フリーターとニートの違いは?定義・世間体・就職の難易度などを解説

フリーターやニートは一般的によく使われる言葉ですが、違いがわからないという人も多いのではないでしょうか。
フリーターとニートの大きな違いは働いているかどうかであり、経済面や世間体、就職の難しさなども異なります。
しかし、どちらも将来的なリスクがあることは同じで、将来や経済面などで不安を感じる方はできるだけ早く就職することをおすすめします。
この記事では、フリーターとニートの違いをはじめ、フリーターやニートから脱却する方法や就職におすすめの職種・アルバイトをご紹介します。
目次
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フリーターとニートの定義
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フリーターとニートという言葉は、状況や人の考え方によってその意味は異なります。ただし、総務省統計局が便宜上定義しているため、この定義をもとに両者の違いを見ていきましょう。
フリーターの定義
フリーターという言葉に厳密な定義はありませんが、総務省統計局において実施した「労働力調査」にて、以下に当てはまる人を「便宜上フリーターとする」と断りを入れて調査しています。
- 15~34歳
- 男性は卒業者、女性は卒業者かつ未婚
- 雇用形態がパートもしくはアルバイト
- 家事や通学をしていないかつ、就業内定も決まっておらず、パートもしくはアルバイトを希望している
(参考:総務省統計局「フリーターの人数」)
フリーターは「フリー・アルバイター」という造語を省略した言葉のため、雇用形態がパートもしくはアルバイトの人を指すのが基本です。
ただし、本業が別にある人は一般的にフリーターとは呼びません。学生でアルバイトをしていたとしても、フリーターと呼ばないのはそのためです。
また、結婚した女性をフリーターと呼ばないのも、結婚後の女性が家事全般を担当するケースが多いためと考えられます。ニートの定義
ニートとは「Not in Education, Employment or Training」の頭文字を取った言葉で、勉強や仕事、就職活動などをしていない状態を意味します。総務省統計局ではニートに近い概念として「若年無業者」という言葉を使用し、若年無業者を以下と定義しています。
- 15~34歳
- 家事や通学をしていないかつ、働いていない人
(参考:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約」)
違いは「働いているか」
フリーターとニートで大きく異なるのは、働いているかどうかです。パートやアルバイトをしているならフリーター、無職ならニートと考えるとわかりやすいでしょう。
ただし、パートやアルバイトを希望していても、仕事を探していない状態であれば、ニートと呼ばれやすいかもしれません。<フリーターとニートの共通点>
- 15~34歳
- 家事や通学をしていないかつ、就業内定も決まっていない
便宜上ではあるももの総務省のフリーターやニートの条件は、一般的な感覚と異なる部分も少なくありません。
例えば、フリーターとニートの年齢は15~34歳と限定的ですが、一般的には34歳以上の人も指して使う傾向があります。
厳密な定義は存在しないため、言葉を使用する際は齟齬が出ないよう一定の配慮が必要です。
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フリーターとニートを徹底比較
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共通点も多いフリーターとニートですが、両者では世間の印象や就職率などが異なります。
経済面
ニートは収入がないため当然経済面に大きな不安を抱えます。貯金を切り崩したり、親兄弟に援助してもらったりしなければ生活ができません。
そのため、貯金が底をついたり家族に頼れない状況になったりすれば、まともな生活ができなくなってしまいます。
一方のフリーターは、働き方次第です。高時給のアルバイトやいくつものアルバイトをかけもちすれば収入を増やすことができます。
ただし、ほとんどの場合は有期雇用のため、契約解除をされる恐れがあります。また、日雇いバイトなどで生計を立てているフリーターの方もいるでしょう。
フリーターは、正社員に比べれば収入は不安定になりがちです。世間体・世間からの見え方
世間からの見え方は、フリーターとニートで若干異なります。
<フリーターの印象>
- 収入が低い、安定していない
- 社会的信用がない
<ニートの印象>
- 怠けている
- 人と関わりたくない
- 社会に適応できていない
- 将来のことを考えていない
程度に差はあるものの、フリーターもニートもネガティブなイメージを持たれがちです。
ただし、もちろん人それぞれに事情があり、夢を追うためにフリーターをしている人もいれば、心身を壊してどうしても働くことができない人もいるでしょう。
ここに挙げた見え方は一般的なものであり、とらえ方も人それぞれです。世間のイメージを気にしすぎる必要はありません。就職の難しさ
独立行政法人 労働政策研究・研修機構の就業構造基本調査によると、フリーターから正社員へ就職できた割合は以下のとおりです。
年代 正社員へ就職した割合 15~19歳 29.9% 20~24歳 32.7% 25~29歳 25.5% 30~34歳 18.1% 35~39歳 15.5% 40~44歳 15.6% (参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状③」)
就職の難易度は経験や自身のスキル、過去の経歴などが大きく影響します。フリーター、ニートどちらの場合も応募先で活躍できるスキルや経験があれば、就職できる可能性は高まるため、資格を取得したり経験やスキルが得られるアルバイトを経験したりするのもおすすめです。
なお、働いていない期間が長いほど就職できる難易度は上がります。働かずに就職活動を長期間し続けるよりは、少しでもアルバイトなどを行ないつつ、就職活動したほうが良い場合もあります。将来性
正社員経験や専門スキルがあっても、フリーターやニートの期間が長ければ就職も難しくなります。若いうちならまだ取り返せますが、30代・40代になってくると雇ってくれる企業が少なくなるため、就職はもちろん、将来に対する不安も高まります。
<将来に対する不安>
- 正社員として雇用してもらえない
- 家族や子供を養えない
- 一生働かなければならない
- 今の仕事がなくなる可能性がある
ニートについては収入がないため、結婚や家族を持つことも難しいでしょう。状況によっては生活保護が必要になったりホームレスになったりする可能性があります。
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フリーターやニートから脱却するためにはどうする?
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フリーターやニートを脱却したいと考えるなら、以下の方法を取り組んでみましょう。
フリーターは社員登用制度がおすすめ
今働いている職場が自分に合っているなら、マネージャーや上司に正社員になれないか相談してみましょう。
勤務態度がよく、上司や同僚とある程度の信頼関係が築けていれば、正社員として雇用してもらえるかもしれません。
すでに職場の雰囲気や仕事の内容も理解しているため、正社員になってから「こんなはずじゃなかった…」と後悔するリスクも少ないはずです。
正社員登用制度がないバイト先でも諦めず、ダメ元でも上司などに聞いてみましょう。特に制度を設けていなくても正社員登用の実績がある企業は多数あります。聞いてダメなら別の手段を考えればいいことです。
もし、今働いている職場が合わない、もしくは正社員になることは難しいと思われる場合は、正社員登用制度があるアルバイトに変えてみる手もあります。ニートは支援サービスも活用する
現在ニートの場合は、いきなり正社員を目指すのではなく、まずはアルバイトを始めてみるほうが良い場合もあります。アルバイトは正社員に比べて求人数が多く、職種や業務内容の選択肢も豊富です。自分が働きやすい勤務地や時間も選べるため、無理なく働きやすいでしょう。
アルバイトのハードルも高いと感じる場合は、支援サービスを活用するのもおすすめです。例えば、ひきこもり地域支援センターは令和4年4月の厚生労働省の資料によれば、全国79の地域に設置されており、ニート脱却の相談や自立支援などで利用できます。
(参考:厚生労働省「「ひきこもり地域支援センター」の設置状況リスト」早めに就職するメリットは大きい
フリーターやニートで早めに就職を目指すことは、以下のようなメリットがあります。
<早めに就職を目指すメリット>
- 空白期間が短いほど面接時の印象が悪くならない、空白理由を説明しやすい
- 年齢的な面で就職が不利に働かない
- 前職で身に付いた経験やスキルをアピールしやすい
- 年齢制限があるニート向けの就職支援サービスを受けられる
フリーターやニートにとって、正社員として就職することはとてもハードルが高く感じられるかもしれません。だからといって、フリーターやニートの期間が長引けば就職がさらに難しくなりますし、就職に対する意欲や行動力も下がってしまいます。
なかには「一度ニートになってしまったから」「フリーターのまま何年もたってしまったから」と就職を諦めている人がいるかもしれません。
しかし、年齢や過去の職歴、スキル、経験などによっては就職できる可能性は十分にあります。もし特別なスキルや経験がなかったとしても、資格をとったりアルバイトで経験を積んだりすることで、正社員の道が見えてくることもあります。フリーターやニートから正社員で就職している人も大勢いるため、諦めず前向きに行動しましょう。
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フリーターの就職におすすめの職種
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働くことに慣れており、ある程度のコミュニケーション能力が身に付いているアルバイトの方には、以下の職種がおすすめです。
営業職
営業職の採用ではポテンシャルや人柄が重視されやすいため、これといった職歴がない人でも就職しやすい傾向があります。
一般的に営業職は「ノルマがあってきつい」や「高いコミュニケーション力が求められる」などのイメージを持たれやすいですが、実際には対象顧客や営業形態、営業手法などによって業務内容は異なります。
業務内容は会社によっても違うため、業務内容をよく確認したうえで就職先を選ぶとよいでしょう。介護職
介護職は慢性的な人手不足に陥っているため、経験者はもちろん未経験者の採用にも積極的です。高齢者の食事や入浴、排泄などの介助がメインとなり、人と関わるのが好きな人や、体力に自信がある人に最適です。
仕事は大変ですが、利用者の方から直接感謝の言葉をかけてもらえるため、大きなやりがいを感じられます。
介護職には大きく「訪問介護」と「施設介護」の2種類がありますが、掃除や洗濯、料理などの介助を行なう「生活援助」などの募集もあります。体力に自信がない人は生活援助を選択するとよいでしょう。飲食業
飲食業も慢性的な人手不足であるため、未経験者の積極採用を行なっています。飲食業は「労働時間が長い」「休みが少ない」「給料が安い」などの理由から敬遠する人もいますが、就職前にしっかりと条件を確認すればイメージと大きくずれることはないでしょう。
飲食業は、研修制度が充実している企業も多く、接客マナーやコミュニケーション、リスクマネジメントなどを一から学べる点もメリットです。
経験を積みながら調理師免許やレストランサービス技能士などの資格を取得していけば、将来的に独立を目指すこともできます。
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ニート脱却におすすめのアルバイト
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働くことに慣れておらず、人と関わるのが苦手な方は、アルバイトから始めるとスムーズです。ニートにおすすめのアルバイトには以下のようなものがあります。
家の近くにあるお店でのバイト
勤務先が自宅から遠いと通勤が億劫になってしまいますが、近ければ天候にも左右されにくく、仕事を続けやすくなります。
ただし、通いやすい故に近所の人がお店に来たり、休みの日にアルバイト先のスタッフと遭遇したりする可能性があるでしょう。また、家が近いという理由で急な出勤を頼まれる可能性もあります。そのため、自宅から30分くらいのアルバイト先を探すのがおすすめです。
なお、コンビニやスーパーは店舗数が多いため、自宅から近いアルバイト先を見つけやすい特徴があります。接客の無いバイト
人とコミュニケーションを取るのが苦手な人は、できるだけ人と接しないアルバイトがおすすめです。
例えば、工場のライン作業や軽作業、清掃、コンビニの夜勤アルバイトなどは、人と話す機会が少なく、一人でもくもくと作業できます。早朝や夜勤勤務が可能であれば、新聞配達や警備員などもよいでしょう。
パソコン操作が得意な方は、データ入力やWebライターなどもおすすめです。いずれも一人で行なう仕事で、会社によっては在宅でできる場合もあります。<人と接する機会が少ないアルバイト>
- 新聞配達
- ポスティング
- ルート配送
- 警備員
- 工場のライン作業・軽作業
- 郵便局の仕分け
- データ入力
- Webライター
マニュアルがしっかり整備されているバイト
これといったスキルがない人や難しい仕事ができないという人は、教育制度が整っている未経験歓迎のアルバイトを選ぶとよいでしょう。
未経験歓迎のアルバイトは単純作業が多い仕事や、マニュアル通りに作業を進める仕事などが多くあります。自分で考えたり判断したりする必要が少なく、誰でも業務をこなしやすいでしょう。
研修制度がしっかりしているところなら、業務に必要なスキルを一から身に付けることも可能です。他のスタッフも未経験からのスタートになることが多く、気負わずに働けます。<マニュアルが整っているアルバイト例>
- データ入力
- コールセンター
- 飲食店
- 日雇いなどの短期バイト
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まとめ:ニート・フリーターからでも就職は十分に可能!資格やスキルを身に付けてチャレンジ!
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現在フリーターの方もニートの方も、収入面と将来の面での不安が大きいでしょう。多くの不安は、正社員として就職することで少なからず解決しますが、就職するハードルが高いと感じる方も多いでしょう。
しかし、フリーターやニートから正社員として就職することは十分可能です。諦めずに求人サイトなどを活用して準備してみましょう。
もし、現在の自分では就職が難しいと感じたら、正社員登用制度のあるアルバイトを始めたり、将来目指したい業界のアルバイトを始めて経験を積んだりする方法もあります。アルバイト探しから始める場合は、求人情報が豊富なバイトルをぜひ活用してみてください。
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