他人と比較をして落ち込む

自己肯定感が低い人は、無意識のうちに他人と自分を比較し、自分の劣っている点ばかりに目を向けがちです。たとえば、SNSで友人の華やかな生活を見て「自分は何もできていない」と落ち込むことがあります。

ほかにも、同僚との収入を比較して劣等感を感じる人もいるでしょう。いずれも、本来の自分の価値や努力を過小評価する原因になり、自己嫌悪や嫉妬を生み出します。結果として、何事にも前向きになれず、行動力も低下してしまうのです。

他者への依存性が高い

自己肯定感が低い人は、自分で自分を認める力が弱いため、他者からの評価に依存しがちです。「誰かに褒めてもらえないと自信が持てない」「否定されるのが怖くて本音を言えない」など、常に他人の反応や評価を気にして行動してしまいます。

最終的に、自分の意見や意思がわからなくなり、周囲に振り回される人生になってしまうかもしれません。

また、周りの人に意思決定を譲れば、その分責任も軽くなります。他責傾向が癖になり、周囲からの信用も下がる可能性もあります。

ネガティブ思考で挑戦できない

自己肯定感が低い人は、物事を始める前から「どうせ自分には無理」とネガティブに考える傾向があります。そのため、新しいことやチャレンジングな状況に対して消極的になり、結果として可能性を自ら狭めてしまうことも。

また、失敗を「自分の存在価値の否定」と捉えてしまうため、挑戦するリスクを極端に恐れるのも特徴です。成長の機会を逃す原因にもなってしまうでしょう。

自己肯定感が低い人は、行動力の有無と、エネルギーの向き（内向きか外向きか）という2軸で、4つのタイプに分けることができます。

自分がどのタイプに当てはまるのかを知ることが、自己肯定感を高めるための第一歩となります。自己分析のよい機会にもなるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

行動力があって内にこもる『逃避タイプ』

このタイプは一見行動的に見えますが、実は本質的な課題から目を背け、興味のあることだけに没頭する傾向があります。

努力する前から「自分にはどうせ無理」と言い聞かせている一方、心のなかでは「本気になればできる」思いながら別のことに打ち込んで逃げるのです。

自分の弱さを直視するのが怖く、あえて無関心を装ったり「いい人」を演じて周囲との摩擦を避けることもあります。表面上は穏やかでも、内面では葛藤を抱えているケースが多いのが特徴です。

行動力があって外に求める『承認欲求強めタイプ』

常に「誰かに認めてほしい」という欲求を行動の原動力としているのがこのタイプです。一見すると仕事や人間関係に積極的でエネルギッシュに見えますが、その裏には「評価されない自分には価値がない」という深い不安があります。

そのため、人からの評価が得られないと一気に落ち込んだり、自信を喪失してしまったりすることも。行動している理由が「自分のため」ではなく「誰かに褒められるため」になってしまっているのです。

受け身かつ内にこもる『諦めタイプ』

このタイプは、自分には何もできないと決めつけて行動を放棄してしまう傾向があります。失敗や過去のトラウマから「どうせ自分はダメだ」と考えるようになり、挑戦する気力すら失ってしまうのです。

周囲に対しても「自分なんかが何を言っても無駄」と感じており、存在感を消そうとする傾向もあります。受け身であるがゆえに環境に流されやすく、変化を望んでも自ら動けないのが特徴です。

受け身で外に求める『他者依存タイプ』

自分の判断に自信がなく、あらゆることを他者の意見に委ねがちなこのタイプは、常に「誰かに決めてほしい」と感じています。自己決定力が弱く自分の考えを持つことが苦手なので、周囲の期待や空気に合わせて生きようとするのが特徴です。

自分の軸がないために、他者の評価ひとつで一喜一憂してしまい、精神的に不安定になることもあります。このような他者依存の状態が長く続くと、自立心を育むのがどんどんと難しくなるでしょう。

自己肯定感が低い人は「自分には無理だ」「失敗するかもしれない」といったネガティブな思考にとらわれやすく、新しいことに挑戦することに強い抵抗を感じる傾向にあります。

結果として、上司からの新規プロジェクトの打診を断ったり、自ら手を挙げることをためらったりする場面が増えてしまうでしょう。せっかくの成長できる機会やキャリアアップのチャンスを逃す要因にもなりかねません。

自己肯定感が低いと、失敗をしたときに「自分には価値がない」「やっぱりダメな人間だ」といった極端な自己批判に陥りやすくなります。

本来であれば失敗から学び、次に活かせる貴重な経験であるはずが、自分を責めることにエネルギーを消耗し、精神的にも追い込まれてしまうのです。

場合によっては仕事への集中力が落ちたり、次の行動に移るまでに時間がかかったりと、悪循環に陥る可能性があります。また、冷静な分析もできない精神状態になってしまうと、同じミスを繰り返すことも考えられるでしょう。

自己肯定感が低いと、自分の努力や成果を素直に評価できません。周囲から褒められても「たまたま運がよかっただけ」と考えてしまい、本質的に自信を持つことができないのです。

結果的に、仕事に対するやりがいや達成感が得られなくなり、徐々にモチベーションも低下していきます。最悪の場合、仕事そのものに意味を見出せなくなり、離職を繰り返してしまうケースもあるでしょう。

自己肯定感が低い人は、他人と自分を比較して落ち込む傾向があります。たとえば、同僚が成果を出しているのを見て「自分は劣っている」と感じたり、後輩が評価されているのを見て「自分はダメだ」と思ったりするのです。

他者との比較からくる自己嫌悪は、自信をさらに失わせ、仕事への集中力や意欲も削いでしまいます。モチベーションが上がらないまま仕事をすることになるため、他人との違いではなく、自分軸で考えることが重要です。

自己肯定感が低い人にとって、他人の目を気にせず自分のペースで働ける環境はとても貴重です。誰かと同じ空間で仕事をすると、どうしてもその人の行動や上司からの評価が見えてしまい、仕事に身が入らなくなることもあるでしょう。

また、一人で集中できる仕事は自分の成果がしっかりと形になるため、自己肯定感も得やすく、自信を育てるきっかけにもなります。孤立感のある環境が逆に心地よいと感じる人にはおすすめの働き方です。

他人との会話ややりとりに強いストレスを感じやすい人には、コミュニケーションが少ない職場がおすすめです。他人とのコミュニケーションが少ないことで心理的な負担が少なくて済み、自分の作業に集中できます。

余計な情報や対人関係のストレスから解放されることで、平穏な気持ちを保ちながら仕事に取り組める点がメリットです。必要以上のやり取りが発生しないため、人間関係に疲れやすい人にも向いています。

自己肯定感が低い人には、ノルマや数字目標に追われる職場よりも、自分のペースでコツコツと進められる仕事が適しています。たとえば、事務職は成果が見えづらい一方、プロセスや会社への貢献度を重視する傾向があり、比較的プレッシャーは少なめです。

自己成長を焦らず、ゆっくりと積み重ねていける環境であれば、心の余裕が生まれます。ゆとりをもって仕事ができるため成功体験も増え、自然と自己肯定感が育てられるでしょう。

人が多い職場では、無意識のうちに周囲と比較して自己嫌悪に陥ることがあります。逆に、少人数で運営されているオフィスや店舗などでは、他人との比較が起こりにくく、落ち着いた雰囲気の中で働けるのが魅力です。

密な人間関係が苦手な人にとっても、少人数の環境は安心感を感じられるでしょう。また、チームワークよりも自分の作業に集中できるため、業務に没頭しやすく、ストレスを最小限に抑えられる点もメリットです。

自己肯定感が低い人のなかには、自分の頑張りを認められず、成果を実感できないとやりがいを感じられないケースもあります。その場合は、仕事の成果が目に見える形であらわれる職種に就くと、自己肯定感の維持が可能です。

ただし、過度なノルマや目標を設定されるとプレッシャーを感じてしまい、達成できない場合に自己嫌悪に陥る可能性があります。

なるべくプレッシャーを感じない環境で働きたいのか、自己肯定感を維持しながら働きたいのか、自分のタイプによって選択するとよいでしょう。

「ありがとう」や「助かった」といった言葉を直接もらえるような仕事は、自己肯定感が低い人にとって大きな励みになります。誰かの役に立っていると実感することで、自分自身の存在意義を確かめられるのです。

また、働くモチベーションを保つためにも有効なので、人に尽くすことが好きな人には特におすすめです。感謝される経験を重ねることで、自信や自己肯定感が自然と育っていきます。

一人で黙々と作業することが多いため、対人関係でのストレスが少なく、安心して働けます。また、ルーティン業務が多く、仕事をルール化・習慣化しやすいため、ミスの減少につながり自己肯定感が得やすい点もメリットです。

最低限のコミュニケーションで業務が成立しやすい仕事が多いため、自分のペースで働けて他人の目を気にする必要もありません。在宅勤務が可能であれば、さらにストレスのない環境で働けるでしょう。

製造業は決まった流れに沿って黙々と作業することが多く、他人とのコミュニケーションも最低限で済みます。一人でコツコツと働きたい人にはぴったりです。

また、自分で作ったものが形になって世に出るため、成果が目に見えやすい点も魅力といえるでしょう。達成感を得やすく、自然と自己肯定感が高まります。

一定の作業を繰り返すことが多いため、習熟すれば自信にもつながるうえに、「誰かの役に立っている」と実感できる点もポイントです。

ドライバーは基本的に一人で仕事をする時間が多く、他者とのコミュニケーションも少ないため、人間関係に悩まされにくい職種です。車内では好きな音楽やラジオをかけられることも多いため、ストレスも少なく働けるでしょう。

タクシーや配送業では、お客さまや利用者からの「ありがとう」といった感謝の言葉を直接受け取れることもあるため、自己肯定感の向上につながります。プレッシャーの少なさとやりがいをバランスよく得られる仕事です。

WEBライターは、納期さえ守れば自分のペースで仕事ができるため、プレッシャーを感じにくい職種です。自宅で作業できるフリーランス案件も多く、対面でコミュニケーションをとることもほとんどないためストレスも感じにくいでしょう。

また、検索順位やアクセス数など成果が数値で見えるため、「自分の仕事が評価されている」と感じやすく、自己肯定感が自然と高まりやすい職種です。数値が向上すればクライアントから感謝の気持ちを伝えられることもあり、さらなる自信にもつながります。

自己肯定感が低い人は、他人の痛みや悩みに共感しやすい特徴があり、誰かの話を聞いて共感する「カウンセラー」という職種にも活かせるのが特性です。自己肯定感が低い人の特徴を活かした仕事といえるでしょう。

また、人の話をていねいに聞き、心の支えになることで「誰かの役に立っている」と実感しやすい点もポイントです。やりがいにも直結しやすいため、天職と感じる人もいるかもしれません。

マーケターは、数字やデータに基づいた分析を行い、戦略を立てていく仕事です。自己肯定感が低い人でも、コツコツと調査・分析を重ねていくことで自信を育てやすい環境があります。

また、SNS運用や広告の反応など、目に見える成果が出やすく、自分の取り組みが評価されやすいのも大きな魅力です。黙々と一人で作業する時間も多いため、人間関係のストレスが少なく、自己肯定感が育ちやすい職種といえるでしょう。

総務は、社内の備品管理や来客対応、社内イベントの準備など、組織を支える縁の下の力持ちとして活躍する仕事です。目立つことは少ないものの、社員から「ありがとう」と感謝される機会が多く、自己肯定感が自然と高まりやすい環境です。

日々の業務がルーティン化されているため、失敗のリスクも低く、安心して働けます。自分のペースでコツコツと進められる仕事が多く、ノルマや目標もないため、他人と比較して落ち込む必要もありません。

営業職は相手が何を求めているのかを察知して最適な商品やサービスを提案する力が求められます。自己肯定感が低い人でも、共感力の高さが活かせる仕事でしょう。社会貢献性の高い商品を販売することもあり、誰かの役に立っている実感が得やすい点も魅力です。

また、成果が数字で表れるため、少しずつでも結果を出せば自信に直結します。成功体験を積みやすく、上司からのフィードバックで成長を感じやすい点も、営業職のメリットです。

介護職は高齢者や障がい者のサポートを行う仕事で、直接「ありがとう」といわれる場面が多く、やりがいを実感しやすい職種です。体力や根気が必要な面もある一方、人の役に立っている実感が強く、感謝されることで自己肯定感を高めやすい環境にあります。

また、利用者一人ひとりとじっくり向き合う時間があるため、人間関係を深めやすく、信頼関係の中で成長を感じやすい職場です。数字を積み上げる力よりも、やさしさや丁寧さが強みとして活きる仕事といえるでしょう。

仕事でミスをしたとき、「自分はダメだ」と思い込んでしまう人も多いでしょう。しかし、完璧な人はおらず、失敗は誰にでもあるものです。大切なのは、失敗を学びの機会として捉えることです。

自分を責めすぎると自己肯定感はどんどん下がってしまいます。まずは「失敗しても大丈夫」と自分に言い聞かせましょう。心に余裕が生まれると、前向きに仕事に取り組めるようになります。

大きな成果を一度に求めるのではなく、小さな成功を少しずつ積み重ねていくことが、自己肯定感を高めるコツです。「今日は予定通りに作業を終えられた」「苦手な電話対応を乗り切れた」など、どんなに小さなことでも構いません。

まずはできることから始め、少しずつ自信と達成感を感じることが重要です。自分の努力を認めることで日々の成功体験が自信につながり、仕事を続けるモチベーションもアップします。

自己肯定感が低い人のなかには、自分の努力を認められず頑張りすぎてしまうケースがあります。しかし、休まずに無理を続けると心身ともに疲れ果ててしまい、ミスも増えてきて結果的に自己評価もどんどんと下がってしまうでしょう。

そうならないためにも、意識的に休息をとることが重要です。仕事の合間に深呼吸をする、週末はしっかり休むなど、適度なリフレッシュを心がけてください。しっかりと休むことで気持ちに余裕が生まれ、ポジティブに仕事に取り組めるようになります。

他人からのフィードバックを「否定された」と感じてしまう人もいるかもしれません。しかし、第三者からの意見は自分を成長させる貴重な機会です。信頼できる上司や同僚からのアドバイスは、視野を広げるきっかけになります。

決してあなた自身の人格を否定しているわけではないので、前向きに捉えるようにしてください。また、ポジティブなフィードバックを受け取ったときは、素直に喜び、自分の成長を認めてあげることも大切です。