「退職するときにはお菓子を渡さなくてはいけない」というルールがあるわけではなく、みなさんそれぞれの価値観のなかでお菓子を準備するかどうか判断しています。

お菓子を渡したいと思えば渡してもいいし、渡す必要がないと思えば渡さなくてもいいのです。
まずは、アルバイト先での人間関係や自分の金銭的余裕などを考えてみましょう。

感謝の気持ちに何かを添えたいと感じる場合は、お菓子を用意してもいいかもしれませんね。

お菓子を配るか、配らないかは、自分の気持ちで決めて大丈夫です。それは高校生や大学生でも同じです。

アルバイトをしていたとはいえ限られた収入だったと思うので、無理してお菓子を購入する必要はありません。「お世話になりました」と、感謝の気持ちを言葉で伝えるほうがはるかに重要です。

「でもどうしてもお菓子を渡したい」という方は、学生らしく、あまり高額ではないものを用意しましょう。

長くお世話になったアルバイト先であれば、ある程度人間関係もできていたのではないでしょうか。

「この職場が好きだったなぁ」という気持ちがあるのなら、お菓子を贈るのもいいかと思います。一人ひとりに感謝の言葉を伝えるのは難しいかもしれませんが、お菓子ならお世話になった全員に届けることができます。

感謝の気持ちをお菓子に乗せて配りましょう。

賞味期限が長く、日持ちするものを選びましょう。

お菓子を渡したその日に全員が食べるとは限りません。休みの人もいるかもしれませんし、「あとで食べよう」としまっておく人もいるかもしれません。

お菓子を手にしたときに「ああ、もう賞味期限が切れてる……」と残念な気持ちにならないよう、なるべく日持ちするお菓子を選ぶことをおすすめします。

1つずつ個包装されたお菓子を選びましょう。

人数分をそろえやすいですし、もらう側も全員分あるとわかれば安心して自分の分を手に取ることができます。また、個包装されているので、帰りがけにさっと手に取りやすく、カバンのなかにしまっておきやすいですよね。

もらう側の気持ちになって考えると、個包装されたお菓子がベストです。

お菓子は食べやすく、匂いが強くないものがおすすめです。受け取った人がお菓子を食べるタイミングを考えてみましょう。仕事の合間や休憩時間、帰り道や自宅が想像できます。

ポロポロとこぼれてしまうお菓子よりは、さっと口に入れて食べられるお菓子のほうがよさそうです。

また開けてみたら匂いが強くてカバンに引っ込めてしまった、という状況にならないよう、香りにも気を付けて選びたいですね。

職場により人数はさまざまですが、お菓子の値段は１人当たり100円～150円くらいで考えるとよいでしょう。

これくらいの値段だと安っぽくなりすぎず、もらった側もうれしく感じるプレゼントになります。スーパーで買うお菓子の大袋では特別感がありません。

デパ地下に行って、贈り物用の菓子折りを見てみましょう。店員さんに「ひとり100円くらいで、30名分用意したいですけど……」と声をかければ、予算に合った提案をしてくれますよ。

たくさんの人が働いている職場で、全員にお菓子を配るのは大変ですよね。予算的にも厳しいと思います。

部署ごとに分かれている職場であれば、自分がお世話になった部署にだけお菓子を配ってもいいですね。それでもまだ人数が多い場合は、1個当たりの値段を下げるという選択肢もあります。

全体には予算を下げたお菓子を準備し、特にお世話になった方には個別でプレゼントを贈るという方法もあります。特別なプレゼントを渡す際は、人目につかないところでこっそり渡しましょう。

最後の挨拶をする機会を設けてもらえるのであれば、そのときにお菓子を渡しましょう。

感謝の気持ちを述べたあとに「心ばかりですが、みなさんで召し上がってください。」と渡せば、挨拶もすっきり締めくくることができます。その場にいる一番立場が上の上司に「今までお世話になりました。ありがとうございます。」と言って渡しましょう。

特に挨拶の場がないときには、アルバイト最終日の帰る直前に渡しましょう。帰る準備を整えてから上司に「今ちょっとお時間よろしいですか？」と確認します。

話す時間が取れたら「今日でアルバイト最終日でした。今までお世話になりました。少しですが、みなさんで召し上がってください。」とお菓子を渡してみてはいかがでしょうか。

自分が帰る時間帯は、職場全体が忙しくて話す時間が取れないと事前にわかっている場合は、休憩時間にお菓子を渡しましょう。

「休憩中すみません。今お時間よろしいでしょうか。」と断りを入れてから「今までお世話になりました。」と挨拶をし、お菓子を渡します。

帰る前にもう一度「本当にお世話になりました。ありがとうございます。」と挨拶をすれば、相手に迷惑をかけることなくお別れができます。

アルバイト中に休憩時間もなく、お菓子を渡せるタイミングがまったくない、という方もいらっしゃるでしょう。

その場合は、休憩室や事務室などスタッフが集まる場所に置いておくのはいかがでしょうか。
「◯月◯日がアルバイト最終日でした。今までお世話になり、ありがとうございます。みなさんで召し上がってください。△△より」とメッセージを添えておきます。

きっとあなたを思い出しながらお菓子を楽しんでもらえるでしょう。