2024.03.22

「敬称略」とは?正しい使い方やポイントを解説!

「敬称略」とは?正しい使い方やポイントを解説!

報告書やリスト作成で「敬称略」を正しく使えていますか?

この記事では、敬称の基本から、「敬称略」を使うタイミング、使う理由、使い方のポイントについて詳しく解説しています。

「敬称略」とは?

「敬称略」の意味と、敬称を省略する理由について解説していきます。

「敬称」とは何か

まず「敬称」の意味を確認していきましょう。

■「敬称略」の意味 (参考:デジタル大辞泉

  • 1. 人名や官職名などの下につけて、または単独に用いて、その人に対する敬意を表す語。
      「様」「先生」「閣下」など。
  • 2. 相手または相手方の事物について、敬意を表す言い方。
      「あなた」を「貴兄」、「相手の原稿」を「玉稿」という類。

敬称とは、人に対する敬意を表すために名前の前後に付ける言葉です。日本語では、相手に敬意を示すために「さん」「様(さま)」などが使われます。

敬称は、相手の社会的地位、年齢、性別、関係の親密さなどに応じて使い分けられます。

敬称を使うことは、相手への尊重を示すとともに、社会的なマナーや礼儀を守ることを意味します。

敬称の種類

敬称にはいくつかの種類があります。その種類と使い方を以下の表にまとめました。

敬称 使い方 使用例
さん 一般的な敬意を表す。ビジネスシーンでもプライベートでも使用される。 山田さん
様(さま) より高い敬意を表す。ビジネスシーンやフォーマルな場でよく使用される。 山田様
先生 教師や教授など、教育者や一部の専門職に対して使用される。 山田先生
博士(はくし) 博士号を持つ人物、または研究者に対して使用される。 山田博士
各位(かくい) 複数の人への手紙やメール、通知などで使われる敬称。会議の案内や一斉通知など、特定のグループや多数の人々に対して使用される。 関係者各位
御中(おんちゅう) 主に企業や団体、組織名が宛名の場合に使用される敬称。個人宛ではなく、その組織内の適切な部署や人に届けられることを期待して使用される。 株式会社〇〇 御中

「敬称略」とは

「敬称略」は「けいしょうりゃく」と読みます。

「敬称略」とは、手紙やメール、文書などで相手の名前の後に通常付けられる敬称(例:「様」「さん」等)を省略することをあらかじめ宣言する表現です。

これは、公式な文書や一斉送信されるメール、または名簿やリストなど、多くの名前を列挙する際に、敬称を一々記載しないことを示します。

「敬称略」を使うタイミング

このセクションでは、「敬称略」という表現が適切に使われるべきタイミングや状況について、具体的な例と共に解説します。

効率性やスペースの節約が求められる場合

文書や表、プレゼンテーションのスライドなど、限られたスペースを有効に使う必要がある場合に「敬称略」とすることがあります。

多数の人名を文書やリストに記載する場合

報告書や名簿など、文書で多数の人名を挙げる場合に「敬称略」と記載することがあります。

以下にいくつか具体例を挙げて説明します。

  • プロジェクトメンバーのタスク配分表
    プロジェクト管理で使用されるドキュメントやスプレッドシート内で、メンバーの名前を敬称無しで列挙する際には、「敬称略」を用いることでリストをすっきりとさせることができます。
  • 会議の出席者名簿
    参加者が多い場合、効率性や実用性の観点から「敬称略」を使用することがあります。
  • 会議の議事録
    議事録では、発言者の名前を繰り返し記載する必要があるため、敬称を略すことが一般的です。これにより文書が読みやすくなります。
  • イベントなどの協賛一覧
    大量の企業名や個人名を列挙する際には、「敬称略」を用いることでリストをすっきりとさせることができます。
  • 表彰する受賞者一覧
    表彰式などでは、多くの受賞者を紹介する必要があるため、「敬称略」を明記し、名前のみを列挙することがあります。
  • クラスリストや学生名簿
    学校や教育機関が使用する名簿で、生徒や学生の名前をシンプルに列挙する際に「敬称略」を用いることでリストを見やすく、すっきりとさせることができます。
  • 研究報告や学術論文の謝辞
    論文や報告書では、研究に貢献した人々や団体を列挙する際に敬称を省略することが一般的です。

多数の人名を読み上げる場合

文書で多数の人名を挙げる場合と同様に、多数の人名を読み上げる際にも「敬称略」を使うことができます。

以下にいくつか具体例を挙げます。

  • スポーツ大会の表彰式
    参加者や受賞者の名前を紹介する場合。
  • 学術会議やセミナー
    講演者や参加者を紹介する場合。
  • 企業の全体会議
    業績優秀者や新入社員など、多数の社員の名前を紹介する場合。
  • 卒業式や入学式
    卒業生や新入生の名前を読み上げる場合。
  • チャリティーイベントや寄付者の感謝を表する場
    多数の寄付者や支援者の名前を紹介する場合。
  • 会議やイベント
    主催者が参加者の名前を紹介する場合。

敬称を省略する理由

敬称を省略する理由はさまざまです。以下にその理由をピックアップし、解説していきます。

文書の形式を統一するため

全ての名前に対して一貫した扱いをすることで、文書全体の読みやすさと専門性を保ちます。

スペースの節約

特に紙面や画面のスペースが限られている場合、敬称を略すことで見やすくすることができ、簡潔に情報を伝えることができます。

作業の効率化、時間の節約と流暢性

名簿やリストを作成する際、敬称を一つ一つ付ける作業を省略することで作業時間を短縮できます。

イベントや会議などで時間が限られている場合、各人名の後に敬称を付けると読み上げに時間がかかります。敬称を略すことで、スムーズに進行できます。

公平性の維持

特定の人にだけ敬称を付けると、他の人との間で不公平が生じる可能性があります。敬称を一律に略すことで、全員を平等に扱うことができます。

文書やリストで「敬称略」を使用する例

文書で「敬称略」を使う場合の参考例を紹介します。

【例1】メールで会議の参加者を連絡する場合

件名: 新プロジェクトのメンバーのお知らせ

プロジェクトチームの皆様

お疲れ様です。
新プロジェクトのメンバーが確定しました。
2/20の会議に参加予定のメンバーは以下の通りです。
時間と場所の詳細は後ほどお知らせします。

▼参加者リスト(敬称略・順不同
・山田
・佐藤
・田中
・鈴木
・伊藤

ご確認のほどよろしくお願いいたします。

【例2】表彰式の受賞者発表

表彰式プログラム

この度の年間表彰式において、優れた成果を挙げた社員を以下に発表いたします。各受賞者には、式典にて記念品と賞状が授与されます。

■受賞者(敬称略
小林(最優秀社員賞)
高橋(革新的プロジェクト賞)
中村(チームワーク賞)
小野(顧客満足度向上賞)

皆様の前での表彰を楽しみにしております。

口頭で「敬称略」を使用する例

多数の人名を読み上げる場合にも「敬称略」を使うことができますが、どのようなタイミングや言い方をするのか気になるのではないでしょうか。

このセクションでは参考までにスクリプト(台本)の例を紹介します。

口頭での使用は、司会者やプレゼンターが登壇者の紹介や表彰者の名前を読み上げる前に「以下の名前は敬称略で読み上げさせていただきます」とアナウンスする場合が多いです。

イベント司会者やプレゼンターの場合

「本日は、当イベントにご参加いただき、誠にありがとうございます。これから、本イベントのスポンサー企業の皆様、そして、特別なゲストの方々をご紹介させていただきます。敬称略での紹介とさせていただきます。」

学術会議やセミナーでの講演者紹介

「引き続き、本セッションで発表を行う研究者の方々を紹介させていただきます。お時間の都合上、敬称を省略させていただきます。」

企業の内部ミーティングや表彰式での使用

「次に、この四半期の優秀な成績を収めた社員の方々を発表します。なお、敬称については省略させていただきます」

「敬称略」を使うときのポイント

「敬称略」を使う場合は以下のポイントに配慮しましょう。

記載忘れに注意する

「敬称略」を使用する際に最も重要なポイントの一つは、その旨を文書や名簿の冒頭など、適切な場所に明確に記載することです。

「敬称略」を記載したり伝え忘れたりすると、ただの呼び捨てになってしまいます。意図せず相手に不快感を与えたり、失礼にあたる印象を持たれたりするリスクがあります。

「敬称略」を記載する際のポイント

  • 文書の冒頭
    文書やリストの最初に「敬称略」と明記し、全体にわたって敬称を省略する旨を宣言します。
  • 一貫性の維持
    一度「敬称略」と宣言した後は、文書内で一貫して敬称の省略を維持することが重要です。

「敬称略」を使う場合は明確にする

文書や口頭で情報を伝える際には、「敬称略」であることを明確にしましょう。これにより、敬意を欠くものではないことを受け取り手に理解してもらうことができます。

「敬称略」は大人数の場合に使う

少人数の場合に「敬称略」を使うとマナー違反と捉えられる可能性があるので注意が必要です。

敬称は、相手に敬意を表すために使います。そのため、個々の名前に敬称を付けられる場合は、省略しないのが望ましいでしょう。

「敬称略」を使える数に明確な決まりはありませんが、一般的には10以上の場合に使用するのが目安とされています。

「敬称略」と「順不同」を併記することも検討する

「敬称略」を使用する際に「順不同」と併せて記載することで、列挙される名前や項目が特定の順序を示すものではないことを明示できます。

【例】
▼参加者リスト(敬称略・順不同
・山田
・佐藤
・田中
・鈴木

二重敬語に注意する

「敬称略」を使用する場面で、意図せずに「二重敬語」を使ってしまうことがあるので注意です。

二重敬語とは、一つの表現の中で敬称を重ねてしまう誤った敬語のことを指します。たとえば、「○○先生」という敬称にさらに「様」を付けて「○○先生様」と表現することです。

これは冗長かつ不適切な表現とされ、言葉の美しさや正確さを損ねることになります。

  • 「○○先生」または「○○様」
    教育者や専門家に対しては「先生」を、その他の場合は「様」を使用します。どちらか一方の敬称だけを選んで使用するのが適切です。
  • 役職名の使用
    「佐藤社長」「鈴木部長」など、相手の役職名を敬称として用いる場合、これに「様」を付け足す必要はありません。役職名自体が既に敬意を示す表現となっています。

まとめ

  • 敬称とは、人に対する敬意を表すために名前の前後に付ける言葉
  • 敬称には、「さん」「様」「各位」などがある
  • 「敬称略」は「けいしょうりゃく」と読む
  • 「敬称略」とは、通常付けられる敬称を省略することをあらかじめ宣言する表現
  • 「敬称略」は多数の人名を文書やリストに記載したり、読み上げたりする際に使われる
  • 敬称を省略することで、スペースを節約したり、公平性を維持したりできる
  • 「敬称略」を使うときは記載漏れに気を付け、10人以上など大人数の場合に使用する
  • 「敬称略」を「順不同」と併記すると、特定の順序を示すものではないことを明示できる
  • 「○○先生様」のような二重敬語に気を付ける

本記事では、敬称の基本から、「敬称略」を使うタイミング、使う理由、使い方のポイントについて詳しく解説しました。大人数を対象としたコミュニケーションや、公式な場での発表、さらには日々のビジネスメールにおいて役立つことでしょう。

敬称を省略することは、効率性の追求やスペースの節約、一貫性や公平性の確保など、さまざまな理由があります。

最後に、コミュニケーションは相手への敬意から始まります。敬称を略すことが適切な場面を見極めること、そしてそれを明確に伝えることが、相手への尊重と効果的な情報伝達のバランスを保つ鍵です。

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