SPIって何?新卒や転職者向けに出題内容や例題、受検方法、事前対策を解説

SPIって何?新卒や転職者向けに出題内容や例題、受検方法、事前対策を解説

はじめて就活をする人のなかには、SPIとは何かが分からず、困っている人もいるのではないでしょうか。
SPIとは、企業が応募者を対象に、性格や知的能力といった個人の資質を測るために実施するテストです。

この記事では、新卒や中途転職者向けにSPIの意味や検査内容、受検方法、事前対策などをわかりやすく解説します。

<この記事のまとめ>

  • SPIとは、応募者の性格や知的能力を測るためのテスト
  • 大卒はSPI3-U、中途採用はSPI3-G、高卒はSPI3-Hを受検するのが主流
  • SPIの受検方法は、場所や監督の有無、筆記かパソコンかによって4種類

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SPIとはどのような検査?

SPIとはどのような検査?

 

SPIは、企業が採用選考時に行う適性検査の一つです。
その特徴は、応募者の学歴や職歴にとらわれず、個々の資質(性格・能力)に寄り添った採用ができることです。
ここでは、SPIについて詳しく解説していきます。

SPIとは?

SPIとはリクルートマネジメントソリューションズ社が開発した「Synthetic Personality Inventory」の略称で、日本語に訳すと、「総合適性検査」という意味になります。

企業はSPIの結果を、選考活動や入社後の配属先を決める際の参考として活用しています。

SPIの難易度

SPIで出題される問題の難易度は、中学~高校レベルだと言われています。
あくまで志望者の基礎能力を知ることが目的なので、高校時代に学校の勉強を真面目にしていれば難しくありません。

また、SPIの結果は点数ではなく、標準得点という偏差値のようなもので判断されます。
〇段階、〇点以上取れば合格という基準は存在せず、その基準は企業ごとに違います。

■能力の段階得点と標準得点の対応表

段階 標準得点 一般的な出現率
7 70以上 2.3%
6 62~69.5 9.2%
5 54~61.5 23.0%
4 46~53.5 31.0%
3 38~45.5 23.0%
2 30~37.5 9.2%
1 29.5以下 2.3%

参照:リクルートの適性検査 SPI3「テスト結果の活用 / 報告書の見方」

企業がSPIを出題する意図

企業がSPIを実施するのは、面接で見落としがちな人柄や能力のレベルを知るためです。
SPIは、性格や知的能力といった個人の資質を、客観的にはかることができる仕組みになっています。
そうすることで、応募者が自社にマッチした人材なのか、どのような部署で能力を活かせそうか、判断できるようになっています。
企業は、面接だけでは理解が難しい志望者の人となりを、SPIを使って把握しようとしているのです。

またSPIを、志望者の足きりの目安としても使用する企業もあります。
一般的な目安として、外資系企業では8割以上、五大商社とメガバンクは7割以上、日系大手企業で6割以上の正答率が求められると言われています。

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SPIの種類:大卒採用ではSPI3-U、中途採用はSPI3-Gが主流

SPIは、受検する人にあわせていくつかの種類があります。
ここでは、そのなかでも代表的な3つについて解説します。

大卒採用が対象の「SPI3-U」

SPI3-Uは、大卒や第二新卒者を対象にしたテストです。
問題数が多く、様々な難易度の問題が出題されるのが特徴です。

制限時間も短いため、解ける問題をテンポよく解いていく能力が求められます。
内容は、数学の漸化式()の問題が出題されるのが特徴で、事前対策として公式の暗記なども必要になります。

※ 漸化式とは、数列の各項が前の項(または複数の前の項)によって定義されるような式のことを指します。

中途採用が対象の「SPI3-G」

SPI3-Gは、中途転職者を対象にしたテストです。
大卒対象のSPI3-Uと比べると難しくなっているのが特徴で、難解な文章の読解問題なども出題されます。
また、資料解釈の問題()が必ず出題されるので、独自の試験対策が必要です。

※ 資料解釈とは、与えられた表をもとに設問に回答していく形式の問題です。資料から情報を素早く読み取る能力が試されます。

高卒採用が対象の「SPI3-H」

SPI3-Hは、高卒採用が対象のテストです。
コミュニケーション能力や理解力をはかる問題が出題されるのが特徴で、極端に難しい問題は出題されません。
使用するのは、仕事や社風になじめるかといった点を重視する企業が多いと言われています。

グローバル採用が対象の「GSPI3」

GSPI3は、外国人が対象のテストです。
出題内容は通常のSPIを翻訳したもので、受検者は、英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語から選べるようになっています。

日本語では理解するまでに時間がかかったり、意図したものと違う回答をしてしまうことがあります。公平性を保ち、正しく適性を調べるために、GSPI3が導入されています。

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SPIの内容:性格検査と能力検査の2種類

SPIは、「性格検査」と「能力検査」の2つで構成されています。
ここでは、それぞれの検査についてくわしく紹介します。

性格検査

性格検査は、志望者の人となりを把握するための検査です。
行動的側面・意欲的側面・情緒的側面の3点から、日ごろの考え方や行動が分析されます。
200~300問の4択問題で、受検者の性格を4側面18種類に分類し、社会の一般水準と比べてどのようなことが得意・不得意なのかを判断します。

例えば「A昼の方が好きだ」「B夜の方が好きだ」という質問に対して、「A」「どちらかというとA」「どちらかというとB」「B」の四択から、最も自分の考えに近いものを選んで回答します。

【例題】

A昼の方が好きだ
B夜の方が好きだ

選択肢
A
どちらかというとA
どちらかというとB
B

能力検査

能力検査は、応募者が実際にはたらく際に必要な、基礎的な能力をはかるための検査です。
言葉の意味や話の要点を的確に理解できるかを問う「言語分野」と、数学的処理や論理的思考の能力を問う「非言語分野」の二つの分野から構成されています。

また、企業によっては「英語」や「構造的把握力の問題」が追加で出題されることもあります。
構造把握力とは、あたえられた情報の共通性や関係性を読み解き、構造的に把握する能力です。
問題解決能力や論理的思考力をはかるために、コンサルティングファームや総合商社などで実施されます。

能力検査には「新卒採用向け」「中途採用向け」「事務職採用向け」などさまざまな種類があります。

能力検査の例題

ここでは、言語分野、非言語分野、英語、構造的把握力の例題をご紹介します。

【言語分野の例題】

等号の左側に示した二語の関係と、等号の右側が同じ関係になるような語句(?)を選択せよ。
[長所 : 短所] = [有利 : ?]

  1. ア 不利
  2. イ 利益
  3. ウ 無関心
  4. エ 可能
  5. オ 損失

答え:ア 不利

【非言語分野の例題】

記号 ☆ が、x ☆ y = 3x - 2yを意味するとき、
(4) ☆ 2はいくつになるか。正しいものを選択せよ。

  1. ア 10
  2. イ 8
  3. ウ 6
  4. エ 12
  5. オ 14

答え:イ 8

【英語の例題】

次の単語と最も意味が近い語を、AからEまでの中から一つ選びなさい。
celebration

  1. A. event
  2. B. sorrow
  3. C. work
  4. D. sleep
  5. E. read

【答え】A. event

【構造的把握力の例題】

次のア~エのうち、問題の構造が似ているものの組み合わせを、A~Fのなかから1つ選びなさい。

  1. ア. ある図書館の蔵書の70%がノンフィクションで、そのうちの40%が歴史関連の本である。歴史関連の本は蔵書全体の何割か。
  2. イ. 二人の投資家、AとBは5:4の比率で資金を出し合い事業を行っている。Aの利益の取り分は全体の利益の何%か。
  3. ウ. 園芸活動で、姉は4m²の花壇、妹は2m²の花壇の手入れを行った。姉の仕事量は妹の仕事量の何倍か。
  4. エ. 中学校で生徒会の活動経験の有無を調査したところ、全生徒の40%が「経験あり」と回答し、そのうちの75%が女子生徒だった。生徒会経験のある男子生徒は全体の何%か。
  1. A. アとイ
  2. B. アとウ
  3. C. アとエ
  4. D. イとウ
  5. E. イとエ
  6. F. ウとエ

【答え】C. アとエ

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SPIを受検する際の4つの方法

SPIを受検する際の4つの方法

 

SPIの受検方法は大きく分けて四種類あります。ここでは、それぞれの受検方法の特徴を解説します。

SPIを受検する4つの方法

テストセンター 専用会場のパソコンを使って受検する方法と、自宅のパソコンで専用システムを通して受検する形式の2パターンがあります。
WEBテスティング 自宅や学校のパソコンから受検する方法です。スマートフォンでの受検は認められておらず、ネット環境が整っているパソコンが必要です。
ペーパーテスティング 応募先の企業で、マークシート形式で受検する形式です。
インハウスCBT 応募先の企業で、企業内のパソコンを使って受検する形式です。

テストセンター

リクルートマネジメントソリューションズが用意する会場で、監督者のもと、専用のパソコンで受検します。
また、自宅のパソコンから専用のシステムを使い、受検するオンライン会場形式もあります。

利用の際はどちらの場合も、企業から届く案内メールでテストセンターの予約サイトに飛び、日程・会場を選びます。

Webテスティング

自宅や学校のパソコンから受検する方法です。
テストセンターのオンライン会場とは違い、監督者の監督はなく、指定された受検期間から日程・会場を選び、予約します。

スマートフォンからの受検は認められていないので注意しましょう。

ペーパーテスティング

応募先の企業内の会議室やブースで受検する方法です。
マークシート方式を採用しており、受検者は筆記用具を持参する必要があります。

会社説明会やセミナーなどと合わせて実施されることが多く、様々な企業が導入しています。

インハウスCBT

インハウスCBTは、応募先の企業のパソコンから受検する方法です。

面接とあわせて実施されることが多く、特に中途採用の際に好んで利用する企業が多い傾向にあります。

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SPI受検前に準備しておきたいこと

SPIは、毎年新しい問題が作成されていますが、性格検査、能力検査ともに出題傾向には特徴があり、しっかり対策をしておくことで、良い結果を残すことができます。
ここでは、SPIの受検前に準備するべきことを解説します。

さらに、詳しい対策方法については、以下の記事で解説しているので、あわせて参考にしてください。

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SPIの出題形式を理解しておく

SPI対策をする際は、まず実際の問題に慣れることから始めましょう。
SPIで出題される問題の難易度は中学~高校レベルですが、出題形式が独特なため、知らずに受検すると、解答に思わぬ時間がかかってしまうこともあります。

苦手分野を重点的に対策しておく

SPIは、短い時間で大量の問題を処理することが求められるため、解くのに時間がかかる苦手分野は、事前にできるだけ減らしておくことが大切です。
SPIで出題される問題の難易度は、決して高いものではありませんが、なかには初見で解くには少し難しいものや、事前に公式を暗記しておく必要があるものもあります。

パソコン受検のやり方に慣れておく

SPIの受検方法は、4つ中3つがパソコンを使った方法です。
パソコンでの受検では、次の画面に進んでしまうと、前の画面に戻れないなど独特のルールがあります。
何も練習せずに本番にのぞむと、とまどう恐れもあるため、あらかじめ慣れておくようにしましょう。

「性格検査は正直に回答する」ことを覚えておく

性格検査は、原則として正直に回答することが大切です。
見栄を張ったり、企業が好きそうな解答をしたりすると、就職したときに自分の適性に合わない部署に配属されてしまうこともあります。

性格検査は、企業が社員に長く勤めてもらうために、実施されているものです。
見栄を張らず、質問には直感で回答するようにしましょう。

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就活ではSPI以外の適性検査が実施されることも

就活では、SPI以外の適性検査が実施されることもあります。
例えば、「玉手箱」は、日本エス・エイチ・エル社が実施する適性検査で、金融業界やコンサル業界などで積極的に導入されています。

また、同じく日本エス・エイチ・エル社が実施している検査には、「CAB」というものもあります。
こちらは、コンピューター職への適性をはかるための検査で、情報処理やシステム関連といったIT業界で積極的に導入されています。

それぞれのテストごとに出題される問題や、解答時間などが違うため、志望する企業でどのような検査が行われるのかを事前に確認しておくようにしましょう。
SPI以外の適性検査については、以下の記事でより詳しく解説しています。

【関連記事】
適性検査とSPIの違いって何?必要な対策、適性検査の例を紹介
適性検査とは?就活・転職時に行われる理由や検査内容、攻略ポイントなども紹介

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SPIと公務員試験はどう違う?

就活生の中には、民間企業と公務員試験を並行して受けたいという人もいるでしょう。
どちらも勉強をするのは負担があるように思いますが、じつはSPIと公務員試験では、出題内容が被るものもあります。
違いと共通点を理解して、効率よく対策しましょう。

SPIと公務員試験の共通点

SPIと公務員試験では、一部の問題の傾向が共通しています。
公務員試験では「数的処理」と「文章理解」の問題があり、それぞれがSPIでいうところの「非言語分野」「言語分野」に該当します。

そのなかでも、数学的な能力をみる「数的処理」と「非言語分野」の問題では、「場合の数」や「確率」「表やグラフから情報を読み取る問題」などが共通して出題されます。
また、「文章理解問題」と「言語分野」でも、「語句」「文法」、「論述文を読んで答える読解問題」などは似たような問題が出題されます。

SPIと公務員試験の違い

SPIは、性格検査と能力検査の二つから構成されていますが、公務員試験では性格検査に相当するものはありません。
また、出題される問題の難易度についても、SPIが中学・高校レベルと言われるのに対して、公務員試験では、大学レベルの問題も出題されます。

SPIと公務員試験どちらも受けるときのポイント

近年では、公務員志望者が減少していることから、公務員の採用にSPIを活用する自治体も出てきています。

SPIと比べると、公務員試験は出題範囲が広く難易度も高いため、どちらも受ける場合は、公務員試験の対策を中心に進めるのがよいでしょう。

ただし、SPIには独特の出題形式や、公務員試験にはない性格検査があります。
そうした点は事前に模擬問題を解いておくなどし、慣れておくようにしましょう。

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まとめ:SPIを受検する際は万全の対策を!

SPIは、リクルートマネジメントソリューションズ社が開発した総合適性検査です。
性格や知的能力といった個人の資質を客観的に測り、面接で見落としがちな人柄や能力レベルを検査するために行われます。

SPIで出題される問題は、中学・高校レベルのものであり、決して難しいものではありません。しかしその分、企業によっては高い正答率を求められるため、事前対策をしっかりしておくことが大切です。
具体的なSPIの対策方法については、「SPI対策まとめ!練習問題や対策方法、参考書選びのポイントを解説」の記事で詳しく解説しています。

 

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