正社員には何歳までになるべき?フリーター卒業のタイミングについて解説

正社員になるのに「何歳まで」という期限はありませんが、年齢が上がるほど就職率は下がってしまうのが実情です。正社員になりたいと考えながらもまだ就活を始めていない方、理由なくフリーターを続けているという方は、この機会に正社員への一歩を踏み出しましょう。
この記事では、何歳までなら正社員になれるのか、フリーターが正社員になるための方法、フリーターから正社員を目指しやすい職業などを解説します。
目次
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正社員には何歳までなることができる?
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結論からいえば、フリーターから正社員になれる年齢に制限はありません。
日本では、年齢を理由に労働者の採否を決めたり、応募条件に年齢制限を設けたりすることは認められていません。年齢に条件を付した求人や採用を行なわないことが、雇用対策法第九条によって次のように義務化されているためです。(募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保)
第九条 事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。(参考:e-Govポータル「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」)
しかし実際には、年齢を重ね、フリーター期間が長くなるほど正社員採用をされにくくなるのが実情です。まずは、年齢の経過で就職率がどのように変わるのか見ていきましょう。年齢が上がると就職率が低くなる
年齢が上がってフリーター期間が長くなると、採用面接における評価が厳しくなることから就職率は下がります。
特に、大学を卒業後5年目となる「27歳」は、フリーターから正社員になる際に就職率を左右する一つの分岐点となります。
新卒入社した人の場合、27歳になるといくらかのキャリアを積んでいる時期にあたり、なかには役職に就く人もいるでしょう。企業から見れば、社員が20代のうちに育てあげ、30代からはより重要な業務を担ってもらいたいと考える場合が多いようです。
このような理由から、同じフリーターでも27歳を超えると比較対象のレベルが上がり、年齢が上がるにつれ就職が難しくなる傾向があります。30歳、35歳に大きな壁があるといわれている
独立行政法人労働政策研究・研修機構が調査したフリーターの年齢別就職率を見ると、20代が2~3割の就職率を維持しているのに対し、30代以降の就職率は2割を切っています。
27歳以降、年齢が上がると就職率が低くなることは先述のとおりですが、30歳以降は、35歳を境にさらに就職率が下がります。【フリーターの年齢別就職率】
15~19歳 29.9% 20~24歳 32.7% 25~29歳 25.5% 30~34歳 18.1% 35~39歳 15.5% 40~44歳 15.6% (参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・ 職業能力開発の現状3-平成29年版「就業構造基本調査」より-」)
さらに、厚生労働省管轄のハローワークをはじめ、多くの就職支援サービスは利用者の年齢を34歳までとしています。35歳を超えると外部の就職支援を頼りにくくなることも、就職のハードルが上がる要因の一つです。
40歳を超えて社会人経験がない場合、企業側の懸念点が増えるため、就職はさらに難しくなるでしょう。20代は就職しやすいがなるべく早く行動を起こす
業界や企業規模に関わらず若い人材を求める企業は多いため、20代のフリーターは比較的就職しやすいといえます。
しかし、フリーター期間が長引くことでも就職率は下がるため、正社員を目指す場合はできるかぎり早く就職活動を始めましょう。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、フリーター期間1年以内の就職率は65%前後、2年以内で約50%ですが、フリーター期間が5年を過ぎると20%にまで低下します。
フリーターになって間もない10~20代の方は、フリーター期間が5年を過ぎる前に「何歳までに正社員になろう」と就職計画を立てることをおすすめします。
(参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No199 2017」)
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フリーターを続けるデメリット
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正社員に比べるとフリーターは自由度が高いため、気楽で続けやすい働き方といえるでしょう。しかし、フリーターを続けると就職のハードルが上がるだけでなく、将来に関わる次のようなデメリットも生まれます。
収入が少ない
正社員とフリーターの収入を比較すると、正社員は30代以降に平均月収が28万円を超えるのに対し、フリーターは全年齢で見ても平均年収が28万円を超えず20~21万円程度にとどまります。
そのため、結婚や出産・育児、マイホームの購入など、ライフステージの変化により支出が増えると、正社員に比べて金銭的な負担が大きくなる可能性があります。
また、多くの企業の正社員は、勤続年数が上がると昇給するため、キャリアを積むことで順調に収入を増やしていくことが可能です。
正社員は30代、40代になると役職に就く人も多く、大きく年収が上がりやすい傾向があります。一方のフリーターは20代も40代も仕事を自分で変えない限り、大きく上がることはありません。収入が不安定
正社員のほとんどは月給制で手当などの福利厚生も充実しているため、安定した収入を見込めます。
一方、フリーターの場合は基本的に時給制です。そのため、ケガや病気、やむをえない事情などで休むことになれば、休んでいる間は給料がもらえず、収入が不安定になってしまいます。
また、本人に働く意思があっても企業側の都合などによりシフトを削られたり、契約満了として働けなくなったりすることがあります。社会的信用が低い
フリーターは収入や雇用が安定していないため、正社員に比べて社会的信用が低くなります。住宅ローンを組む、クレジットカードを契約するなど、各種審査が必要なシーンではフリーターならではの弊害が生まれる可能性があります。
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【年代別】正社員になるためのポイント
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正社員の採用面接では、年代により、採用担当者からの評価の受け方が変わります。「何歳までに正社員になろう」と決めたら、現在の年齢を考慮した就職準備を行ないましょう。
以下では、どのような心構えで就職準備を進めればいいのか、年代別に押さえておきたいポイントを解説します。【20歳】フリーターでもまったくおかしくないのでしっかり自己アピール
20歳のフリーターの場合、これから成長できることや若さを武器に自己アピールをしていきましょう。仕事への意欲や意気込みがあると、前向きな印象を与えられます。
フリーター期間の経験や失敗談を自己アピールに盛り込むときは、単なる事実で終わらせずに、反省点や学んだこと、これから挑戦したいことなどを織り交ぜる姿勢も大切です。
「若さだけが取り柄」とならないように、将来に向けて考えていることをしっかり伝え、計画性があることもアピールしていきましょう。【25歳】若さがアピールポイントになるギリギリのライン
25歳は若さを武器にできるギリギリのラインです。
自分を客観的に見てどのような長所があるのか考え、企業が求める人物像に合わせた自己アピールをしていきましょう。自己分析の際は長所だけでなく短所もできるだけ多く見つけ、自己アピールの切り口を増やしておくとよいでしょう。
また、ビジネスマナーがなっていないと評価が下がる可能性があります。就職活動にふさわしい身だしなみと立ち振る舞いで、誠実な印象を与えられるように心がけましょう。【30歳】危機感を持って就活をしていると意欲を見せる
30歳になると、若さを武器にした就職活動が難しくなります。特別なスキルや資格を持たない場合、学歴を問わず、未経験者を歓迎している企業へ応募するとよいでしょう。
「仕事を続けられそうか」「本気で正社員を目指しているのか」といったポイントを重視されやすいため、危機感を持って就職活動を行ない、採用面接では正社員への意気込みをアピールします。
正社員経験がない場合でも「スキルや経験を積むために勉強していた」「本当に働きたいと思える業界や職種を探していた」といったように、空白期間を前向きな表現に言い換えてアピールしましょう。【35歳】フリーターだった理由を理解してもらう
35歳は正社員採用に大きな壁がある年代です。経験や学歴を問わない求人情報を探すことはもちろん、人手不足を抱えているような企業を選ぶことで就職しやすくなるでしょう。
採用面接では、高い確率で「なぜ今までフリーターだったのか」と聞かれるため、フリーターになったきっかけや、今までフリーターをしていた理由を簡潔に述べるようにします。夢や勉強のため、経験を積むためなど、前向きな内容で良い印象を与えられるようにしましょう。
志望動機を伝える際は、入社後や将来の目標まで話せると説得力が増し、働く意欲をしっかりアピールできます。
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フリーターが正社員になるためのおもな方法
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フリーターが正社員になる方法は、自分で求人情報へ応募し、面接を受けるだけとは限りません。以下では、フリーターが正社員になるおもな方法を紹介します。
求人サイト・アプリから応募
求人サイトやアプリを使えば、求人情報を幅広くチェックできます。希望の条件で絞り込み検索をすれば、理想の応募先を素早く探せるでしょう。就職する業界や職種を迷っている場合、求人情報を見比べることで業界や職種ごとの条件の違い(給与、待遇、休日など)を比較できます。
求人サイトやアプリから応募する場合、企業が求める人材と自分の能力にズレがあるとミスマッチが生じ、就職活動が難航します。応募の際は、都合のいい条件だけを重視せず、企業がどのような人材を求めていそうか、よく分析することが大切です。社員登用制度を利用する
アルバイト先で社員登用制度を利用し、正社員を目指す方法です。社員登用制度の有無や条件は企業によって異なるため、アルバイト先での就職を目指す前に、社員登用制度の有無を上司へ確認しましょう。
一般的に、社員登用制度を使った正社員登用には、以下のような条件があります。- 勤続年数○年以上
- 社員からの推薦
- 企業が指定する資格を取得
- 企業が実施する採用試験に合格
就職支援サービスを利用する
就職支援サービスとは、国や都道府県、民間の企業などが個人の就職活動をサポートするサービスのことです。公的な就職支援サービスには厚生労働省が管轄のハローワーク(詳しくは後述)があり、民間のサービスは就職エージェントなどのさまざまなサービスが存在します。
就職支援サービスを利用すると、自分の適性に合った業界・職種探しや、履歴書・面接対策を受けることができ、就職活動を有利に進めやすくなります。「どのような仕事が自分に合っているかわからない」「履歴書作成や面接が苦手」という方は、就職支援サービスの利用を検討しましょう。ハローワークに通う
ハローワークは全国に設置された公的な就職支援サービスで、正式名称を公共職業安定所といいます。ハローワークでは端末を使って求人情報を探すことができるほか、就職活動の相談をしたり、さまざまな業界の職業訓練を受けたりすることが可能です。
また、ハローワークは、求職者の属性に応じた以下のようなサービスがあります。わかものハローワーク 34歳以下を対象とする就職支援サービス ジョブカフェ 若年者のためのワンストップサービスセンター。15~34歳の若年者を対象とする就職支援サービス 学卒ジョブポーター 新卒者を対象とする就職支援サービス マザーズハローワーク 仕事と家庭の両立を目指す子育て世代を対象とする就職支援サービス 該当するものがあれば、これらも活用するとよいでしょう。
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フリーターから正社員を目指しやすい仕事とは?
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フリーターから正社員を目指す際は、フリーターが就職しやすい業界・職種を選ぶことで、就職活動を成功させやすくなります。
「未経験可能な業界」や「人材が不足しやすい業界」「研修が整っている業界」で正社員経験を積み、その後のキャリアアップに活かしていきましょう。
ここからは、フリーターが正社員を目指す際におすすめの業界・職種を紹介します。未経験可能の仕事
特別な資格やスキル、学歴を問わない業界・職種は多く存在します。
ビジネスマナーやプレゼンテーションスキルが身につく営業職、対人スキルやコミュニケーションスキルが身につくサービス販売職など、選ぶ仕事によって身につけられるスキルは異なります。自分の性格に合った業界・職種を選びましょう。
【未経験可能の業界・職種】- 営業職
- IT業界(プログラマー)
- サービス販売職
- 介護職
- 飲食業
- 清掃業
- 建築、建設業(施工管理) など
人材不足の業界の仕事
商品やサービスの需要が高く、市場の規模が拡大する一方で、人材不足が深刻な問題となっている業界・職種があります。
少子高齢化によりますます人手が必要となる介護業界や、インターネット通販の普及により需要が拡大している運送業界などが代表的です。
このような業界は求人情報が豊富で、働く場所も多くあります。人材不足の業界は足りない人手を増やすために「未経験OK」「学歴不問」で求人募集をかけることも多く、フリーターでも就職しやすい業界といえるでしょう。
【人材不足の業界・職種】- IT職
- 介護職
- 建築、建設業
- 運送業 など
手厚い研修が用意されている仕事
一見、専門知識やスキルが必要とされる業界でも、以下の3つは未経験者が積極的に採用されている場合があります。
【未経験者を積極採用している業界・職種】- IT業界
- 介護職
- 営業職
IT業界の職種は、プログラマーやインフラエンジニアなどです。多くのIT企業は新人の育成に力を入れており、研修プログラムが充実しているため、入社後は実力をつけてキャリアアップを目指せるでしょう。
介護職や営業職も、入社後に専門的なスキルを身につけられる代表的な職種です。働きながら経験と知識を積むことで、資格取得やキャリアアップが図れます。
なお、同じ業界・職種でも、就職する企業によって研修内容や研修期間は異なります。求人情報はよく確認のうえ、面接時にも気になる点は質問しておきましょう。
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まとめ:20代のうちに就職しておくことをおすすめします
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正社員になるのに何歳までという決まりはありませんが、就職しやすい10~20代に比べて、30代以降は就職のハードルが上がります。現在フリーターで正社員になりたいと考えている方は、早ければ20代のうちに、30代以上の方は1日でも早く正社員になれるよう、就職活動を始めましょう。
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