2024.03.21

「ちなみに」は敬語ではない?正しい使い方とよくある間違いを解説!

「ちなみに」は敬語ではない?正しい使い方とよくある間違いを解説!

会話や文章において、ふとした瞬間に「ちなみに」という言葉を使うことがありますが、その使い方に自信はありますか?正しく使えていますか?

この記事では「ちなみに」という表現の敬語としての適切性、正しい使い方を例文と共に紹介。また、「ちなみに」を使う際のポイントや言い換え表現についても詳しく解説します。

この記事を通じて、「ちなみに」の使い方をマスターし、より豊かで効果的なコミュニケーションスキルを向上させましょう!

「ちなみに」とは?

「ちなみに」を辞書でひいてみましょう。

■「ちなみに」(参考:デジタル大辞泉
[接]前に述べた事柄に、あとから簡単な補足などを付け加えるときに用いる。ついでに言うと。

[補説]
あとに「言う」などの動詞を伴って「ちなみに言えば」「ちなみに申しますと」のように、副詞的にも用いる。

「ちなみに」とは、話の流れのなかで付加的な情報や補足説明を加える際に用いる接続詞です。本筋から少し脇にそれる情報や、関連するが直接的な話題ではない内容を紹介するときに使います。

例えばある話題について説明した後、それに関連して少し余談や追加の情報を提供したい場合に「ちなみに、~」という形で続けることができます。

「ちなみに」は敬語?

「ちなみに」は敬語ではありません。

日常会話やカジュアルな文脈で使われることが多い表現で、友人、家族、同僚などの比較的親しい関係の人との会話で使うのに適しています。

ビジネスシーンで上司や取引先、公式な文書で使う場合は、言い換えを検討すると良いでしょう。

「ちなみに」の言い換え表現については、こちらのセクションで紹介します。

「ちなみに」を使うタイミングと例文

「ちなみに」を使うタイミングを紹介します。例文も併せて解説しますので、使い方のイメージを高めてください。

補足情報の提供

話の本流に沿って、追加で関連情報やデータを提供したい場合に使います。これにより、聞き手がより深く理解できるようになります。

■例文
「このスマートフォンのバッテリーの持ち時間は約18時間です。ちなみに、急速充電機能も備えており、30分で80%まで充電できます。」

余談や興味深い事実の紹介

本題からは少し外れるが、話題に関連する面白い事実や余談を共有したい時に利用されます。これにより、会話や文章に彩りを加えることができます。

■例文
「この街はコーヒー文化が盛んで、多くのカフェがあります。ちなみに、ここには日本で最初に開店したカフェもあるんですよ。」

個人的な経験や意見の挿入

自分の個人的な経験や意見を話の中に織り交ぜたい場合に使用します。これは、話に個性や説得力を加えるために役立ちます。

■例文
「最近、仕事の効率化のためにタイムマネジメントの本を読んでいます。ちなみに、個人的にはポモドーロテクニックが特に役立っています。」

※ポモドーロテクニックは、集中力を維持しながら生産性を高める時間管理の方法の一つです。タイマーを25分にセットしてタスクに取り組み、5分間の短い休憩を取ります。

「ちなみに」を使うときのポイント

「ちなみに」を使う場合は以下のポイントに配慮しましょう。

「ちなみに」は漢字でも書ける

「ちなみに」はひらがなで書かれることが多いですが、漢字では「因みに」と書きます。

「ちなみに」は口頭でも文書でも使える

「ちなみに」は口語的なニュアンスが強く、親しみやすい会話やライトな文書で見られることが多いです。

フォーマルな書き言葉や公式文書では「因みに」と漢字で書かれることもありますが、カジュアルさもあるため、より文語的な表現や他の言い回しにすることも検討すると良いでしょう。

「ちなみに」は話題転換で使わない

冒頭で触れた通り「ちなみに」は補足情報を提供する際に使います。そのため話題を変えるために「ちなみに」を使うのは適切ではありません

文法的な観点を除いても、完全に異なる話題への転換で「ちなみに」を使用することは、場合によっては少し無理があるように感じられ、混乱を招く恐れがあります。

「ちなみに」は質問で使わない

冒頭で触れた通り「ちなみに」は補足情報を提供する際に使います。そのため「ちなみに」と前置きし、相手から情報を引き出すような質問形式で使うのは適切ではありません。「ちなみに、◯◯?」といった使い方は、人によっては強い違和感や不快感を抱きます。

「ちなみに」は過度に使わない

「ちなみに」の過度な使用は避けましょう。頻繁に使いすぎると、メインの話題から逸れやすくなり、聞き手が本来のポイントを見失う原因になりかねません。

ビジネスシーンでは簡潔な情報伝達が求められるため「ちなみに」を使いすぎると、話がまとまっていない冗長な印象を与えてしまう恐れがあります。

「ちなみに」と「ところで」は異なる

「ちなみに」と「ところで」はそれぞれ異なる状況で使用されるべきであり、単純に言い換えることはできません。

「ちなみに」は、話の流れに沿って補足情報や関連情報を加える際に使用されます。これは、すでに話している内容に少し追加するような形で使われ、話題が完全に変わるわけではありません

一方で、「ところで」は話題を完全に変えるときや、新しい話題を導入する際に用いられます。これは、前の話題とは関係ない新たな質問や話題を持ち出す場合に適しています。

「ちなみに」の言い換え表現

ここでは「ちなみに」と同じまたは似た意味を持つ、類語や言い換え表現を紹介します。これらの言い換え表現を選ぶ際には、伝えたい情報の性質や文脈、そして聞き手や読み手に最も適した表現を選びましょう。

また

使い方

新しい情報を提供する際や、話題に追加の情報を提供する際に使用します。

ニュアンスの違い

「ちなみに」と比べて、より幅広い情報の追加や連続した情報の提示に用いられます。

補足すると

使い方

既に提供した情報に追加の情報や詳細を提供する際に使います。

ニュアンスの違い

「ちなみに」よりも明確に情報の補足を意図しており、より具体的な追加情報を伝える際に適しています。

なお

使い方

文書や報告、説明の中で、追加情報や注意点を伝える際に使用されます。

ニュアンスの違い

フォーマルな文脈で用いられることが多く、「ちなみに」と比べて公式の文書やビジネスの場で好まれます。

加えて

使い方

リストや列挙の際に、さらなる項目を追加する意味で使われます。

ニュアンスの違い

「ちなみに」と比べて、情報の追加がより体系的であることを示します。

その上

使い方

すでに述べた事項にさらに情報を重ねる際に使用します。

ニュアンスの違い

「ちなみに」とは異なり、重要性を強調する意味で使用します。

付け加えると

使い方

追加の情報やコメントをする際に使用します。

ニュアンスの違い

「ちなみに」と似ていますが、より意図的に特定の情報を追加していることを示します。

ついでに

使い方

ある行動や話題の中で、別の事項や情報を便宜上加える際に使われます。

ニュアンスの違い

「ちなみに」と比較して、行動や情報の追加がもともとの目的に付随する形で行われることを示します。

余談ですが

使い方

本題から少し逸れた興味深い情報や補足を加えたい時に使います。

ニュアンスの違い

「ちなみに」よりも話が本筋から離れることを前提としており、より話題の転換に近い使い方をします。

まとめ

  • 「ちなみに」とは、話の流れのなかで付加的な情報や補足説明を加える際に用いる接続詞
  • 「ちなみに」は敬語ではない
  • ビジネスシーンで上司や取引先、公式な文書で使う場合は、言い換えを検討すると良い
  • 漢字では「因みに」と書く
  • 「ちなみに」は口頭でも文書でも使えるが、カジュアルな表現
  • 「ちなみに」は話題転換で使わない
  • 「ちなみに」は質問で使わない
  • 「ちなみに」は過度に使わない
  • 「ちなみに」と「ところで」は異なる
  • 「ちなみに」の言い換え表現には「また」「付け加えると」などがある

本記事では「ちなみに」という表現の敬語としての適切性、正しい使い方を例文と共に紹介。また、「ちなみに」を使う際のポイントや言い換え表現についても詳しく解説しました。

「ちなみに」という接続詞は、日常会話やビジネスコミュニケーションにおいて、情報を付け加える際や興味深い事実を共有するときなどで役立ちます。

しかし、間違えがちな「話題転換」や「質問」などで使ってしまうと、混乱を招いたり相手を不快にさせてしまったりする可能性もあるため使い方には注意しましょう。


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