2022.11.01

履歴書に書く退職理由は「一身上の都合」のみ?ケースに応じた記入例を解説

履歴書に書く退職理由は「一身上の都合」のみ?ケースに応じた記入例を解説

履歴書の職歴欄を書いているとき、「前職を辞めた理由をどのように書けばよいのかわからない」と悩んでいる方もいるかもしれません。さまざまな理由があり、辞めざるをえなかったのが本当でも、履歴書には簡潔に退職理由を記す必要があります。

一般的には、「一身上の都合」という文言がよく使われますが、これはどのようなケースで用いられるものなのでしょうか。本記事では、履歴書に記載する退職理由と、その退職理由があてはまる条件などをわかりやすく解説しています。

また、退職理由の詳細を履歴書に記さねばならないのか、どのようにフォローすればよいのかといった疑問にもお答えしていますので、ぜひ参考にしてください。

 

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退職理由は「会社都合」と「自己都合」の2つ

履歴書には、自分の職歴を記入する欄があります。正社員として働いていたことだけでなく、パートやアルバイトに関してもこの欄に記入しますが、退職理由にはどのようなものがあるのでしょうか。以降では、「自己都合」と「会社都合」の2つに分けられる退職理由と、それぞれが使われるのはどのようなケースなのかを解説します。

「会社都合」のケース

会社都合の退職は、おもに「会社事情」「会社からの働きかけ」の2つの退職が該当します。

会社の事情による退職の例
・給与の遅配
・給与の大幅ダウン
・セクハラやパワハラを受けた
 

会社からの働きかけによる退職の例
・会社倒産による整理解雇
・会社倒産による退職勧奨

 

「会社都合」による退職の条件

「会社都合」で退職した場合は、履歴書に「会社都合により退職」と記入します。このように書く場合の条件は、上述した倒産や事業所の廃止、大量リストラによる退職のときです。また、自分に重大な過失がない状態での解雇や、事前に提示された労働条件と事実が大幅に異なった場合の離職、賃金の大幅なカットや未払いが原因の離職なども会社都合による退職となります。

このほかにも、上司や同僚による嫌がらせが原因の離職や、早期退職優遇制度を利用しない退職勧奨による離職、更新されるはずだった労働契約の更新が行なわれなかったことによる離職などが含まれます。「会社都合」の退職かどうかは、最後まで自分が辞める意志を示さなかったかどうかです。退職勧奨による離職のケースでは、会社側からの求めを承諾した場合、自分から退職したと見なされる場合があります。

次に述べる「自己都合」のケースになるかもしれませんので、注意しましょう。

「自己都合」のケース

一般的に、正社員の退職理由のほとんどは「自己都合」です。履歴書には、「一身上の都合により」という文言で記載しますが、先述した「会社都合」以外のケースがすべて含まれます。自分自身の家庭の事情など、やむをえない状況で退職したケースに加えて、会社の規約違反や違法行為などが原因で懲戒解雇された場合も、「自己都合」による退職です。

「自己都合」の退職の場合は、その理由を履歴書に明記する必要はありません。通常は、「一身上の都合により退職」とだけ記載します。

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退職理由は「離職証明書」や「退職証明書」で確認可能

自分のケースがどちらに該当するのかはっきりしなかったり、どのように処理されているのかがわからなかったりする場合は、失業手当を受給するために利用するハローワークで確認することができます。会社は、「離職証明書」という書類をハローワークに対して提出しており、この内容をもとにハローワークで「雇用保険被保険者離職票-1」および「雇用保険被保険者離職票-2」という書類が発行されます。

「雇用保険被保険者離職票-2」の右下には、「具体的事情記載欄(事業主用)」という欄で退職理由があるため、確認してみましょう。「会社都合による退職なのか」「自己都合による退職なのか」は、勤めていた会社に請求することでもらえる「退職証明書」でも確認できます。

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退職の理由は履歴書に書くべき?

退職の理由は、必ず履歴書の職歴欄に書く必要があるのでしょうか。まずは、理由を具体的に書くべきケースと、それ以外のケースに分けて解説します。

退職理由を具体的に書くべきケース

前提として、履歴書の職歴欄には必ず退職理由を書かなければいけません。ただし、そのなかでもより具体的に理由を書いたほうが良いケースがあります。

まず、短期間で仕事をいくつも変わっているなど、「転職回数が多い場合」は具体的に退職理由を書くべきでしょう。転職回数が多ければ、採用担当者に「採用してもすぐに辞めてしまうのではないか」といった疑念を与えかねません。このような疑念を払拭するためにも、採用担当者が納得できるような理由を書いておくべきです。

さらに、「これまで勤めてきた職業に一貫性がない場合」や「職歴に長期間のブランクがある場合」にも退職理由を具体的に書いたほうが良いでしょう。業種や職種に一貫性がなければ、スキルや経験値が中途半端ではないかといった不安を持たれてしまうかもしれません。また、職歴にブランクがある場合には、その空白期間に何をしていたのかを気にする可能性も高くなります。

退職理由を具体的に書かなくても良いケース

上記の「退職理由を具体的に書くべきケース」にあてはまらなければ、退職理由は「一身上の都合により退職」「契約満了のため退職」といった定型文でも良いでしょう。
具体的には、下記のようなケースが挙げられます。

・自己都合の場合
自己都合で退職願や退職届を出した場合には、「一身上の都合により退職」と記載すればOKです。

・期間契約で働いていた場合
派遣社員や契約社員など、あらかじめ会社との契約期間が定められている方は少なくありません。このような方が契約期間を満了して退職する場合には、「契約期間満了により退職」と記載しましょう。

・会社側から労働契約を解除された場合
リストラや倒産など、会社の都合で退職させられる場合もあるかもしれません。これらのケースは会社都合に該当します。そのため、職歴欄には「会社都合により退職」と記載します。

なお、退職も退社も「会社を辞める」という意味ですが、退社の場合は、「仕事を終えて会社を出る」という意味もあるため、履歴書に記載する場合は、退職を使うのが一般的です。

嘘の退職理由を記載するのは経歴詐称に

履歴書に虚偽の退職理由を記入してはいけません。例えば、本当の退職理由は「自己都合」にも関わらず「会社都合」と記入したり、リストラの一環として退職せざるをえなかったのに「自己都合」と記入したりするのは、経歴詐称となります。本当の退職理由が就職活動に不利となる可能性も否定できませんが、そこで事実と異なる退職理由を記載してはいけません。

本当の退職理由を記載すると不利になると考える場合は、「詳細について書かない」という選択もできます。のちのち本当の退職理由が判明して経歴詐称を理由に解雇されたり、大きな問題に発展したりする事態を避けるためにも注意してください。

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「一身上の都合」の詳細については書かなくて大丈夫

「自己都合」による退職については、基本的に「一身上の都合」以外に理由を詳しく記入する必要はありません。履歴書の職歴欄は、キャリアの概略を伝えるためのものとなるため、詳しい情報を書き込むだけのスペースがなく、詳細に記入すると、読みにくくなる可能性もあります。

具体的な退職理由を記入しないと自分に不利となる場合をのぞいて、履歴書の職歴欄は、「一身上の都合」もしくは「会社都合」による退職を示すだけで大丈夫です。「会社都合」による退職に関しては、「契約満了による退職」「会社都合による退職」といった決まりきった言葉だけでも問題ありません。

具体的な退職理由に関しては、面談で尋ねられることもあるでしょうが、その際は自分の言葉でフォローしましょう。その際の注意点は、次の項目で紹介します。

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 面接で「一身上の都合」の詳細を尋ねられたときの対処方法

 

面接では、応募先企業が退職理由を気にかけてくることがあります。履歴書や職務経歴書などで退職の具体的な理由がわからない場合は、面接で尋ねられる可能性が高いでしょう。以降では、面接で「一身上の都合」による退職の理由を尋ねられた場合の対処方法や、注意点について解説します。

かたくなに「一身上の都合」とだけ答えない

たとえ、面接で退職理由の詳細を尋ねられたとしても、基本的に退職理由の詳細を答える義務はありません。とはいえ、かたくなに「一身上の都合」と答えるだけでは、採用担当者から「何か裏があるのではないか」「いえないような理由があるのではないか」など、探られる可能性があります。

そのため、面接では、かたくなに退職理由を伝えないことは望ましくありません。できるだけ自分に不利な状況に陥らないように表現を変えるよう心がけましょう。次の見出しでは、ネガティブにとらえられがちな退職理由をどのように言い換えるかの例を紹介しますので、参考にしてください。

ネガティブな印象を与えないよう言い換える

退職理由の詳細を述べる際は、ネガティブな印象を与えないことも大切です。例えば、「給料の少なさが原因で退職した」とだけ述べると、応募先企業が二の足を踏みかねません。給料の少なさが退職理由だった場合は、「今後給料が上がる見込みが少なく、モチベーションの維持につながりにくかったため、収入の増加が見込める御社のような職場で働くチャンスがほしく辞職しました」などと、言い換えてください。

また、人間関係に問題があった場合は、「人の入れ替わりの少ない職場で、新しい刺激を与えられたり、チャレンジする場が少なかったりするように感じ、より多くの人とふれあえる場がほしいと退職しました」と答えてもよいでしょう。これらは、いずれも答え方の一例に過ぎません。自分の状況をより前向きにとらえられる言葉を使って、退職理由を述べるようにしてください。

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状況別・退職理由の具体的な例文

具体的な退職理由が必要なケースでは、どのように書くとよいのでしょうか。
ここでは、状況に分けて退職理由の例文をいくつかご紹介します。

業種・職種が大きく変わった場合

業種や職種が大きく変わる場合、何が理由なのか採用担当者にとっては気になるところです。またその理由を知ることで、採用のハードルが下がるケースもあります。採用担当者が納得できる理由を記載しましょう。

<業種・職種が大きく変わった場合の例>

  • ●2016年3月 ○○株式会社 海外留学により退職(2016年4月~2018年3月、○○ランゲージスクールに語学留学)
  • ●2019年8月 株式会社△△ 資格取得のため退職(2019年5月○○資格を取得)

転職回数が多い場合

転職回数が多い場合、やむをえない事情があったとしても「一身上の都合により退職」という定型文だけでは、その背景を読み取ることは難しいものです。そのため、より具体的に理由を書いておく必要があります。
何度も転職を繰り返した理由に納得できれば、採用担当者の印象もマイナスに傾きにくいでしょう。

<転職回数が多い場合の例>

  • ●2016年5月 ○○株式会社 親の介護に伴い退職
  • ●2017年6月 株式会社△△ 結婚に伴い退職
  • ●2018年3月 □□株式会社 出産に伴い退職

離職期間が長い場合

離職期間が長ければ、「この空白期間に何をしていたのか」と疑問に思われます。もしも、応募の直前に長いブランクがあれば、社会人として復帰できるのか採用側に心配されるかもしれません。

このような不安を持たれないためにも、離職期間が長くなった理由は具体的に書きましょう。病気の治療の場合、現在は治療が終わっていることも書き加えるとベストです。

また、長い離職期間のあいだに新しいスキルを身に付けたことをアピールできれば、企業がマイナスに受け取る可能性は低いといえます。それが応募先の企業にとって役立つスキルであれば、より良い印象を与えることができるでしょう。そのため、離職期間中に何か資格を取得した場合には、その旨も記載しておきましょう。

<離職期間が長い場合の例>

  • ●2018年11月 病気治療のため○○株式会社 退職(現在は完治。勤務に支障はありません)
  • ●2019年2月 資格取得のため△△株式会社 退職(2019年10月、□□□の資格を取得)

やむをえない退職理由については「自己PR」欄や「志望動機」欄でフォロー

やむをえない理由で退職に至ったことで、何らかのフォローを入れたほうが良いときは、履歴書の職歴欄ではなく、「自己PR欄」や「志望動機欄」に自分の考えや経緯などを書き入れて、フォローしましょう。この際、注意してもらいたいのは、退職理由を会社や同僚、環境などのせいにしないことです。

実際に、何らかの原因があったとしても、その詳細を書いて責任転嫁を図ることは、ネガティブな印象を与えかねません。退職に至った事実を客観的かつ簡潔に書き、その経験を今後のキャリアにどのように活かそうとしているのかに注力するのがおすすめです。未来を見すえた内容を記載するようにしましょう。

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まとめ

履歴書の職歴欄には、これまで勤めた会社の退職理由を書く必要があります。退職理由を大別すると「会社都合」と「自己都合」の2つです。しかし、「会社都合」の退職は、自分の意志とは関係なく退職せざるをえなかったケースに限られます。それ以外は、すべて「自己都合」の退職と考えてください。

「自己都合」の退職の場合、詳細を履歴書に記載する必要はありません。「一身上の都合」という定型の文言で大丈夫です。しかし、のちのち面接などで退職理由の詳細を尋ねられる可能性があるため、ネガティブな印象を与えないよう言い換えて表現してください。

本記事に挙げている、状況別・退職理由の具体的な例文を参考に、やむをえない退職理由についてフォローするように心がけましょう。

 

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