2024.03.05

「申し訳ありません」と「申し訳ございません」の違いは?使い方を例文付きで解説!

「申し訳ありません」と「申し訳ございません」の違いは?使い方を例文付きで解説!

謝罪の際に「申し訳ないです」「申し訳ありません」「申し訳ございません」という表現を使うことは、ビジネスシーンでは日常茶飯事ですが、状況に合わせた適切な言葉選びは意外と難しいものです。

謝罪の言葉を一つ取っても、使う場面や相手の立場によって選び方が変わってきます。

本記事では、「申し訳ない」「申し訳ありません」「申し訳ございません」という言葉の使い分け方と、それぞれが持つニュアンスの違いを明らかにします。また、ビジネスシーンでの具体的な使用例や、謝罪の言葉を強調するためのクッション言葉、さらには類語や言い換え表現についても詳しく紹介していきます。

相手へ敬意を示しながら誠実かつ適切に謝罪するスキルを身につけることは、信頼関係の構築に欠かせません。この記事が、あなたのコミュニケーションスキルを一層磨くための参考になれば幸いです。

「申し訳ない」の正しい意味

まず「申し訳ない」の意味について見ていきましょう。

【「申し訳ない」の意味】

  • 1. 言い訳のしようがない。弁解の余地がない。相手にわびるときに言う語。
  • 2. 相手に無理な依頼ごとをして、すまないという気持ちを表す語。

(参考:デジタル大辞泉

「申し訳ありません」「申し訳ございません」は誤用とは言い切れない

「申し訳ありません」や「申し訳ございません」をWeb検索した際、サジェストに「おかしい」「間違い」「誤用」などの言葉が並んでいるのを目にした人も多いでしょう。

「申し訳ありません」や「申し訳ございません」という言い回しは、間違っているという説と間違ってないという説があります。

本サイト(BOMS)の結論としては「捉え方の違いなので誤用とは言い切れない」です。なので、どちらを使っても問題ありません。白黒はっきりしない回答になりましたが、その理由を以下で説明します。

■「申し訳ありません」「申し訳ございません」を誤用とする説
「申し訳ない」をひとつの形容詞として捉えた場合、ひとつの言葉を「申し訳+ない」と分解するのはおかしいことになります。そのため「ない」の部分を「ありません」や「ございません」に変えて「申し訳ありません」「申し訳ございません」とするのは間違っているという考え方です。

この考えに基づくと、「申し訳ない+ことでございます」などであれば正しい表現となります。

■「申し訳ありません」「申し訳ございません」は間違っていないとする説
「申し訳」は「弁解」「言い訳」を意味します。そのため、「申し訳」を名詞として捉えた場合、「ありません」や「ございません」をつけても間違っていないという考え方です。

2つの説の理由はご理解いただけたでしょうか。

ちなみに、デジタル大辞泉には以下のような補説があります。

【補説】
「申し訳」に「ない」の付いた複合形容詞で一語とするが、「申し訳」は名詞としても使われ、「申し訳がない」「申し訳が立たない」という言い方もある。従って丁寧にしようとして「申し訳ありません」「申し訳ございません」と言うことは、一概に誤りとは言えない。
(引用:デジタル大辞泉

どうしても気になるのであれば「申し訳ないことでございます」「申し訳なく存じます」を使うのが良いでしょう。

「申し訳ないです」「申し訳ありません」「申し訳ございません」の使い分け

「申し訳ないです」「申し訳ありません」「申し訳ございません」の三つは、謝罪やお詫びを表す際に用いられる表現です。

これらの3つは丁寧さの度合いが異なります。「ない→ありません→ございません」の順に丁寧さの度合いが高まります。

以下にそれぞれの表現と使い分けについて説明します。

申し訳ないです|カジュアルな表現

「申し訳ないです」は、比較的カジュアルなシチュエーションや親しい関係の人に対して使用される表現です。日常的な会話や友人間での軽いお詫びに適しています。ビジネスシーンでは避けた方が無難です。

申し訳ありません|ビジネスでの標準的な謝罪表現

「申し訳ありません」はビジネスシーンを含む多くの場面で広く使われる標準的な謝罪の表現で、「申し訳ないです」よりも丁寧な謝罪表現です。比較的公式な場でも使用できる汎用性の高い表現です。

申し訳ございません|相手に対して最大限の敬意を示した謝罪表現

「申し訳ございません」は、より丁寧でフォーマルな謝罪を表す際に使用される表現です。この表現は、相手に対して最大限の敬意を示し、深い謝罪の意を伝えるのに適しています。

ビジネスシーンで上司や顧客に対し謝罪する際には「申し訳ございません」の表現を使うと良いでしょう。

使い分けのポイント

以下のポイントを踏まえて使い分けると良いでしょう。

■使い分けのポイント3つ

  • 1. 相手との関係性
  • 2. 場面の公式性
  • 3. 謝罪の深さ
  • 友人や家族など親しい関係の場合は「申し訳ないです」
  • 上司や取引先など、相手への敬意を示す必要がある場合は「申し訳ありません」
  • 相手に対して最大限の敬意を示した謝罪表現は「申し訳ございません」

ビジネスシーンを想定した例文

ビジネスシーンを想定し、「申し訳ないです」「申し訳ありません」と「申し訳ございません」を使った例文をいくつか紹介します。

申し訳ないです

ビジネスシーンにおいて「申し訳ないです」を使用する場合は、親しい同僚や部下とのコミュニケーションが想定されます。

■同僚への軽微な遅延のお詫び
「会議の資料、まだ準備できていないんです。もう少し時間をください、申し訳ないです。」

■部下への指示ミスのお詫び
「昨日のメールで間違った情報を送ってしまったね。混乱させてしまって申し訳ないです。」

■カジュアルな状況での約束のキャンセル
「今日のランチ、体調が優れないのでキャンセルさせてください。本当に申し訳ないです。」

■親しい同僚への小さな手違いのお詫び
「今日の会議室予約、あなたが使うって話をすっかり忘れてて、自分のミーティングに使ってしまった。代わりの場所を見つけるの手伝うよ、本当に申し訳ない。」

申し訳ありません

■遅延について
「お待たせして申し訳ありません。渋滞に巻き込まれてしまいました。」

■資料の誤りについて
「提出した資料に誤りがありました。確認不足で申し訳ありません。」

■ミーティングのキャンセルについて
「急な体調不良で本日のミーティングをキャンセルせざるを得なくなりました。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。」

■期限の遅れについて
「プロジェクトの期限に遅れが生じそうです。大変申し訳ありません。」

申し訳ございません

■顧客への対応ミスについて
「お客さまのご要望を正確に把握できておらず、大変申し訳ございません。ただちに対応させていただきます。」

■商品の不具合について
「お届けした商品に不具合があったとのこと、深くお詫び申し上げます。速やかに交換手続きを取らせていただきます。申し訳ございません。」

■納期遅延について
「納期をお約束したプロジェクトが遅れてしまい、大変申し訳ございません。全力を尽くして速やかに解決策を見つけ、進捗をご報告いたします。」

■予約ミスついて
「お客さまが予約されたサービスがシステムのエラーにより正常に処理されておらず、予約できていなかったことが判明いたしました。このたびは大変なご迷惑をおかけし、申し訳ございません。速やかに代替の手配をさせていただきます。」

「申し訳ないです」「申し訳ありません」「申し訳ございません」を使う時のポイント

謝罪の言葉「申し訳ないです」「申し訳ありません」「申し訳ございません」を伝える際にはいくつかのポイントがあります。

謝罪の言葉は多用しすぎない

謝罪の言葉を多用しすぎるとその重みが薄れてしまい、相手への敬意や謝罪の気持ちが伝わりにくくなります。また、相手にもくどいと思われてしまったり、謝る癖がある人だと誤解されてしまう可能性もあるでしょう。

必要な時に適切な表現を選んで謝罪することが、信頼関係を築く上での鍵です。

親しい間柄で「申し訳ございません」は適さない

親しい間柄で「申し訳ございません」を使用することは、その場の雰囲気や相手との関係によっては適さないことがあります。

親しい人とのやり取りでも相手に対する心のこもった謝罪が求められますが「申し訳ございません」だと、距離感を生み出してしまう恐れがあります。

その場合は「ごめんね」「申し訳ない」といった、もっと親しみやすくカジュアルな表現の方が適しているでしょう。

謝罪の程度や真摯さを強調する言葉

「申し訳ありません」や「申し訳ございません」といった謝罪の言葉の前には、「大変」「誠に」「本当に」のような言葉を付けることで、謝罪の程度や真摯さを強調することができます。

  • 大変申し訳ございません
  • 誠に申し訳ございません
  • 本当に申し訳ございません

「申し訳ありません」「申し訳ございません」の前に付けるクッション言葉

「申し訳ありません」「申し訳ございません」という謝罪の言葉の前につけるクッション言葉は、相手に対する敬意を示すとともに、謝罪の意をより丁寧に伝えられます。
クッション言葉をいくつか紹介します。

■クッション言葉

  • ご迷惑をおかけして
  • お手数をおかけして
  • 失念しており

ご迷惑をおかけして

「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」という表現は、相手にとって不利益や煩わしいと感じることを引き起こした際に使います。

ビジネスシーンでは納品遅延、ミーティングのドタキャン、予期せぬトラブルなどが発生した場合に適しています。

  • ご迷惑をおかけして申し訳ありません
  • ご迷惑をおかけして申し訳ございません

お手数をおかけして

「お手数をおかけして申し訳ありません」「お手数をおかけして申し訳ございません」という表現は、相手に余計な労力や時間を費やさせた際に使います。

ビジネスシーンでは書類やデータの再提出をお願いする場合、追加の作業を依頼する場合、複雑な手続きやプロセスを依頼する場合に適しています。

  • お手数をおかけして申し訳ありません
  • お手数をおかけして申し訳ございません

失念しており

「失念しており申し訳ありません」「失念しており申し訳ございません」という表現は、自分が何かを忘れてしまった結果、相手に不便や問題を引き起こしてしまった際に使います。

ビジネスシーンでは約束や会議、タスクを忘れた場合などに適しています。

  • 失念しており申し訳ありません
  • 失念しており申し訳ございません

「申し訳ありません」「申し訳ございません」の類語・言い換え表現

「申し訳ありません」「申し訳ございません」の類語・言い換え表現をいくつか紹介します。

■「申し訳ありません」「申し訳ございません」の類語・言い換え表現

  • 失礼いたしました
  • 大変失礼いたしました
  • 無礼いたしました
  • お詫び申し上げます
  • 心よりお詫び申し上げます
  • 陳謝いたします

失礼いたしました

比較的軽い謝罪やカジュアルなシチュエーションに適しています。

■例文
「会議中に携帯電話の音が鳴ってしまい、失礼いたしました。今後、気をつけます。」

お詫び申し上げます

フォーマルな謝罪をする際に用いられる表現で、ビジネスシーンに適しています。

■例文
「製品に不具合が発生したこと、深くお詫び申し上げます。速やかに交換対応いたします。」

陳謝いたします

非常にフォーマルな状況や重大なミスに対する謝罪に適しており、深い謝罪の意を表します。

■例文
「システムの不具合により、昨日一日サービスが中断してしまいました。ご利用の皆様には大変なご迷惑をおかけしましたこと、陳謝いたします。」

まとめ

  • 「申し訳ない」には言い訳や弁明の余地がない、すまないという気持ちがある
  • 「ない→ありません→ございません」の順に丁寧さの度合いが高まるので、「申し訳ないです」「申し訳ありません」「申し訳ございません」もそれに合わせて使いわけるのが良い
  • 謝罪の言葉は多用しすぎない
  • 親しい間柄で「申し訳ございません」は適さない
  • クッション言葉には「ご迷惑をおかけして」「お手数をおかけし」「失念しており」などがある
  • 類語・言い換え表現には「失礼いたしました」「お詫び申し上げます」「陳謝いたします」などがある

本記事では「申し訳ない」「申し訳ありません」「申し訳ございません」という謝罪の表現の違いと、それぞれの正しい使い方について取り上げました。

カジュアルなシチュエーションからビジネスのフォーマルな場面まで、相手に対する敬意を示しながら適切に謝罪するためには、状況に応じた言葉選びが重要です。

これらの表現を適切に使い分けることで、信頼関係の構築や維持に役立つでしょう。

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