SPI対策まとめ!練習問題や対策方法、参考書選びのポイントを解説

SPI対策まとめ!練習問題や対策方法、参考書選びのポイントを解説

初めてSPIを受ける方の中には、どのように対策を進めたら良いのかが分からなくて不安、という人も多いでしょう。
この記事では、SPIの検査内容や例題を解説したうえで、具体的な対策方法を解説していきます。おすすめの本の選び方についても解説するので、合わせて参考にしてください。

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SPIの検査内容と出題例

SPIの検査内容と出題例

 

SPIの検査内容は「能力検査」と「性格検査」の2つがあります。
各分野の所要時間と問題数は、以下の表の通りです。

検査名 時間 問題数
性格検査 約30分 300問
能力検査 言語:国語問題
非言語:論理・数学問題
約35分 受検者によって変わる
英語
(オプション検査)
約20分
構造的把握力
(オプション検査)
約20分

能力検査

能力検査は、応募者の知的能力をはかるための検査で、以下の4つの種類があります。
言語分野と非言語分野は、どの企業でも共通して実施されていますが、英語と構造的把握力はオプション検査であり、実施するか否かは、企業によって違います。

  • 言語分野
  • 非言語分野
  • 英語
  • 構造的把握力

言語分野

言語分野は、言葉の意味や話の意図をくみ取る能力をはかる、国語のテストです。
「語彙」と「文章読解」の問題が出題されます。

「語彙」問題は、語句の意味を問う問題の他に「熟語の成り立ち」「二語の関係」「語句の用法」などの問題が出題されます。
「文章読解」問題では、普通の読解問題の他に「文章・文節の並び替え」「空欄補助」などの問題も出題されます。

非言語分野

非言語分野は、数的な処理と論理的思考力をはかる数学のテストです。
「推論」「場合の数」「確率」「割合」「金額計算」などが出題されます。

出題される問題は、高校数学I・Aまでの範囲と言われており、「鶴亀算」など中学受験で出題される問題も出ます。

英語

英語能力検査は、通常の検査に追加で行われるオプション検査の一つです。
主に外資系企業や旅行代理店など、業務で英語が必要な企業の選考で実施されています。

英語のテストでは「単語の意味」「同意語」「反意語」「空欄補充」などの問題が出題されます。

構造的把握力

構造的把握力は、与えられた情報の共通性や関係性を見いだす力をはかるテストです。
総合商社やコンサルティングファームなどの難関企業で、問題解決能力や論理的思考力をはかるために行われるオプション検査の一つです。

言語能力の分野と非言語能力の分野にわかれており、どちらも複数の文章を読んで、二つのグループに分類する問題などが出題されます。

性格検査

性格検査は、受検者の人となりや仕事への適性をはかるテストです。
検査は、「行動的側面」「意欲的側面」「情緒的側面」に分かれており、約300問の質問に30~40分で回答していきます。

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【解説つき】能力検査の練習問題

ここでは、能力検査で実施される各検査の練習問題をご紹介します。
問題ごとにくわしい解説も用意しているので、ぜひ挑戦してみてください。

言語分野

【言語分野の練習問題】

最初に示された二語の関係を考えて、同じ関係のものを選びなさい。
果物:ぶどう

  1. ア 勝利:敗北
  2. イ 球技:野球
  3. ウ バット:グローブ

【答え】
「イ」

【解説】
ぶどうは果物の一種、野球は球技の一種です。
この問題は、言葉の関係性を理解することがカギです。
「果物:ぶどう」は、「全体と部分」の関係を示しています。
「果物」というカテゴリー(全体)の中に、「ぶどう」という具体的な種類(部分)が含まれています。

それを踏まえて選択肢を見てみましょう:

ア 勝利:敗北
イ 球技:野球
ウ バット:グローブ

アの「勝利:敗北」は、反対の関係です。
イの「球技:野球」は、「全体と部分」の関係であり、「球技」というカテゴリーの中に「野球」という具体的な種類が含まれています。
ウの「バット:グローブ」は、対になる関係です。

最初に示された「果物:ぶどう」の関係性と同じである「全体と部分」の関係はイの「球技:野球」です。
よって、正解は「イ」です。

非言語分野

【非言語分野の練習問題】

原価が600円の品物に、定価の2割引で売っても、原価の3割の利益が得られるように定価をつけた。定価はいくらか。

  1. A 900
  2. B 925
  3. C 975
  4. D 1000
  5. E 1250

【答え】
「C」

【解説】
この問題では、定価を計算するために、原価と希望利益を考える必要があります。
問題文によると、原価は600円、利益は原価の30%であり、定価からの割引は20%です。

まず、利益の金額を計算します。これは原価の30%なので、
600円 × 30% = 180円です。

この利益を原価に加えて、割引前の販売価格を得ます。
600円 + 180円 = 780円です。

最後に定価を計算します。定価は80%の時に780円なので、780円を80%で割ります。
780 ×(10 / 8)= 975円です。

したがって、正解はCの975円です。

英語

【英語の練習問題】

次の単語と最も意味が近い語を,AからEまでの中から一つ選びなさい。
journey

  1. A plane
  2. B travel
  3. C tariff
  4. D visa
  5. E souvenir

【答え】
「B」

【解説】
「journey」は、「旅行」や「旅」といった意味を持ちます。
したがって、これに最も近い意味を持つ語を選択肢の中から選ぶ必要があります。

Aの「plane」は「飛行機」
Bの「travel」は「旅行」
Cの「tariff」は「関税」
Dの「visa」は「ビザ」
Eの「souvenir」は「お土産」

最も意味が近いのは、Bの「travel」です。

構造的把握力

【構造的把握力の練習問題】

次のア~エのうち、問題の構造が似ているものの組み合わせを、A~Fのなかから1つ選びなさい。

ア. ある図書館の蔵書の50%がノンフィクションで、そのうちの20%が伝記関連の本である。伝記関連の本は蔵書全体の何割か。

イ. 二人の投資家、AとBは6:2の比率で資金を出し合い事業を行っている。Aの利益の取り分は全体の利益の何%か。

ウ. 園芸活動で、姉は2m²の花壇、妹は6m²の花壇の手入れを行った。姉の仕事量は妹の仕事量の何倍か。

エ. 中学校で生徒会の活動経験の有無を調査したところ、全生徒の30%が「経験あり」と回答し、そのうちの30%が女子生徒だった。生徒会経験のある男子生徒は全体の何%か。

  1. A アとイ
  2. B アとウ
  3. C アとエ
  4. D イとウ
  5. E イとエ
  6. F ウとエ

【答え】
「C」

【解説】
アとエの問題は、「全体の中で、ある分類に属するものの割合が示され、さらにその中の一部が、全体に占める割合を求める」という構造が共通しています。

具体的に計算式に直すと、
アの問題では「50% × 20% = 10%」が歴史関連の本が占める割合となり、エの問題では「30% × 70%(男子生徒の割合)= 21%」が、生徒会経験のある男子生徒が占める割合となります。

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SPIの能力検査対策のポイント

SPIの能力検査対策をする際は、以下のステップで進めるのがおすすめです。

  • 応募先企業の検査内容や受検方法を把握する
  • 実際に問題集を解く
  • 制限時間内で問題を解く

応募先企業の検査内容や受検方法を把握する

SPI対策をする際は、まず応募する企業でおこなわれる検査内容を確認しておきましょう。
企業によっては言語分野、非言語分野の問題に加えて、英語や構造的把握力の検査を実施するところもあります。


また、SPIは、受検方法によって、出題される問題の範囲や回答方法、電卓使用の可否などが違います。
特に、WEBテスティングやテストセンターでの受検の場合は、制限時間や問題の回答方法などに独自のルールが設けられています。
事前に受検方法ごとのルールをよく確認しておくようにしましょう。

実際に問題集を解く

応募企業で実施される検査内容と受検方法が分かったら、実際に問題集を解いてみましょう。
SPIは、出題される問題の傾向がある程度決まっており、事前に類似問題の解き方を理解しておくことが一番の対策になります。


問題集は、何冊も購入するより、応募企業の検査内容や受検方法に合ったものを、何度も解くことが大切です。
1周目は間違えた部分に印をつけ、2周目以降は間違えた部分を重点的に行うと、効率よく苦手分野の対策ができます。

また、SPIでは、英単語や数学の公式などのように、暗記しなければ対応できない問題も出題されます。
SPIの対策アプリなどを活用して、隙間時間に覚えていくようにしましょう。

制限時間内で問題を解く

問題集を解くことにある程度慣れてきたら、制限時間を決めて問題を解いていきましょう。
SPIでは、短い制限時間のなかで大量の問題を解くことが求められるため、時間配分が大切です。

1問あたりにかけられる時間は、言語分野で30~40秒、非言語分野で60~80秒が目安です。

また、WEBテスティングやテストセンターで出題される問題では、全体の制限時間とは別に、問題ごとの制限時間が設けられています。
制限時間をオーバーすると、自動で次の問題に進んでしまうので、テンポよく解答していくようにしましょう。

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SPIの性格検査対策のポイント

SPIの性格検査は、受検者と企業の求める人物像がどの程度マッチしているのかをはかるものです。
能力検査のように、それ自体で足切りがあるものではないので、特別な対策は必要ありません。

ただし、質問に対しては正直に答えることが大切です。
性格検査には、ライスケールという判断基準が設けられており、通常の質問のなかに紛れ込ませる形で、受検者がどのくらい嘘をついているかが測定されています。


例えば、「これまで一度も嘘をついたことがないか」という質問は、すべての人がNOと答えるでしょう。
しかし、ここでYESと答えてしまうと、嘘をついていると判断され、ライスケールの値が上がってしまいます。
ライスケールの値が高くなりすぎると、企業の心象を若干損ねてしまうので、正直に答えるのが望ましいです。

ただし、就活では、いろいろな要素を考慮して総合的に採否が判断されるため、ライスケールの値が高いという理由だけで落とされることはありません。
1問ひっかかっただけで嘘つきと判断されることもないので、安心して回答してください。

SPI対策本の選び方

SPI対策本の選び方

 

SPIを実施しているリクルートマネジメントソリューションズ社は、公式HPで「公式の対策本は、販売していない」と回答しています。
そのため、SPI対策本を選ぶときは、市販されているものから自分のレベルに合ったものを選びましょう。
SPI初心者であれば、基本問題や解説中心のもの、さらに高得点を狙いたい人は上級者向けの実践中心のもの、のように選ぶと良いでしょう。
SPIの問題傾向は毎年変わるため、対策本を選ぶ際は、最新版を選ぶことが大切です。

また、SPIは受検方法によって出題される問題の傾向が変わります。
例えば、テストセンターでの受検と、Webテストでの受検では、出題される問題の範囲や問題数が違うため、自分の受検方法に合わせた本を選ぶようにしましょう。

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SPIの対策スケジュール

ここでは、SPIの対策スケジュールについて解説します。
就活では、SPI対策以外にも様々なことを同時並行で進めていく必要があります。

SPIだけに時間を取られすぎないよう、効率的に対策を進めましょう。

SPI対策は選考開始の3か月前からがおすすめ

SPI対策は、筆記試験が行われる3か月前を目安に始めるのがおすすめです。
就活は3月1日に解禁されるので、12~1月頃を目安に着手するのが良いでしょう。
就活解禁日までにSPI対策を一通り済ませておき、解禁後は求人情報のチェックなどに時間を割けるようにしておくのが望ましいです。

ただし、外資系企業の場合は、3月以前から選考を行うこともあります。
その場合は、SPI対策を始める時期もそれに合わせて調節するようにしましょう。

SPI対策に必要な時間は50時間前後

SPI対策には、平均50時間前後の学習時間が必要と言われています。
1日1時間確保できるなら、1~2ヶ月程度で完了させるスケジュールになります。

ただし、この時間数はあくまで目安であり、実際に必要な学習時間は人によって違います。
中学・高校時代に習った内容を忘れてしまっている場合は、もう少し長めのスケジュールを立てることになるでしょう。

まずは自分の学力をはかるために、就活が始まる半年くらい前を目安に、模擬問題を解いてみるのがおすすめです。

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SPIの基本情報

ここではSPIの基本情報について解説します。
はじめて就活をする人の中には、そもそもSPIとは何なのか、どのように受検するのか、どうして企業が出題するのかといったことが疑問、という方も多いのではないでしょうか。
ここでは、それぞれの疑問について詳しく解説します。

なお、より詳しくSPIのことについて知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

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SPIとは

SPIは、「Synthetic Personality Inventory」の略で、学歴や職歴にとらわれず、個々の資質(性格・能力)に寄り添った採用を行うための検査です。

SPIの受検方法

SPIの受検方法は以下の4種類があります。
企業ごとに受検方法が指定されるため、それぞれの違いを押さえておきましょう。

SPIの受検方法
テストセンター 専用会場のパソコンを使って受検する方法と、自宅のパソコンで専用システムを通して受検する形式の2つのパターンがあります。
WEBテスティング 自宅や学校のパソコンから受検する形式です。スマートフォンでの受検は認められておらず、ネット環境が整っているパソコンが必須です。
ペーパーテスティング 応募先の企業で、マークシート形式で受検する形式です。
インハウスCBT 応募先の企業で、パソコンを使って受検する形式です。

企業がSPIを導入する理由

企業がSPIを導入するのは、自社に合った人材を見つけるためです。
企業は、面接で応募者の人となりや、適性を把握したいと考えています。
しかし、限られた時間のなかで応募者について的確に把握するのは難しく、面接官によっても評価にばらつきが出てしまいます。
そこでSPIを導入することで、応募者の性格や適性、能力などを数字で測り、自社に合った人材なのかを客観的に把握したいと考えているのです。

SPI対策についてよくある質問

ここではSPIに関するよくある2つの質問について解説します。
気になる疑問は事前に解消しておき、安心して検査に望めるようにしましょう。

1.SPI対策は意味ないって本当?

就活ではSPI以外の適性検査を実施する企業も多く、応募する業界によってはSPIの対策をする意味はないと考える人もいるでしょう。

ただし、応募する企業がまだはっきり定まっておらず、SPIを受検する可能性もある場合は、対策をしておいて損はありません。

SPIは国内で最も利用されている適性検査であり、有名企業や大企業でも盛んに導入されています。
対策をしておくことで、就職活動の幅を広げることができるため、最低限の対策はしておくようにしましょう。

2.SPI以外の適性検査の対策方法は?

「玉手箱」や「CAB」などSPI以外の対策方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
それぞれの検査ごとに、出題内容や解答方法が違うので、事前に確認するようにしましょう。

【関連記事】
適性検査とは?試験内容や検査の種類、攻略のポイントも紹介
適性検査とSPIの違いって何?必要な対策、適性検査の例を紹介

まとめ:余裕を持ってSPI対策を行い、入社試験に備えよう!

SPIは、能力検査と性格検査の2種類で構成されており、企業によって実施される検査内容が違います。
対策をする際は、企業で出題される内容を事前に調べ、検査内容と受検方法に合わせた対策本を選ぶことが大切です。
SPI対策は、50時間程度の時間が必要になります。就活解禁の3か月前くらいを目安に始めるのが良いでしょう。

はじめて就活をするときは様々な不安が付きまとうものですが、SPI自体は決して難しい検査ではありません。
高得点を目指さなければいけないものでもないので、事前に苦手な分野を中心に対策をしておき、3月1日からの本番に安心して望めるようにしましょう。

 

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