2023.12.28

「お陰様で」は目上の人に使える敬語?正しい意味と使い方を例文付きでご紹介!

「お陰様で」は目上の人に使える敬語?正しい意味と使い方を例文付きでご紹介!

「お陰様で」というフレーズは、日常生活のなかで耳にする機会が多いですよね。

何となく感謝を伝える意味であるとは分かっていても「目上の人に使ってもよい?」「ビジネスメールにも使える?」などが気になり、使いこなせていない方も多いのではないでしょうか。

この記事では「お陰様で」の意味と正しい使い方をご紹介します。敬語として使用してよいのか、どんな場面で使えるのかについても具体的な例文と一緒に解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

「お陰様で」の意味と読み方

「お陰様で」とは、お世話になった人に対して感謝の気持ちを表現するのに使う言葉で「おかげさまで」と読みます。簡単に言うと「あなたのおかげで」という意味です。

ほかから受けた恩恵の意味を持つ「お陰」に「様」をつけることで「あなたのおかげで」と表現するよりも相手を敬ったていねいな言葉として使えます。

メールや手紙の文章や対面でのコミュニケーションにおいて、相手に敬意を示しながら感謝を伝えるときに便利な言葉です。

「お陰様で」は目上の人にも使える敬語

「お陰様で」は適切な敬語表現なので、会社の上司やビジネスにおける取引先の相手など、目上の人に使っても失礼にはあたりません。「お陰様」の正しい使い方や言い換えの表現をご紹介します。

どんなニュアンスで使う?

「お陰様で」は、単なる感謝の意を超えて「あなたの助けがなければ、私はこれを成し遂げることができなかった」という、自分の成功や成果を相手にも共有する謙虚さがニュアンスに含まれています。

英語に訳すと「Thank you」もしくは「Thanks to you」とシンプルですが、相手への配慮の気持ちが表現された日本語ならではのよさがある言葉です。

■「お陰様で」のニュアンスが分かる使い方①

【場面】会社で自分のプロジェクトが成功したとき
【例文】「お陰様で成功しました。」

この場合、プロジェクトの成功が自分一人の努力だけでなく、チームメンバーやほかの支援者の協力があってのことであるという気持ちを示せます。

■「お陰様で」のニュアンスが分かる使い方②

【場面】お店がオープンしてから20周年を迎えたとき
【例文】「お陰様で開業20周年を迎えられました。」

「お陰様で」は、不特定多数の人に対して感謝の気持ちを表現するときにも使えます。

「お客さまがお店を利用してくれるおかげで、20年もの長い間続けてこられた」という感謝の気持ちを、すべての人に伝えられる謙虚な言い回しです。

漢字とひらがなはどう使い分ける?

「お陰様で」は「おかげさまで」とひらがなで表記されることもあります。

漢字でもひらがなでも表記としては正解です。ただし、手紙やメールを送るときは人や場面によって状況を判断し、使い分けるのがよいでしょう。

お陰様で ビジネスシーンで上司や取引先に使うとき
おかげさまで 日常生活で親しい間柄の人に対して使うとき

「おかげさまで」とひらがなにすると、漢字よりも少しフランクな印象を持たせられます。

あまり堅苦しい印象を与えたくない、相手に親しみの気持ちを込めて使いたい場合には、あえて「おかげさまで」とひらがなで表記した方がよい場合もあります。

「お陰様で」の正しい使い方と注意点

目上の人にも使える敬語として便利な言葉「お陰様で」。日常生活での会話やビジネスメールでさっそく使いたい!という方も多いのではないでしょうか。

「お陰様で」は、実は間違った使い方をされがちな言葉です。正しい使い方のポイントをご紹介するので、参考にしてみてくださいね。

「お陰様で」は文頭に使う

「お陰様で」は文章や会話の最初に使うのがルールです。

■「お陰様で」の正しい使い方(例文)

  • お陰様で、体調がよくなりました。」
  • お陰様で、プロジェクトが順調に進んでいます。」
  • お陰様で元気に過ごしております。」

「〇〇様のお陰様で、無事にイベントを成功させることができました。」と、文中に入れると「様」が二重になってしまうためNGです。

また、相手から自分の成功や成果をお祝いされたときに「お陰様です。」と返答するのも誤った使い方です。

文中や文末に使用したいときには、以下のように言い換えられます。

■こうやって使えばOK!

  • 「〇〇様のおかげで、無事にイベントを成功させることができました。」
  • 「〇〇様のおかげです。」

「~おかげで、」「~のおかげです。」であれば、文中・文末にも使えますよ。これらは逆に文頭には使えないので「お陰様で」との使い分けに注意しましょう。

「お陰様で」はポジティブな内容とつなげる

「お陰様で」という表現は、よい成果や状況の報告などポジティブな内容とセットにするのが正しい使い方です。

ネガティブな内容とつなげて使用してしまうと、皮肉や不満を含んだニュアンスと誤解されてしまう恐れがあります。

「お陰様で、今日は一日中残業です。」「お陰様で、全ての計画が台無しになりました。」と言われたら、あまりよい気分にはなりませんよね。

「お陰様で」は相手に対する感謝の気持ちを伝える文脈で使用する言葉なので、相手を不快な気持ちにさせないためにも使い方には十分注意する必要があります。

■こうやって使えばOK!

  • お陰様で、新しい仕事に慣れてきました。」
  • お陰様で、昇進することが決まりました。」
  • お陰様で、重要な取引が成立しました。」
  • お陰様で、引っ越しの準備がスムーズに進んでいます。」
  • お陰様で、子どもが無事に大学に合格しました。」

「お陰様で」は別の表現に言い換えできる?

「お陰様で」と同様に、ほかの人からの支援に対する感謝を表すのに使える類語や言い換えがいくつかあります。それぞれの言葉をよく使う場面や例文をご紹介します。

ありがたいことに

「ありがたいことに」は「お陰様に」と同じく、単に良いことが起こったという事実だけでなく、その状況や成果に対して感謝の意を込めるニュアンスが含まれています。

「お陰様で」よりも、偶然起こったよい事柄とセットで使うことが多いですよ。

■「ありがたいことに」を使った例文

  • ありがたいことに、〇〇賞を受賞することができました。」
  • ありがたいことに、先月発売を開始した商品の売れ行きが好調です。」

自分の努力だけではなく、周りの支援があってこそ得られた成果であることを謙虚に伝えるのに使えます。手紙やメールの文章よりも、日常生活やビジネスシーンでの会話で使うのが一般的です。

お力添えがあってこそ

相手の直接的なサポート=「力添え」に「お」を付けて、目上の人に感謝の気持ちを表す言葉です。意味は「お陰様で」と同じですが、文頭だけではなく文中にも使えます。

■「お力添えがあってこそ」を使った例文

  • お力添えをいただきましてありがとうございました。」
  • 「私が受けた表彰は、お力添えがあってこそ得られたものであり、皆さんに心から感謝しています。」

サポートしてもらったことへの感謝と、自分の成果を相手に共有できる謙虚な言い回しとして、賞の受賞スピーチや挨拶で使われることが多いです。

お陰をもちまして

「お陰様で」と同じように、ほかの人からの支援に対する感謝を表すときに用いられますが、よりフォーマルな文脈として公式の場で使われることが多いです。

■「お陰をもちまして」を使った例文

  • お陰をもちまして、無事に新しい事業を立ち上げることができました。」
  • お陰をもちまして、長年の研究がついに成果をもたらしました。」

「お陰をもちまして」は親しい間柄の人に対して使うと堅苦しく、少し距離があるようにも感じてしまうので「お陰様で」や「ありがたいことに」を使う方が適切でしょう。

お引き立て

意味は「お陰様で」と同じですが、ビジネスシーンでの使用が一般的です。

クライアントや深い関係を持つビジネスパートナーなど、ビジネスにおいて重要な役割を果たす人びとからの支持や助けを強調し、その貢献に感謝を示すときに用いられます。

■「お引き立て」を使った例文

  • お引き立てのおかげで、私たちの新製品に大きな注目を集めることができました。」
  • お引き立て頂いたおかげで、私たちのイベントは大成功に終わりました。」

「おかげで」とセットで使うことが多く、ビジネスにおける関係者の支援や後押しが成功に不可欠であったことを強調できます。

ご支援

力を貸してサポートすること=「支援」に「ご」を付けて、ていねいに感謝を伝えるときに使います。資金援助・物質の提供・専門的なアドバイスなど、具体的な形でのサポートを受けたときにもよく使われます。

■「ご支援」を使った例文

  • ご支援いただいたおかげで、チャリティーイベントを成功させることができました。」
  • ご支援いただいたおかげで、私たちは災害復興活動に貢献することができました。」
  • ご支援いただき、誠にありがとうございます。」

適切な敬語として、目上の人や取引先に送るメールでも使いやすい表現です。

たまもの(賜物)

「たまもの」はよく「努力のたまもの(賜物)」という表現で使われます。大変な時期や事柄が起きたあとに得られるよい結果や出来事を表す敬語として「お陰様で」と似た意味で使えます。

■「たまもの(賜物)」を使った例文

  • 「このプロジェクトの成功は、チーム全員の努力のたまものだと思います。」
  • 「私の今日の成果は、先生の熱心な指導の賜物です。」

「大変だったことや苦労したこともあるけれど、それがあったからこそよい成果をもたらすことができた」というニュアンスを含みながら、感謝の気持ちを伝えられますよ。文章よりも会話やスピーチなどでよく使われます。

まとめ

日常生活での会話をはじめとし、ビジネスシーンやフォーマルな場でも使える「お陰様で」という言葉について解説しました。

自分の成果を嫌味なく相手に配慮しながら伝えられるので、メールや手紙を書くときや、スピーチをすることになったときに使ってみてくださいね。

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