2024.03.11

「表記」と「標記」の意味の違いをわかりやすく解説!ビジネスメールで活用できる例文あり

「表記」と「標記」の意味の違いをわかりやすく解説!ビジネスメールで活用できる例文あり

「表記」と「標記」は同じ読み方をするため、文書やメール作成で使用するときに「どっちを使えばいいんだっけ?」と悩むことがありますよね。それぞれの意味の違いをしっかり捉えておくと、いざ「ひょうき」と書くときに迷わず済みます。

この記事では「表記」と「標記」の違いと、それぞれの正しい使い方を例文付きでご紹介します。

さらに「表題」「標題」との意味の共通点や、ビジネスメールでも使いやすい「標記の件」の言い換え表現もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

「表記」と「標記」の違い

「表記」と「標記」は「ひょうき」と同じ読み方をしますが、それぞれ意味が異なります。

<「表記」と「標記」の定義>

表記 おもてに書きしるすこと。また、その書かれたもの。おもて書き。
文字や記号を用いて書き表すこと。
標記 目印をつけること。また、その文字や符号。
標題として書きしるすこと。また、その事柄。

※参考:weblio辞書(表記)
※参考:weblio辞書(標記)

「表記」の意味

「表記」とは、漢字の通り「表」に「書き記す」ことで、言葉や音声などの情報を文字で表したもののことを指します。

「おもて書き」という意味が含まれているように、例えば封筒や文書などの表に住所や名前を書くことも「表記」と言います。

「ローマ字表記」「日本語表記」といった言葉はよく使われますが、これも文字や記号を用いて書き表すことという意味です。

【例文】「表記」の使い方

書き記す/書き記された文字や記号自体のことを「表記」と言います。

具体的には以下のような使い方をすることが多いので、参考にしてみてくださいね。

<「表記」を使った例文>

1. 教科書の表記に誤りがあったため、訂正が必要になった。
2. この文書は古い表記法で書かれているため、読むのが難しい。
3. 表記の揺れがあると、情報の一貫性が損なわれる。
4. 名前の記入欄はローマ字表記で記載してください。
5. 彼の名前は「隆司」ではなく「高志」と表記するのが正しい。

「表記の誤り」とは、教科書や商品パッケージなどに本来記載されているべき情報が間違っていたときに用いられます。

また、自分の個人情報を書き込む際に「ローマ字表記で記載」と書かれていたら、漢字ではなくローマ字で記載する必要があります。記載方法の指定を指示するときにも「表記」がよく使われますよ。

「標記」の意味

「標記」には、タイトル(=標題)や目印などを書き記すという意味があります。

ビジネスシーンでは「標記の件」という表現をよく使い、この場合の「標記」はビジネスメールの件名や文書の題名のことを指しています。

「表記」は文字の書き方自体を意味するのに対して、「標記」は件名や題名などのタイトルを意味しています。

この違いを理解しておくと、どちらを用いたらよいのか考えやすくなりますよ。

【例文】「標記」の使い方

件名や題名など、目印となるタイトルのことを「標題」と言います。

主にビジネスシーンで使われることが多く、左記に記したタイトルのあとに続けて「標題の件について、~~~」と記載すると、2回同じことを書かずに済みます。

<「標記」を使った例文>

1. 標記の件について、詳細なスケジュールを作成いたしました。
2. 標記の件に関する会議を来週の月曜日に設定いたします。
3. 標記の議題について、〇〇さんから進捗報告をお願いいたします。
4. 標記の件ですが、先方の都合がつかず日程が変更になりました。
5. 標記の件について、早急にご対応いただけると幸いです。

「表記」と「標記」の意味の違いをふまえると、上記のような例文において「表記の件」とは使わないことが分かります。

「標記の件」という表現は、ビジネスシーンで無駄な重複を避け、スムーズにコミュニケーションを進めるときに活用できます。

「標記」と「表題」は同じ意味で使える

前述の通り「表記」と「標記」には意味の違いがあることが分かりました。一方で「表題」という言葉がありますが、こちらは「標記」と同じ意味で使えます。

漢字が似ていて間違えやすいですが「表題」も「標記」と同じように文書やメール全体のタイトルを指す言葉です。

ビジネスシーンでは「表題の件について、~~~」「表題の件につきまして、~~~」といったように、本文がタイトルと重複しないように何の話題について話しているのかを明確にしたい場合に使える表現です。

ちなみに「標題」は、文書の中の見出しのことを意味するので、全体のタイトルのことは指しません。したがって、メールの件名や文書全体の題名を示すときは「標記」または「表題」が適切です。

<標記・表題・標題の違い>

標記/表題 文書全体のタイトル・メールの件名 のこと。
標題 文書を構成する各章につける見出し のこと。

ビジネスシーンで「標記の件」を使うときの注意点

「標記の件について」「標記の件ですが」は、文書のタイトルやメールの件名を省けるのがメリットですが、使用する状況を見極める必要があります。

例えば、会議で「標記の件について、~~~」と、議題の要点となる事項を省略して話始めると、人によっては「何の話だっけ?」と議題を理解する手間がかかってしまうかもしれません。

公式な場で、全員が共通認識を持って議題を進行しなければならないような場面では「標記の件について」を使わず、あえて議題を繰り返し伝えた方がいいこともありますよ。

一方でビジネスメールでは、件名を読んだあとにもう一度同じことが書かれていると冗長な印象がある場合もあるので、状況によって使い分けるようにしましょう。

覚えておきたい!「標記の件」の言い換え表現

文書の題名やメールの件名など、タイトルを指す時に使う「標記の件」には、いくつかの類語表現が存在します。

ビジネスシーンで活用できる類語表現も多いので、覚えておくとよいでしょう。

「上記の件」「下記の件」

「上記の件」「下記の件」は、文書やビジネスメールにおいて、すでに述べた内容やこれから述べる内容に対する言及が必要な場合に使用します。

文章が冗長になるのを避けつつ、述べている内容が何についての話なのかを明確にできる便利な表現です。職場内でのチャットでも使いやすいですよ。

<例文>

  • 上記の件でご質問がありましたら、遠慮なくお問い合わせください。」
  • 下記の件について、ぜひご意見をお聞かせください。」

「前述の通り」「先述の通り」「上述の通り」

前述の通り 直近の文脈や同一文書内の先に述べた内容に言及する時に使う。
先述の通り 以前の会議や異なる文書・メールなどで述べられた事項に触れる時に使う。
※「前述の通り」と同じ意味で使う場合もある
上述の通り 文書や報告書などで、上の部分ですでに説明した事柄を改めて指すときに使う。

これらの表現を活用すれば、特定の情報が以前にも触れられていることを明示し、その情報の重要性を再度強調できます。

口頭で使う場合には「先ほど述べたように」というと、より自然に使えますよ。

<例文>

  • 前述の通り、本件に関する最終報告書の提出期限は来月の15日となります。」
  • 先述の通り、新しいガイドラインは来週から適用されます。」
  • 上述の通り、予算の再配分を行う必要があります。」

「ご記載の件」

「ご記載の件」は、相手が書面やメールで書いた内容に対して言及する際に使用します。これにより、要点の繰り返しを避け、具体的な問題点や提案に対する返答や対応を示せます。

相手から送られてきたメールに複数の議題が含まれている場合は「ご記載の件について」と言うと、どの話題についての話なのかが分かりにくいので、状況に合わせて使うかどうか検討してみてください。

<例文>

  • ご記載の件につきまして、詳細を検討した結果、以下の解決策を提案いたします。」
  • ご記載の件について、早急に対応いたします。」

その他、要点を省いて話すときに使える表現

対話の状況に合わせて使える「標記の件」の言い換え表現をご紹介します。

タイトルを示す「標記」ではなく、前に展開された話の続きや、お互いに共通認識を持っている要点について話したいときなどに使えるので、ぜひ活用してみてくださいね。

1. ご指摘の件について、すでに原因を特定し、修正いたしました。今後このような問題が再発しないよう、対策を強化してまいります。」
2. 「先日お伝えした件について、追加の情報を入手しましたので、メールにて資料をお送りしました。」
3. 「先週ご相談させていただきました件に関して、フィードバックを反映し提案書を修正いたしました。お手すきの際に、ご確認いただけますと幸いです。」
4. 「メールにてお知らせいただきました件について、現在課内で検討中です。今週中には回答させていただきます。」

まとめ

「表記」と「標記」の意味の違いや、それぞれの使い方をご紹介しました。「表記」「標記」「表題」「標題」など、似た言葉の正しい使い方を知っておくと、ビジネスシーンでの会話がよりスムーズになりますよ。

そのときの状況を見極めつつ「標記の件について」「表題の件について」といった表現を使いながら、メールや文書をすっきりと分かりやすく書けるようになりましょう!

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