就職氷河期世代とは?具体的な年齢や就職のための支援プログラムついて解説!

就職氷河期世代とは?具体的な年齢や就職のための支援プログラムついて解説!

就職氷河期世代とは、生まれ年が1970~80年頃に当たる世代で、ロストジェネレーションとも呼ばれています。
この世代はバブル経済崩壊後の景気低迷の影響から、新卒でも就職が難しく、多くの人がフリーターや派遣といった非正規雇用で働かざるを得ませんでした。

この記事では、近年の雇用環境における、企業の氷河期世代への採用ニーズの高まりや、政府による活躍支援プログラムについて詳しく紹介しています。
氷河期世代で非正規からの転職を考えている人はぜひ参考にしてみてください。

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就職氷河期世代とは?

就職氷河期世代とは?

 

就職氷河期世代とは、バブル崩壊により雇用環境が厳しかった頃に就職活動を行っていた世代です。
他の世代と比較すると、非正規雇用の割合が高く、生涯年収も低い傾向にあると言われています。

就職氷河期世代とは

就職氷河期世代とは、1970~80年前後に生まれて、景気が低迷していた1990~2000年代に新卒として就職活動を行っていた世代を表す言葉です。

元々はリクルート社の雑誌に登場した造語で、1994年の流行語大賞にも選ばれたことで、社会にも広く知られるようになりました。

バブル時代に大量募集や一斉採用を行っていた企業が、バブル崩壊に伴い人件費を削減しました。日本全体で一気に企業の採用枠が絞られ、雇用環境が厳しくなったことが主な原因とされています。

専門的な知識や技術があっても、それを活かした就業が出来ず、現在も不遇な就業環境に置かれている人も多いことが特徴です。

就職氷河期世代に該当する年代や年齢

就職氷河期世代とは、1970~84年生まれで、高校や大学から新卒として就活していた時期が1990年代初頭~2000年代半ばにあたる世代です。

特に1991年のバブル崩壊後の1990年代後半から2000年にかけて、金融不安やITバブルの崩壊から景気はさらに悪化したため、超氷河期とも称されました。

こうした経済情勢の悪化に伴い、あらゆる企業の新卒採用枠が大幅に絞られました。
そのため、この時期に就職活動をしていた世代では、多くの新卒者の就業が困難となりました。

2022年11月の時点で、38才~52才ぐらいの年齢層の人たちを指します。

就職氷河期世代を取り巻く現在の環境とは?

バブル崩壊後の就職難の時代に就職活動を経て、2022年の時点で30代半ば~50代前半に差し掛かっている就職氷河期世代。

この世代は現在も、正規雇用の経験が無いまま、派遣やフリーターといった非正規雇用で働き続けている人も多く、ひとつの社会問題となっています。

就職氷河期世代が今でも直面している問題

就職氷河期世代の問題は、過去の話ではありません。
現在でも、この世代は多くのネガティブな問題に直面しています。

正社員として採用されたのにすぐに解雇されたり、不安定な非正規での転職を繰り返したり、無職や引きこもりの状態であったり、多くの人が社会参加に向けた支援を必要としています。

非正規雇用者が他の世代に比べて多い

内閣府の発表している、世代ごとの就業率と正規雇用比率のグラフでは、氷河期世代の男性の30才前後における正規雇用率は、他の世代より10%程度も低くなっています。

その後の40才前後でようやく前世代には並ぶものの、2世代前よりは7%弱低いという結果です。

女性では、20代の正規雇用比率は過去の2世代より低いものの、30代でも極端な非正規化による低下が見られないという傾向があります。

つまり氷河期世代では、正規雇用された男性が他の世代より少なく、厳しい就職活動を乗り越えて正規雇用された女性は、婚姻や出産を経ても正社員として仕事を続けているケースが多いと考えられます。

このように、世代そのものが、新卒採用縮小のあおりを受けて、正規就業の機会にも恵まれず、新卒時の状況のまま、現在の就業状況にまで深く影響を受けていることがわかります。

生涯年収が平均的に低い

厚生労働省のデータによると、平均給与は1991年頃をピークに下がり続け、平成2009年はリーマンショックの影響も受けて421万円まで大きく下落、2018年の時点でもピーク時より40万ほど低くなっています。

また、国税庁のデータから、バブル期のような好景気時代と就職氷河期では、給与の伸び率が異なることがわかります。
特にバブル成長期にあたる89~90年の伸び率5.7%に対し、バブル崩壊後の93年には-0.3%、94年以降の伸び率は0.4%~1.5%にまで落ち込んでいます。

つまり、就職氷河期世代はバブル世代に比べると平均年収が低く、その後20年で平均給与が下がっていることから就職後も長期的に賃金が上がっていない状態であることが読み取れます。

加えて昇給や賞与の望みにくい非正規雇用の割合も多いため、総じて生涯年収が他の世代よりも低い傾向にあると言えます。

(参考:厚生労働省「令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える p103」、国税庁「民間給与統計調査の概要 平均給与」)

就職氷河期世代の活躍の場を広げる支援が広がっている

非正規雇用の期間が長ければ年金の額も少なくなるため、老後の生活も不安定になります。
そこで政府は「就職氷河期世代支援プログラム」として、就職氷河期世代で、現在も不本意に非正規雇用で働いている人やひきこもりの人を対象に、就職支援や社会参加への無料支援などをしています。

この施策には、資格取得や職業体験といった本人への直接的な支援のほか、採用企業や支援機関への助成金といった間接支援も盛り込まれています。

このように、近年では氷河期世代の活躍の場を広げるための支援は広がっています。
「就職氷河期世代支援プログラム」についての概要は後ほど解説していきます。

採用側も注目している就職氷河期世代に見られる特徴とは?

採用側も注目している就職氷河期世代に見られる特徴とは?

 

就職のために資格を取るなど、常に自力で成長して来なければならなかった就職氷河期世代。
苦労して就職できても、さらに入社後には即戦力となることを求められました。

そのため、仕事に対してストイックな傾向がある就職氷河期世代に、採用側も注目しています。ここでは就職氷河期世代の特徴をご紹介します。

仕事に対して熱心かつストイックである傾向にある

氷河期世代の人の傾向として、働けることにありがたさを感じて、仕事へ前向きに取り組める人が多いことが挙げられます。

就活では厳しいふるいにかけられて、少数精鋭として仕事を任されてきた就職氷河期世代は、仕事に対して熱心でストイックな人が多い傾向にあります。

そして、アルバイトや派遣社員など、希望と異なる待遇や、専門と違う分野の職種などにも耐えてきた経験があるため、就職氷河期世代は忍耐力があるともいわれています。

さらに、不景気の中で働いてきた経験から、企業の経営状態や社会動向に敏感で、異動や転職を経験している人も多く、変化に対応する能力も高めです。

40~50代でも新しい職場や業務に馴染みやすく、早期離職もしない人が多いため、企業も積極的な採用に乗り出しているのです。

節約や貯金が好きな人が多い傾向にある

氷河期世代は、不景気の影響を大きく受けた世代であることから、お金をあまり使わない、節約志向が強い人が多いことも特徴です。

年収が低く、給与の上がる見通しもなく、人手不足からいつも仕事が忙しいという環境から、趣味は貯金という人もいるでしょう。

また、バブル崩壊後は、メガバンクの統合や大手証券会社の倒産といった今では考えられないニュースも多い時代でした。

氷河期世代は、自分の親がバブル崩壊のあおりを受けてしまい、事業を畳んだり、家計が苦しくなったり、苦労してきた姿を見ている人もたくさんいます。

そのため、いつ何が起きるか分からないという社会への強い不審から、節約や貯蓄を何よりも重視する人が多いようです。

資格を取得する意欲が高い傾向にある

氷河期世代は、就活に苦労した経験から、資格を取って有利に転職したい、資格職で安定した生活を送りたい、手に職をつけておこう、という考えの人は多い傾向にあります。

不景気な時代では、いつ派遣切りを受けたり、会社が倒産しても、すぐに転職できるようスキルを身につけておく必要がありました。

そのため、正規雇用のチャンスには恵まれなかったものの、資格だけは取ってある人や高い専門スキルを持つ人もいるため、そういった資格やスキルを要する仕事では即戦力になれる人材が多いことも特徴です。

また、年齢を重ねているため、社会経験も長いことから、ビジネスマナーや基本的なPCスキルは身についている人が多く、企業側としては採用後もすぐに活躍が期待できるようです。

国が実施している「就職氷河期世代支援プログラム」とは?

国が実施している「就職氷河期世代支援プログラム」とは?

 

ここで、国が始めている「就職氷河期世代支援プログラム」の概要と、具体的にはどのような支援が受けられるのかについて一部紹介します。

非正規雇用からの転職を考えている人や資格が取りたい人、引きこもりの状態から一念発起したい人にはおすすめな支援がたくさんあります。

まずは自分が利用できる支援について知り、うまくサポートを受けながら自身の目指すキャリアへ進みましょう。

ハローワークの就職氷河期世代専門窓口設置

ひとつめの対策として、各都道府県に、就職氷河期世代専門窓口が設置されました。
対象者は、おおむね35~54才の方で、正社員での就職を希望する人、これまでに安定した就労経験が少ない人となっています。

氷河期世代は、正社員の就労経験がないという人も多く、経験が無いために正規雇用の選考採用から弾かれるという悪循環になりがちです。

また、ブラック企業も多い時代だったため、短期的な就労を繰り返さざるを得ず、そういった経歴がマイナスな印象を与えてしまうことにも繋がっていました。

ハローワークの専門窓口では、そのような就職氷河期世代によくある傾向を踏まえた職業相談や、就業後の定着支援まで、専門担当者による手厚いサポートを受けることができます。

(参考:厚生労働省「就職氷河期世代専門窓口」)

就職氷河期世代限定求人の募集

原則的に求人では、雇用対策法に基づいて、年齢制限のある募集や採用は禁止されています。

しかし、令和5年3月31日までの措置として、35才以上55才未満の就職氷河期世代にあたる年齢層に限り、限定求人での募集や採用活動ができるように許可されました。

こちらも、不安定な就労をしている人や、仕事をしていない人が対象になります。

募集については、期限を決めない労働契約を締結すること、職業に就いた経験があることを求人の条件にしないこと、というような条件がつけられています。

(参考:厚生労働省「就職氷河期世代限定・歓迎求人」)

就職氷河期世代の方向けの短期資格等習得コース事業

厚生労働省は、就職氷河期世代に向けて業界団体等と連携して、短期資格等習得コース事業を開始しました。

こちらは、資格の習得から職場体験まで、正社員就職の一連を支援する制度です。

この事業では、団体が実施する無料の職業訓練を1~3ヶ月程度受けて、資格や技能を習得。
訓練修了後は、職場体験等を経て、会社説明会や面接会に進み、就職まで支援を受けることができます。

交通費等は自己負担になりますが、35歳以上55歳未満の就職氷河期世代で、安定した職業に就いておらず、公的職業訓練や求職者支援訓練などの職業訓練を受けていない人は、条件を満たせば利用が可能です。

(参考:厚生労働省「就職氷河期世代の方向けの短期資格等習得コース事業」)

地域若者サポートステーションでの就職サポート

働くための準備がしたいという人には、「地域若者サポートステーション」がおすすめです。
こちらは、通称「サポステ」と呼ばれていて、全国に177か所の拠点があります。

サポステでは、15~49才までの仕事をしていない人や、働くことに悩みを抱えている人を対象とした就労支援を行っています。

支援内容としては、個別相談、職場体験、就職後の職場定着までのフォローアップをするとともに、本人や家族だけでは解決が難しい、働き出す力を引き出すことに重点に置いています。

キャリアコンサルタントなどの専門家が、それぞれのニーズに合わせた支援メニューを提供してくれます。

(参考:厚生労働省「働くための準備がしたい-就職氷河期世代の方々への支援のご案内」)

自身や家族の引きこもりに関する相談支援

就職氷河期世代では、長期的に不安定な労働環境から生活困窮に陥っている人や、ひきこもり状態になってしまっている人の割合も比較的多いとされています。

そこで、ひきこもりに特化した相談窓口として、ひきこもり地域支援センターが、各都道府県および指定都市に設置されていて、ひきこもり状態にある本人や家族への支援を行っています。

また、生活困窮に陥っている人には、生活困窮者自立支援制度による自立相談支援機関や、子ども・若者総合相談センターの利用もおすすめです。

こちらはひきこもり状態にある人や困窮状態にある人に対して、本人の状況に応じた社会参加にむけたサポートを行っています。

(参考:厚生労働省「社会とのつながりを持ちたい-就職氷河期世代の方々への支援のご案内」)

就職氷河期世代の就活を成功させるポイント

最後に、長く苦労を重ねてきた就職氷河期世代が就職活動を成功させるポイントについて解説します。
近年は雇用環境も良く、就職氷河期世代を対象とした求人も増えているため、就職支援サービスを上手に利用しながら、ひとつずつ成功体験を積むことが大切です。

就職氷河期世代だからこその経験に自信を持って挑む

就職氷河期世代は、仕事へのストイックさや境遇から、自分の能力を過小評価し過ぎていることもあります。
正規雇用の経験がないことや転職の回数が多いことで、就活には自信がないという人も多いようです。

しかし、実際はスキルが高い人も多く、他世代よりも忍耐力や対応力に優れていることから、企業側は、氷河期世代の経験や人柄については高く評価しています。

自分には仕事に役立つようなスキルがないと思っていても、応募先企業からは今までの経験が評価されることもあります。

不安になり過ぎず、自身の経験に自信を持って転職活動に挑みましょう。

就職氷河期世代を対象とした求人に応募する

ハローワークでは就職氷河期世代専門の窓口も設けているほか、就職氷河期世代歓迎や、就職氷河期世代限定と書かれた求人も紹介しています。

これらの求人は、企業側も正社員の経験が無いことや、転職回数が多いことなど、氷河期世代特有の事情について理解してくれているため、採用される可能性が高いものとなっています。

募集・採用において、就職氷河期世代と年齢を限定できるのは、ハローワークで紹介する求人に限られています。

そのため、正社員の経験がない人は、まずは正社員での職歴を作るためにも、ハローワークの就職氷河期世代に限定した求人募集に挑戦してみると良いでしょう。

就職氷河期世代支援プログラムを活用する

正社員就職に自信がない人は、政府の施策である就職氷河期世代支援プログラムを利用しましょう。

ハローワークでは、自己分析や応募書類作成、面接対策まで、就職に関するさまざまなサポートを無料で受けることができます。

就職氷河期世代専門の窓口では、専門の担当者によるサポートがあります。
また、スキル不足を感じている人は、資格取得やスキルアップのための短期資格等習得コース利用してから就労支援を受けることも可能です。

就業後に職場に定着できるまで、サポートを受けることができるので、短期間で転職や離職を繰り返していた人でも安心して就職活動に臨むことができるでしょう。

まとめ:就職氷河期世代でも就職は可能!制度を上手く活用し、就職を実現させよう!

30代半ば~50代前半にあたる就職氷河期世代は、非正規の割合が多く、平均年収も低いと言われています。
そのため現在は、政府の主導のもと、就職氷河期世代支援プログラムが実施されており、企業もこの世代の能力には期待を寄せています。

そこで、これから就職活動を始めよう、という氷河期世代の人には、バイトルNEXTがおすすめです。
バイトルNEXTでは、正社員経験不問の求人や、キャリア転職以外の転職ニーズに答えてくれる求人も多数掲載されているため、就職氷河期世代の就活には特におすすめです。
キャリアに自信がない、アピールできるスキルがないと自分に自信がない人は、バイトルNEXTで求人検索してみましょう。

 

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