「遵守」の意味とは？「順守」との違いや使い分けを例文付きで解説！言い換えや対義語も

「法令遵守」「コンプライアンス遵守」といった言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。「遵守」は日常生活をはじめとし、国の公式な文書やビジネスシーンでもよく使われる言葉です。

この記事では「遵守」の正しい読み方と意味を詳しく解説します。「順守」という書き方は間違いなのか、使われるシーンに合わせた例文もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

「遵守」の読み方と意味
- 「遵守」の読み方
- 「遵守」の意味
「順守」は間違い？
- 「遵守」と「順守」はニュアンスが違う
- なぜ「遵守」と「順守」が両方使われるの？
「遵守」の類義語と対義語
- 「遵守」の類義語
- 「遵守」の対義語
まとめ

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「遵守」の読み方と意味

「遵守」の読み方

「遵守」の読み方は「じゅんしゅ」です。

漢字のつくりがしんにょうに「尊」なので「そんしゅ」と読み間違えられることがありますが、正しい読み方を覚えておきましょう。

また「尊守（そんしゅ）」を「遵守」の意味で使うのも誤用なので、注意しましょう。

「遵守」の意味

「遵守」とは「決められたことに従うこと／逸脱せずしっかり守ること」です。漢字の意味を分解して考えると、意味が分かりやすくなりますよ。

「遵」...法や道理に従う
「守」...まもる／みはる／そなえる／もちこたえる

「法令遵守」「就業規則の遵守」「コンプライアンス遵守」といった言葉は、日常生活やビジネスシーンで聞き覚えのある言葉かもしれません。

どちらも「定められたルールを理解し、従う」という意味で使われています。
※参考：weblio辞書

「順守」は間違い？

「遵守」を「順守」と書いている場合がありますが、これは間違いなのでしょうか。使われる場面によって変わる「遵守」と「順守」の微妙な意味の違いについて解説します。

「遵守」と「順守」はニュアンスが違う

「遵守」と「順守」はどちらも「決まりごとを道理に従い守ること」という同じ意味を持つ言葉です。

しかし、それぞれの漢字の意味を考えてみると、微妙な意味のニュアンスの違いが見えてきます。

	漢字の意味	言葉のニュアンス
遵守	「遵」＝「尊敬して行く／信じて進む」	決まりごとを尊重したうえで厳格に守る
順守	「順」＝「従うこと／素直であること」	決まりごとに素直に従う

「遵守」の方が「順守」よりも厳格に守るという印象が強く、国の正式な文書や契約書では「遵守」を使うのが一般的です。

一方で、メディアでの表記は「順守」で統一されています。

意味は同じでも、漢字が持つ意味で受け取られる印象が変わります。ビジネスシーンで使うときは、こういったニュアンスの違いを理解したうえで使い分けてみてくださいね。

「遵守」を使った例文

法律や就業規則など「厳格に守らなければならないルールに従い、守る」というニュアンスでの「遵守」の使い方を、例文でご紹介します。

1.	法律を遵守することは、市民としての責任です。
2.	国際法を遵守することは、国家間の信頼関係を築くうえで重要です。
3.	社内規則を遵守しない従業員は、懲戒処分の対象となることがあります。
4.	情報セキュリティポリシーを遵守することは、顧客情報を守るうえで不可欠です。
5.	安全基準を遵守することで、事故を防ぐことができます。

「順守」を使った例文

「決められたルールに素直に従い、守る」というニュアンスで使う「順守」の例文をいくつかご紹介します。

1.	トレーニングプログラムの手順を順守してください。
2.	調理の際はレシピの指示を順守してください。
3.	施設内のルールを順守し、他の利用者に迷惑をかけないようにしましょう。
4.	教室でのルールを順守することは、良好な学習環境を維持するために必要です。
5.	作業手順を順守することで、作業の効率が上がります。

なぜ「遵守」と「順守」が両方使われるの？

「遵守」は昔から使われてきた言葉でしたが、1954年に実施された国語審議会の「当用漢字表審議報告」のなかで、日常生活で使用する漢字の「当用漢字」から「遵」が削除される候補になりました。

このことがきっかけで、メディアが「遵守」の代わりに「順守」を代用として使い始めたことが「遵守」と「順守」が混在して使われている理由です。

なぜ今でも「遵守」が使われているかというと、最終的に「遵」が当用漢字から削除されずに残ったためです。

「遵守」の類義語と対義語