簿記は就職の役に立たない?有利なのは2級から?学ぶメリットや有利な就職先を解説!

簿記は就職の役に立たない?有利なのは2級から?学ぶメリットや有利な就職先を解説!

「簿記を持っていても就職で有利になはならない」という話は本当でしょうか。
せっかく頑張って取得したのに役に立たないのであれば残念ですし、これから勉強をして取得しようと考えている方にとってはモチベーションの下がってしまう話です。
実際のところ、簿記は就職で役に立つ場合もあれば、あまり役に立たない場合もあります。
この記事では、簿記が就職に役立たないと言われてしまう理由をお伝えし、就職に簿記が役に立つ場合とそうでない場合はそれぞれどのような場合かをお伝えします。
さらに、簿記の勉強のメリットも併せてお伝えします。

簿記を就職活動に活かしたい方、簿記を取得しようか迷っている方におすすめです。

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簿記とは?

簿記とは?

 

簿記とは、企業の日々の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能です。決済書の作成等に利用されます。

わかりやすく言えば、企業のお金や物の出入りを記録するスキルです。
簿記を理解することは、企業において実務的な処理を行う経理業務には必須であるといえます。

また、簿記を理解することにより会計知識のみならず、財務諸表を読む力、基礎的な経営管理や分析力が身につきます。これにより、ビジネスに必要となるコスト感覚を身に付けることもできます。

一般的に「簿記」と言われる資格は、日商簿記検定試験、簿記実務検定試験(全商簿記)、簿記能力検定(全経簿記)などがあります。

この記事では最も一般的に広まっていて、就職に役立つとされる日商簿記についてお話しします。

日商簿記は、日本商工会議所の検定資格で、5つの級に分かれています。原価計算初級、簿記初級、3級、2級、1級の順に難易度が上がっていきます。

簿記が就職の役に立たないとされる理由

簿記はなぜ就職の役に立たないと言われるのでしょうか。理由をこれからお伝えします。

役に立つ職種が限定的

簿記が就職の役に立たないとされてしまう理由は、簿記の知識が活かされる業務領域が限定的だからです。

簿記の知識が活かされる就職先は、企業の会計業務を行う経理部門や財務部、または会計・税理士事務所や監査法人などです。とても専門的で業務領域としては狭いと言えます。

実務経験の方が優先されやすい

経理や財務の求人をしている企業の多くは、即戦力となる経験者を優先します。

簿記の資格を持っていることよりも、実際に企業で経理などの経験を積んだ人を採用したいと考えます。そのため、資格を持っていても有利になるとは限りません。

持っている人が多くいる

簿記は人気の資格であり、資格を持っている人が多いためアドバンテージにはならないことも多いです。日商簿記は、年間60万人が受験するそうです。

3級などでは、独学や短期の勉強で取れる可能性もあるため、資格保持者は多いです。このため、3級を持っていても他の求職者と差別化するのは難しいと言えます。

就職活動で簿記を資格として有利に活かすためには、上位の級が必要です。
1級であれば、専門知識の量が多くなり取得が難しくなるので、資格を持っていることが人材としての価値になります。

経理を外注する企業もある

経理の専門職または専門部署として人材を確保できる企業は、ある程度大きな企業に限定されます。

中小企業やベンチャー企業では、財務部や経理部などがない企業も多く、外部の会計事務所に会計業務を委託している企業が多いです。
その様な場合には、会計業務を行う人材を雇うための求人枠がありません。

将来必要無くなると言われている

将来AIに取って代わると言われる仕事があります。その一つに、経理事務員なども含まれているため、会計業務や簿記も必要なくなるのではないかと考える方もいます。

確かに、経理の機械的な入力業務や単純な集計などの業務の一部は今後AIによって少なくなると考えられます。

しかし、AIには財務データの正誤や良し悪しを判断することができないため、今後も簿記の知識や仕事は必要になるでしょう。

簿記を学ぶメリット

簿記を学ぶメリット

 

簿記は役に立たないという意見もありますが、就職活動に役立つポイントはしっかりあります。以下に簿記を学ぶメリットについてお伝えします。

経理部門はほとんどの企業にある

前述の内容とは一部反しますが、ある程度の規模の企業であれば、業種や業界を問わず経理部門があるのが一般的です。経理・会計業務自体が必要ない企業はなく、簿記の知識を活かせる業界は幅広いと言えます。

書類選考で有利になる可能性がある

経理部門であれば、簿記の資格を持っていないより持っている方が有利だと考えられます。資格が無いより経理の知識があると判断されやすいからです。

経理職の求人の中には、条件として「簿記2級以上」としている企業もあります。

経理部門への就職を希望する場合には、簿記の資格があった方が良いでしょう。資格を持っていることで、経理の仕事への意欲があることも示す事ができます。

経理の仕事内容について勉強になる

職務内容として経理を志望しているならば、簿記の勉強によって事前に勉強しておける意義は大きいです。

資格の勉強を通して総合的に知識を得られるので、実務として経理に従事した場合に理解の速さが変わってきます。
また、簿記を勉強してみることで、経理の仕事内容を理解することができ、自分の適性の有無を判断することもできます。

企業の財務状況を確認できる

簿記の知識により、公開されている企業の財務諸表を読み取り分析することができる様になります。これにより、企業の財務状況から経営状態の良し悪しを把握することができます。

気になる企業の経営状況を調べたり、経営状況のよい企業をピックアップしたりすることで就職活動での企業選びに役立ちます。

簿記は何級から有利?

簿記を持っていることで就職や転職に有利になるには、何級を取得すれば良いのでしょうか。簿記のそれぞれの級について、難易度や合格率についても解説します。

簿記3級は入門レベル

簿記を始めて受ける場合に何級から始めたらよいかというと、3級から受けることをおすすめします。

商工会議所によると、3級は「業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき『必須の基本知識』」とされています。

3級は初めて経理を学ぶ人向けの入門資格として、着実に知識を積み重ねることができます。

合格率は、回ごとでまちまちで、20%を下回る回もあれば60%を超える回もあり一概には言えません。平均すると45%程度です。
それほど難関資格ではありませんが、簿記の勉強のスタートをするためには良いモチベーションになります。

簿記2級以上の取得がおすすめ

就職に活かすのであれば、2級以上を取得するのがおすすめです。

簿記2級の合格率は、回ごとでまちまちであり、10%を下回る回もあれば30%を超える回もあるので一概には言えません。しかし、3級と比較すると格段に合格率は低くなっています。

就職活動のために2級以上がおすすめできる理由を以下に解説します。

簿記2級は実務的な要素が多い

商工会議所によると、2級は「高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル」とされています。

財務諸表の作成だけでなく、記入数字がどんな意味を持つかを理解し、経営内容を把握できる知識を求められます。試験での財務の要素も多くなり、試験時間も長く、計算も難しくなります。

このため、2級を持っていると、実際の企業での経理の内容に近い実務的な知識を持っていると見なされます。

簿記2級以上を必須としている経理の求人もある

経理の求人では、企業によっては簿記2級以上を条件としている場合もあります。経理経験者または簿記2級取得者、という求人もあります。

経理業務に簿記の知識は必須となるため、企業側もある程度専門的な知識または経験を持っている人材を採用したいと考えます。

経理の採用選考の土俵に乗るために、簿記は有利であると言えます。

昇給や手当などの制度を設けている企業もある

簿記を昇給資格にしたり、資格手当などの制度を設けている企業もあります。

資格手当は、3級ではもらえないところが多いですが、2級で1,000円から5,000円、1級で1,000円から10,000円ほどもらえる企業が多いようです。

資格手当は大きな金額ではなかったとしても、資格取得へのモチベーションになると言う点で嬉しいですね。このような企業は、社員が簿記の知識を持つことを会社として奨励していると言えます。

簿記1級は難関だが就職に大いに活かせる

簿記1級を取得すれば、就職に大いに役立ちます。

商工会議所によると、簿記1級は「極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル」とされています。

合格すると税理士試験の受験資格が得られます。将来、公認会計士や税理士などの国家資格取得を目指す場合にも多くの人が取得します。

簿記1級は実務に直結する知識とスキルを持つとされるものであり、経理職に留まらず様々な場面や職業で役立ちます。

簿記の資格を就職で役に立たせるには?

簿記の資格を就職で役に立たせるには?

 

実際に簿記の資格を就職活動で活かすにはどの様にしたら良いでしょうか?

ただ資格を取っただけ、持っているだけでは就職活動で活かすのは難しいでしょう。

なぜ資格を取得したのか、また、その資格や知識をどう仕事に活かせるかをアピールする必要があります。例えば、「経理状況を分析する力を、◯◯の業務に活かせます。」など具体的に伝えます。
また、資格を持っている場合、資格取得に至るまでの過程も評価されます。

難関資格であれば、その資格を取得するために、努力や工夫も必要ですし、計画力や実行力も必要になります。資格取得をするための過程で身につけたスキルなどもアピールできるでしょう。

また、年齢や経験は資格と同時に採用側が見ているポイントです。
転職市場で、特に30代以上の求職者は、資格に加えて実務経験も求められるでしょう。

簿記の資格が有利に働きやすい就職先3選

簿記の資格取得が有利に働きやすい就職先について、それぞれ解説します。

経理部門

経理部門は、簿記の知識を活かすことができます。

簿記はそもそも企業のお金や物の出入りをまとめ記録するための知識です。

経理・総務・労務管理などの業務には、簿記2級で身につく「仕訳」という知識が必要です。簿記2級の知識を持っていれば、業務についた場合に、すぐに用語の示す意味や必要な業務を理解し、仕事を進めていくことができます。

簿記の勉強で学んだ知識を実践しながら、資格の取得直後よりも、さらに知識を深めていく事ができます。

営業部門

営業部門でも、簿記の知識を活かす事ができます。

営業相手先企業の経営状況を把握することで、財政状況にあったセールスプランを立てたり、企業の問題解決のための提案ができるようになります。
「原価率」「減価償却」「決算書」「回転率」などを理解、活用し、プランを立てたり、営業をかけることができます。

顧客となる企業の財務諸表などから営業先を選んだり優先順位を立てるなど、営業戦略を立てることにも役立ちます。

会計事務所・税理士事務所

会計士や税理士などは企業の会計業務に関わる仕事です。

簿記の勉強をすると、帳簿をつけたり、税金の申告や会計を行ったり、有価証券報告書を読み取るための知識やスキルを学ぶことができます。

税理士や公認会計士の資格がなくても、簿記の資格を持っている事で、資格を持っていない応募者より業務の知識があり、意欲もあると判断されます。このため、会計事務所や税理士事務所への転職が有利になる可能性は高いです。

また、事務所入所後に会計士や税理士を目指す場合にも、勉強のために簿記を取ると良いです。

まとめ:簿記は役に立つ!資格を取ったらきちんとアピールして就職を有利に

いかがでしたか。これまでお伝えしてきたように簿記は役に立つ資格です。簿記はお金の知識として様々な仕事に活かす事ができるものです。
簿記資格を取得したら、就職活動の際には有利になるように適切にアピールしましょう。
バイトルNEXTでは様々な求人を掲載しており、簿記資格を持った人や勉強中の人におすすめの仕事を探すことができます。
この記事とともに、皆様の就職活動のお役に立てれば嬉しいです。

 

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