非正規雇用で働く人は3割超え!正社員になれない理由、就職するためのポイントを解説

非正規雇用で働く人は3割超え!正社員になれない理由、就職するためのポイントを解説

社会人として働いている方のなかには、フリーターや契約社員といった非正規雇用の方も少なくありません。フリーターや契約社員から正社員になれない方には、共通した特徴があることをご存じでしょうか?非正規雇用と正社員では仕事の取り組み方が異なるため、正社員になれる素質を備える必要があります。

今回は、全就業者に占める非正規雇用者の割合を踏まえ、フリーター・契約社員から正社員になれない理由、正社員になれる職場の特徴について解説します。

日本の非正規雇用者の割合は36.7%

日本の非正規雇用者の割合は36.7%

 

総務省の労働力調査(2022年)によると、日本における非正規雇用者は全就業者の36.9%を占めています。

2019年まで雇用者全体に占める非正規雇用者の割合は、ほぼ増加傾向を示していましたが、2020年からは減少に転じています。2021年から正社員の割合が増えているのは、コロナ禍の長期化で医療福祉分野の人手不足が顕著になり、不足分の人材が正規雇用されたためだと考えられています。

非正規雇用者の割合が増加傾向にある理由を雇用者側から考えれば、人件費を削減し、そのぶん利益を確保できることが最大の要因でしょう。

しかし、正社員と非正規雇用者との賃金格差は大きく、非正規雇用者の割合が約3人に1人という状況では、少子化の進行や購買力の低下により一層拍車がかかってしまいます。

企業側も長期的な人材育成ができないといった弊害があるため、正社員への転換や非正規雇用者の待遇改善の動きが加速している状況です。

次に、非正規雇用者の男女比、フリーターの割合について見ていきましょう。

(参考:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の概要 P8,9」)

非正規雇用者の男女比

同じく2022年の非正規雇用者数を男女別で見ると、男性が669万人女性は1,432万人と、女性が非正規雇用者全体の7割近くを占めています。

全就業者に占める非正規雇用者の割合を年齢別で見た場合は、65歳以上が最も多く76.4%、次が15~24歳の50.4%です。非正規雇用者数で見ると、男性は65歳以上の206万人が最も多く、女性は45~54歳の373万人が最も多いという結果が出ています。

男性の場合は定年退職後に非正規雇用で就業し、女性の場合は子育て中あるいは子育て後に「自分に都合のいい時間で働きたい」「家計や学費を得たい」という理由で非正規雇用を選んだ結果がこの数字に表れているようです。

(参考:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の概要 P8」)

非正規雇用者のうち「フリーター」の割合

非正規雇用者とは、正社員以外の契約社員、派遣社員、パート、アルバイト労働者などを指します。そのうち若年層(15~34歳)のパート・アルバイト及びその希望者をフリーターと定義します。

2022年の時点でフリーターの人口は132万人で、男女別で見ると男性が61万人、女性は71万人です。日本の総人口が約1億2,300万人ですので、1%強の人がフリーターとして就業している計算になります。

一方、2022年の非正規雇用者数は2,101万人ですので、非正規雇用のうちフリーターが占める割合は6.28%です。非正規雇用者の多くは、契約社員や派遣社員など「社員」の肩書きを持つ人が多いことがわかります。

フリーターの定義

フリーターの定義は調査の便宜上定められたものです。
若年層(15~34歳)の男性は学生以外、女性は既婚者以外のうち以下に該当する者

  1. 雇用者のうち「パート・アルバイト」の者
  2. 失業者のうち探している仕事の形態が「パート・アルバイト」の者
  3. 非労働力人口で、家事も通学もしていない「その他」の者のうち、就業内定しておらず、希望している仕事の形態が「パート・アルバイト」の者

(参考:「労働力調査(詳細集計)2022年(令和4年)平均結果の概要 P14」)

フリーターが正社員になれない理由

フリーターが正社員になれない理由

 

目的ややりたいことがあって自主的にフリーターになる人だけでなく「正社員になれない」ことで、フリーターにならざるを得ない人も少なくありません。

正社員になりたいと悩んでいる方は、自身が以下の内容に当てはまるものはないかチェックしてみてください。

就活を本格的に行なっていない

正社員になるには、就活(就職活動)に取り組むことが基本です。しかし、正社員になれないフリーターには、就活を中途半端にしてしまっている方も少なくありません。

やっているつもりでも自己分析や企業分析、面接や応募書類の準備等、活動量自体が足りていない可能性があります。何となく就活したとしても、正社員になりたいという意識や熱意が低ければ採用には至らないでしょう。

また、就職に向けて自主的に行動できないことも、正社員になれない原因の一つです。行動できないフリーターの方には「自分に自信がない」タイプが多く見受けられます。

就活では自分自身をアピールする必要があるため、自分に自信が持てないと、面接がうまくいかない可能性があります。また、自信のなさから「自分に正社員は無理」と決めつけてしまい、可能性を閉ざしてしまう方も少なくないでしょう。

経験やスキルが足りていない

正社員になれない原因として、採用されるための経験やスキルが不足していることも挙げられます。そもそもフリーターは正社員の経験がない方が多く、即戦力を求める中途採用では不利になることが一般的です。

ただし、就活においては、必ずしも経験やスキルだけが重視されるとは限りません。未経験でも採用されやすい業種であれば、フリーターでも採用される可能性は十分にあります。

また、正社員を目指すのであれば、社会人としての基本的なマナーを身につけておくことは重要です。就活におけるマナーとは、履歴書の書き方や、面接の受け答えなどです。最低限のマナーもできていないのであれば、未経験OKの職種でも採用されにくくなるでしょう。

アルバイト先での評価が低い

アルバイト先での仕事ぶりが評価されると、社員として正規雇用を打診されるケースがあります。アルバイト先の社員登用は、フリーターを卒業する手段の一つです。

しかし、アルバイト先から何の打診もない場合や、正社員登用制度で合格できない場合、仕事に対する評価が低い可能性が考えられます。正規雇用へと転換される人は、仕事ができることに加え、長く働きたいという意思が感じられる人です。

現在のアルバイト先で正社員になりたいのであれば、仕事の取り組み方から見直す必要があるでしょう。

契約社員が正社員になれない理由

正社員への足がかりとして、契約社員として働く方もいるでしょう。しかし、個人の頑張りとは別に、以下の理由で正社員として雇用されない場合があります。

社員登用制度がない

社員登用制度とは、非正規雇用として一定期間働いた後、双方の合意で正規雇用を結ぶ制度のことです。必ずしも社員登用制度が設けられている企業ばかりではありませんので、制度が導入されていなければ、長く働いても正社員になることは難しいでしょう。

ただし、社員登用制度を実施していない企業でも、実績がある企業は多くあり、必ずなれないとは限りません。

逆に社員登用制度があったとしても、正社員になれるとは限りません。仕事ぶりが評価されるだけでなく、一緒に働きたいと思われる人柄であったり、上司や同僚から信頼されたりすることも必要です。

まずは社員登用制度があるかどうか、登用実績があるのかどうかを調べる必要があります。

会社が正社員として雇用する気がない

契約社員から正社員になる希望があったとしても、企業側が正社員を雇用する予定がないケースも少なくありません。

正社員を雇用しない理由としては、人件費が高くなる、人手が足りているなどの事情に加え、仕事の評価が低いことも原因と考えられます。

また「無期転換ルール」も、正社員になれない原因の一つと考えられます。無期転換ルールとは、労働契約が5年を超えて更新された場合、期間を定めない「無期労働契約」に転換することです。

無期転換ルールで雇い止めを防止できる反面、契約期間以外の契約内容は契約社員から引き継がれる点に注意が必要です。つまり、契約社員の契約で無期限に雇用されるもので、正社員として雇用されるものではありません。

ただし、無期転換ルールは自動的に適用されるものではなく、労働者側からの申告が必要です。契約社員の働き方が合っている方は、無期転換ルールを申告するのも選択肢の一つといえます。

しかし、正社員の待遇を求める場合は、社員登用の見込みがある企業や正社員として採用してもらえる企業に転職したほうがよいでしょう。

フリーターや契約社員から正社員になれる人の特徴

フリーターや契約社員から正社員になれる人の特徴

 

フリーターや契約社員からでも、正社員になることは可能です。しかし、頑張っているのに正社員になれない方は、仕事の取り組み方や考え方を見直す必要があります。

次に、フリーターなどの非正規雇用から、正社員になれる人の特徴について解説します。

自主的に業務を探している

フリーターや契約社員の場合、上司からの指示で動くことが基本です。しかし、正社員として働くには、指示を待つだけではなく、目標達成に向けて自主的に業務を探す姿勢が求められます。周囲が忙しそうにしていたら、自らが声をかけて手伝うなど、サポート役に回れる柔軟性も必要です。

正社員でありながら自主的に行動できない場合「指示待ち」としてマイナスの評価になります。指示待ちになりやすい方の特徴として、自分で考えられない、考えられても行動する勇気がない、自分の意見を言えない、などの傾向があります。

正社員になるには、与えられた仕事をこなすだけでなく、会社や周囲のことを考えながら仕事に取り組むことが大切です。

責任感を持って仕事をしている

非正規雇用者と正社員の根本的な違いは、仕事に対する責任の重さです。正社員として働くには、責任感を持って仕事をする姿勢が不可欠です。

フリーターや契約社員に任される仕事は責任が少なく、責任が重い仕事は正社員に任されます。仕事で何らかのミスをした場合、最終的な責任を取るのは正社員です。そのため、責任がない立場で仕事を続けると、責任感が身につきづらくなります。

しかし、フリーターや契約社員であっても、責任感を持って仕事をすることは可能です。任された仕事は最後までやりきり、ミスがあった場合でも責任転嫁をしない人は、責任感を持って仕事をする人と評価されます。責任のない仕事であっても、当事者意識を持って仕事に取り組むことを心がけましょう。

正社員になりたいと相談している

フリーターや契約社員から正社員になりたいと思っていても、はっきりと「正社員にしてほしい」と伝えていないケースも少なくありません。日々の仕事ぶりで評価してもらうだけでなく、明確な意思表示はとても重要です。

企業は長期的に貢献してくれる人材を求めているため、正社員として長く働きたいという意思表示も必要です。特に、社員登用制度のある企業の場合、正社員としての採用を前向きに検討してくれるでしょう。

登用に際して試験や資格取得等が必要な可能性もあります。正社員登用に必要なことを上司に確認し、準備を怠らないようにしましょう。

フリーターや契約社員から正社員になれる職場の特徴

フリーターや契約社員から正社員になれるかどうかは、職場の環境も大きく影響します。社員登用しやすい職場としては、以下の特徴が挙げられます。

社員登用制度・実績がある

前述のとおり、転職ではなく現在働いている企業で非正規雇用から正社員になるには、社員登用制度がある企業に勤めることが基本です。

令和4年(2022年)の調査によると、社員登用制度を設けている企業は75%に上ります。

ただし、社員登用制度の有無にかかわらず、2021年2月から2022年1月までの間に正社員の登用実績がある事業所は、全調査産業平均で44%にとどまっている状況です。

正社員に登用する割合は、業種によって幅があります。割合が高い業種は医療・福祉、金融業・保険業、製造業です。一方、登用実績が低い業種は、建設業、宿泊業・飲食サービス業、娯楽業などが挙げられます。

正社員を目指す方は、正社員の登用実績があるかどうかも考慮するとよいでしょう。

なお、正社員登用の実績がない理由に対する最多の回答は「正社員を募集したが応募がない」というものでした。前述のとおり、正社員になりたいという意思表示は、正社員登用を後押しすることに役立つといえるでしょう。

(参考:厚生労働省「労働経済動向調査(令和4年2月)の概況 P14」)

正社員と同等程度の仕事を任されている

正社員の仕事は責任が発生するため、フリーターが行なえない仕事を担当するのが一般的です。しかし、契約社員の場合、正社員と同等の仕事を任されるケースもあります。フリーターと比べ、契約社員のほうが社会的な信用度が高く、信頼を得やすい傾向にあるためです。

正社員と契約社員が同じ仕事をする企業は、実力が認められるチャンスがあります。契約社員は正社員のアシスタントを担う、など仕事内容が区別されている企業では、正社員になれる可能性は低いといえます。

正社員採用を活発に行なっている

正社員を積極的に採用する企業では、正社員になれる可能性が高いといえます。

フリーターの場合、正社員経験がなくても働ける仕事がおすすめです。具体的には、コミュニケーション能力が重視される営業職や接客業、人手不足が続く介護職などが挙げられます。

IT系などの成長が著しい業界高齢化が進む業界も、人手不足のため未経験で採用する傾向があります。

IT人材の不足は深刻な状況です。コールセンター、ユーザーサポート、社内ネットワーク運用など、実務経験がない場合でも働ける仕事もあります。

また、高齢化が進む代表的な業界は「建設業」で、高齢の技能労働者が大量離職する反面、若年層が定着せず、問題は深刻化する一方です。そのため、建設現場を統括する施工管理職では、未経験を採用する傾向が高まっています。

契約社員の場合は、転職によって正社員になることも可能です。社員登用制度がない場合はもちろん、制度があるものの正社員登用される見通しがない場合は、早めの転職活動で正社員を目指しましょう。正社員に転職する場合、契約社員のスキルや経験を活かせる職種がおすすめです。

まとめ:非正規雇用から正社員になるためには、仕事や就職活動への取り組みを見直して積極的に行動しよう

フリーターや契約社員を含めた非正規雇用者は、日本の約1/3を占めている状況です。しかし、労働者(人口)の減少を踏まえ、人材確保の点から正社員を雇用する動きが加速しつつあります。フリーターや契約社員から正社員になるには、社会人としてのマナーを持ち、自ら行動することが大切です。

社員登用制度のある会社で正社員になりたい場合には、仕事の評価を高めると同時に、正社員になる意思表示が必要です。また、正社員になれる人材と認められるためには、自らが業務を探すこと、責任感を持って仕事することを意識しましょう。いまの職場で正社員になれる可能性が低い場合には、未経験歓迎の正社員求人へ応募する必要もあります。
非正規雇用から正社員を目指す場合には、積極的に行動しましょう。

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