面接へ恐怖心を抱いてしまうのは「面接独特の雰囲気が怖い」と感じるケースが少なくありません。面接会場で見るライバルたちの粛々とした態度や、扉を開けて一斉に面接官の視線が自分に向いたときの圧迫感、日常生活では感じない雰囲気に圧倒されて、苦手意識を持ってしまうようです。

面接での対応に自信が持てず、不採用になることを想像して怖くなることもあります。「もし不採用になったら……」「どこにも採用されなかったら……」と、今後のことを心配しているうちに、面接自体を憂うつに感じてしまうようです。

面接対策として質疑応答例を調べているうちに、面接官からの質問が怖いと感じてしまうこともあります。予想していない質問をされたり、採用に関係のないことを聞かれたりする場面を想像して、逃げ出したくなってしまうのでしょう。

面接に、完璧な準備をして臨む必要はありません。姿勢、表情、声、話し方、話の内容など、完璧にしようと思えば思うほど、自信のない部分が不安をあおり怖さにつながります。

しかし、面接での受け答えに正解はありません。ありのままの人柄を見られていると考えると、怖さが和らぐでしょう。

会ったことのない面接官に短時間で評価されると考えると、不安や恐怖心を感じるものです。しかし、面接は一方的に品定めされる場所ではありません。

応募者側が企業の雰囲気を知り、選ぶ権利があることも忘れないようにしましょう。面接は応募者と企業の相性を確かめるためのものなので、過度に恐れることは不要です。

つい「自分にはできない」「自信がないから怖い」と考えてしまう人は、自分の長所を書き出してみましょう。些細なことでも構いません。長所を可視化すると大きな自信につながり、恐怖心を克服できるはずです。

万が一、採用につながらない場合でも、長所のリストアップは他の面接で役立ちます。

面接には、結果を想像せずに自信を持って臨んでください。書類選考や集団面接を通過したこと、自分には長所がたくさんあることなどを常に意識して、面接に向かいます。その自信は恐怖心をかき消して、声や表情にも表れるでしょう。

自信を持つには、緊張を抑えて平常心を保つことも大切です。緊張すると呼吸が浅くなるため、深呼吸を意識してみましょう。深く呼吸すると、全身の力が抜けて気持ちに余裕が出てきます。

呼吸で緊張や恐怖を調整できない場合は、少し肩を回してみるなど、体を動かすのもおすすめです。

面接官の質問に、完璧に答える必要はありません。準備しておいた回答を、一字一句間違えずに言える人はいないでしょう。スラスラと回答できなくても構わないので、質問に丁寧に答えられるよう意識してみてください。

面接官は、緊張しているときや想定外の質問をされたときに、どのように対応するかもチェックしています。完璧な回答よりも、コミュニケーション能力や対応力を大切にしましょう。

面接への怖さは、経験により払拭が可能です。例えば、いくつかの企業に応募していて、次が5回目の面接だとします。その場合は、1回目の面接よりも雰囲気に慣れているため、少しだけ緊張が薄れるはずです。

もちろん、本命の企業のために何度も不要な面接を受ける必要はありません。模擬面接を利用して、実際の面接に近い環境に慣れておきましょう。

面接への恐怖心や不安は、準備不足も関係しています。面接本番を迎えるまでに、以下のような準備をしておくと安心です。

面接の雰囲気に慣れるためにも、何度か練習を重ねておく必要がありますが、いくつもの企業にエントリーして面接を繰り返すのは大変でしょう。そこでおすすめなのが、以下のような練習方法です。

特に、自分の姿を客観的に見られる録画・録音が効果的です。「思っていたよりも姿勢が悪い」「早口で何を言っているかわからない」など、普段は意識しない自分の癖に気付けるかもしれません。

また、実際に練習するときは、面接部屋を設けて入室・着席から離席・退室までの流れを意識すると、面接本番のイメージが湧きやすくなります。