2024.01.05

メールや手紙の「PS」とは?正しい意味とビジネスメールにも使える言い換えを解説

メールや手紙の「PS」とは?正しい意味とビジネスメールにも使える言い換えを解説

メールや手紙の文末に「PS」と書かれているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。この記事では「PS」の正しい意味と「PS」がよく使われる場面を、例文と一緒に解説します。

「PS」はビジネスメールで使ってもよいのか、そして「PS」がもたらすメールや手紙への効果もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

メールや手紙で使う「PS」の意味

「PS」は手紙やメールの最後に、本文とは別に追加して伝えたいことがあるときに使います。ラテン語で「あとで書かれたもの」を意味する「postscriptum」という言葉に由来し、英語の「postscript」を略した「PS」が手紙で使われるようになりました。

手書きで手紙を書いていた時代は、あとから本文に付け足しができないため「PS」で本文に書き忘れた事項や情報の追加、個人的なメッセージなどを記すときによく使用されていました。

デジタル化が進んだ現代でも「PS」の文化は残っており、手紙だけではなくメールでも使われています。

「PS」の正しい表記や言い換え

「PS」にはいくつかの表記がある

「PS」は「ps」「p.s.」「P.S.」とも表記できます。どの書き方でも問題ありません。ただし、ピリオドを付ける場合は必ず「P」と「S」両方のあとに付けるようにしてください。

NG例:「p.s」「PS.」

メールや手紙のなかで「PS」のやりとりが連続する場合は「P.P.S」のように「P.」を一つずつ増やして使います。

「PS」は「追伸」と同じ意味で使う

手紙を受け取ったとき、文末に「追伸」と書かれているのを見たことがある方も多いかもしれません。「追伸」は「PS」の言い換えで、全く同じ意味で使います。

「PS」と同じくメールや手紙の最後に「追伸」と記載し、そのあとに本文では触れていない話題に軽く言及するときに用いられる言葉です。

「PS」と「追伸」どちらを使ってもよいですが、メールや手紙のなかで連続してやりとりするときは書き方を統一するとよいでしょう。

「追記」や「付記」と意味を間違えないように注意

「追伸」は、「追記(ついき)」「付記(ふき)」とよく間違えられやすい言葉です。

追伸 メールや手紙を書き終えたあと、さらに本文の下に書き足すこと
追記 文章を書き終えたあと、さらに文を付け足すこと
付記 本文に文を付け加えること(付け加えた文章のこと)

「追伸」と「追記」は非常に意味が似ていますが「追伸」はメールや手紙、「追記」は文書に使える点が異なります。「PS」ではなく「追伸」を使うときは、間違えないように注意して使ってくださいね。

「PS」はもう古い?どんなときに使う?

文章を自由に編集できるメールを使う人が増えたこともあり、最近では「PS」をあまり見かけなくなったと感じる方も多いかもしれません。

しかし、適切に使用すれば今でも「PS」はメールや手紙を書くときに役立つ言葉です。実際どのような場面で使える言葉なのでしょうか。

相手への配慮の気持ちを示したいとき

「PS」は、メールや手紙を送る相手に対しての心遣いを伝えたいときに使います。日ごろからお世話になっている人に感謝の気持ちを一言伝えたいときや、季節の変わり目に体調を気遣う配慮の気持ちを添えたいときに便利です。

■「PS」の使い方(例文)

PS 先日はお忙しいところ新居にお招きいただき、ありがとうございました。
p.s. 厳しい暑さが続いておりますが、体調を崩されぬようどうかご自愛ください。

本文とは関係のない話題を付け加えたいとき

メールや手紙の本文の話題では触れていないことを追加で付け足すときにも「PS」を活用できます。読み手に自分の近況を伝えたり、重要ではないけれど軽く伝えたいことがあったりするときなどに使います。

「PS」は、本文にいろいろな話題を盛り込んでしまい、一番伝えたいことが何か分かりにくくなるのを防ぐのにも有効です。本文に付け加える形で記載するので、あまり長くなりすぎず端的に一言添えるくらいにしておくとよいでしょう。

形式張ったメールや手紙に親しみやすさを持たせる効果もあるので、状況に応じて使ってみてくださいね。

■「PS」の使い方(例文)

PS 来月、地元で毎年恒例の〇〇祭が開催されます。お時間があれば、ぜひ足をお運びください。
p.s. 今週末にお孫さんの運動会があるとお聞きしました。素敵な一日になりますように。

「PS」はビジネスメールに使ってもよい?

ビジネスメールでは「PS」を多用しない

ビジネスメールでは、なるべく「PS」は使わずに送るのがおすすめです。

上記でも解説した通り「PS」は、もともと手書きで書いた手紙にあとから付け加えたいことを記載する目的で使われていました。メールは手書きの手紙とは異なり、あとから伝えたいことを思い出した場合にも簡単に編集できます。

そのため「PS」や「追伸」をビジネスメールで使うと「手を抜いているのでは?」とも思われかねません。ビジネスメールを書くときは「PS」を使わず、本文に伝えたい用件をすべて盛り込み、簡潔さを意識するとよいでしょう。

目上の方へのメールは「PS」を使わずに書く

本文とは関係のない話題を気軽に付け足せる「PS」は便利ですが、目上の方にメールや手紙を送るときは使用を避けましょう。

特に、目上の方に対して「謝罪」や「感謝」の気持ちを伝えるときに使うのはNGです。状況にもよりますが、重要なことを「PS」に添える一言で済ませるのは相手に失礼にあたるケースがあります。

大事な用件は「PS」で付け加えるのではなく、その話題をメールや手紙の本文に入れるか、別で新規のメールを作成するようにしてくださいね。

よりかしこまった表現「末筆ながら」ならOK

ビジネスメールにおいて最後に付け加えたい情報がある場合は「PS」や「追記」ではなく、よりていねいな表現にあたる「末筆(まっぴつ)ながら」「末筆ではございますが」を使いましょう。

「末筆ながら」「末筆ではございますが」であれば、目上の方に送るメールにも使えます。

ただし、本題とは関係のないプライベートな話題を付け加えるのではなく、メールや手紙を送る相手への心づかいを示すときに使うことがほとんどです。

■「PS」の使い方

末筆ながら、寒さが厳しくなって参りましたので、何卒ご自愛のほどお願い申し上げます。
末筆ではございますが、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。
末筆ながら、今後とも末永いお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。

ちなみに「最後になりますが」「最後に」も、「末筆ながら」と同じ意味です。正しいビジネスメールのマナーを知っておくと、相手によい印象を持ってもらえるきっかけにもつながるので、覚えておくとよいでしょう。

「PS」は使い方次第でこんなメリットがある!

メールで自由に文章を編集できるようになった今の時代でも「PS」が使われるのは、あとから用件を付け足せる便利さだけが理由ではありません。

ここでは「PS」がメールや手紙にもたらす効果を解説します。

メッセージを強調できる

メールや手紙で「PS」を使うと、相手にメッセージを強調して伝えられます。特に、本文の話題でもっとも重要なポイントを繰り返して伝えるときに効果的です。

イベントの日時や特別なオファーなど、相手に読み漏らしてほしくないことを「PS」に再度記載するとよいでしょう。メールや手紙の書き方次第で相手の受け取り方をコントロールできるので、このような場合にはあえて「PS」を活用してみてはいかがでしょうか。

読み手の記憶に残りやすくなる

「PS」は本文とは離れた位置で文末に記載するものなので、メールや手紙を受け取った人の記憶に残りやすい点もメリットです。本文には記載していないけれど、相手に印象付けたいメッセージがある場合に使うとよいでしょう。

読み手に興味を持ってもらいやすくなる

「PS」で興味深い情報や個人的なメッセージを付け加えると、読み手の好奇心を刺激し、メール全体への興味や関心を引き出すメリットもあります。

「PS」はセールスメールにも効果的で、サービスの宣伝や割引情報を記載することで読み手に興味を持ってもらいやすくなりますよ。あえて情報の一部だけを記載して興味を惹かせ、別ページに誘導させるテクニックもあります。

「PS」は使い方次第で、読み手にも、メールや手紙を送る人にとってもメリットがありますよ。

【よく使う事例別】「PS」を使った手紙・メールの例文

「PS」がよく使われる場面をいくつかピックアップしました。メールや手紙に使える例文をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

暑中見舞いの挨拶文

暑い日が続いておりますが、お元気でお過ごしでしょうか。
本年も変わらぬご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。

PS 先日、お話しした庭園の写真を添付いたしました。涼しげな景色をお楽しみいただければ幸いです。

同窓会開催のお知らせ

皆様におかれましては、ますますご清祥のことと存じます。

この度、同窓会を下記の通り開催する運びとなりましたので、ご案内申し上げます。

p.s. 当日は昔話に花を咲かせ、楽しい時間を過ごしましょう。久しぶりに皆さんにお会いできることを楽しみにしております。

新居に招かれたときのお礼

この度は新しいお家に招待していただき、ありがとうございました。

温かく迎えてくださり、快適な時間を過ごさせていただきました。新居での素晴らしいスタートを心からお祝いしています。

P.S. おすすめのインテリアショップについて教えていただき、大変感謝しております。次回は私の方からもお気に入りの店をご紹介させていただきます。

「PS」に返信は必要?

メールや手紙を受け取ったときに「PS」があった場合は、返事の中に「PS」で記載されていた内容について軽く触れるのがよいでしょう。

必ず「P.P.S」「追追伸」でを繰り返す必要はないですが、内容に合わせて一言コメントしておくと記載した相手もうれしいと感じるかもしれませんね。

【おまけ】「PS」は「追伸」以外の意味で使われることも

「PS」は、今回ご紹介した手紙やメールに使う言葉以外にも別の意味として使われる場面があります。さまざまな「PS」の意味を簡単にご紹介します。

建築用語の「PS」 「パイプスペース」の略。賃貸住宅などで、水やガスの配管を通すスペースとして間取り図に「PS」と表記される。
医療用語の「PS」 「Performance status」の略。患者が日常生活をどれくらいできるかを示す指標として使われる。
ゲーム用語の「PS」 「Player Skill(プレイヤースキル)」の略。ゲームの上手さの指標として使われる。
ゲーム機の省略名「PS」 「Play Station」の略。家庭用ゲーム機の名称。

まとめ

「PS」の正しい意味と使い方をご紹介しました。ビジネスメールにおいて「PS」の使い方には注意が必要ですが「末筆ではありますが」など代わりのていねいな表現に言い換えてみるとよいですよ。

正しく使えば「PS」にはさまざまなメリットがあるので、メールや手紙を書くときに「PS」で一言付け加えて見てはいかがでしょうか。

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