事前に決まっていたバイトの面接日にも関わらず、体調がすぐれなかったり、身内に不幸があったりして急に面接に行けなくなった場合、当日のキャンセルは可能なのでしょうか。ここでは、バイトの面接当日のキャンセルができるのか、面接辞退をどのように伝えれば良いのかについて解説します。

当日の面接辞退は基本的にはマナー違反

バイト面接をキャンセルする行為は、基本的にはNGです。ただし、体調不良や家庭の事情などやむを得ない事情がある場合は、当日にキャンセルするしかありません。キャンセルする場合は、「キャンセルするのが当然」という態度ではなく、「申し訳ありません」という思いをもって連絡することが大切です。

また、連絡せずに無断欠席することは、絶対にやめてください。社会人としてのマナーとしてもありえませんし、バイトを無断欠席した人物として同じ業界内で悪評が伝わる可能性もあります。企業の採用担当者には、パイプがあると考えていたほうが無難です。あちらこちらの企業のブラックリストに載ってしまうと、バイトの採用は難しくなるでしょう。

当日の面接辞退も可能！ただし連絡はすぐにしよう

バイト面接のキャンセルは、前日までであれば、メールやLINEでの連絡でも失礼に当たらないケースもあります。しかし、基本的には応募先へ電話をかけて、面接のキャンセルを伝えるようにしてください。どれだけうしろめたい気持ちがあったとしても、必ずキャンセルの連絡を入れ、誠実な対応をしましょう。

当日の面接辞退は原則電話で

メールでの連絡の場合、担当者がその連絡を見落とし、トラブルを招く可能性があります。当日に辞退する必要が出た場合は、原則として電話で行ないましょう。応募先に電話をかけるタイミングは、体調不良などやむを得ない事情が発覚した時点です。ただし、応募先の相手にも都合があるので、応募先の忙しい時間帯を避けて電話をかけると担当者につながりやすいでしょう。

前日までならメールでも大丈夫

面接をキャンセルせざるを得ない場合は、なるべく早く、担当者に連絡することが大切です。面接の前日までにキャンセルが決まっていて、営業時間外ならば、メールでの連絡もやむを得ません。当日の電話連絡がつながらない事態も想定し、メールで連絡を入れておくのがよいでしょう。

のちの項目で、メールで面接辞退を連絡する際の例文を紹介しています。企業側に迷惑をかけることを自覚したうえで、失礼のないメールを送るように心がけましょう。間違えても、言い訳がましいメールや自分以外に責任転嫁するようなメールにしないでください。

バイトをするために、複数の会社やお店に応募する人もいます。「できるだけ多くのチャンスを得たい」と願うのは人間の心理ですので、複数の応募先に応募することは悪いことではありません。とはいえ、第一志望の応募先に受かってしまうと、他の応募先をどうするか悩んでしまいますよね。

面接当日までに、他のバイト先の採用が決まっている場合、気まずい気持ちがあると思いますが、キャンセルせずに面接を受ける行為はNGです。バイト先の担当者からすると、「採用できるチャンスがある」と思って時間を設けて準備しているため、その時間が無駄になってしまいます。

他のバイト先が決まっていて、今から受ける応募先で働く意思がないのであれば、バイト面接をすぐにキャンセルする連絡を入れましょう。

面接の当日にキャンセルの電話をする際は、どのような伝え方をすればよいのでしょうか。ここでは、電話をかけるときのポイントと、電話での伝え方を紹介しています。

電話をかけるときのポイント

電話をかけるときは、嘘をついたりごまかりたりせずに誠心誠意、謝罪します。相手に時間を割いてもらったわけですから、必ず気持ちを込めて謝罪するようにしましょう。

電話の例文をケースごとに紹介！

【例文】

■電話がつながった場合
お世話になっております。本日○時から面接を受けさせていただく予定でした〇〇と申します。大変身勝手ではありますが、一身上の都合で面接を辞退させていただきたく、お電話させていただきました。


（理由を聞かれた場合）
実は他社から採用の通知をいただきましたので、そちらで働かせていただこうと考えています。申し訳ございません。


（わかりましたと言われた場合）
ありがとうございます。貴重なお時間を作っていただいたにも関わらず、大変申し訳ございません。
それでは失礼いたします。

担当の部署に電話をしても、担当者が不在の場合もあります。そこで以降では、担当者が不在の場合の対応について紹介します。

伝言を頼む場合

当日の連絡のため、担当者と連絡が取れないことも十分にありえます。その場合は、電話口の方に辞退の連絡の伝言を依頼しましょう。また、メールの連絡先を知っている場合は、そちらも併せて送っておくと伝言漏れを防ぐことができます。

【例文】

お世話になっております。本日〇〇さんに面談のお約束をいただいておりました〇〇と申します。
大変身勝手ではありますが、一身上の都合で面接を辞退させていただきたく、お電話させていただきました。
〇〇さんに直接お詫びさせていただくべきところですが、面接辞退の旨、ご伝言いただけますでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、失礼いたします。

電話をかけなおす場合

面接当日に電話をして担当者が不在と伝えられた場合でも、別の人から「〇〇時には戻る」といった情報が得られた場合や、面接時間までまだ猶予があるような場合は、なるべく直接お詫びがしたいという意志を示すことが大切です。

社会人のマナーとしては、キャンセルという失礼をおかす以上、時間を作ってくれた担当者に直接謝罪するのが筋といえます。担当者が戻る時間に電話をかけなおすことを伝えて、あらためて電話するようにしましょう。

【例文】

お世話になっております。本日〇〇さんに面談のお約束をいただいておりました〇〇と申します。
大変身勝手ではありますが、一身上の都合で面接を辞退させていただきたく、お電話させていただきました。〇〇さんが今ご不在とのことでしたので、あらためて〇時頃お電話をかけ直させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、失礼いたします。

面接のキャンセルは、本来なら電話で直接担当者に謝罪しなければなりません。しかし、企業によっては、メールでの連絡しか受け付けていないことがあります。また、応募先企業の営業時間内に電話できないケースもあるでしょう。こんな場合は、メールで面接辞退の連絡をせざるをえません。以降では、メールで辞退をする場合の例文をご紹介します。

必ず前日までに行なう

バイト面接辞退の連絡を確実に伝えたい場合は、やはり前日・当日問わず電話が確実です。とはいえ、相手の営業時間と合わないなど、電話が難しい場合もあるでしょう。直接電話で面接辞退を伝えられない際の代替案として、電話採用担当者と連絡が取れれば、メールでも問題はありません。ただし、メールで連絡を取る場合は、前述したように、前日までに行なうのが鉄則です。

メールは、相手がいつ確認するかわかりません。たとえ当日メールで連絡しても、面接時間まで相手にメールを確認する時間がなかったり、メールが来ていることに気付かなかったりする可能性があるため、注意が必要です。

メールで辞退する場合の例文

メールで辞退する場合も、電話をする場合と同様、しっかりとした謝罪の意志と誠意が伝わるよう心がける必要があります。以下のような例文をもとに、自分なりの文面に仕上げましょう。

【例文】

〇〇株式会社採用担当者様

お世話になっております。
〇月〇日の〇時から面接のお願いをしております〇〇△△と申します。

大変恐縮ではございますが、このたびは面接を辞退させていただきたくご連絡いたしました。

個人的なことではありますが、先日他社様から採用をいただきまして、そちらでお世話になることに決めた次第です。
貴重なお時間を割いて、面接を予定いただいたにも関わらず、このような形になってしまい、大変申し訳ございません。

何卒よろしくお願いいたします。貴社のご発展を心よりお祈りしております。
それでは失礼いたします。

〇〇△△（氏名）
電話番号：000-0000-0000
メール：（メールアドレス）

面接当日に面接を辞退する場合、どのように辞退の理由を伝えるのがよいのでしょうか。

理由は素直に伝えよう

面接辞退の連絡を受けたときに、採用担当者が一番気になるのは辞退の理由です。適当にごまかすのではなく、辞退の理由を素直に伝えたほうが、誠意が伝わります。「他のアルバイトが決まった」「自分の希望職種とは違った」など、さまざまな理由があると思いますが、自分の気持ちを素直に伝えたほうがよいでしょう。

不幸などは詳細に伝えない

面接当日に身内の不幸などが起きた場合は、おおまかな内容を伝えるだけでも失礼にあたることはありません。もし、身内の不幸を伝え、詳しい理由を聞かれた場合は、「一身上の都合でお答えできません」と伝えれば十分です。

謝罪の気持ちをしっかり伝えることが重要

採用担当者にも別の仕事があり、その貴重な時間を使って面接の日程調整などをしていることも忘れてはいけません。面接の辞退は、やむを得ない事情であったとしても、少なからず相手に迷惑をかけることになるため、謝罪の気持ちをしっかりと伝えることが大切です。

面接日には不都合が生じて、できれば面接を別の日に変えてもらいたい場合は、その旨をお願いする必要があります。このような場合は、以下に挙げるようなポイントに留意しましょう。

具体的な理由を伝える

選考を辞退したいわけではなく、面接を別の日に変えてもらいたい希望がある場合は、なぜ今日面接を受けることができないのか、その理由をできるだけ具体的に伝えるようにしましょう。なぜなら、相手が納得できるだけの理由を提示する必要があるからです。

のっぴきならない事情があり、今日の面接は受けられないけれど面接を受けたいと、具体的な理由を述べて謝罪の意を伝えれば、自分の熱意も同時に伝えることが期待できます。

日程調整のお願いの仕方

あらためて日程を調整してもらいたい場合は、その旨をきちんと伝える必要があります。どうしても外せない用事が急にできた場合は、相手の都合を優先しつつ、面接の日程を組んでもらえるようにお願いしましょう。

体調不良の場合は、新型コロナの感染拡大への懸念もあるため、少なくとも1週間以上空けてからの面接をお願いするのが無難です。1週間以上空ければ、万が一新型コロナに罹患していたとしても、感染が拡大するリスクを軽減できます。

調整がうまくいかず、面接が受けられなかった場合も、調整しようとしてもらった骨折りに感謝の意を伝えましょう。調整がうまくいかなかったとしても、いたしかたないことです。

調整がうまくいった場合は、電話を切ったあとにあらためて、当日か翌日までにメールでお礼するようにしてください。電話での謝罪に加え、文面であらためて面接のキャンセルをお詫びし、調整してもらった事実にお礼を伝えます。電話で決まった次回の面接の日時についても、メールで確認しておくことで、聞き間違いなどを防ぐことができます。

当日、キャンセルになってしまったものの、そもそも選考そのものを辞退したい以下のようなケースもあるかもしれません。

・事前に受けていた他社のアルバイトに採用された
・現在のアルバイト先に留まることにした
・家庭の事情で辞退せざるを得なくなった
・事前に提示されていた条件がどうしても自分に合わないと感じた　など

できれば、早々にキャンセルしておきたいものですが、他社で採用されるなどして、どうしても当日連絡をせざるをえない場合は、具体的に理由を伝えるようにしましょう。理由をあいまいなままにしておくと、別の面接日を提案されたり、引き留められたりする可能性があります。

ここでは、他の仕事が決まった場合と、仕事内容や条件が想像と違っていた場合に、辞退を伝える例文を紹介します。

他の仕事が決まった場合

他の仕事が決まった場合は、お詫びの気持ちとともにその旨を明確に伝える必要があります。

【例文】

このたび、他の企業から採用内定のお知らせをいただいたため、本日の面接を辞退させていただきたく、ご連絡を差し上げました。採用内定のお知らせを先ほど頂戴したため、ご連絡が面接の当日になってしまったこと、まことに申し訳ございません。

仕事内容や条件が想像と違っていた場合

アルバイトの面接をしてもらうことになったものの、アルバイトの条件や待遇を確かめているなかで、自分の希望とかけ離れていたことに気付くこともあるでしょう。このような場合は、たとえ採用されたとしても長く勤めることができないかもしれませんし、選考を辞退するのが賢明です。面接を受ける前に、キャンセルするのがよいでしょう。

ただし、応募先希望の待遇面や、条件の悪さを急に気付くことはあまりありません。たいていは、事前に調べたうえで応募しているはずです。そのため、当日のキャンセルの理由が待遇面や条件の悪さであることを正直に伝えると、採用担当者に不快な思いだけを残すことになります。この場合は、あえて正直な理由を述べず、体調不良などの理由で面接辞退を伝えるようにしましょう。

【例文】

このたび、せっかくの面接の機会を頂戴しましたが、急な体調不良で快復の目途がたっておりません。御社に余計なご迷惑をおかけいたしますので、今回の面接については辞退させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

面接の当日の体調不良で面接を受けることができない場合は、当日キャンセルしたい理由を具体的に述べて、相手に自分の状況を伝えるようにしましょう。理解を得られるだけでなく、面接の日程調整などをしてもらいやすくなります。

この際、「体調不良だから仕方ない」と開き直らず、「大切な日なのにしっかり体調を管理できず、申し訳ない」という気持ちを伝えることが大切です。手短で良いので、お詫びの気持ちを伝えるようにしましょう。以下の例文を参考にしてください。

【例文】

本日、○時より面接のお約束をいただいております〇〇と申します。
大変申し訳ないのですが、本日の面接を辞退させていただきたく、連絡させていただきました。
本日、夜半から体調が悪く、熱を測ったところ38度以上ある状態あります。コロナ禍にあるなか、面接にうかがうことでかえって御社にご迷惑をおかけする事態も想定されるため、面接を辞退せざるを得なえなくなってしまいました。

お忙しいなか、せっかく調整していただいたにも関わらず、体調の管理が行き届かない状態で、当日の連絡になりましたことを、お詫び申し上げます。まことに申し訳ありません。もし、可能でしたら、面接の延期をご検討いただけると幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

どのような理由があるにせよ、面接の当日にキャンセルすることには、ある程度のデメリットがともないます。ここでは、面接の当日にキャンセルするデメリットを3つ挙げて解説します。

心象が悪くなるかもしれない

面接の当日にキャンセルすることで、採用担当者がせっかく空けてくれていた時間が無駄になってしまいます。どのような理由であっても、相手の時間を無駄にしてしまうことに変わりありません。また、キャンセルの理由がきちんと伝わらず、寝坊など自己都合によるキャンセルと誤解されてしまう可能性もあります。

面接の当日キャンセルによって、相手の心象が悪くなることは十分に想定されることです。予定されていた面接を受けた場合と比べると、多少条件が厳しくなることも覚悟しておきましょう。

採用の枠がなくなる

アルバイトの倍率が高く、多くの人が面接を受けるような企業の場合は、キャンセルした面接日に採用が締め切られてしまい、採用の枠がなくなる事態もあります。人気のある企業ほど、面接のキャンセル段階で採用枠がなくなるかもしれないことを想定しておきましょう。後日の面接をお願いした場合も、採用枠がなくなったことを理由に、断られる可能性があります。

次の面接の機会がなくなるかもしれない

当日のキャンセルで企業の採用担当者が何らかの悪い印象を持ってしまった場合や、他の面接日の調整が難しい場合などには、次の面接の機会を用意してもらえない可能性もあります。どのような理由があっても、当日のキャンセルそのものを問題視する採用担当者がいないとも限りません。最悪の場合は、面接を実施してもらえないことも想定しておきましょう。

面接の当日キャンセルで、まず注意したいのは、お詫びの気持ちを伝えることですが、それ以外にも注意しておくべきポイントがいくつかあります。ここでは、ぜひ覚えておきたい当日キャンセルのポイントを2つ挙げて解説します。

就業時間内に連絡する

面接当日にキャンセルの連絡せざるをえない場合は、なるべく早くの連絡が前提です。しかし、相手企業の就業時間前に連絡するのはいただけません。始業時間前に、採用担当者が出社しているかはわかりませんし、たとえ出社していたとしても、始業時間前に電話をかけること自体がマナー違反です。当日の面接が午前中の場合は、始業時間を確かめたうえで、なるべく早めに電話するようにしましょう。

午後の面接の場合は、朝礼や朝一の連絡などが重なる時間帯を避け、15～30分ほど様子を見たうえで電話するのがベストです。

静かな場所から連絡する

当日の面接キャンセルを連絡する際は、自分の周囲にも気を配ることが必要です。さまざまな音が聞こえる環境下で電話すると、電話する声が聞き取りづらく、相手に余計な迷惑をかける心配があります。当日の面接以外の日程を提案された場合も、聞き間違えるリスクがあるでしょう。

相手にとっては、面接の当日キャンセルだけでも大きな迷惑となるのですから、電話する環境でさらに迷惑をかけないことが大切です。相手のことも十分に配慮し、できるだけ静かな場所から電話するように心がけましょう。

この記事では、アルバイトの面接当日になってキャンセルの連絡をする場合に注意すべき内容をまとめました。ポイントは、採用担当者の立場を十分に考えることです。面接のために用意してもらった時間が無駄になることや、当日のキャンセルで混乱をまねくことをお詫びして、できるだけ誠実な対応を心がけてください。

当日のキャンセルは、電話での連絡が大前提です。前日までならメールでも大丈夫ですが、どちらの場合も、言葉に十分に気を配りましょう。また、電話をかける時間帯や電話をする環境などにも配慮が必要です。

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