大卒でフリーターの割合とおすすめの就活方法を紹介

大卒でフリーターの割合とおすすめの就活方法を紹介

大学卒業者のなかには正社員として就職せず、フリーターでいる方も多くいます。フリーターは自分の好きな日や時間だけ働ける点が魅力です。しかし、フリーターを長く続けると転職しにくくなることもあるため、早めに就活することが大切です。

今回は、大卒フリーターの割合やフリーターを脱却したい人におすすめの就活方法を解説します。

大卒フリーターの割合

フリーターのなかで大学卒業者はどの程度いるのでしょうか。まずは大学卒業後すぐにフリーターになった人の割合や人数を紹介します。

大卒でフリーターになった人全体の割合

独立行政法人労働政策研究所・研究機構の資料によると、15歳から34歳までのフリーター数は2017年時点で146万人(男性66.3万人、女性79.8万人)です。そのうち、大学・大学院を卒業した人は男性が21.8%、女性が16.0%います。

従来は中卒や高卒など低学歴者の割合が高かったフリーターですが、現在は高学歴者の割合が上昇しています。以下の表では全フリーターに占める大学・大学院卒業者男女別推移をまとめています。

 
1982年 12.2% 9.3%
1987年 10.0% 7.8%
1992年 8.8% 7.1%
1997年 12.5% 8.4%
2002年 14.8% 8.5%
2007年 16.4% 11.7%
2012年 23.2 16.2%
2017年 21.8% 16.0%

(参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状 ③」)

大学卒業後すぐにフリーターになった人の割合

文部科学省の令和3年度学校基本調査によると、2021年3月に大学を卒業してすぐに有期雇用労働者と臨時労働者になった人は2.0%、1万1,858人です。

(参考:文部科学省:「令和3年度学校基本調査(確定値)の公表について」)

これらの労働者にはいわゆる契約社員や嘱託社員も含まれるため、正確なフリーター数は把握できませんが、大卒後フリーターになった人数を知るための目安にはなるでしょう。

大卒でフリーターになる理由

大卒でフリーターになる理由

 

大学を卒業したあとフリーターになる理由はいくつかあります。ここでは代表的な理由を3つ解説します。

就活をしなかった・失敗した

フリーターになった理由として就職活動をしたが内定をもらえなかった、夢を叶えるためにあえて就活しなかった、やりたい仕事を見つけられず就活しないまま卒業したことなどが挙げられます。

内定をもらえなかったケースでは、自己分析や面接対策、企業研究などができていなかった可能性があります。
また、経済状況が悪い年に就活すると、本人の能力に問題はなくても内定をもらえないこともあるでしょう。不景気になると企業は新卒採用数を減らすため、フリーターとして働かざるをえない人が増加します。

就職後に退職した

次は、大学卒業後に就職した会社をすぐに退職し、そのままフリーターになるケースです。厚生労働省が平成31年度の大学新卒者離職状況を調査した結果、3年以内の離職率は31.5%でした。
その内訳は就職1年目が11.8%、2年目が9.7%、3年目が10.0%と1年目で離職する割合が高くなっています。

(参考:厚生労働省「学歴別就職後3年以内離職率の推移」)

独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査から抜粋すると、大卒者が早期退職する多くの理由は以下のようになっています。

<男性>

  • 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった
  • 賃金の条件がよくなかった
  • キャリアアップのため

<女性>

  • 出産・結婚のため
  • 肉体的・精神的に健康を損ねたため
  • 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった

(参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ」)

上記を見ると、男女では退職する理由が異なることがわかります。

公務員試験や大学院入学試験に落ちた

大卒フリーターのなかには、公務員試験や大学院入学試験、国家資格などに落ちて、その勉強をするために就活せず、フリーターになる人も含まれています。
大学院へ進学すると、就職するまでの時間ができるだけでなく、就職の選択肢を広げられるでしょう。理系の人なら大学院卒の給料をもらえる点もメリットです。

公務員試験や国家資格試験は難しいため、一度で受かるとは限りません。そのため、公務員や資格試験に受かるまで、就職浪人することは珍しくはありません。
先で紹介した独立行政法人労働政策研究・研修機構の2016年の調査では、フリーターでいる理由として「つきたい仕事のための勉強や準備、修行期間として」が男性では最も多く、女性でも2番目に多い結果となっています。

(参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大都市の若者の就業行動と意識の分化」)

大卒でフリーターのメリット・デメリット・将来について整理

大卒でフリーターのメリット・デメリット・将来について整理

 

ここからは大卒者がフリーターで働くメリットとデメリット、将来性について整理しました。

大卒フリーターのメリット

大卒でフリーターになるメリットには、以下のことが挙げられます。

働く時間を決められる

近年ではフレックス制度を導入する企業も多く、働き方の多様化が広がっていますが、多くの正社員は自分で働く時間を決めることはできません。
毎日決まった時間に出社し、その日の仕事が終わるまで仕事をする必要があります。一方で、フリーターは多くの場合シフト制で、自分で働きたい時間や曜日などを決められます。

職場を簡単に変えられる

正社員に比べてフリーターは、仕事が合わない場合や職場の人間関係が悪い場合でも、退職へのハードルが低いといえるでしょう。アルバイトであれば次の職場も見つけやすいため、またすぐに働くことが可能です。

仕事をかけ持ちできる

企業のなかには従業員の副業を禁止している会社もあり、本業の傍ら挑戦したい仕事があっても、退職しなければできないケースがあります。
フリーターは副業や仕事のかけ持ちを禁止されることは少ないため、未経験で興味がある仕事などにも気軽にチャレンジできます。

休みを取りやすい

正社員は有給休暇を取らなければ、週末や祝日など決まった日しか休みにできません。一方フリーターは、休みたい日にシフトを入れなければよく、休みを取りやすい面があります。
もちろんアルバイト先の状況次第のため、誰もが好きな時に休めるわけではありませんが、正社員に比べれば仕事の責任も重くない分、休みやすいといえます。

大卒フリーターのデメリット

フリーターでいるデメリットには、どのようなことがあるでしょうか。

収入が上がらない、ボーナスがない

正社員は一般的に1年に1回は査定があり、基本給が数千円~数万円上がる可能性があります。フリーターも昇給はしますが、時給10円~100円単位の昇給である場合が多いでしょう。そのため、長く働いても大きな収入アップは期待できません。
また、多くの企業の正社員は月給1ヵ月~6ヵ月分の額が1年間に1回~2回、ボーナスとして支給されます。一方、アルバイトにボーナスを出す企業はほとんどなく、収入面で大きな差となります。

フリーター期間が長いと、正社員になりにくくなる

正社員として就職をしたいと思っても中途採用は社会経験が重視される傾向があり、そう簡単ではありません。フリーターでいた期間が長いほど、就職が難しくなりがちです。

スキルが身に付かない

アルバイトと正社員では、仕事内容が異なります。アルバイトは責任が重くない仕事を任せられることが多く、マニュアル通りにやればできる仕事が中心となりがちです。仕事としては楽である反面、経験やスキルを身に付けることが難しい傾向があります。

大卒フリーターの将来性

長期間フリーターでいると正社員として転職しにくくなるため、フリーターでいる期間は3年を目安にしましょう。フリーターは収入が上がらないだけでなく、景気によって雇用も不安定になります。また、年齢が上がると体力が衰えるため、若い人に仕事を奪われやすくなるでしょう。フリーターのままでは人生設計がしにくいため、明確な目的がないのであれば、なるべく早く就職することが大切です。

フリーターでも大卒後3年は新卒扱いって本当?

大卒フリーターでも大学卒業から3年以内の既卒者は、新卒枠で就職活動に応募ができる場合があります。厚生労働省は若者の雇用促進などを図り、若者が能力を発揮できる環境を整備する「青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)」を2015年10月から順次施行しているためです。

この法律では、若者の雇用機会の確保と職場定着に関して、事業主に若者の募集・採用など雇用促進の指針を定めています。在学中に就職先が決まらないまま卒業せざるを得なかったフリーターの方なども新卒採用として採用できるよう、事業主にできる限り上限年齢を設けないよう求めています。

企業側は新卒採用枠を拡大することで、意欲や能力のある有望な既卒者を採用できる点がメリットです。就職先を決められず「やむを得ず」フリーターになった既卒者も、正社員として就職できるチャンスを得られます。

しかし、厚生労働省の2020年労働経済動向調査によると、2019年度新規学卒者採用枠での既卒者の応募受付状況は、既卒者を採用した事業所が43%、採用しなかった38%、応募不可が29%と厳しい状況です。制度が定着するにはもう少し時間がかかるかもしれません。

(参考:厚生労働省「卒業後3年以内の既卒者は「新卒枠」での応募受付を!」)
(参考:厚生労働省「労働経済動向調査(2020年8月)の概況」)

大卒フリーターが就職する5つの方法

大卒フリーターが正社員として就職する方法は、おもに5つです。

新卒として就活する

先ほど紹介したように、大学卒業から3年以内であれば、新卒枠として応募できる可能性があります。ただし、あくまで「要請」のため、実際に新卒枠にするかは企業の方針に委ねられています。応募する際は、応募要項に卒業後3年以内の既卒者が含まれているか、しっかり確認することが必要です。

新卒採用は中途採用よりも求人数が多く、さまざまな企業に応募できる点が魅力です。また、入社後の研修も充実しているため、未経験の仕事でも応募しやすいでしょう。

求人サイトから応募する

求人サイトは就職に関する求人情報を掲載して、就職希望者を支援するサイトです。求人情報を業界や業種、地域などで検索し、応募が可能です。24時間どこからでも、好きなときに見られるため、自分のペースで就職活動ができるでしょう。ただし、申し込み手続きや面接などの日程調整は、自分で行なう必要があります。

求人サイトのなかには、特定の業種や職種の経験者のみを募集しているサイトや年齢制限があるサイトもあります。なかには、大卒フリーターが利用できないものもあるため、注意してください。一方で、幅広い求人を掲載しているサイトや職種を絞って募集しているサイトなど、求人サイトはそれぞれ強みを持っています。複数の求人サイトに登録して、正社員として採用されやすい求人を見つけるとよいでしょう。

ハローワークから応募する

ハローワークは全国に500ヵ所以上あり、地元の求人が多い点が魅力です。仕事を辞めた人に向けた求人だけでなく、新卒応援ハローワークが全国各都道府県に1ヵ所以上、全国に56ヵ所あります。卒業から3年以内の大卒フリーターなら、こちらの利用もおすすめです。

ハローワークは求人を探すだけでなく、就職活動の進め方を相談できるほか、応募書類の添削指導など、さまざまな相談や指導にも対応してくれます。就職支援のセミナーやスキルアップのための職業訓練などもあるため、就職に不安があっても心強いでしょう。

社員登用制度を利用してアルバイト先で正社員になる

アルバイト先で正社員になる手もあります。アルバイト先なら仕事内容や職場の雰囲気、人間関係などをイメージしやすく、就職後の後悔が少ないでしょう。採用する企業側としても、アルバイトで仕事を経験済みの人は人柄や仕事ぶりも知っているため、採用しやすい利点があります。

企業によっては社員登用制度を設けている場合もあります。厚生労働省による2022年2月の労働経済動向調査によると、正社員以外の労働者から正社員への登用制度があると回答した企業は75%で、そのうち実際に登用実績のある企業は37%となっています。

登用実績が高い業種は医療、福祉、製造業、不動産、金融業です。アルバイト先を決める際にこれらを参考に社員登用制度のある会社を選ぶと、働いているうちに会社側から正社員へ打診される可能性があります。

(参考:厚生労働省「労働経済動向調査(令和4年2月)の概況」)

会社にもよりますが数ヵ月~数年勤務すると、正社員打診の声をかけられることが多いようです。正社員に登用されやすい人は、以下の特徴があります。

  • コミュニケーション能力が高い
  • 自分で仕事を効率化・改善する
  • 現場から頼られる存在
  • この職場で長期的に働く意思を感じさせる

正社員として登用されたい場合は、こうしたポイントに注意して働くとよいでしょう。

なお、正社員登用制度がアルバイト先になかったとしても、正社員登用をまったくしていないとは限りません。正社員として働くことを希望するなら、一度上司などに相談してみてもよいでしょう。

面接対策3つのポイント

大卒フリーターに限らず、就活では事前に十分な準備が必要です。面接では「なぜフリーターになったのか」をしっかり説明できるように、以下のポイントを踏まえて準備しておきましょう。

面接官にあまりネガティブなイメージを持たせない

面接官は発言内容だけでなく、身だしなみや礼儀作法、表情などもしっかり見ています。頭髪やスーツの着こなし、言葉遣い、表情などからも人柄を判断しようとするため、ネガティブなイメージを持たれないようにすることが大切です。
また、自信がないと表情が暗く、声が低くなりがちですが、面接ではなるべく明るい表情を心がけましょう。

フリーターの経歴は引け目を感じやすいかもしれませんが、アルバイトでも仕事で得た知識やスキルは必ずあります。アルバイト経験からの学びを自己PRに結びつけて、面接官にわかりやすいよう具体的に説明することが大切です。

嘘をつくのはNG

面接で嘘をつくと、責任ある仕事を任せられないと判断される可能性があります。フリーターの就職活動で重視されるのは、過去の経験よりも人柄や将来性です。嘘をつく人は信頼してもらえないため、事実は正直に話しましょう。

フリーターの就職活動では、なぜフリーターになったのか、正社員に転職しようと思った理由を明確に説明できなければ採用されづらい傾向です。フリーターの就職ではよく聞かれる質問のため、迷わず回答できるよう準備しましょう。

はっきりした理由がなくフリーターだった人は、面接官に良いイメージを持たれにくい可能性があります。しかし、嘘をついて過去を認めないよりも、過去を反省したうえで「これからは正社員として責任ある仕事を長く続ける」という熱意を伝えるほうが好印象を与えられるでしょう。

企業が求める人物の分析をしよう

Webサイトや四季報、業界地図などで企業分析をすると、本気で就職したい意思が伝わりプラス評価につながります。企業分析により、企業風土や会社の制度もわかるため、入社してからも違和感なく働けるでしょう。

また、企業分析をすることで、その企業が求めている人物像も明確になります。その人物像にいかに自身が近いかをこれまでの経験とつなげて訴えれば、良い印象を与えやすくなるはずです。
フリーターで得た学びや過去から自己分析を行ない、自分の価値観に合う企業を見つけることが重要です。

まとめ:フリーターでもやり方次第で十分正社員を狙える!

大卒フリーターは卒業から3年以内であれば新卒枠で応募できる可能性もあるため、なるべく早いうちに就活することが大切です。フリーターは長く続けるほど就職に不利になる傾向があります。フリーターでいる期間はできれば短く済ませましょう。

フリーターの就職活動は難しいと思うかもしれませんが、大切なのは人柄や熱意を面接官に正しく伝えることです。自己分析をとおして自分の強みを見つけ、人生設計に合う職種や企業に応募しましょう。バイトルNEXTは自分に合う正社員の仕事を見つけやすく、大卒フリーターの就活におすすめです。

 

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