高校中退者の就職が難しい理由って?就活のコツやおすすめの職種を紹介

高校中退者の就職は、高卒者や大卒者に比べて厳しいのが現実です。
しかし、就職が厳しくなる理由や採用されやすい職種などについて知っていれば、決して不可能ではありません。
本記事では、高校中退者の就職活動の進め方について解説していきます。
高卒認定資格についても併せて紹介しますので、進路に悩んでいる方は是非参考にしてください。
目次
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高校中退者の就職率
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まず前提として、高校中退者の最終学歴は中学卒として扱われます。
履歴書には「高校中退」と書くことができますが、応募できる求人に差がつくことはまずありません。
高校中退者の就職率については、厚生労働省がまとめた資料で確認することができます。在学の有無・最終学歴 正社員の割合 中学卒 35.4% 高校卒 56.3% 専門学校(専門課程)修了 66.6% 高専・短大卒 66.2% 大学卒 80.9% 大学院修了 84.3% (参考:厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況」)
資料によると、中卒者の正社員の割合(就職率)は35.4%とあります。
これは、大学卒の正社員割合である80.9%の半分以下であり「いかに高校中退者(中卒者)が正社員として就職するのが難しいか」ということが読み取れます。
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高校中退者の正社員就職が難しい理由
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高校中退者の就職率が低い理由として考えられるものを以下に紹介します。
就職率が低い理由を知ることは、就活にとって有効な対策にも繋がりますので、しっかり確認しましょう。企業からのイメージがよくない
企業における高校中退者へのイメージは、残念ながらよいものではありません。
高校を卒業している人の割合は80~90%で推移しており、高校卒業は当たり前という風潮があるため、中退した人に対して不信感を抱いてしまう企業は珍しくありません。
高校を中退した方の中には「どうしても止めざるを得ない理由があった」方もいますが、企業側は「我慢が出来ないのではないか」「努力を継続できないのではないか」といった、ネガティブなイメージで一括りにしてしまう場合も少なくないようです。中卒者が応募できる求人自体が少ない
前述した通り、高校中退者は中卒者として扱われますが、中卒者が応募できる求人自体が少ないのも正社員就職が難しい大きな理由の一つです。
学歴が応募要件となっている求人は多く、そのほとんどは高卒以上を条件にしています。
大企業であれば、大卒以上を条件にしていることも多いです。
そのため、書類選考の段階で落とされる場合が多いと言わざるを得ません。年齢が若すぎる
年齢が若すぎるというのも、正社員で就職するにあたっては不利に働いてしまいます。
若すぎる人は扱いづらいと考えている企業は多いので、ほとんどの求人は18歳以上を応募条件にしています。
そのため、15~17歳で高校を中退した人間は残念ながらその時点で採用の対象外となってしまいます。
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高校中退のメリット・デメリット
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この項目では、高校を中退するメリットとデメリットについて解説します。
両方を知ることで中退後の進路をより良いものにしましょう。メリット
高校の中退にもいくつかのメリットはあります。
メリットをよく知って、活かせるようにしましょう。早くから社会人経験を積める
高校中退者は高卒・大卒者よりも数年早く社会に出られるため、その分多くの経験を積めるというのはメリットの一つです。
転職などを考えた場合も、他の人よりも長い就業経験や、積み上げた技術・資格を強みにできます。
給料を貰うのも早くなるため、そのお金を将来のために有効活用することもできます。資格や進学・就職の準備ができる
学校に行かない分、自由な時間が多いという点もメリットです。
すぐ仕事に就かなければならないわけではないので、資格の取得や進学の準備などに時間を費やすことも可能です。
進学するか就職するか、今後の指針についてゆっくり考えることもできます。
ただし、ダラダラ過ごして時間を無駄遣いしないよう気をつける必要はあります。就職のライバルが少ない
高卒・大卒の場合は同期が一斉に就職活動を始めるため、ライバルが多くなってしまいます。
しかし高校中退の場合、就職先の選択肢は限られてしまいますが、タイミングが自由なためライバルは多くありません。
そのため、大卒者のような激しい競争を避けて就職活動を行うことができます。高卒の学校推薦よりも職業の選択肢は多い
高卒で就職する場合、学校推薦を利用することが多くあります。
このルートで就職活動をした場合、採用される可能性は高い反面、求人の選択肢はとても少なくなってしまいます。
しかし、高校中退で就職活動をした場合、世間にある幅広い求人から選ぶことができるため、職業の選択肢は学校推薦よりも多くなります。デメリット
一方で、高校中退には当然デメリットも存在します。
しっかりと理解してから就職に臨むようにしましょう。就職先の選択肢が減る
前述した通り、高卒や大卒を条件としている求人が多いため、高校中退者は応募すらできないことがほとんどです。
高校中退の大きなデメリットとして、就職先の選択肢が減ってしまうということは覚悟しなければなりません。
自分の望む業種・職種の求人が見つからないということも十分にあり得ます。学歴が昇進・昇給の邪魔をすることがある
中卒者と高卒者・大卒者では、社内のキャリアコースが異なる場合があります。
そのため、学歴の高い人と比べて昇進・昇給が難しいというケースも珍しくありません。
例えば、高い給料を貰える管理部門に行けるのは大卒者のみで、中卒者は現場仕事しかやらせてもらえないというケースです。
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高校中退者の就職活動のコツ
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この項目では、高校中退者の就職活動のコツを紹介します。
志望する企業・職種に就くためにも、どのような行動をとるべきなのかしっかりと把握しましょう。努力を続けられる点をアピールする
高校中退者には「高校での勉強を諦めた」というネガティブなイメージがどうしてもついてしまいます。
そのイメージは「就職した後もすぐに諦めてしまうのではないか」という不安感にも繋がります。
就職活動において大事なのは、採用担当者が持っているその不安感を払しょくすることです。
そのためには、資格の勉強やアルバイトなど、努力を続けたという具体的なエピソードを伝えましょう。資格を取得する
学歴を問わずに取れる資格を取得するのも、就職活動において有効な手段です。
資格の取得はスキル・知識があることや、学習能力の高いこと、そして努力を継続できることのアピールに繋げることができます。
特に、資格がなければ仕事ができない宅建士や行政書士といった独占業種の資格は難関ではありますが、取得できればそのまま仕事に繋げやすいためおすすめです。アルバイトから始めるのも1つの選択肢
最初から正社員での就職を目指さず、まずアルバイトから始めるのも1つの選択肢です。
当然のことながら、アルバイトの方が正社員よりも採用のハードルは低くなっています。
そのため、アルバイトから始めてスキル・知識を身に付けて転職したり、正社員登用制度がある企業などにアルバイトとして入って正社員にステップアップするルートは、いきなり正社員を目指すよりも堅実といえます。
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高卒認定資格の取得について
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高校中退者は高卒認定資格を取って進学を目指すという方法もあります。
大卒者は高校中退者よりも就職先の幅が広がりますので、希望する職種によってはかなり有効な手段と言えます。高卒認定資格とは
高卒認定資格とは、高卒と同等の学力があることを国が認定する資格です。
実際に高校を卒業することで得られる「高校卒業資格」とは異なり、最終学歴は中卒のままですが、大学・短大・専門学校の受験資格や国家試験の受験資格を得ることができます。
また、履歴書の資格欄に試験に合格した旨を記載することも可能です。
高卒認定資格を得るための高卒認定試験は、8月・11月の年に2回実施されています。
受験資格は、年齢が受験する年度内に満16歳以上になる人であり、なおかつ高校卒業資格や大検を持っていない人です。
そのため、高校中退者であればまず問題なく受験することができます。
ただし、高卒認定試験合格時に18歳未満の場合、合格者として認められるのは満18歳の誕生日からです。高卒認定試験の試験科目
高卒認定試験の試験科目は6教科14科目です。
教科 試験科目 国語 国語 地理歴史 世界史A又は世界史Bのうちから受験者の選択する1科 目及び日本史A、日本史B,地理A若しくは地理Bのうち から受験者の選択する1科目 公民 現代社会1科目又は倫理及び政治・経済の2科目 数学 数学 理科 科学と人間生活及び物理基礎、化学基礎、生物基礎又は地学基礎のうちから、受験者の選択する1科目の合計2科目、又は物理基礎、化学基礎、生物基礎若しくは地学基礎のうちから受験者の選択する3科目 外国語 英語 (参考:文部科学省「令和3年度高等学校卒業程度認定試験実施要項」)
このように、受験すべき科目数は選択科目によって異なりますが、合計8~10科目合格する必要があります。
合格に必要な科目数 公民の試験科目 理科の試験科目 8科目 現代社会 科学と人間生活を含む2科目 9科目 現代社会 「基礎を付した科目」から3科目 倫理及び政治・経済 科学と人間生活を含む2科目 10科目 倫理及び政治・経済 「基礎を付した科目」から3科目 (参考:文部科学省「令和3年度高等学校卒業程度認定試験実施要項」)
ただし、今までに取得した科目については受験が免除されます。
高卒認定試験の難易度
高卒認定試験の合格ラインは、1科目につき100点満点中の40~50点前後であるといわれています。
この合格ラインは低く思えるかもしれませんが、合格率は40%程度と厳しいものになっています。
しかし、前述した通り一度合格した科目に関しては免除されるため、一度での認定取得を目指す必要はありません。
そのため、満点に近い高得点を目指す必要こそありませんが、地道な努力を求められる試験といえます。
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高校中退者におすすめしたい就職先業界・職種
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この項では、高校中退者におすすめしたい就職先について解説します。
就職のしやすさやスキルの身に付けやすさなど、様々な特徴がありますので就職先の参考にしましょう。IT系(プログラマー・エンジニア等)
プログラマー・エンジニアといったIT系の職種は学歴や経験の有無を問わない経験が多く、実力さえ身に付ければ学歴に関わらず高収入を目指すことができます。
需要も年々増加傾向にあるため、そういった点でも目指しやすい職種です。
また、IT系の企業は研修や資格取得をサポートする制度も充実している傾向にあるので、長く活かせるスキルを身に付けたい方にもおすすめです。営業職
営業職も、学歴や経歴が重視されない傾向にある実力主義の職種です。
事前知識が不要で、働きながら覚えていくというスタンスの場合が多いのも目指しやすいポイントです。
また、一般的に女性は共感力に長けているとされているため、顧客の潜在ニーズを引き出すのに向いている傾向があり、実力主義の現場で働きたいという女性の方にもおすすめです。公務員
公務員の中には、中卒者でも就職できる職種があります。
具体的には、下記のような職種です。- ● 警察官
- ● 消防員
- ● 自衛官
- ● 国家公務員(一般職)
- ● 地方公務員(事務・技術職)
いずれの職種も試験に合格する必要があるので、就業のためには受験勉強が必須となります。
独学では難しいという方は、公務員試験のための予備校に通うのもよいでしょう。
ただし、地方によっては高卒以上を条件としている場合もありますので、気になる方は希望する自治体の役所に確認してみましょう。介護・福祉系
人材が慢性的に不足しており、高齢化社会の日本においては今後もニーズが高まっていくと考えられている職種です。
特に若い人材は貴重で、学歴や経験の有無を問われない傾向にあります。
力仕事を求められることも多いので、体力に自信のある方には特におすすめです。
介護の現場には資格が必要な仕事もありますが、そういった資格も仕事をしながら取得することができます。ドライバー系
ドライバー系の仕事は、基本的には免許さえあれば学歴・経歴が問われない傾向にあります。
人材不足の業界が多くあり、職種に関しても荷物を運ぶ配送ドライバー、タクシードライバー、バスの運転手など幅広い選択肢が存在します。
また、免許の取得費用を負担する制度を採用している会社も多く存在しますので、免許を持っていない人でも目指すことができます。
運転が好きな方はもちろん、これから運転を始めようという方にもおすすめです。販売系(アパレルショップ、携帯ショップ等)
販売職は、コミュニケーション能力さえあれば学歴や資格の有無を問われない傾向にある職種です。
ただし、大手企業はその限りではないので、志望する企業の求人はよくチェックしましょう。
お洒落が好きならアパレルショップ、機械を扱うことが好きなら家電量販店や携帯ショップなど、自分の好きなものに関する知識や熱意をそのまま仕事に活かすことができるのもおすすめできるポイントです。
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まとめ:高校中退しても就職できる!学歴不問の仕事でキャリアアップを目指そう!
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高校を中退すると、高卒や大卒に比べてどうしても就職先が限られてしまいますが、それでもポイントを抑えた対策をすれば、仕事を選んで就職することはできます。
高校中退のメリットやデメリットをしっかりと理解したうえで進路を選びましょう。
バイトルNEXTには様々な企業の募集情報があるため、高校中退しても就職できる企業を探すことができます。
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