2024.03.22

「怖い」と「恐い」は何が違う?意味や使い方、関連する表現を解説【例文付き】

「怖い」と「恐い」は何が違う?意味や使い方、関連する表現を解説【例文付き】

何か悪いことが起こりそうな際に使う「こわい」という言葉。漢字で表す際には「怖い」「恐い」と表記されます。この2つの表記は、何が違うのでしょうか?

この記事では、「怖い」「恐い」の意味や違い、使い方や関連する表現を、例文付きで解説します。

「こわい」の意味とは

「こわい」には、以下のような意味があります。

  • 自分にとってよくないことが起こりそうで、近づきたくない気持ち
  • 悪い結果がでるのではないかと不安で避けたい気持ち
  • 不思議な能力がありそうで、不気味である

「こわい」には、「怖い」と「怖い」という2つの漢字表記が主に用いられます。それぞれが具体的にどのような意味なのか、ニュアンスの違いや使い方を詳しく説明します。

「怖い」と「恐い」の違い

「怖い」と「恐い」に大きな違いはありません。先述した「こわい」の意味を表す際は、「怖い」と「恐い」どちらの表記も使うことができます。

「怖」は、「おそれる・おびえる」という意味です。「恐」も同様に「おそれる・こわがる」ことを意味しますが、他にも「おそれいる・かしこまる」という意味もあります。

そのため、大役を任され恐縮しておびえているような状態の場合は、「恐い」を使うとより感情と漢字の意味がマッチするでしょう。

迷ったら「怖い」を使う

「怖い」と「恐い」、どちらも同じ意味で大きな違いがないなら、「どちらを使えばいいの?」と悩んでしまいますよね。表記や変換に迷った際は、「怖い」を使うのがいいでしょう。

公的な文書や新聞・テレビなどでも使われる一般的な漢字表記をまとめた文化庁の常用漢字表では、「こわい」の漢字表記は「怖い」のみで、「恐い」の読み方は「おそれる」「おそろしい」です。

そのため、ビジネスや公的な場で「こわい」を使う場合は、「怖い」を選ぶようにしましょう。私的な文章では、「恐い」を使っても問題ありません。

参考:文化庁「常用漢字表

「怖い」「恐い」の使い方・例文

「怖い」「恐い」の意味に違いはありませんが、印象で使い分けることもあります。
例えば、全般に対して使えてより日常的に感じる「こわさ」の場合は「怖い」、反対に非日常的なものに脅かされる場合や恐縮するような気持ちがある場合は「恐い」。このように、ちょっとしたニュアンスで使い分けをするケースです。

あくまで「怖い」「恐い」は同じ意味で使えるので、公的でない限りどちらの表記でも問題ありません。
ここでは、「怖い」「恐い」の使い方を例文を用いて紹介します。

▼例文

  • 夜道は暗くて人がいないので怖い(恐い)
  • あの先生は、普段はとても優しいけれど怒ると怖い(恐い)と噂だ
  • やることがどんどん溜まってしまい、後が怖い(恐い)
  • 先日の試験は自信がないので、結果を見るのが怖い(恐い)
  • この場所はいやな感じがして、なんだか恐い(怖い)
  • 私には身に余るような大役で、リーダーを務めるのが恐い(怖い)

「こわい」と「おそろしい」は何が違う?

「恐い」は「こわい」と読みますが、「おそろしい」とも読むことができます。常用漢字表にも記載されている「おそろしい」は、「こわい」とはどう違うのでしょうか。

「こわい」は主観的な心情を表しているのに対して、「恐ろしい(おそろしい)」は客観的が強く、ある事物に自分の身を押しつぶすほどの強度の力や意志が感じられ、激しい恐怖や畏敬の念をいだく様子を指します。また、程度がはなはだしい、驚くほどだ、ということを示す場合もあります。

▼「恐ろしい」の例文

  • 人類が進歩したって、災害は防げない恐ろしいものだ
  • 身の毛もよだつ恐ろしい事件
  • この山の生き物は恐ろしい毒性のものばかりだ
  • もしもこの家が火事になったらなんて、考えただけで恐ろしい
  • 休日のテーマパークは恐ろしいほどの混雑だ

「怖い」「恐い」の関連する表現

「こわい」という感情を表すには、「怖い」「恐い」以外の表現もたくさんあります。ここでは、「こわい」という感情を表す言葉を紹介します。

恐怖

「恐怖(きょうふ)」は、「怖い」「恐い」どちらの漢字も使われていますね。
意味は「怖い」「恐い」と同様、「おそろしいこと、こわいと思うこと」です。

  • 死の恐怖に直面した経験はまだない
  • 高所だと、恐怖で足がすくんでしまう

怖気

「怖気(おぞけ)」とは、「こわがって、びくびくする心」を意味します。怖がって怯む様子を表す際も、「怖気づく」などと表現されます。

  • 人前に出ると、怖気がついて何も言えなくなった
  • 相手の血気盛んな様子を見て怖気づく

恐る恐る

「恐る恐る(おそるおそる)」は、「こわがりながら、こわごわ」という意味で、恐れからひどく緊張して事を行うさまを表します。

  • 深い穴の中を、恐る恐る覗き込んだ
  • 悪い結果が出たのかと、恐る恐る聞いてみた

畏怖

「畏怖(いふ)」は「恐れおののくこと」という意味です。自然や神仏など、圧倒的な力を持っているもの、人智の及ばないようなものに対して使われる言葉です。

  • 悪いことをする際に罪悪感を抱くのは、神仏を畏怖する心があるからかもしれない
  • 人々は古来より、自然に畏怖の念を抱いてきた

まとめ

「こわい」とは「悪いことが起こりそうで不安な気持ち、逃げたい気持ち、不気味である」という意味の言葉です。漢字表記では「怖い」「恐い」がありますが、この2つに大きな違いはありません。

場合によっては、印象や細かいニュアンスで使い分けることもあります。どちらの表記にするか迷った場合は、常用漢字である「怖い」を選びましょう。

また主観的な「こわい」に対して、客観的な意味合いが強い「おそろしい(恐ろしい)」という言葉もあります。他にもさまざまな「こわい」感情や状況を表す言葉を紹介しました。

普段は意識して使い分けることはあまりないかもしれませんが、「こわい」を表す言葉のバリエーションを増やして、自分の細かな感情を伝えられたらいいですね。

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