2020.08.26

中退は履歴書にどう書く?就職で不利にならない中退理由の書き方

中退の理由はどう書く?
就職で不利にならない中退の書き方

中退の理由はどう書く?就職で不利にならない中退の書き方

高校や大学で、「中途退学(中退)」の経験がある方は、「履歴書に書くと採用に響くのではないか」と懸念したり、「中退した事実を伏せておきたい」と考えてしまったりするかもしれません。しかし、事実と異なる学歴を記載することは、経歴詐称に当たります。
ここでは、採用担当者に印象が悪くならない、履歴書への中退の書き方について詳しく解説します。面接で中退の理由について聞かれたときの対策もまとめていますので、参考にしてみてください。

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履歴書における中退の考え方

中退には、「卒業・修了しないまま学校を退学する」という意味があります。ネガティブな印象を持つ方も多いようですが、中退歴があったとしても、その後の人生で成功を収めている方も多くいます。
まずは、履歴書における中退の考え方についてご説明します。

履歴書に中退について書くべきか?

中退したことを引け目に感じるあまり、その事実を隠そうと考える方もいるかもしれません。しかし、履歴書を書くうえで大切なことは、事実を伝えること。中退歴を隠して履歴書を提出することは、学歴詐称となってしまうため、絶対にNGです。もし、事実と異なることが発覚した場合、内定取り消しや入社後には処罰の対象となるケースもあります。

なお、2014年に文部科学省が発表した「学生の中途退学や休学等の状況について」では、2012年度の1年間で7万9,311人もの学生が中退しているという調査結果があります(回答のあった高校・大学の全生徒数299万1,573人)。この数字からもわかるように、中退者はそれほど珍しくないという現状があるのです。

また、履歴書の学歴欄には学校名だけでなく「卒業」や「修了」といった修学区分を記入するスペースが設けられています。中退したからといって、こちらの修学区分を書かずに提出した場合、書いていない理由を聞かれる可能性も少なくありません。
中退したことが、後から発覚した場合のほうがマイナスです。学歴は事実をきちんと書くようにしましょう。

選考で不利になる可能性はある?

中退について履歴書に書いたからといって、必ずしも選考が不利になるわけではありません。中退の理由が前向きなものであれば、その決断を採用担当者に評価してもらえる可能性もあります。
また、採用担当者は学歴よりも「自社に適した人材であるかどうか」「その人といっしょに働きたいかどうか」といった点を重視しています。そのため、中退歴があることを素直に伝えておくほうが、信用できる人物として判断されるでしょう。

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履歴書に中退はどうやって書く?

中退歴は、具体的にどのように履歴書に記載すればいいのでしょうか。基本的な書き方としては、中退歴は履歴書の学歴欄に、年月、学校名の後ろに「中途退学」と記載します。
丁寧な印象を与えたい場合は、略語の「中退」ではなく「中途退学」と書くのがベターです。中退の書き方に関するポイントを押さえておきましょう。

高校中退の場合

高校を中退した場合、学科が複数ある学校であれば、学科名も忘れずに記載しましょう。

<高校中退の場合の書き方>
◯年◯月 △△高等学校 中途退学

大学中退の場合

大学を中退した場合、短大や大学名のほかに、専攻した学部まで記載します。

<大学中退の場合の書き方>
◯年◯月 △△大学 ~~学部 中途退学

高卒認定を取って中退した場合

高校を中退していても、国家試験である「高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)」(旧、大学入学資格検定)に合格していれば、高校卒業と同程度の学力があると見なされます。
これらの試験に合格している場合は、学歴欄と資格欄の両方に書いておくといいでしょう。

<高校を中退し、高卒認定を取得した場合の書き方>
◯年◯月 △△高等学校 中途退学
◯年◯月 高等学校卒業程度認定試験合格

履歴書の書き方イメージ

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中退の理由の書き方

中退した理由は、履歴書に必ずしも書かなければならないわけではありません。理由を書いたほうがいい場合と、書かないほうがいい場合があるため、自身の中退理由に合わせて使い分けましょう。

中退理由を書いたほうがいい場合

経済的な理由や親の介護、自身の病気といったやむをえない事情の場合は、中退の理由を記載するべきでしょう。怠けたり投げ出したりといったマイナスな理由で中退したわけではないということを、アピールできます。ただし、自身の健康上の理由で中退した場合は、入社後に病気が原因で仕事を休んだり辞めたりしないか心配されるおそれもあります。そのため、中退理由に合わせて、現在の病状なども書いておくのがベターです。

なお、中退の理由はネガティブなものばかりではありません。語学留学などのポジティブな理由で中退した場合も、学歴欄に理由を書いておくといいでしょう。
また、在学中に学びたいことが変わり、別の専門学校や大学に入学し直すケースも少なくありません。自己PR欄で中退後にやり遂げたことやスキルアップしたことなどをアピールしておけば、より説得力のある中退理由になります。

<中退理由の書き方>
◯年◯月 △△大学 ~~学部 中途退学(経済的事情により)

中退の理由を書く場合、学歴欄に記載した「中途退学」の後に、カッコを付けて簡潔に記載します。

中退理由を書かないほうがいい場合

ネガティブな理由で高校や大学を中退した場合、無理に理由を書く必要はありません。具体的には、「怠けて学校に行けなかった」「クラスや学校の雰囲気になじめなかった」「人間関係がうまくいかなかった」などの理由が挙げられます。企業からの印象を悪くしかねない理由の場合は、履歴書には書かないほうが無難です。

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面接での中退歴の対処方法

履歴書に中退歴が記載されている場合、面接でその経緯を聞かれる可能性は高いといえます。しかし、面接の受け答え次第では、好印象へと転換できることもあります。ここでは、面接における中退歴の対処法について解説します。

ポジティブな印象を与える

採用担当者は、中退した理由だけでなく、中退後の応募者がどのように行動したのかを見ています。中退した理由がネガティブなものであっても、中退後の行動によってはポジティブに捉えられることもあります。

例えば、在学中にアルバイトにのめり込み、単位を落として中退したとしても、アルバイトで何か実績を残していれば意欲のある人材だと判断されるかもしれません。また、自身のスキルアップなどポジティブな理由による中退の場合は、中退したことでできるようになったことや成し遂げたことを伝えましょう。
「中退は自分の人生にとって意味があることだった」と前向きに伝えることができれば、ネガティブな印象を払拭できるかもしれません。

くどくどと中退の理由を話さない

中退のマイナスイメージを取り除きたいからといって、中退の理由をくどくどと話すのはNGです。
質問に対して、あまりに長く理由を話すと言い訳のように聞こえるだけでなく、「何か隠したいことがあるのではないか」と疑われてしまうおそれがあります。あくまで簡潔に、ポジティブな論旨で中退理由を説明するようにしましょう。

中退の理由について面接官から深掘りされた場合

面接官によっては、中退の理由を深掘りしてくる可能性もあります。このような場合には、一つ一つの質問に対して誠実に答えるようにしましょう。面接官にとって納得できる理由であれば、評価がマイナスになる心配も少ないと考えられます。

それでも心配な方は、面接で質問されることをあらかじめ予想して、回答を用意しておくという手段もあります。例えば自身の病気を理由に中退した場合、「いつ発症したのか」「どのくらいの期間入院していたか」「現在の病状はどうなっているのか」「闘病を通して学んだことはあるか」といった質問が予想されます。
質問を予想して自身の考えをまとめておけば、面接で落ち着いて答えることができるでしょう。

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浪人や留年にはふれない

履歴書における、中退の扱い方について解説してきましたが、同じように「浪人」や「留年」といった経歴もどのように扱えばいいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

浪人は、受験結果に満足できなかった方が、1年間勉強して再度受験するというものです。また、留年は過程修了や卒業に必要な単位が足らず、進級や卒業ができなかったという経歴になります。どちらもストレートに進学・進級できなかったと考えて、ネガティブな印象を持つ方もいるかもしれません。

結論としては、浪人も留年も履歴書内でふれる必要はありません。浪人生の頃に予備校に進んだとしても正式な学歴として扱われませんし、留年した場合には、正しい入学年月と卒業年月を記載すれば、留年したという事実が相手に伝わります。
ただし、病気や家庭の都合といったやむをえない事情で長期にわたり浪人や留年した場合には、備考欄で補足しておくといいでしょう。

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大切なのは、中退した事実ではなく意味

履歴書に中退歴を書く際のポイントについて解説しました。中退という学歴自体は、決してネガティブなものではないことがおわかりいただけたでしょうか。大切なのは中退した事実ではなく、中退によって得た結果や理由です。中退したことがその後の人生に良い影響を与え、成功を収めている方も少なくありません。

中退の経験があったとしても、自身のアピールポイントをしっかり打ち出すことが大切です。そして、中退によって得たものを面接官に伝えられれば、より説得力がある理由になるだけでなく、中退をポジティブなものとして捉えてもらえる可能性も高くなるでしょう。

※2020年6月に記載した記事です。

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