中卒の就職率は低い?現実的に厳しい?中卒就職におすすめの仕事や資格とは

中卒の就職率は低い?現実的に厳しい?中卒就職におすすめの仕事や資格とは

中卒の就職活動では、求人募集が少なかったり、正社員でも基本給が低かったり、仕事に必要な資格の取得条件を満たせない、といったデメリットがあります。

この記事では、中卒の就活で不利にならないおすすめの職種や取れる資格、面接でアピールすべきポイントについて、くわしく解説しています。

どうしても就職・転職には自信が無いという方は、参考にしてみてください。

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中卒の就職率(就職内定率)

高校・中学の新卒でハローワークを利用した学生の就職状況については、厚生労働省のデータ(参考:厚生労働省「令和4年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ」)があります。

そのデータによると、令和3年3月に中学を卒業する人の最終的な就職率は95.4%です。
これは、同じ年度の高卒での就職率99.6%と比較してもほとんど変わらない数字です。

また、昭和60年以降のハローワークでの求人・求職状況の推移のグラフでも、社会的に景気が良いと言われる時期では、求職者数より求人数の方が多くなっています。

特に、近年は少子化のため、若くて仕事を探している人の数は減少し続けていますが、求人募集の数は増え続けています。

つまり、中卒だから高卒や大卒より就職は難しい、就職できない、というわけではないのです。

中卒での就職(活動)する際のデメリット

中卒での就職(活動)する際のデメリット

 

就職率の数字だけを比較すると、高卒と大きな違いは無いように見える中卒での就職ですが、中卒で就職(活動)する際には、以下の4つのデメリットがあることを念頭に置いておく必要があります。

就職先が限定される

まず、求人募集の応募要件で「高卒以上」や「大卒以上」を条件としているものは応募することができません。

自分の興味がある仕事や業種での求人を見つけた時は、最初に応募要件についてチェックしておく必要があります。

どうしても気になる仕事が高卒以上の募集しかない場合は、高卒の資格を取るか、違う仕事を検討した方が良いかもしれません。

このように中卒では、高卒・大卒と比べて選択できる職種は限られてくることが多いでしょう。

大卒や高卒に比べて賃金が低い

厚生労働省の資料を見ると、学歴・性別・年齢別における賃金がまとめられているので、男女別に比較表にまとめてみました。

学歴・年齢ごとの賃金比較【男性】

年齢 中卒 高卒 高専・短大卒 大学・大学院卒
18~19 17万円 17万円 - -
20~24 20万円 19万円 20万円 22万円
25~29 23万円 23万円 23万円 26万円
30~34 26万円 26万円 28万円 32万円
35~39 28万円 30万円 32万円 40万円
40~44 29万円 33万円 38万円 48万円
45~49 29万円 35万円 42万円 51万円
50~54 31万円 37万円 45万円 53万円
55~59 31万円 36万円 44万円 54万円
60~64 24万円 26万円 36万円 43万円

(参考:厚生労働省「平成18年賃金構造基本統計調査(全国)結果の概況 学歴別にみた賃金
 より。金額は千円単位を四捨五入。)

学歴・年齢ごとの賃金比較【女性】

年齢 中卒 高卒 高専・短大卒 大学・大学院卒
18~19 14万円 16万円 - -
20~24 15万円 17万円 19万円 21万円
25~29 16万円 18万円 21万円 23万円
30~34 16万円 20万円 23万円 27万円
35~39 17万円 20万円 26万円 33万円
40~44 18万円 20万円 27万円 38万円
45~49 18万円 20万円 27万円 39万円
50~54 19万円 20万円 29万円 38万円
55~59 19万円 21万円 30万円 41万円
60~64 16万円 19万円 28万円 44万円

(参考:厚生労働省「平成18年賃金構造基本統計調査(全国)結果の概況 学歴別にみた賃金
 より。金額は千円単位を四捨五入。)

表を見ると、やはり学歴が高いほど高賃金で、年齢が上がるにつれて高くなっていることが分かります。

また、女性よりも男性の方が年齢経過における賃金が高くかなりの差がありますが、唯一、大学・大学院卒についてはこの限りではありません。

また、今回参考にした資料は平成18年で割と古い資料となっています。インターネットの普及や働き方への多様な価値観、労働環境の変化により、上で紹介したような傾向にない業種もたくさんあります。

正社員として就職するのが難しい

厚生労働省が発表している資料をみると、中卒は大卒や高卒に比べて正社員として働いている人が少ないです。

若年労働者の最終学歴別の正社員の割合

中卒 35.4%
高卒 56.3%
専修学校( 専門課程)修了 66.6%
高専・短大卒 66.2%
大卒 80.9%
大学院修了 84.3%

(参考:厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査結果の概況」)

理由としては、正社員の採用に学歴を重視している企業が多いことや、専門性の高い仕事で正社員の募集が多いことなどが考えられます。

資格取得の要件を満たしていないことが多い

中卒の場合、就職に必要な資格の受験要件が満たせず資格が取れないことが多いため、得選べる職種の幅が狭くなってしまいます。

たとえば、医師のような専門職であれば大学の医学部を卒業する必要があります。また、身近な職業では、保育士、教員免許なども受験資格が高卒以上になります。

そのため、応募条件に「資格取得必須」と記載がある求人に応募したい場合は、受験資格を得るために、高校に通い直したり、高卒認定を取得する必要があります。

中卒の就職におすすめの仕事8選

中卒の就職には不利な部分もありますが、世の中には「学歴不問」や「未経験歓迎」の求人など、学歴や経験がなくても応募できる仕事はたくさんあります。

もちろん、月給や年収も、職種や本人の努力によって高卒・大卒以上に稼ぐことは可能です。

以下、中卒でも高収入・キャリアアップできるおすすめの仕事を紹介します!

営業職

営業職というと、飛び込み営業や売上ノルマがきついイメージがあるかもしれませんが、営業方法などは会社によって異なるものです。

未経験で営業に自信がなければ、ルート営業をしている企業やノルマがない企業を選びましょう。

大手の不動産業界や製造関係の企業では学歴が必要なこともありますが、営業の実績を積んでおけば転職しやすい業種です。

学歴不問の求人も多く、成果主義の傾向が強いため中卒でも就職しやすく、歩合制であれば高収入も夢ではありません。

販売・接客職

販売・接客職では、仕事に必要な商品やサービスについての知識・経験は現場で学んでいくため、経験不問・学歴不問の求人が多い業種です。

アパレル関係であれば洋服や雑貨、コンビニやスーパーでは日用品や食品など、扱う商品もさまざまで幅広い業界での求人も多く、自分に興味のある仕事が選びやすいでしょう。

レジ打ちや商品発注などの接客対応が中心で、複雑で頭を使う業務も少なく、シフト制であれば休みも取りやすいため働きやすいでしょう。

介護職

少子高齢化に伴い、介護職は特に需要が高い仕事です。

常に人手不足な業界であることから学歴不問、経験不問の求人を出している事業所も多く、体力・精神力に自信がある人にはおすすめです。

医療系とは違い、介護職では特別な資格も必要ありません。無資格でも働けますが、介護福祉士やケアマネジャーなどの資格を取ってキャリアアップすることも可能です。

職場によっては資格取得のための支援制度が導入されています。資格を取って実績を積めば、より良い条件での転職もしやすいでしょう。

IT系

エンジニアやプログラマーなどのIT系職種もおすすめです。

IT業界というと難しく聞こえますが、プログラミングが出来ればエンジニア、PCに詳しくなくてもWEBライターやWEBデザイナーなどさまざまな仕事があります。

IT業界は、技術の進歩に対して技術者の育成が間に合っておらず人手不足が続いていることや、学歴より成果物や技術が評価されるため、普段からプログラムなどに興味があって自分で取り組んでいる方にはぴったりな業種です。

プログラミングの基礎知識を勉強しておけば、未経験でも採用担当者から評価されやすくなります。

工場作業員

工場作業員の仕事は、マニュアルで決められた作業を繰り返し行うため、一人で同じ作業が続けられる人にはおすすめです。

工場の業種は、食品、自動車、精密機械などさまざまですが、企業ごとにマニュアルは異なるため、経験不問の求人が多いでしょう。

工場の機械を止める日を会社カレンダーで休みにしている企業では、祝祭日が無い分長期休暇が長いこともポイントです。

長く勤めて役職につけば昇給のチャンスもあります。また、住み込みで働ける求人であれば、出勤時間の短縮や生活費の節約が出来るでしょう。

建設現場作業員

建設現場作業員は、建築現場での力仕事が多いため、若くて体力に自信のある人材が求められます。

就業後に仕事を覚えていくため、学歴不問・経験不問の求人が多く、未経験でも安心です。

肉体労働になるため身体的な負担は大きいですが、平均年収が高い職種です。

また、現場で15年以上の経験を積むことで、施工管理技師の受験資格を得ることもできます。

資格を取得すれば、キャリアアップのチャンスも広がります。

ドライバー系

ドライバーの仕事は、主に、配送ドライバー、長距離ドライバー、人を運ぶタクシードライバーなどの仕事に分けられます。

ドライバーも、運転免許さえ取得していれば学歴不問の求人が多い業種です。

指定されたエリアに荷物を配送・運搬するだけの業務であれば接客なども不要なため、車の運転が好きという人にはおすすめです。

運送業界は慢性的に人材不足なため、未経験でも採用されやすいでしょう。

タクシードライバーについては、入社後に2種運転免許の取得制度があるタクシー会社もあります。

公務員

公務員は基本的に終身雇用で、収入が景気に左右されないため人気の高い職業です。

公務員の採用試験は学歴で区分けされており年齢制限はありますが、中卒でも試験を受けることが可能です。

つまり、試験に合格し面接を経て採用されれば、公務員として誰でも安定した生活を送ることができます。

ただし、公務員試験では幅広い教養が求められるため、かなりの勉強が必要です。

また、試験に合格しても面接で不採用になる可能性はゼロではありません。倍率の低い自治体や職種で受験するか、一般企業への就職も考えながら挑戦しましょう。

中卒の就職におすすめの資格

中卒の就職におすすめの資格

 

法律で定められている国家資格は、社会的な信頼が厚い分、試験の難易度も高いことが特徴です。

国家資格の代表として士業が挙げられますが、学歴問わず受験できるものはたくさんあります。

一方、民間資格とは民間で認められている資格です。

こちらは合格率も高く取得しやすい資格が多いでしょう。以下に、中卒の就職に特におすすめな資格を紹介します。

宅地建物取引士(宅建)

宅地建物取引士の国家資格は通称「宅建(たっけん)」と呼ばれ幅広い年齢層で人気があります。

不動産の売買・貸借の契約や、賃貸物件の斡旋・契約の際に、契約内容および重要事項について不利益が無いよう説明するための資格です。

合格率は約15~17%で少し難しい資格ですが、

● 学歴不問の求人も多く学歴による給与の差が無い
● 建築や金融関係での就職に有利
● 将来的に独立が可能

というメリットがあることから、中卒の方におすすめできる資格です。

調理師

調理師免許は、飲食店などで2年以上調理の実務経験を積んで、調理業務従事証明書を取得すれば、学歴問わず受験資格が得られます。

合格率も60~70%と高めです。

調理師の資格を持っていれば、飲食に関する十分な知識や仕事への熱意をアピールできるため就職に有利です。

行政書士

行政書士とは公的な書類を取り扱うエキスパートです。権利義務に関する書類や事実証明に関する書類、官公庁に提出する書類を扱う仕事になります。

弁護士や司法書士に並ぶ士業であり、試験の難易度は高く合格率は約10%と取得の難しい資格です。

合格すれば、民法・商法などの法律知識を活かして、企業の法務の部門でも活躍できるでしょう。

就職や転職にも有利ですが、資金を貯めて、独立・開業することも可能です。

中卒が就職する際に考えるべきポイント

中卒であっても、学歴不問の業界を選んだり資格を取ることで、就職活動を有利に進めることができます。

ここでは、就活についての考え方や、企業選びで失敗しないためのポイントについて解説します。

就職において何を優先するのか考える

就活では、自分が何を優先したいのかを考えて自己分析すること、企業研究をしておくことが大切です。

自己分析で、自分の好き嫌いや、得意なこと、苦手なことを把握しておけば、将来のキャリアプランにも役立ちます。

また、会社説明会やWebサイトから情報を集めて、企業の理想や求める人物像から、企業体質を知っておくことで、正社員として就職した後のミスマッチを防ぐこともできます。

知名度よりもいかに成長できるかを重視する

中卒の強みのひとつは「若さ」です。そのため、会社選びは知名度よりもいかに自分が成長できるかを重視することが大切です。

経験を積みスキルが身につけば、さらに良い企業に転職してキャリアアップしていくことが可能です。勤続年数を重視する年功序列の会社より、実力主義の会社の方が実績は出しやすいものです。

最終的に入りたい企業に転職できるように、将来の自分にとって役に立つ経験が得られる企業を選びましょう。

正社員登用制度がある会社にアルバイトや契約社員として入る

雇用形態を正社員に絞って就職活動をするのはハードルが高いと思う人は、募集要項に「正社員登用制度あり」の記載がある求人がおすすめです。

正社員登用制度とは、アルバイトで長く経験を積んでから登用試験を受けて合格すると正社員になれる制度です。

もちろん、正社員として十分なスキルがなければ、いつまでもアルバイトのまま、ということにもなりかねません。

アルバイトであっても、常にスキルを身につける努力を怠らないことが大切です。

高卒認定資格を取るのも選択肢の1つ

高校を卒業していないことを後悔している人や、就活に際して学歴に強い不安がある人は、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)を受けると良いでしょう。

高卒認定は国家資格であるため、履歴書に「高等学校卒業程度認定試験合格」と記載することで、高卒と同等の扱いになります。

また、大学や専門学校への進学も可能になります。就活では応募できる求人の選択肢も増えるため、中卒で就職するよりも高い収入を期待できるでしょう。

住み込みで働くのはどう?

住み込みの仕事は学歴不問で募集されていることが多く、中卒の方が住み込みで働く場合、以下のようなメリットがあります。

● 住環境がすぐに整う
● 通勤時間・通勤費用が節約できる
● 貯金しやすい

ただし、住み込みで働く際には、細かい条件まで必ず確認しましょう。

家賃や光熱費の負担が個人なのか会社なのか、備え付けの家具・家電はあるのか?これらの有無によって自身の金銭面での負担は大きく変わります。

また、一人部屋か相部屋か、門限や食事の補助などがあるか、といった住環境や住む場所の周辺の環境も大切です。

一人で判断することが難しい場合は、保護者に相談するのも良いでしょう。

まとめ:中卒でも仕事を選べる!将来を見据えて納得のいく就職を

今回は、中卒の就職でのデメリットや注意点、おすすめの仕事について解説しました。

中卒の場合、求人の応募要件や資格の取得条件で不利益な部分もありますが、業種によって学歴は関係なく、やる気や体力を重視して採用する企業もたくさんあります。

自己分析や企業研究をして、選考時は自分の魅力や考えをアピールできるようにしておきましょう。

就職で一番大切なことは、これから仕事をして自分自身がどのように成長していくか?という部分です。

資格を取ったり、経験を積んで、キャリアアップすることを常に意識しましょう。

いきなり正社員の仕事を探すのは自信が無い、という人は、アルバイトの経験を活かして正社員にチャレンジできるバイトルNEXTがおすすめです。

バイトルNEXTでは様々な企業の正社員募集の情報があるため、中卒の人も就職できる企業が探しやすいでしょう。

 

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