれることから、作業自体がルーティン化しやすく人によっては苦痛になる可能性があります。

このパートでは、さらに詳しく精神的にきついと言われる理由について紹介します。

単純作業に飽きる

ライン作業は、人によっては単純作業の繰り返しになり、飽きてしまうこともあります。

しかし、雇用形態や仕事内容によっては、作業だけでなく、1日の中で作業とチームを取りまとめ指導を行う業務などといった別の業務を行うこともでき、飽きずに続けられます。

単純作業が好きな人にはおすすめの職場です。

作業ペースを乱せないプレッシャーがある

製造ラインの効率性を最大化するためには、一定の作業ペースを維持することが求められます。タクトタイム¹は生産台数やメーカー・工場・工程によって異なり、早ければ早いほど忙しく、作業ペースを変えることができないプレッシャーが生じます。

だからこそ、自動車工場では業務を正確に覚えることができるサポートが充実しています。例えば、経験豊富な先輩がサポートしてくれたり、詳しい作業マニュアルや研修プログラムが用意されていたりします。これにより、安心して自分のペースで業務を覚えることができます。

業務を事前にしっかり習得していれば、タクトタイムにあわせた作業ペースを維持するのはそれほどプレッシャーに感じなくなるでしょう。

¹ひとつの製品を製造するのに必要とする時間のこと

人間関係が希薄な職場もある

製造ラインでは、各作業者が特定のタスクに専念します。そのため、他の作業者との交流の機会が少なくなることもあります。

ただし、それは働き先により和気あいあいとした雰囲気で作業が行える仕事もあるので、一概には言えません。逆を言えば、人間関係が面倒だと感じている人にとっては働きやすい職場といえます。

また、厚生労働省は自動車工場の風通しを良くするために、上司と部下のコミュニケーション向上の対策を推進しています。

※厚生労働省「製造事業者向け 安全衛生管理のポイント

寮生活がきつい

多くの自動車工場は地方に位置しており、遠方からの従業員のために寮を提供する場合があります。

しかし、なかには共同でキッチンや浴室を使用する場合もあるため集団生活が苦手な人には苦痛に感じることがあるかもしれません。ただし、ほとんどの場合は一人用の通常のマンションやアパートと遜色なく、プライバシーも確保されているため辛さを感じることは少ないでしょう。

また、派遣や期間工で勤務する場合、物件を選べる会社もあり綺麗な部屋に住むこともできます。

雇用形態の保証がなくきつい

期間工や派遣社員は、有期雇用契約のため正社員や無期雇用として雇われない限り、最長の契約期間まで働いたら必ず辞めなければなりません。そのため、期間満了後のことを考えると不安になることもあります。

しかし、雇用期間が定められていることで短期間で多くの経験を積むチャンスや、さまざまな業界や職種を経験できるというメリットも生じます。

また、自動車工場の多くの企業には正社員登用制度があるため長く働き続けたいという希望があれば制度を活用することもできます。

おしゃれができずきつい

勤務中は作業着を着用しマスクや帽子で顔がほとんど隠れるため、おしゃれも楽しみたい女性にとってはつらい場合があります。

安全面からピアスやネイルは禁止されることが多いですが、出勤前の服装については自由な職場が多く、髪の色についても基本的に自由な場合があります。
化粧については、ナチュラルメイクのみで楽だという意見もあります。

これまで、自動車工場がきついと言われる理由について紹介してきました。職場によってはきついと感じるものもあるかもしれませんが、人それぞれにきついと感じる程度やポイントは違います。

ここまで紹介してきた「きつい」といわれる理由で自分がきついと感じそうなポイントがあるようでしたら、個別の求人情報でそのポイントに不安を感じることがなさそうか見てみるのがよいでしょう。不安がぬぐいきれないようであれば、採用担当者に直接相談してみるのも大切です。
派遣や期間工で働く場合は、キャリアアドバイザーに相談して不安を解消するのがおすすめです。

自動車工場の仕事内容とは?

ここまで、自動車工場がきついといわれる理由について紹介してきました。ここからは、自動車工場の仕事内容について紹介します。

自動車工場の仕事内容は大きく6つあります。

▼仕事内容

  • プレス工程
  • 溶接工程
  • 塗装工程
  • エンジン製造工程
  • 組立工程
  • 検査工程

6つの工程を経て、1台の自動車が完成します。

溶接工程では高温で作業環境が暑く、塗装過程では他の工程と比較して特有の匂いが発生しやすいです。

しかし、快適に働くことができるよう換気設備を搭載したり防護服を着用したりと、工程ごとにきついと感じられる要因を解消するための工夫がされているので、安心してください。

詳しい仕事内容を知りたい方は、以下の記事で仕事内容について紹介しているのでご覧ください。

自動車工場での雇用形態は4つ!

自動車工場には、正社員だけでなく、派遣社員、アルバイト、契約社員など、多様な雇用形態の人が同じ環境で働いています。

自動車工場での雇用形態には大きく4つあります。

  • 正社員
  • 派遣社員
  • アルバイト
  • 期間工

勤務形態によって、役割が異なる場合がありますが明確に定義されているわけではありません。正社員は作業だけでなく、現場全体の監督といったまとめ役を担うことが多いです。

期間工とは、一定期間の労働契約を結んで働く労働者のことです。派遣社員との違いは、雇用契約先が異なる点で、業務内容に大きな違いはありません。

自動者工場で働くメリット!

これまで自動車工場勤務がきついと言われる理由について紹介してきましたが、反対に自動車工場で働くことによって得られるメリットを紹介します。

給与が高い

自動車工場は、真面目にコツコツ働くことでキャリアアップしやすい環境です。最初は任される業務が少ないものの、経験を積むことによって難しい作業も任せてもらえるようになります。これにより自然と給与が上がり、役職がアップすることでさらに高収入が得られるようになります。

また、短期で働く派遣や期間工の場合、通常のシフト時給よりも高額時給の場合が多く稼ぎやすい傾向にあります。

国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均給与は443万円です。製造業でくくれば、工場勤務の給料は平均より高いといえます。

バイトルに掲載されている自動車工場の求人平均時給は、自動車工場の平均時給は1,296円です。また、一部の企業では平均年収が600万円以上と記載されています。ただし、これらの数値はあくまで参考値のため、具体的な給与は企業や職種、経験などによって異なります。

※国税庁「令和3年民間給与実態統計調査

大手企業で働ける!

日本の自動車業界は、トヨタやスバルといった大手自動車メーカーが多いのが特徴です。
車好きなら、自分の好きなメーカーの工場で製造に携わることができます。

業績も安定しており、好待遇な企業が多いため、安心して働くことができます。

充実した福利厚生で寮付き求人が多数ある!

自動車工場は、多数の寮完備求人を揃えていることが一般的です。その中には赴任交通費が支給される場合もあり、地方から首都圏へ、もしくは首都圏から地方へ仕事を探す人でも、新生活の負担を抑えることができます。

また、必要な資格を持っていれば資格手当も受けられます。交替制の勤務で夜勤に勤める場合には、深夜手当も支給されます。

業務内容を覚えやすい!

自動車工場の仕事は、一部の専門的な職種を除き、基本的には決まった作業を繰り返すルーチンワークが主です。初めての作業でも何度も繰り返すことで、自然と身体が覚え効率的に作業をこなしやすくなります。

また、先輩社員による研修制度が整っている場所も多くあります。

未経験でも働き始めやすい

企業側がしっかりとした研修制度を設けているため、自動車工場では、未経験者でも働き始めやすい環境が整っています。

研修期間中には、自動車製造に関する基礎知識や、実際の作業の流れ、安全に関する知識などを学ぶことができます。

まとめ

自動車工場での仕事は、過酷な肉体労働や危険な作業、高温や騒音などの厳しいイメージがありますが、現場で働く人を第一に考えたさまざまな安全対策や環境を変える職場づくりなどがしっかりと行われています。

自動車工場は、高給与や大手企業での就業、充実した福利厚生、覚えやすい業務内容、未経験でも働き始めやすい環境、スキルアップの機会などたくさんの魅力がある職場です。
自動車工場での仕事にぜひチャレンジしてみてください。

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