派遣社員とは?働き方やルール、メリット・デメリットなどを徹底解説!

派遣社員とは?働き方やルール、メリット・デメリットなどを徹底解説!

いざ仕事を探し始めると、さまざまな働き方の求人が見つかります。正社員、契約社員、派遣社員、パート、アルバイトなど、数ある働き方の中で「何が自分に合うのか分からない」という人も多いのではないでしょうか。

この記事では、その中でも派遣社員について徹底解説!
派遣社員の働き方、メリット・デメリット、派遣社員が向いている人、派遣社員からのキャリアチェンジについて詳しく解説します。

派遣社員とは

派遣社員とは、人材派遣会社に雇われて、他の企業に派遣されて働く労働者のことです。派遣社員は、自分のスキルや希望に合わせた仕事を見つけやすくなり、企業にとっても、必要なときに必要なスキルを持った人を雇えるのが派遣制度のメリットです。

契約をする会社と実際に働く会社が異なり、直接雇用されるよりも複雑な雇用形態になっていることから、派遣労働者のために派遣法によって細かいルールが定められています。

【派遣制度のかんたんな歴史】
派遣の制度ができたのは1985年で、はじめは派遣の仕事は特定のもの、例えばソフトウェア開発や事務機器の操作など、特別な知識が必要な16種類の仕事に限られていました。

しかし、時がたつにつれて、派遣の仕事の種類は増え、企業側も派遣社員を使うことが多くなっていきます。1999年には、ほとんどすべての業務で派遣労働が認められるようになりました。

派遣として働くにはまず登録が必要

派遣社員として働くためには、まず派遣会社に登録をします。派遣会社に登録をすると、あなたのスキルや経験、希望条件にあわせた仕事を紹介してもらえます。

派遣会社に登録してから、派遣先の企業で業務を始めるまでの流れは下記のようになります。

派遣会社を探す

派遣会社へ連絡

派遣登録会への参加

仕事紹介・検討

業務開始

派遣会社への登録については、「派遣会社に登録するとどうなる?登録の準備から業務開始までの流れ、注意点を徹底解説」でくわしく解説しています。

派遣社員の雇用主は派遣会社

派遣の場合は、派遣会社と契約を結び、実際に働く場所は別の会社(派遣先)になります。

雇用主である派遣会社が給料を支払い福利厚生も派遣会社のものを受けられますが、仕事の内容は派遣先の指示に従います。さらに、派遣社員が社会保険に加入するときには、その手続きも派遣会社がおこないます。

そのため、労働条件や給与に関する交渉は、職場である派遣先企業ではなく、派遣会社に対して行います。派遣先の社員と同じ業務を行っているのに、待遇が大きく違うといった不利な状況になることのないよう、法律では「同一労働同一賃金」が定められています。待遇の差が不合理な場合も交渉で解消できます。
参照:厚生労働省「同一労働同一賃金

<関連記事>
【社労士監修】派遣社員も社会保険に加入できる?条件や加入のメリット、注意点を紹介

アルバイトや正社員との違い

派遣社員とアルバイトや正社員で大きく違う点は、雇用契約です。
アルバイトや正社員は職場と直接雇用の契約を結んでいるのに対し、派遣社員は派遣会社と契約し、職場とは派遣元が派遣契約を結びます。

■派遣社員と正社員の一般的な違い

  派遣社員 正社員・契約社員・アルバイト
雇用主(労働契約) 派遣会社 職場の会社(直接雇用)
給与の支払い 派遣会社 職場の会社
社会保険の手続き 派遣会社 職場の会社
勤務先 派遣先の職場 職場の会社
仕事の指揮命令 派遣先の職場 職場の会社
有給休暇の付与 派遣会社 職場の会社

参照:厚生労働省「派遣で働くときに特に知っておきたいこと

また、仕事の探し方も違います。アルバイトや正社員は自分で積極的に仕事を探し、採用されなければいけませんが、派遣社員は登録している人材派遣会社から仕事を紹介してもらえます。

<関連記事>
何が違うの?働き方の違いメリット&デメリット|派遣・請負・パート・アルバイト・正社員
派遣から直接雇用を目指すべき?切り替えの方法やメリット・デメリット、注意点を紹介

派遣の禁止事項

派遣社員として働くときには、いくつかの禁止事項があります。これらを知っておくことは、派遣社員として働くうえでとても大切です。

まず、いくつかの業務は派遣社員として働くことが禁止されています。具体的に以下の業務は、危険性や求められる専門性が非常に高いため、派遣社員を使うことができません。

【派遣が禁止されている業務】

  • 建設業務:建築や土木工事などの仕事
  • 港湾運送業務:港での荷物の積み下ろしなどの仕事
  • 警備業務:建物や人を守る警備の仕事
  • 医療関係業務:病院などでの医療に関する仕事(一部は例外あり)

次に、派遣先の会社が派遣社員を選ぶために面接を行ったり、履歴書を事前に確認したりすることは基本的に禁止されています。ただし、紹介予定派遣の場合や、派遣社員本人が希望する場合は例外として認められます。このルールは、派遣社員が公平に仕事の機会を得られるためにあります。

さらに、正社員や契約社員、アルバイトとして働いていた会社に、辞めた後1年以内に派遣社員として戻ることはできません。このルールは、前の職場との関係を整理し、新たなスタートを切るために設けられています。
ただし、以前A社に派遣されていた人が、派遣終了後1年以内に再度A社に派遣される場合は、このルールの対象外となります。

派遣の需要の高い職業

派遣社員が活躍する業界はさまざまです。
たとえば、製造業、金融業、情報通信業、卸売業、小売業、医療・福祉などが挙げられますが、特にそれらの事務職において派遣社員の需要が高いです。

一般事務やオフィス事務から、高度な技術を要するデータ入力や資料作成のOA事務まで、幅広い業務で派遣社員が活躍しています
参照:厚生労働省「派遣労働者実態調査結果の概況」、一般社団法人日本人材派遣協会「データ 職種別・性別派遣社員数

3つの派遣社員の種類

派遣社員は、大きくは登録型派遣常用型派遣のふたつに分けられます。また、登録型派遣の派生として、紹介予定派遣という形態もあります。人それぞれの状況や求める条件によって、向いている派遣の形態は違うでしょう。ここでは、それぞれの派遣社員の種類について詳しく解説していきます。

登録型派遣

登録型派遣では、仕事を探している人がまず派遣会社に登録を行い、希望の条件に合う働き先が見つかるのを待ちます。条件に合った企業が見つかり、実際に就業することになった際に、初めて派遣会社と雇用契約を結ぶことになります。

派遣先への要望や交渉なども派遣会社が行うため、ライフスタイルに併せて働きやすく、Wワークを考えている人やアルバイトからのステップアップを考えている人に向いています。

紹介予定派遣

紹介予定派遣は、まず派遣会社に登録し希望の条件に合う働き先が見つかるのを待つ、という点は登録型派遣と同じです。しかし大きな違いは、派遣社員として働いたあと、派遣先の企業に直接雇用されることを前提にしていることです。

紹介予定派遣の期間は最長6ヶ月で、この期間を試用期間とし、派遣社員と派遣先企業の双方が合意をすれば、直接雇用に切り替わります。これは、正社員や契約社員などの直接雇用を目指す人にとって魅力的な選択肢でしょう。

紹介予定派遣については、「紹介予定派遣とは?派遣社員にとってのメリットや注意点、よくある質問など徹底解説」でくわしく解説しています。

常用型派遣(無期雇用派遣)

常用型派遣は、派遣会社に直接雇用されて、契約期間の定めのない無期雇用契約を結びます。登録型派遣は派遣先企業との契約が終わると、派遣元企業との契約も終了しますが、常用型派遣は派遣元企業との契約が続くのが大きな違いです。

この場合、派遣先で働いていない期間でも派遣会社から給料が支払われます。常用型派遣は、派遣先との契約が途絶えても、雇用契約が続き、収入が途切れないため、雇用や収入の安定を重視する人におすすめです。

派遣社員が同じ職場で働ける期間には制限がある

派遣社員が同じ会社の同じ部署で働けるのは、最長で3年までと決められています。ただし、この対象となるのは、登録型派遣で働く派遣社員です。

これは派遣の3年ルールと呼ばれます。派遣とはそもそも、「臨時的」や「一時的」な働き方のためのものでした。しかし、派遣社員が正社員と同じようにずっと働くケースが増えてきたため、事業所単位・個人単位の2つの期間制限が設けられました。

派遣社員にとっては、いつまでも同じ職場にとどまることなく、時には新しい職場で新たなスキルを学び、経験を広げるチャンスになることが期待されています。
また、派遣社員が一定の期間働いた後に、その経験を活かして正社員として働くことを促す目的もあります。

3年ルールについては、「派遣の3年ルールとは?同じ派遣先で3年以上働けないの?概要や対象など徹底解説」でくわしく解説しています。

派遣社員として働くメリット・デメリット

派遣社員として働くメリット・デメリット

派遣社員として働くことを考えている人、またこれからも派遣社員を続けるか悩んでいる人にとって、メリット・デメリットはおさえておきたい大切なポイントだと思います。

今後の仕事を考える際には、メリット・デメリットを理解し、自分にあった働き方を選びましょう。

メリットはプライベートとのバランス

派遣社員のメリットは、仕事とプライベートのバランスを取りながら働きやすいことです。

派遣社員は勤務地や勤務日数、時間、仕事内容などの希望条件を、派遣会社に伝えたうえで職場を探します。そのため、ライフスタイルに合わせた働き方を選びやすくなります。

また、もしも働き方に問題があった場合、派遣会社が派遣先の会社への対応をしてくれるため、派遣社員は正社員より残業時間が少ない傾向にあります。そのため、自分の時間を大切にできるでしょう。

その他にも、派遣社員として働くのには、下記のようなメリットがあります。

  • 得意分野を活かした仕事に就ける
  • やりたい仕事の練習ができる
  • 職場を変えやすい
  • 正社員としては難しい大手企業で働ける

デメリットは雇用の不安定さ

派遣社員として働く大きなデメリットは、雇用の安定性が低いことです。

派遣社員は企業の経済状況やリソース状況の変化によって、契約が更新されないリスクがあります。また、3ヶ月や6ヶ月ごとなどの短期間の契約で働くことも多いため、契約期間が終わるたびに新しい仕事を探す必要があります。

雇用が不安定なので、長期的に安定した収入の計画を立てにくくなったり、ローン審査に通らないなどの社会的信用にも影響がでたりします。
そのため、このような不安定さを、理解して自分のキャリアプランを考えることが大切です。

その他にも、派遣社員として働くのには、下記のようなデメリットがあります。

  • ボーナス・退職金がない
  • 福利厚生が少ない
  • 正社員との見えない境界線がある
  • 高時給の仕事はスキルや経験が必要
  • キャリアアップに繋がらない可能性

<関連記事>
派遣社員はデメリットが多い?メリットは?働き方を正しく理解して仕事探しをしよう

派遣社員に向いている人

派遣社員として働くメリット・デメリットを踏まえて、派遣社員の働きかたが向いている人はどのような人なのでしょうか。

派遣社員は、メリットで紹介したように、ライフスタイルに合わせて働きたい人はもちろん、さまざまな仕事を経験したいという人にも向いています。

「契約期間が終わるたびに新しい仕事を探す」というのは、デメリットのひとつですが、裏を返せば、新しいことに挑戦して、色々な経験をすることができます。
様々な仕事を経験する中で、「どんな仕事に関心があるか」や「適性のある仕事は何か」を見極めることもできるでしょう。

派遣社員の働きかたが向いている人については、「派遣社員はデメリットが多い?メリットは?働き方を正しく理解して仕事探しをしよう」のSection4派遣社員の働き方が向いている人でもご紹介しています。

派遣社員として働くなら派遣会社選びも大切

派遣社員として良い条件で働くためには、信頼できる派遣会社を選ぶことも大切です。派遣会社選びの際に注目すべきポイントは以下の通りです。

  • 求人件数の多さ:求人の選択肢が豊富か
  • サポート体制:転職相談や面接対策などのサポートが整っているか
  • 取り扱う業界:自分の希望する業界の仕事があるか
  • 福利厚生:福利厚生が充実しているか
  • 口コミ:実際に利用した人の評価はどうか

求人数が多いほど、自分の希望する条件に合う仕事を見つけやすくなります。また、転職相談や面接対策、内定後の手続きなど、サポート体制が整っているかどうかも重視したいところです。

また、派遣会社が取り扱っている業種が自分の希望にあっているのか、福利厚生が手厚いかもポイントです。口コミを確認してみるのもおすすめです。

派遣社員から正社員になれる?

常用型派遣で働く場合はもとから派遣会社の正社員ですが、登録型派遣でも派遣社員から正社員を目指すことは可能です。

正社員になると、会社の福利厚生が充実し、生活がより安定するなどのメリットがあります。では、派遣社員から正社員になるためにはどのような方法があるのでしょうか。

<関連記事>
正社員のメリット・デメリットとは?派遣や契約社員などとの比較も紹介!

紹介予定派遣で働く

紹介予定派遣は、派遣社員から正社員になるための手段の一つです。派遣先の企業は、最初から直接雇用することを視野に入れて派遣社員を受け入れます。

ただし、直接雇用への切り替えには内部試験や面接が必要な場合が多く、全員が必ず正社員になれるわけではありません。
場合によっては、契約社員として雇われることもあります。紹介予定派遣は「直接雇用」が前提で、「正社員」になることを前提としたものではないからです。この点には注意が必要です。

正社員登用制度のある企業で正社員を目指す

一部の企業では、派遣社員や契約社員などを正社員としての雇用に切り替える「正社員登用制度」を設けています。この制度のメリットは、あらかじめ業務や職場環境に慣れた上で企業の審査を受けられる点です。

ただし、紹介予定派遣とは違い、具体的な就労期間や正社員になるための基準が企業によって違うことが多いです。
たとえば、ある企業では半年働いた後に正社員登用試験を受けるチャンスがあるかもしれませんが、別の企業では1年働かないといけない場合もあります。

転職支援サービスで正社員を目指す

転職支援サービスを利用し、直接正社員を目指す方法もあります。転職支援サービスでは、専門のコンサルタントが、転職先の紹介から面接対策、内定後の条件交渉までサポートしてくれます。

紹介予定派遣や正社員登用制度に比べて、より積極的に正社員のポジションを探すことができます。現在の就労先で正社員を目指しつつ、同時に転職市場でのチャンスも探ることで、転職の可能性を広げることができます。

まとめ

今回は派遣社員について徹底解説しました。
派遣社員はライフスタイルにあわせた条件で働ける一方、契約期間があり、長く同じ職場で働くことや、契約が更新されないというリスクもあります。

派遣社員として働くことを考えている人は、どのような働き方が自分に向いているのか、よく考えておきましょう。
バイトルは、派遣社員としての仕事情報も充実しています。派遣での働き方に興味をもったら、バイトルで希望に合った仕事を探してみてください。

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