団体職員とは?仕事内容やメリット・デメリット、就職する方法を紹介します!

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求人広告では「団体職員」という表記を見かけることがあります。この「団体」とはそもそも何を指すのでしょうか?また「会社員や公務員とどう違うの?」と疑問を持つ方もいるでしょう。団体職員は、SDGs(持続可能な開発のための目標)が叫ばれるいまの時代にも合致している働き方です。

この記事では団体職員とは何か、仕事内容と含めて解説します。団体職員として働くうえでのメリットとデメリット、就職の方法などを詳しくご紹介しますので、団体職員に興味がある方はぜひご一読ください。

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団体職員とは?

団体職員とは?

 

団体職員は、一般的には営利を目的としない公共性の高い事業(非営利組織)で働く人々のことをいいます。しかし、法的根拠のある明確な定義はなく、場合によっては「営利を第一に追求しない営利団体」を含むこともあります。

いずれにしても、団体職員は人々の生活に密着し、社会の発展を目指すような社会貢献につながる仕事に従事していることは間違いありません。

非営利組織とは

非営利組織は、一般的にはNPO(Non-profit Organization)といわれ、個々の利益ではなく社会全体の利益のために事業を行なう組織を指します。国や地方公共団体とは異なり、市民の自発的な活動団体であり、資金源も税金ではなく助成金や寄付金などによるものです。

また、非営利組織の事業で利益がでた場合には、その事業に使用したり、様々な社会貢献活動に充てます。

準公務員と呼ばれる理由

団体職員は従事する仕事の公共性が高いことから、準公務員といわれることもあります。

準公務員には、日本郵便や電力・ガス会社、JRなど、もともとは国営で現在は民営化した法人などの準公的な機関に勤める職員も含まれます。団体職員は、準公務員のなかでも非営利組織に勤める人々のことを指すものです。

団体職員と準公務員を分けて考える場合もありますが、いずれにしても団体職員は公益に資する職業であるといえるでしょう。

年収・給与

団体職員と一口にいってもさまざまな業種や職種があり、年収や給与の幅はかなり大きなものです。

参考までに、NPO法人(詳しい仕事内容は後述)を例に挙げると、正規職員の平均月給額は約17万円、3割程度が年収200万円~300万円未満というデータがあります。

ただし、そもそもが利益を目的とした組織ではないので、給与は景気などに左右されにくく安定しています。

規模や業態によっては年収が高くなる場合もありますが、非営利という事業の性質からも、一般的には平均年収が高い仕事とはいえません。

(参考:厚生労働省「非営利セクター・社会的企業の雇用等について」)

団体職員の仕事内容の例

ここに記すものがすべてではありませんが、団体職員が所属する法人団体の事業と仕事をいくつかご紹介します。

以下のうち、NPO法人にはさまざまな活動分野があります。一方それ以外の法人団体は、特定の分野に限定されるものです。

NPO法人

NPO法人は、NPOのうち、1998年に制定された特定非営利活動促進法 (NPO法)によって法人格が与えられた、営利を目的としない団体です。

NGO(非政府組織)のように高い専門性と広範な国際協力を求めるものではなく、まちづくりや社会教育の推進、文化芸術の振興など、市民の生活に関わる幅広い分野で、不特定多数の人々への利益に寄与することを目的としています。

身近な問題をテーマとするNPO法人は自発的な活動団体であり、2022年末時点で約5万の団体が認証されています。また、近年ではSDGsに関連する団体や活動が増えており、社会に貢献するという使命感のある仕事を担っています。

(参考:内閣府「認証・認定数の推移」)

医療法人

医療法の定めによる病院、診療所、介護老人保健施設です。医療法人となるには、開業・開院には各都道府県知事からの認可が必要となります。

医療体制を確保し、国民の健康維持に寄与することを目的とする組織であるため、積極的に営利を求めるものではありません。医療事務など、運営のサポートをする仕事が団体職員に該当します。

学校法人

私立学校法によって定められた私立の大学、高等学校、小中学校や幼稚園などの組織です。国立や公立の学校とは異なり、各学校が「らしさ」を追求して独自性を出すことが可能です。

その一方で、公教育を担ううえでは文部科学省の方針に従う必要もあります。教員は団体職員に含まれず、学校事務などが団体職員に該当します。

農協

正式には農業協同組合と呼ばれる協同組合の一つで、農業協同組合法に基づいて設立される組織です。JA(ジェイエー)というニックネームで親しまれています。

主に農家の生産力や所得の向上、地域農業の発展などを目的としています。協同組合とは、組合員が相互扶助の観点から事業や生活の改善のために組織する団体のことです。

組合員の農家への技術指導や資材の共同購入、直売所の開設や共済事業を運営する仕事を担います。また、その他にも貯金、貸出などの信用事業や、生命、自動車等の共済事業、高齢者福祉など幅広い事業を展開しています。

政党

政党とは、一般的には、政治について同じ意見をもつ人たちが、その意見を実現するためにつくる団体です。主張に基づく政策を実現するために結束し、選挙に出馬して政権獲得を目指します。

政治資金規正法によって定められる政治団体のうち、所属する国会議員の数や選挙の得票率などの一定要件を満たすことにより、政党交付金の対象となる団体が政党として認められます。

事務業務、広報活動、政策立案、選挙対策などのさまざまな仕事があり、議員の補佐や党員のサポートなどの事務的な仕事が団体職員に該当します。

団体職員として働くメリット

団体職員として働くメリット

 

どのような仕事にも必ずメリットとデメリットがありますが、団体職員には一般の会社員とは少し異なる特徴があります。まずはメリットから見ていきましょう。

安定性が高い

前述のように、団体職員の平均年収は高くはありませんが、団体職員は一般の会社員より給与が安定している傾向があります。

もともと社会に必要な事業であるという性質上、補助金や助成金など公の機関から運営資金を得られる可能性があるからです。

人が生活するうえで確実に利用される機関も多いため、景気に左右されないことも大きな特徴です。倒産や解雇のリスクが低く、職員が安心感を持って働けます。

やりがいがある

「人の役に立つ仕事がしたい」「社会貢献に携わりたい」という気持ちがある方には、団体職員はとてもやりがいがある仕事です。社会の利益のために働き、その成果を肌で感じられる立場だからです。

自分の努力や工夫によって他人から感謝されるということは、働く人に大きな満足感を与えてくれるものです。逆に利益を上げて事業を大きくすることを重要視する人にとっては、あまりやりがいが感じられない仕事であるといえます。

ノルマや残業がない職場が多い

団体職員は営利を追求していないことから、ノルマが課せられることはあまりありません。業種や職種によるものの、総じて残業時間が少ない職場が多く、働きやすさという点でのメリットは大きいといえます。

とはいえ、責任を持って対応することはどのような仕事においても求められることです。周囲の人たちと協力しながら仕事を進め、事業としての目標を達成していくために努力を重ねることは必要不可欠です。

団体職員として働くデメリット

「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、団体職員として仕事をするうえでのデメリットを知っておくことは大切です。きちんと理解して前向きに取り組めば、新たな利点が見つかるかもしれません。

年収が増えづらい

公益を求めるという性質上、勤続年数や個人の貢献度が年収に直接反映する可能性は一般企業ほど大きくありません。

しかし給与・年収の変動が少ないことは、安定性の裏返しでもあります。自分が仕事に何を求めるかをよく考え、条件の善し悪しを判断することが大切です。

就職が難しい

非営利組織は規模が小さいところも多く、定期的な採用を行なうことはあまりありません。状況に応じた必要性や欠員が出た場合などに求人募集が行なわれるため、望む時期に就職することは難しいといえます。

もし、希望する仕事が明確な場合は、こまめに求人状況を確認するといいでしょう。また関連する資格を取得したり、特定分野の勉強をすすめて就職に有利になる知識をつけたりしておくこともおすすめです。場合によっては、NPO法人などの事業を自分で興すことも考えられるでしょう。

キャリアアップしづらい

非営利組織はあくまでも社会に役立つことが目的であるため、事業の拡大や職員のキャリアの向上を積極的に追求することはできません。そのため必然的に、職員が昇進したり仕事の幅を広げたりすることも難しくなります。

しかし、働く人たちが工夫して成果を積み重ねていった結果として社会から求められ、業務が増えていくことも十分に考えられます。仕事に対する積極性を持ち続けていく限り、どのような仕事であっても必ず自分自身の成長につながります。

地域ならではのしがらみがある場合がある

非営利組織は地域振興に関わることが多く、自治体から業務を委託されるなど地域と密着する傾向にあります。

業務を遂行するうえでも、一般企業に比べて自治体や地域住民の意向が強く反映されることがあり、さまざまな場面で関係性の調整が必要となります。また自身の居住地域である場合、公私の区別をしにくくなることもあるかもしれません。

一方、良い関係を築くことで住民の協力を得られるという利点もあります。また地元愛が強い人であれば、こうしたつながりの強さはむしろ利点になりうるでしょう。

団体職員として就職する方法

団体職員として就職する方法

 

ここまで読んで「団体職員として仕事がしたい」という気持ちになった方に、就職の方法と注意点をお伝えします。団体職員になるために、何から始められるかを検討してみましょう。

一般企業と大きく変わらない

準公務員ともいわれる団体職員ですが、就職するために公務員試験を受ける必要はありません。一般企業と同じく、書類選考や筆記試験、面接によって合否が決定されます。

ただし、採用は不定期であるため、ハローワークなどで探したり、希望する法人団体のホームページをこまめに確認したりするといいでしょう。居住地域との関わりが強い法人団体であれば、知り合いの紹介で就職できる場合もあります。知人がいる場合には、就職を希望していることを伝えておきましょう。

ボランティアや非正規雇用のケースも多いので注意

NPO法人などの非営利団体は、ボランティアとして活動している人が多いことも特徴の一つです。また、有給の職員であっても、フルタイムではないアルバイトなど非正規雇用の職員が多い職場であることが一般的です。

最初から正規雇用のみを視野に入れている場合は、条件をきちんと確認するようにしましょう。ただし、ボランティアや非正規採用から、一定期間を経て正規雇用の機会を与えているケースもあります。強く希望する仕事があれば、まずはこうした機会に挑戦してみるのもいいでしょう。

活動に賛同できる団体を探そう

NPO法人などの非営利団体の活動分野は多岐にわたっているため、自分の関心が高いもの、賛同できる団体を探してみましょう。

SDGsの機運が高まってからは、非営利組織の活動が報じられることも多くなってきました。こうした活動を調べてみることで、自分でも気付かなかった分野への興味を見つけ、就職への意欲が高まることもあるかもしれません。

同じ志を持って一緒に働く仲間がいることは、仕事をするうえでのモチベーションを大きくします。自分が共感できる目標を掲げている団体を、ぜひじっくり探してみてください。

まとめ:団体職員は安定感を持って働きたい人におすすめ

団体職員は社会になくてはならない仕事を担っているため、安定感を持って働けるということが大きなメリットです。失業のリスクが少ないことは、昨今の不安定な経済環境で生きていくうえで安心材料になるでしょう。

金銭的なメリットが大きい働き方ではないかもしれませんが、人や社会の幸せに貢献する仕事の満足感はそれ以上に大きなものです。「働く」とは、もともと「傍(はた)を楽にする」という意味だという説もあるように、他者に役立つ仕事に就くということは、何より人としての価値を高めてくれるのではないでしょうか。

新たな可能性を切り拓くために、少しでも気になる方はぜひ団体職員に挑戦してみましょう。正規職員としての仕事を探したい場合は、バイトルNEXTで探してみてください。希望する仕事に就くためには、まずは行動です。まずはアルバイトから始めてみたいと思う方には、バイトルで関連する仕事を探してみることをおすすめします。アルバイトから正規雇用への道が開かれている求人もありますので、こうした条件で検索してみるといいでしょう。

 

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