2016.12.13

バイト敬語要注意!アルバイトするなら正しい敬語を覚えよう

電話でアルバイト応募するときに最低限つかう敬語

近年、日本語の乱れにまつわる話を時々耳にします。「ら抜き言葉」の是非や「若者言葉」「ギャル語」などの若年層特有の言葉文化が日本語に及ぼす悪影響など、メディアやSNS上では毎日のようにその手の議論が尽きることがありません。そんな言葉の乱れについて、比較的昔からよく聞かれるのが、「敬語をちゃんと正しく使えない人が増えた」という声です。もしかしたら、皆さんの中にも過去に目上の方から敬語の使い方について注意を受けた経験がある方もいるかもしれません。これからアルバイトを始めようと思っているけれど、正しい敬語の言葉遣いに自信がないので、ちゃんと仕事をこなせるのか不安に感じている人がいたら、今のうちに「正しい敬語の使い方」について勉強しておくことをオススメします。敬語を正しく扱えないと、職場の上司や同僚から、自分の本質的な能力とは無関係に仕事ができない人というイメージを抱かれやすいばかりでなく、取引先や店を訪れたお客様に不快な印象を与えて、結果的にそれが業績に反映されてしまうことにも繋がります。仕事を上手く円滑に進めていくためには「敬語に関する正しい知識」が不可欠です。
これから一緒に敬語についての理解を深めていきましょう。

それってあってる?尊敬語と謙譲語の違いを理解しよう

「敬語」と呼ばれる言葉遣いの中には幾つかの種類があります。「尊敬語」と呼ばれるものは目上の人や位が上の立場の人に対して使う言葉で、「謙譲語」と呼ばれるものが相手の事を立てる場合に使われる言葉です。どちらも似通ったイメージなので区別することが難しいと感じる人もいますが、両者の違いを上手く掴むためには次のようにして覚えると良いでしょう。「尊敬語は初めから自分よりも立場が上の人に対して使い、謙譲語は自分が相手にへりくだる事によって相手を引き立てる役割を持つ言葉」と捉えると、格段に違いが分かりやすくなるでしょう。敬語を正しく扱う上で一番重要なポイントは、「尊敬語」と「謙譲語」を正しくしっかりと理解することです。逆に言うと、ここさえ抑えておけば、自分が間違った言葉遣いをした際に「何故それが間違いなのか」がしっかり理解できるようになり、学習が格段にスムーズになります。「尊敬語」と「謙譲語」の違いを身に着けておきましょう。

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【応募編】正しいと思ってつい使っている間違い敬語

敬語は一応使えるつもりだけれど、それが正しいのかイマイチ自信がない……なんて人は多いはず。電話で応募をする際は、話し方や言葉遣いが印象を大きく左右するので、よく使う敬語だけでもおさえておきたいところ。第一印象アップのために、誤った敬語を使っていないか、今一度チェックしましょう。

例えば電話の冒頭、「貴社の求人票を拝見し…」と、さっそく言葉遣いを間違えているケースも。「貴社」は履歴書など文書上での使い方なので、ここでは話し言葉の「御社(おんしゃ)」と言いましょう。また日常的に使っている言葉が、つい出てしまわないように気を付けることも大切。面接の日時を確認されて「OKです」なんて答えるのはご法度です。友達相手のような砕けた印象を与えてしまうので、「わかりました」、さらに丁寧にする場合は「承知いたしました」と答えます。他にも、「すみません」→「申し訳ございません」、「じゃあ」→「それでは」など、無意識に出てしまいがちなうっかりワードに気をつけましょう。自信のない場合は、自分用の例文を作って、声を出して何度も練習するのがおすすめです。

例)
「お忙しいところ恐れ入ります。私(わたくし)、○○××と申します。御社のアルバイトの求人を拝見してお電話させていただきました。ただいま、採用担当の○×様はいらっしゃいますでしょうか?」

(採用担当者が出たのち)
「お忙しいところ恐れ入ります。私(わたくし)、○○××と申します。御社のアルバイトの求人を拝見してお電話させていただきました。ぜひ面接をお願いしたいのですが、現在も受け付け中でしょうか?」

担当者が不在の場合は、「それでは、こちらから改めてご連絡させていただきます。何時頃お戻りになりますでしょうか?」と尋ねましょう。しかし相手によっては、流れが練習通りにいかないことも。そんな時でも、正しい敬語の使い方を意識しつつ、落ち着いてゆっくり話しましょう。

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【バイト中編】正しいと思ってつい使っている間違い敬語

仕事中で行う上司や先輩との意志疎通や業務連絡でも、多くの人が間違えて使っている言葉遣いがあります。例えば、出勤しなければいけないのに急病で高熱が出てフラフラで、動けないという時には、バイト先へ欠勤する旨を電話で伝えなければいけません。その状況を想定してください。

誤用例)
「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、体調不良のため、今日はお休みさせていただきます」
この言葉遣い、どこがダメなのか分かるでしょうか。ひと目で分かるようなおかしなところもなく、日常的によく耳にすることも多いフレーズなので分からない方もいるかもしれません。

正解例)
「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、体調不良のため、今日はお休みいたします」
一見すると、「させていただきます」の方が丁寧に聞こえるので良いように思えます。しかし、この状況では、捉え方によっては強い意志を表明しているようにも聞こえてしまうので、「いたします」を使った方が無難です。
「させていただきます」という言葉遣いは、その時々のシチュエーションによって適切か不適切かの判断が変わってくる言葉です。あまり慣れていないうちは多用しすぎないように気を付けたほうが良いでしょう。

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間違い?バイト敬語は使わないほうがいいの?

近年、主に若年層でよく使われており、特にレストランやファーストフード店などの飲食業やコンビニなどのアルバイト店員が大半を占めるサービス業界を中心に用いられている特徴的な日本語の言葉遣いのことを「バイト敬語」という名前で呼ぶようになりました。そのバイト敬語がマスコミを通じて「間違った敬語の言葉遣いなどと広く紹介されたことで、多くの人の関心を集めています。言語学や方言学などの言葉について研究している専門家の方々の間でも、さまざまな検証や議論が活発に行われていて、見解が大きく分かれています。

ですので、一概に「バイト敬語が全て間違った言葉遣いである」というふうに断言することはできません。しかし、アルバイト先の上司やお店で接客するお客様の中には、バイト敬語を聞いて違和感を覚える人がいることも事実ですので、できるだけ使わないように心掛けた方が良いでしょう。

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よく聞くバイト敬語… 正しい敬語に直すとどうなる?

巷に溢れているバイト敬語ですが、その中でも耳に馴染みのあるものをいくつか選びました。正しい表現に直してみましょう。

1)
×…ご注文は以上でよろしかったでしょうか?
○…ご注文は以上でよろしいでしょうか?

これはバイト敬語の話題で必ず挙がる例のひとつです。現在進行中の出来事なのに無理に過去形にする必要はありません。

2)
×…~円からお預かりいたします。
○…~円、お預かりいたします。

レジで会計する際によく聞く何気ないフレーズ。「から」という言葉を商品の代金に使うのは適当ではありません。「から」は一般的に場所を表す言葉の後ろについて動作や作用の起点を示す言葉です。

3)
×…こちらコーヒーになります。
○…コーヒーをお持ちしました。

喫茶店などで出会う機会の多い言葉ですが、「~になります」という言葉は一般的に「○○が??になる」というような変化の意味を持つ表現なので、この場合は適切ではありません。

4)
×…お名前を頂戴できますか?
○…お名前を伺ってもよろしいですか?

「頂戴」は「貰う、受け取る」の謙譲語なので、この場合、相手から名前そのものを貰おうとしていることになってしまうので間違いです。もしホテルのフロントなどで、何かの書類に相手に名前を書いてもらいたい時には「こちらの書類にお名前のご記入をお願いします。」などのように別の形に言い直しましょう。

5)
×…どちらにいたしますか?
○…どちらになさいますか?・いかがなさいますか?

服屋などの接客の際、ふたつの商品やサービスをお客様に提示して選んで頂く場面はよくあります。この場合、選択するのはお客様になるので、文章の主語はお客様ということになります。「いたす」は「する」の謙譲語ですから、お客様の立場を下げる言い方になってしまう為、間違いです。「する」の尊敬語は「なさる」なので、こちらの方を使いましょう。

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覚えておくと今後も役立つ!よく使う尊敬語と謙譲語

敬語を正しく扱うということは、言葉を変えれば「状況に応じて適切に尊敬語や謙譲語に組みかえること」だとも言えます。この機会を利用して、普段よく使っている言葉の尊敬語や謙譲語にあたる言葉を覚えておくと、社会人になった時にも役に立つので、いくつかの基本的な言葉を一緒に見ていきましょう。

 

1)「する」
尊敬語…「なさる」
謙譲語…「いたす」

これは、基本的で頻繁に使う機会のある言葉です。「天皇陛下が国賓と会食をなさる」のような表現をテレビのニュースなどのメディアで見聞きする機会は数多くあるでしょう。謙譲語の「いたす」の場合も「ふつつか者ですが、どうぞよろしくお願いいたします」のように誰もが普段何気なく使っている身近な表現です。

2)「行く」
尊敬語…「いらっしゃる・いかれる」
謙譲語…「参る・伺う」

自分より立場が上の人が自宅など自分に近いところに来る場合には「いらっしゃる」を使い、自分の近くから離れていくような場合には「いかれる」を使います。逆に、自分が位の高い人のところへ近付いていく場合には謙譲語の「参る・伺う」を使いましょう。

3)「来る」
尊敬語…「見える・おいでになる」
謙譲語…「参る」

「来る」の謙譲語は「行く」の時と同様に「参る」になります。よく「参られる」というような言葉遣いをする人もいますが、間違えないように注意が必要です。

4)「言う」
尊敬語…「おっしゃる」
謙譲語…「申す・申し上げる」

「おっしゃる」と並んでよく聞く表現として「おっしゃられる」というような言葉も聞いたことがあると思いますが、これは「二重敬語」といって間違った言葉なので気を付けましょう。「言う」の尊敬語の「おっしゃる」という語に更に「れる」という言葉を足してしまっているのです。二重敬語と呼ばれるものの中には慣習として根付いているようなものもあって、使っても大きな問題がない場合もありますが、基本的にはちゃんと正しい敬語を使うように心掛けましょう。

5)「知る」
尊敬語…「ご存知・知られる」 謙譲語…「存じ上げる・存じる」

「知る」の尊敬語の間違った表現としては「お知りになる」というのをよく聞きますが、これも「知る」に「お」を付けて丁寧にした「丁寧語」と「~なる」という尊敬語の組み合わせなので二重敬語ということになります。

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正しい敬語さっそく今日から使ってみて

これまで一緒に正しい敬語の使い方について見てきましたが、今までのおさらいとして大事なポイントをまとめましょう。

・正しく敬語を扱う為には「尊敬語」と「謙譲語」の違いをしっかり覚えることが大切。
・バイト敬語は一概に全てが間違っているとは言えないが、不快に感じる人はいるので、なるべく使わないように心がける。
・敬語を意識するあまり、敬語に敬語を重ね合わせてしまう「二重敬語」にならないように注意が必要。

正しい言葉遣いは人と人とを密接に繋げる重要な役割を果たします。アルバイト先の上司や先輩、同僚とのコミュニケーションや接客を円滑にするために、正しい敬語の知識は必須です。しかし、言葉のキャッチボールは字面だけで行うものではありません。
何より大事なのは、敬語に気をつけながらも、明るくハキハキとした話し方で接することです。聞き取りやすさも大切なので、早口にならないように気を付けて。また相手が、気さくな話し方の場合もつられないように注意しましょう。敬語の使い方は、一度身に付けておけばこの先ずっと役立ちます。これを機会にぜひマスターしましょう。

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