フリーターとアルバイトに違いはある?働き方や給与について解説

フリーターとアルバイトに違いはある?働き方や給与について解説

正社員だけでなく、非正規雇用のアルバイトも重要な働き方の一つです。しかし、フリーターとアルバイトは具体的に何が違うのか、よく知らない方も多いでしょう。アルバイトと正社員とも比較をすると、給与や雇用期間など、さまざまな点が異なります。

今回は、フリーターとアルバイトは違うのか、フリーター・アルバイト・パート・正社員の世間から見たイメージの違い、働き方や給与の違い、フリーターと正社員の3つの違いについて解説します。

フリーターとアルバイトに違いはある?

フリーターとアルバイトに明確な定義はありませんが、以下のように区別することが可能です。

フリーターはアルバイトで生活している人のこと

そもそもフリーターは「フリー・アルバイター」の略称で、社員として就職せずに「アルバイトで生計を立てる人」のことです。フリーという言葉のとおり、学生や正社員などの肩書きがない人が該当します。

フリーターは曜日や時間を問わず働きやすいため、フルタイムや長期の仕事にも対応できます。時間の融通が利く人材を採用したい場合、求人情報に「フリーター歓迎」と記載することが一般的です。

アルバイトはパートタイム従業員全体のこと

アルバイトとは、正社員よりも労働時間が短い労働者を指す、法律上の「パートタイム労働者」に該当します。フリーターのような肩書きの有無は関係なく、学生や主婦、副業する正社員もアルバイトに含まれます。

企業が求人を出す際、短時間だけ働きたい人や、学生などの若い人材を求める場合に「アルバイト募集」と記載するのが一般的です。

法律上の違いなどはない

フリーターとアルバイトとでは、法律上の違いはありません。フリーターとアルバイトは、いずれも法律上の「パートタイム労働者」であり、企業と正規雇用を結ばない「非正規雇用者」です。

非正規雇用者とは、正社員などの正規雇用以外の雇用形態で就業している人のことを指し、パートタイム労働者も含まれます。一般的に正社員よりも労働時間が短いことが多く、労働契約に期間が定められていることが正規雇用との違いです。

一般的なフリーター・アルバイト・パート・正社員に対するイメージの違い

一般的なフリーター・アルバイト・パート・正社員に対するイメージの違い

 

フリーターやアルバイトのほかにも、パート、正社員などさまざまな働き方があります。それぞれに対する世間から見たイメージについて解説します。

フリーター

フリーターは正社員と異なり、自由に働きやすい点が最大の魅力です。しかし、世間的なフリーターのイメージは「定職に就かないでふらふらしている」「将来が不安定」「努力をしない人」など、ネガティブなものも少なくありません。

ただし、望んでフリーターになる人もいれば、やむを得ない事情からフリーターになる人もいます。フリーターになる理由によって、モラトリアム型・夢追求型・やむを得ず型の3タイプに分類することが可能です。

モラトリアム型のフリーターとは?

モラトリアム型とは、明確な職業展望がなく、漠然とフリーターを続けるタイプのことです。モラトリアムは「猶予期間」という意味で、就職を先延ばしにする傾向があるのがモラトリアム型です。

モラトリアム型は、フリーターになる直前の状況により「離学型」と「離職型」に分類されます。

離学型とは、高校や大学を卒業する時点で進路が決まらず、消極的にフリーターになることです。一方、離職型は正社員として就職したものの、さまざまな理由で不本意ながら退職し、再就職の見通しがつかない状態を指します。

離職型はやむを得ずフリーターになったため、再び正社員になりたいと思う傾向にあります。しかし、正社員時代のトラウマにより、正社員の復帰に躊躇する人も多いようです。

夢追求型のフリーターとは?

夢追求型とは、企業に属さない職業に就きたい、という明確な目標があってフリーターを選ぶ人を指します。フリーターは時間の制限がなく、目標を実現するには都合がいいためです。しかし、3種類のタイプのうち、夢追求型は10%程度で少数派とされています。

夢追求型は、芸能人やアーティストなどを目指す「芸能関係型」と、職人やアート、執筆などの技能や技術で独立したい「職人・フリーランス志向型」に分類されます。

やむを得ず型のフリーターとは?

やむを得ず型とは、労働市場の悪化、家庭の経済事情やトラブルなど、本人の意欲とは別の要因でフリーターを選ぶことです。やむを得ず型は「正規雇用志向型」と「期間限定型」「プライベート・トラブル型」に分類されます。

正規雇用志向型とは、正社員になるための就職活動をしたものの、納得いく結果が得られずにフリーターを選ぶことです。一方、期間限定型は浪人生や資格試験を受験する方など、生活費を稼ぐ目的で一定の期間だけフリーターになる人を指します。

プライベート・トラブル型は、本人や家族の病気、勤務先の倒産、パワハラセクハラなど、トラブルが原因でフリーターになることです。

アルバイト

アルバイトは、法律上はパートタイム労働者ですが、言葉の意味としては、学生や若年層のフリーターを意味します。学生は学業があるため労働時間が短い、繁忙期や早朝、深夜など人手が足りないときに働くといったイメージもあります。

アルバイトに対して「すぐ休むのでは?」「短期間で辞めてしまうのでは?」といったネガティブなイメージも少なくありません。ただし、若者やフリーターだけでなく、正社員の副業など、大勢の人がアルバイトで働いています。

パート

パートとアルバイトに大きな違いはありませんが、一般的に主婦(夫)が平日の昼間に働くことを指します。主婦が働ける時間帯のアルバイトを募集する際に、パートという言葉がよく使われます。なお、アルバイトに比べると、雇用期間が長い傾向にあります。

正社員

正社員に対しては「安定している」「給料が高い」など、良いイメージが多くあります。

そもそも正社員は期間が定められていない無期雇用で、自らが退職しない限りは働き続けることが可能です。正社員は労使間の同意がない限り、給料を下げたり、クビにしたりすることはできません。

一方、アルバイトやパートは労働契約に期限があるうえに、シフトを削られる可能性もあります。会社側の都合で労働契約が更新されない可能性もあるため、いかに正社員が安定しているかがわかります。

フリーター・学生アルバイト・主婦のパートでの働き方や給与の違いを紹介

フリーター・学生アルバイト・主婦のパートでの働き方や給与の違いを紹介

 

フリーター、アルバイト、パートの具体的な働き方と給与の違い、アルバイト先を選ぶポイントについて見ていきましょう。

フリーター

時間を自由に使えるフリーターは、フルタイム、繁忙期に集中して稼ぐ、またはアルバイトをかけ持ちすることも可能です。

アルバイトの多くはシフト制のため、希望する時間帯で働けることが一般的です。繁忙期のアルバイトは時給が高いことから、短期間で効率よく稼げます。また、かけ持ちは収入の調整がしやすいうえに、さまざまなスキルを身につけられるメリットがあります。

フリーターは人によって働く時間帯が異なりますが、おおまかな時間帯として、正社員と同じ日中、午後~夜、夕方~深夜、夜勤に分類できます。

日中の場合、朝の7時~9時に出勤し、17時前後に退勤するスケジュールです。午後から夜まで働く場合は12時から20時、21時程度で、飲食店に多いとされています。

夕方~深夜は17時から1時、2時の時間帯が一般的で、居酒屋で働く方に多く見られます。また、夜勤のアルバイトは、22時から明け方5時のスケジュールが一般的です。

22時から5時までの深夜時間帯は、25%以上の割増賃金が発生します。そのため、早朝や深夜に働くと、日中と比べてより多くの収入が得られます。

フリーターは好きな時間に寝起きできることから、夜型になりやすい傾向があります。夜勤のバイトはライフスタイルに合っているものの、昼夜逆転の生活は体に負担がかかるため、注意が必要です。
さらに、夜勤は友人と時間帯が合わなくなることが多く、プライベートも重視したい方は日中に働くとよいでしょう。

アルバイトはシフト制が多い反面、シフトの組み方は勤務先によって異なります。シフトの組み方には、出勤したい希望日を申請する「自由シフト制」と、曜日と時間帯が一定の「固定シフト制」とがあります。

好きな時間に働きたい場合は、自由シフト制のアルバイトが適しています。固定シフト制は時間の融通がきかない反面、別のアルバイトをかけ持ちする場合は都合がいいこともあります。

学生アルバイト

学生アルバイトは、高校生と大学生でスケジュールが異なります。

高校生が平日に働ける時間帯は、平日は17時から20時、21時頃までが一般的です。満18歳に満たない高校生は、22時から翌5時までの時間帯は働かせてはならないと労働基準法第61条(深夜業)で定められているため、22時から翌5時までの時間帯を除いてアルバイトすることになります。

大学生も高校生と同様に、平日の夜や土日にアルバイトするのが一般的です。ただし、講義が少なくスケジュールに余裕がある場合は、まとまった時間をアルバイトに費やせます。

朝から夕方まで講義で埋まっている場合、19時頃から22時頃まで働くことが一般的です。1~2年生や必須の講義が多い学部は、この時間帯にしか働けないことが多そうです。

一方、3~4年生になると、午前中や午後に講義を集中させることも可能です。まとまった額を稼ぎたい場合は、講義のスケジュールを調整するとよいでしょう。

ただし、多くの大学生には勉強のほかにサークル活動もあるため、プライベートな時間を確保する必要があります。学業とアルバイトを両立するには、土日にシフトを入れるべきかをよく考えることが大切です。

高校や大学生でアルバイトを選ぶポイントは、学業と両立できる、学校や自宅から通いやすい、シフトの融通がきく、希望の額が稼げるか、などが挙げられます。仕事内容が自分の性格に合っている仕事であれば、楽しくアルバイトを続けられるでしょう。

主婦のパート

主婦が働ける時間帯は、家族が出かけたあとの日中に限られます。そのため、朝の9時頃から15時、16時まで働くケースが一般的です。

主婦に適したパート先は、家事と両立できる、自宅から通いやすい、希望の時間帯で働ける、などが挙げられます。主婦が長く、働くことのブランクがある場合は、未経験でも働きやすい仕事が適しています。

ただし、家庭の事情などで多くの額を稼ぐ必要がある方には、なるべく時給が高いパート先が望ましいでしょう。企業や店舗によって時給が変わるため、働きたい場所にある求人を比較検討することが大切です。

フリーター(アルバイト)と正社員の3つの違い

フリーターやアルバイトはほぼ同じものですが、正社員とは3つの相違点があります。正社員の経験がない方は、フリーターと何が違うのか把握しておきましょう。

給料(年収)

フリーターと正社員の大きな違いはまず給料の額です。正社員は月給や年俸制が基本で、給料が毎月支給されます。昇給、賞与も支給されることが多いため、年収ベースで見るとフリーターよりも大きく稼ぐことが可能です。

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、正社員の平均月収は「32万4000円」、非正規は「21万6700円」です。このことからも正社員の給料が非正規に比べて高いことがわかります。

また、正社員は企業によっては、正社員だけを対象とした福利厚生があります。産休や産後の休暇の手当や、退職金、資格取得の支援など、金銭的な福利厚生がある企業もあります。

(参考:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」)

雇用の安定性

正社員は無期雇用であるため、雇用が安定しています。毎月の給料が保証されているうえに、キャリアアップも可能で、定年まで働き続けることもできます。フリーター(アルバイト)は基本的に雇用期間が決まっており、解雇される可能性も正社員より高めで安定性がありません。

社会的信用

社会的信用とは、経済力や社会的地位に基づく信用力のことです。ローンやクレジットカード、賃貸契約などの審査に影響する要素で、信用が高いほど返済能力があると判断されます。

正社員は雇用と給料が安定しており、毎月の返済が見込めることで社会的信用度が高くなります。住宅や車などの高額なものも、ローンを組んで購入することが可能です。

一方、雇用が不安定なフリーターは社会的信用度が低く、住宅や車など高額のローンは審査が通らないこともめずらしくありません。

まとめ:フリーターとアルバイトに大きな差はない

アルバイトは学生、フリーターは若者、パートは主婦など、イメージで言葉を使い分けることがあります。ただし、フリーターやアルバイトは法律上のパートタイム労働者であり、働き方に大きな違いはありません。

一方、フリーターと正社員を比較した場合は、雇用や給料の安定性、社会的信用の高さなどに違いがあります。フリーターでは将来的に不安だと感じたら、正社員になることを検討しましょう。

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