2024.03.18

「寸志」の意味とは?使い方や場面、渡し方・受け取り方のマナーを解説!

「寸志」の意味とは?使い方や場面、渡し方・受け取り方のマナーを解説!

ビジネスシーンやプライベートで、「寸志」という言葉を聞くことはありませんか?寸志とは、感謝や敬意を表すために、少額の金銭や品物を贈ることを意味する言葉です。

この「寸志」とはどういう場面で渡す・渡されるものなのか、どのように受け渡しするものなのか、多くのビジネスパーソンにとって、知っておいて損はありません。

この記事では、「寸志」の意味や使い方、渡す際と渡される際のマナーを、詳しく解説します。

「寸志」とは?読み方や意味

「寸志」は「すんし」と読み、寸は「ごくわずかのこと」、志は「厚意や親切、心に決めたこと」という意味の漢字で構成されています。

寸志は「少しばかりの志」=「ほんの少しの贈り物」という意味の、自分の贈り物をへりくだっていう言葉です。相手を慕う気持ちや、相手に対するちょっとした気遣いを、寸志で表します。

寸志として渡すものは、お金や菓子折りなどが多く、それほど高額なものにはならないのが一般的です。

どんな場面で「寸志」を渡す?

具体的に、「寸志」はどんな場面で渡すものなのでしょうか。

ビジネス・仕事で

ビジネスや職場では、寸志を渡す・渡される機会が度々あります。

たとえば、新年会や忘年会、打ち上げといった職場の飲み会の場で、上司が幹事へ寸志を含んだ封筒を手渡すことが一例です。ここでの寸志は、通常よりも多めの金額を含むことで、幹事の労をねぎらう意図があります。

また、正社員ではないスタッフや、一定の勤務期間を満たしていない従業員へ、ボーナスの代わりに寸志が贈られることもあります。この場合の寸志は、「通常の給料やボーナスには当てはまらないが、日々の貢献に対する小さな感謝のしるし」として支給されます。

プライベートで

プライベートでも、「寸志」を渡す・渡されることがあります。

例えば、結婚式や披露宴などでお手伝いをしてくれた人に、お礼として寸志を渡すのが一般的です。
同様に、葬儀でも自身が務める場合、喪主を送迎や係員、配膳などお世話になったスタッフに対して寸志を渡すことがあります。ただし、葬祭場や火葬場によっては寸志が禁止されているところもあるため、注意しましょう。

また、旅館などの部屋付きの仲居さんや、引っ越しの運搬業者など、お世話になる人にお礼として寸志を渡すこともあります。

ですがこの場合は、渡す封筒に「寸志」ではなく、「御礼」や「心づけ」と書くようにしましょう。

「寸志」の渡し方・マナー

「寸志」を渡す側になった場合の、準備から実際に渡すまでのマナーやポイントを紹介します。

「寸志」は目上の人には使わない

「寸志」というのは、目上の人が目下の人に対して、金品などの贈り物をする際に使う言葉です。贈るほうが謙遜して使う言葉ではありますが、目下の人が目上の人に向けて使うのはマナー違反になってしまいます。

上司など自分より目上の人にお礼として何かを渡す際には、「寸志」という言葉は使わないようにしましょう。

準備する際のマナー

お金を渡す場合は、水引のついた豪華なものではなく、白封筒(のし袋)などシンプルなものを選べば、どんなシーンでも使えるので便利です。
封筒の表書き、上半分の中央に「寸志」と書き、その下に自分の名前を書きます。最初から「寸志」と印刷されている封筒もあるので、そちらを使っても問題ありません。

お菓子などの品物を渡す場合は、「寸志」と書かれたのし紙をつけます。

渡す際のポイント・言い方

「寸志」は、自分の贈り物に対する謙遜と感謝の気持ちが込められています。
例えば会社の飲み会の幹事に寸志を渡す場合は、「忙しい中幹事をしてくれてありがとうございます」などと感謝を述べながら「わずかですが」「気持ちばかりですが」という言葉を添えるといいでしょう。

また、渡すタイミングは早めが良いとされています。飲み会などの際は会計直前で渡して困らせないように、またよって紛失する可能性を防ぐため、早めに渡しておくと安心です。冠婚葬祭などの際も、初めの顔合わせのタイミングで渡しておけば、渡し忘れを回避できます。

「寸志」の受け取り方・マナー

「寸志」を受け取る側の対応やマナー、覚えておくと安心なポイントを紹介します。

受け取る際のマナー

寸志は目上への人からもらうものであり、受け取った側がへりくだる意味を持つ「寸志」を使うのはNGです。「寸志」を渡された場合は、以下のような表現でお礼を伝えましょう。

  • ご厚志をいただき、ありがとうございます。
  • ご芳志を頂戴し、心より感謝申し上げます。

「ご厚志(ご厚志)」や「ご芳志(ごほうし)」は、思いやる気持ちや相手を敬う気持ちが込められているため、お礼として使うのに適しています。

また、飲み会などで幹事をして上司から寸志を受け取った場合、「〇〇さんより、お心づけを頂戴しました。ありがとうございます」と、会のなかで全員に伝えることがあります。この際、金額は公表しないようにしましょう。

「寸志」をもらった場合のお返し

「寸志」をもらった場合、基本的にはものでお返しする必要はありません。寸志は「ほんの気持ちであるため、気をつかわないで欲しい」という意味も込められているためです。上記のように、言葉でお礼の気持ちを相手に伝えましょう。

しかし、ビジネスシーンではお返しがあるといいとされます。もしもお返しをする場合、菓子折りやお礼状、お礼メールを贈るのが一般的です。
寸志に対して菓子折りなどの品物でお礼をする際は、寸志よりも金額が少ないものを用意しましょう。寸志よりも高額のものをお返しすると、寸志が劣っているように見えてしまい相手をたてることが出来なくなってしまうため、注意が必要です。

「寸志」の相場の金額は?

寸志の相場は、地域や相手、シーンによって異なるため、明確な決まりはありません。ですが、相手が負担に感じるような高い金額は避けましょう。だいたい千円~、多くて1万円ほどを渡すことが多いようです。

飲み会などの場合は、費用が3千円なら5千円のように、設定された金額よりも少し多めにお金を包むのが一般的です。

結婚式や披露宴の場合は、3千円~1万円ほどで、手伝ってもらった度合いによってバランスを考えながら決めていきます。

引っ越し業者の場合は、千円~3千円程が目安です。

「寸志」と似た表現

「寸志」には、いくつか似たような役割をもつ言葉があります。それぞれの意味と、「寸志」との違いを説明します。

松の葉・心ばかり

「松の葉」は、寸志と同じ意味で使われる言葉です。「松の葉にかくれるくらいのささやかなもの」という意味があります。
「心ばかり」も、「わずかなものですが、お受け取りください」という気持ちがこもっています。

どちらも「ささやかですが」「大してものではないですが」と謙遜の意味があり、目上の立場の人へ渡す場合でも使える言葉です。

ご厚志・ご芳志

「ご厚志」や「ご芳志」は、親切な心遣いのことを表す言葉です。
「ご厚志」とは「深い思いやり、親切な心遣い」を意味する言葉で、「ご芳志」は相手の親切な心遣いや気持ちを敬った言葉です。

どちらも目上の人から貰った金品や贈り物などを指すことが多く、上司から「寸志」として金品を受け取った場合は、「ご厚志」や「ご芳志」などの言葉を使って受け取ります。「ご芳志」の方が、「ご厚志」よりも丁寧で改まった言い方です。

ボーナス・賞与

ボーナスや賞与は、「従業員に対し正規の給与以外に贈られる金銭のこと」を指し、金額や支払う時期が決まっています。また、ボーナスや賞与は、ある程度まとまった金額です。

対して寸志は、ボーナスや賞与を払う基準に達していない従業員に対して、お礼の気持ちやお祝いとして出されるケースが多いです。

まとめ

寸志は、金額の大小ではなく、贈る側の心遣いや感謝の気持ちを重視する文化です。
「寸志」とは「ほんの少しの気持ち」という意味の言葉で、「感謝やお礼の気持ちを込めたささやかな贈り物」をする際に使われる言葉。

贈る側、受け取る側、それぞれが感謝とマナーをもって受け渡しすることが大切です。
ビジネスシーンや私生活もたびたび使われる「寸志」、意味や使い方、マナーを覚えて、コミュニケーションを円滑にしていきましょう。

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